自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 106話 ネタバレ ノベル 原作 あらすじ 本能にさえ逆らう男

106話 サンドリンはバスティアンに迫りましたが・・・

しがみつくように抱きついた

サンドリンを押し退けたバスティアンは

思ったより頭が悪いと

低い声で囁きました。

乱れた呼吸とは裏腹に冷たい声でした。

 

半分ほど脱げたガウンを

整えたバスティアンは、

品位を保つようにと、

かましい忠告をしました。

再び近づくサンドリンを押し退ける手は

それほど手厳しくはなかったけれど

それゆえ、余計に、

冷酷さを際立たせていました。

深い水のように

静かな眼差しも同じでした。

 

バスティアン?」

そんなはずがないと、サンドリンは

努めて現実を否定しました。

密着した体を通して感じられた

硬い感触は、

決して錯覚ではありませんでした。

それに、

サンドリンを侮辱している瞬間にも

バスティアンの息遣いからは、

はっきりと熱のこもった感触が

伝わってきました。

 

バスティアンは、

自分が望むのは、

高尚な淑女役をこなしてくれる妻だ。

娼婦のように振る舞いたいなら、

他の相手を探すように。

あの若い画家の所へ行くのも

悪くない方法だと言いました。

 

侮蔑感で歪んでいく

サンドリンの顔に向き合っても、

バスティアンは平然と

刃のような言葉を続けました。

 

サンドリンは、

自分にそんなに関心があったなんて

嬉しい。

でも、他の女性と結婚したあなたが

自分の恋愛を非難するのは

おかしいと思わないかと尋ねました。

 

サンドリンは、

苦労して興奮を抑えながら

頭を上げました。

愛人の存在を隠すつもりは

最初からありませんでした。

いわば、それは、

バスティアンの結婚を容認した代償で

彼女が享受すべき正当な権利に

近かったからでした。

 

バスティアンは、

ただ助言をしているだけで、

令嬢を非難しようという意図はないと

告げると、濡れた唇を拭き

ゆっくりと目を伏せました。

 

サンドリンは呆れて

思わず大声で笑ってしまうと、

今さら上品ぶらないで。

一番下品に振る舞っているのは

まさに、あなたではないかと

非難しました。

 

バスティアンは、

だからこそ、もっと高尚な妻が

必要なのではないか。

夫婦が2人とも、そのようでは困る。

それは、とても下品ではないかと、

自分の過ちを

否定する気さえなさそうな顔で、

気乗りのしない返事をしました。

 

サンドリンは、耐え難い屈辱感が

頭のてっぺんまで

こみ上げてきましたが、

どうしても反論できませんでした。

 

出世のために

犬のようにへつらっていた

古物商の孫はもういない。

目の前に立っている傲慢な男が

突きつけたその事実を、

サンドリンは、これ以上

無視することができませんでした。

 

バスティアンの地位は、

彼らが暗黙の婚約を結んでいた時代とは

大きく変わっていました。

2度の海外戦線への服務で立てた

戦功による名声に、

皇帝という後ろ盾まで。

彼は結婚商売にこだわる必要はなく

十分な地位を確立しました。

もはや、ラビエルは、この関係において

優位に立っていないという意味でした。

 

焦ったサンドリンは、

まさか自分の父が施した恩を

全て忘れたのかと、

これまでの信義を武器にしました。

しかし、バスティアンは

冷ややかな笑みを浮かべながら、

ラビエル公爵は、

すでにその投資金の3倍は軽く超える

利益を手にしたと言うことで、

もう一度、

彼女の心を踏みにじりました。

 

サンドリンは、

だからといって、心の借金まで

なくなったわけではないと

反論すると、バスティアンは、

会わないうちに、

ずいぶん感傷的になったと

皮肉を言いました。

 

サンドリンは、

愛している。 あなたも自分の気持ちを

よく分かっているはずだと、

切実に訴えましたが、バスティアンは

何の動揺も見せませんでした。

ゆっくりとため息をつく

彼の顔から読み取れるのは、

濃い疲労感だけでした。

 

捨てられていたネグリジェを

拾ったバスティアンは、

そんな感情ごっこをしたいなら、

他の再婚相手を探せと

はっきり言ったはずだけれど

自分の記憶は間違っていたかと

落ち着いて尋ねました。

それを手渡されて初めてサンドリンは

自分が

一糸纏わぬ姿をしているということに

気づきました。

 

