自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 103話 ネタバレ ノベル 原作 あらすじ もう全て終わった

103話 オデットはティラを新大陸へ送ろうとしています。

もじもじしながら、

躊躇っていたティラは、

必ず、

そうしなければならないのかと

慎重に尋ねました。

 

ショーウインドーの向こうの通りを

見ていたオデットは、

静かにため息をつきながら

ティラへ視線を移しました。

彼女は、ひどく緊張した顔で

様子を窺っていました。

隣に座っている婚約者も同じでした。

 

オデットは、

それが、結婚を許可する条件だと

答えました。

ティラは、

こんなに急に外国に行くのは不可能だ。

ニックの考えも変わらないと反論し

同意を求めるように婚約者を見ました。

 

冷めたお茶で唇を潤したオデットは

ベッカーさんの気持ちはどうかと

落ち着いて質問しました。

ビクッとしたニック・ベッカーの顔が

赤くなりました。

 

「あの、僕は・・・」と

ティラの婚約者がグズグズして

答えるのを躊躇っている間に、

正時を知らせる時計台の鐘の音が

鳴り響きました。

 

オデットは辛抱強く待ちながら

周りを見回しました。

閑散としていた

週末の午前中のカフェは、

いまや昼食に来た客で

賑わい始めていました。

社交界の人々と会わないような場所を

慎重に選びましたが、

油断は禁物でした。

 

こうやって会っているのを、

そろそろ止めなければと

判断を下した頃、

ニック・ベッカーは、

自分は大丈夫。話してくれた通り、

できるだけ早く結婚してから

出発するようにすると

力強く返事をしました。

 

ティラは「ニック!」と

心配そうに呼びましたが、

彼は、大丈夫だと返事をすると

人の良さそうな笑顔で、

当惑したティラをなだめました。

再びオデットに向き合った顔には

かなりの芯の強さがありました。

 

ニックは、

もちろん簡単なことではないけれど

ティラと一緒なら

うまくやっていく自信がある。

新大陸に定住した、いとこがいるので

助けを求めることもできるだろうと

言いました。

 

オデットは、

ニックの両親が結婚に反対していると

聞いたけれど

その問題は解決したのかと

尋ねました。

ニックは「はい」と返事をし、

幸いにも、ティラとお腹の中の子供を

受け入れてくれたと答え、

心配をかけて、本当に申し訳ないと

深く頭を下げて謝罪しました。

 

彼はいい人だ。

オデットは、これ以上疑うことなく

その事実を受け入れました。

年齢はティラと同じでしたが、

はるかに思慮深く、

慎重に見えました。

もちろん、

軽率なミスを犯したけれど、

その後に見せた行動は

信頼感を与えるのに十分でした。

 

お腹をギュッと抱き締めている

ティラを見たオデットは、再び、

ニック・ベッカーに視線を移して

もうすぐ子供が生まれるけれど

将来の計画は立てているかと

尋ねました。

 

ニックは、

父親の木工所の仕事を手伝いながら

身につけた技術があるので、

仕事を見つけるのは

難しくないだろう。

いつかは、そこに

自分の工房を建てることを目標に

頑張っていく。

どうせ、父の木工所は

兄が引き継ぐことになっているので

この機会に独立して、

将来に備えるのも悪くないと思うと

答えました。

 

緊張しているせいで

声が震えていましたが、

ニック・ベッカーは屈することなく

自分の意見を述べました。

木のように堅い印象を与える

男でした。

全てのことに感情的なティラとは

全く違う姿でした。

 

ティラは今にも泣きだしそうな顔で

ニックに、

やめるように。

こんな理不尽な要求まで

受け入れる必要はないと言って

首を振りました。

短く目配せすることで

了解を求めたニック・ベッカーは、

ぶっきらぼうだけれど、

優しい手つきでティラを慰めました。

 

彼は、良い機会が訪れたと思う。

特にティラにとっては

良かったと思うと言いました。

ティラは「何が?」と尋ねると

ニックは、

そこでは誰も君の出身を

問題視しないから。

一生君を苦しめて来た差別と偏見から

解放される。

全く、新しい人生を

始められるかもしれないと答えました。

 

ティラを見つめる

ニック・ベッカーの眼差しからは、

心からの憐憫と愛情が

滲み出ていました。

最後の心配まで消したオデットは、

カバンから取り出した分厚い封筒を

2人の前に差し出しました。

 

オデットは、

難しい決定をしてくれたことに

お礼を言うと、

これだけあれば、

適当な住まいを見つけて、

生活用品を揃えるくらいは

できるだろう。

そして、これは2人の乗船券だと告げて

もう1つの封筒を渡しました。

 

「とんでもない、お姉様!」

並べて置かれた、

2つの封筒を確認したティラの目が

飛び出るように大きくなりました。

新大陸への移民船の乗船券でした。

 

ティラは、

10月31日だなんて、

これは早過ぎると訴えました。

オデットは、

ギリギリの日程だけれど、

それでも急げば、

いくらでも結婚式を行い、

移民の準備ができると思うと

告げました。

 

ティラは、

一体どうして、

こうしなければならないのか。

お姉様の名誉に

泥を塗るようなことをした自分が

恥ずかしいのか。

それで早く結婚させて、

遠くへ追い出そうとしているのかと

尋ねました。

 

慌てたニック・ベッカーが

ティラを引き止めましたが

彼女は退きませんでした。

 

ティラは、

もう父もいないので、

高貴なお姉様の人生に残った

最後の染みを消すように、

最後の足枷である腹違いの妹も

片付けてしまいたいのだろうと

非難しました。

 

オデットは、

一抹の動揺もない顔で

「落ち着いて、ティラ・ベラー」と

ティラを叱りました。

 

ベラー。

じっと、その名前を

繰り返し呟いていたティラは、

結局、これ以上我慢できなくなり

泣き出しました。


ティラは、

そう、その通り。これは全て、

自分がベラーだからではないかと

尋ねました。

オデットは、

それは、どういう意味かと

逆に質問しました。

 

ティラは、

もし自分がディセンだったとしても

お姉様は、

こんな決定を下したのか。

いいえ、とんでもない。

結局、お姉様とは格が違う

メイドの娘だと

思っているのではないかと

主張しました。

 

オデットは、

そんな馬鹿げたことを言って

気分が良くなるなら、

そうすればいい。

お腹の中の子供に聞かせるような

話ではないけれどと

冷淡な忠告をすると、立ち上がって

出発する準備をしました。

悲しそうにすすり泣くティラには、

目もくれないままでした。

 

「行かないで、お姉様!」

切羽詰ったティラは、

しがみつくように

オデットのコートの裾をつかむと、

自分はニックの故郷へ行って

静かに暮らすつもりだ。

お姉様に迷惑をかけるようなことは

絶対にない。約束できると

主張しました。

そして、

お姉様は、本当に自分がいなくても

大丈夫なのか。自分は違う。

お姉様がいない遠い所へ行きたくない。

どうか自分を行かせないでと

懇願しました。

 

しかし、オデットは、

子供のように振る舞わないでと

叱ると、

優しいけれど毅然とした動きで

ティラの手を離しました。

 

オデットは、

ニックにティラのことを頼み、

この件の進め方が決まったら

連絡して欲しいと頼みました。

 

ニックは慌てて表情を整えると

そのようにする。

ティラのことは心配ないと返事をし

力強く頷きました。

 

しわくちゃになった袖口を

整えたオデットは、

短い黙礼を最後に席を立ちました。

母親を探す子供のような

ティラの泣き声が胸を引き裂いても

振り返りませんでした。

無責任な憐れみは、

かえって毒になる。

ティラのために冷酷になる時でした。

 

カフェを出たオデットは、

ただ前だけを見て歩き続けました。

日差しが降り注ぐ並木道と公園を通り

迷路のように複雑な裏路地を

通りました。

やがて賑やかな街の中心部に入ると

いつの間にか約束の時間が

近づいていました。

 

買い物に出かけたように

見せるためのものを

いくつか購入したオデットは、

急いで市役所前の広場へ

向かいました。

そこで待機していた運転手は

礼儀正しくオデットを迎えました。

 

オデットはハンスにお礼を言うと、

もうアルデンに戻ると告げて

後部座席に乗り込みました。

ほんのわずかなガラクタが

全てである荷物を

不思議に思っている様子でしたが、

幸いにもハンスは何も聞くことなく

指示に従ってくれました。

 

もう全て終わった。

オデットは、

唯一の慰めとなるその事実を

繰り返しながら目を閉じました。

バスティアンは、

細めていた目を上げて

バーの入り口を見つめました。

私立学校の制服に似たウールのスーツを

きちんと着こなした男が

クラブハウスに入ろうとしていました。

マクシミン・フォン・ジェンダス。

メガネと帽子、それに杖まで。

スポーツ好きが主流を占める

このクラブで、

よく見かけるような外見では

ありませんでした。


チラッとそちらを見たエーリッヒは

孤高のジェンダス伯爵が、

どうして、こんなに

むさくるしい所へ来たのかと

ひねくれた冗談を言いました。

グラスを傾けながら

お喋りしていた一行の視線は

一斉に、そちらへ集中しました。

 

あの人は、

このクラブの会員だったのか?

 

ジェンダスではないか。

このベルクの空の下に

ジェンダスが出入りできない

社交クラブはないと言っても

過言ではないだろう。

 

昔に比べたら、

随分、落ちぶれたのではないか。

お金を稼ぐ才能は、

まるっきりダメなようだが。

 

それでも、

ジェンダスはジェンダスだろう。

 

確かに、巨万の富を積んでも

手に入らない名誉ではある。

 

それは、分からない。

クラウヴィッツの財産ぐらいなら

可能かもしれない。

 

くだらない論争の火の粉が、

不意に、とんでもない方向へ

飛んで来ました。

 

エーリッヒはバスティアンに、

クラウヴィッツが金で手に入れた

クラブ会員証も

ジェンダスが相続したものに

劣らないのではないかと

尋ねました。

クスクス笑うエーリッヒの顔は、

すっかり酔いが回って、

赤く染まっていました。

 

バスティアンは、

さあ。

正確に数えたことがないからと

答えると、

大したことないというように笑い

氷が半分溶けたウイスキーのグラスを

満たしました。

 

息を殺したまま

顔色を窺っていた将校たちが

ようやく一息ついた瞬間、

エーリッヒ・ファーバーは、

巨万の富を積んでも

手に入らないものなんて、

何があるのだろうか。

金さえあれば貴族の奥さんも買える

世の中になったと、

もう一度失言をしました。

 

「エ、エーリッヒ!」

慌てたルーカスが制止しましたが、

すでに、エーリッヒは

自制が効かないほど酔っていました。

 

彼は、

それだけの投資価値が

あることではある。

同じ父親を持ちながら、

バスティアンの腹違いの弟は

兄より何一つ

優れているところがないのに、

ただ貴族の母親を

持っているという理由だけで、

はるかに良い待遇を

受けているではないかと言うと

舌打ちをして、

テーブルの端に置かれた酒瓶を

持ち上げました。

 

そして、エーリッヒは、

でもあまり悔しがらないように。

あなたは父親より

高価な妻を手に入れた。

皇帝の姪で公爵の娘だなんて、

血統一つは、

この帝国で最高と言っても

過言ではないと言いました。

 

バスティアンは

「そう?」と平然と反問すると

エーリッヒの手の中で

空回りしているウイスキーのボトルを

代わりに開けてやりました。

 

エーリッヒは

ニヤニヤしながら頷くと、

当然だ。その代わり、

他の条件が悲惨ではあるけれど、

それはまあ、

君が余るほど持っているものだ。

高貴な血統と

莫大な財産を全て手に入れる

君の子供は、普通の貴族とは

比べものならない地位に

上り詰めるだろうと断言する。

巨万の富が作った新時代の貴族。

これこそ皇帝が英雄に授けた

真の贈り物ではないかと言いました。

 

頼むから、その口を閉じろという

ルーカスの一喝によって

エーリッヒの度を越した長広舌は

幕を閉じました。

興奮したエーリッヒが

罵声を浴びせると、

ルーカスも負けじと応酬しました。

 

その騒ぎが、

そろそろ退屈になったバスティアンは

このくらいで席を立ちました。

ちょうど、ジャケットを手にした瞬間

伯爵と目が合いました。

 

バスティアンは短い黙礼で

礼儀を尽くしました。

マクシミンも

同様に挨拶を返しました。

いつもと同じように

上品な態度でしたが、

どこか気まずい印象を拭い去るのは

困難でした。

ディセン公爵の葬儀で目撃したのと

同じ姿でした。

 

巨万の富でも持てない名誉。

何気なく聞き流した

ジェンダスの評判を繰り返す

バスティアンの口元に

ふっと笑みが浮かびました。

 

果たしてそうだろうか?

ふと、それが気になった

バスティアンは踵を返して

伯爵の方を向きました。

 

日の当たる窓際のテーブルに座った

マクシミン・フォン・ジェンダスは

ティーカップを前に置いて

本を読んでいました。

人妻と戯れている男とは思えないほど

上品な姿でした。

 

今のところ、

最も興味を引く取引の条件に向かって

バスティアンは

大きな一歩を踏み出し始めました。

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ジェンダスはジェンダス

ということは、

どんなに落ちぶれても、

ディセンはディセンで、

どんなに成功しても、

古物商の孫は古物商の孫のまま。

ティラは私生児で、

ディセンの名前を

もらえなかったという理由で

葬儀の時に遺族席に

座らせてもらえなかった。

父親が放蕩の限りを尽くしても

皇室から追放された身であっても

オデットは、

皇女とディセン公爵家の血を

受け継いだ誇りが

身を助けていたのではないかと

ふと思いました。

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いつも

コメントをありがとうございます。

 

クリスマスも終わり、私は明日から

年末年始の休みに突入しますが、

泊りがけの旅行へ行くことも

ありませんので、1/4(日)まで、

毎日記事を更新したいと思います。

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