自分があなたを妻にしようとしたのは

飲み込みが早くて、

処世術に長けている面を

高く評価したからだ。

大きな野心を持つ

勝負師だと思っていた。

今見てみると、

どうやら誤った判断だったようだと

言いました。

 

バスティアン、私は・・・」と

呟くサンドリンに、バスティアンは

あなたを、そんな姿で追い出さないのが

自分が示すことのできる最後の配慮だ。

自分は1時間後に戻って来る。

まさか、ここで再び、

あなたに会うことはないと信じていると

陰気なほど低く沈み込んだ声で

言いました。

 

サンドリンは、

どうして、

自分にこんなことができるのかと

抗議しましたが、バスティアンは、

どうか名門家の令嬢に相応しい

知性と品位を証明して欲しいと

一方的に通告して背を向けました。

力が抜けてよろめいたサンドリンは

結局、崩れるように

その場に座り込みました。

 

バスティアン・クラウヴィッツの愛など

最初から期待していませんでしたが、

少なくとも、欲望の対象にはなれると

信じていました。

そのため、本能にさえ逆らった男が

与えた衝撃と傷は、

さらに大きくなりました。

 

まるで

ただの肉の塊に転落したかのようで

屈辱的で悲惨でした。

あえてラビエルを侮辱した

その卑劣な男が憎く、

そんな男の虜になった自分も憎いのに

それでも手放せない愛は、

むしろ、物凄い刑罰に近いものでした。

 

自分の手で脱ぎ捨てたネグリジェを

ギュッと握りしめたサンドリンは、

これ以上、我慢できなくなり

とうとう泣き出しました。

しかし、バスティアンは

最後まで振り返ることなく

寝室を去りました。

最後の哀願さえも無視された

サンドリンにできることは、

ただその残忍な後ろ姿を

無力に見守ることだけでした。

使用人の休憩室に戻ったメイド長は

2人の仲は、本当に

尋常ではなさそうだと言いました。

彼女の顔色は

目に見えて暗くなっていました。

広々としたテーブルを囲んで

談笑していた使用人たちの視線が

一斉に彼女に集中しました。

 

ほら、自分の言う通りだったと

一番先に疑惑を提起したメイドが

相づちを打つと、あちこちから

賛同の言葉が上がりました。

もう何日も繰り返されて来た

邸宅の朝の日課でした。

 

メイド長は、

昨夜も別々の部屋を使っていた。

朝食も別に取ったと言うと、

額を押さえながら

ティーカップを握りました。

 

妻への配慮ではないか。

父親の葬儀を終えてから、

まだ日が浅い上に、

体も随分、弱っているから。

 

それでも、やはりおかしい。

ご主人様が帰国してから、

もう1ヶ月が経とうとしているのに

2年ぶりに再会した若い夫婦が、

今でも、あのように

よそよそしく過ごしているのは

理不尽だ。

さほど、哀惜の念のある父親でも

なかったのに。

 

確かに、

喪服も早くに脱いだのを見ると、

奥様は父親の死を、

あまり悼んでいるようには見えない。

だからといって、

重病になったわけでもない。

 

今日も外出するそうだ。

社交生活を楽しんでいる人が、

ご主人様の前でだけ、

病人の振りをしている。

 

夫のことを疎かにしている女主人に

不満を抱く料理人が

一言、加えたのと同時に

呼び鈴が鳴りました。

女主人の寝室、オデットでした。

 

わけもなく気まずくなった

使用人たちが顔色を窺っている間に

自分が行く。

メイド長は休んでいてと言って、

1人の若いメイドが

ぱっと立ち上がりました。

 

メイド長は、

自主的に仕事をしようとするなんて

モリーも分別がつくようになったと

言いました。

 

モリーはメイド長に、

自分が、

もういくつだと思っているのかと

抗議しました。

メイド長は大笑いし、

確かに、もうすっかり

大人の娘になったと答えると

快く肯きました。

 

そのまま、休憩室を出たモリー

急いで女主人の部屋へ行きました。

まずノックをして、許可を得てから、

静かにドアを開けました。

 

オデットは、

透明な日の光が降り注ぐ窓際に

佇んでいました。

モリーは「おはようございます」と

明るく挨拶することで

自分の存在を知らせました。

オデットは、ようやく、

ゆっくりと体をそちらへ向けました。

 

モリーは、

皇室の貴婦人たちの

ティーパーティーに出席すると

聞いている。

あのドレスを着せればいいのかと

尋ねました。

 

オデットは、

それほど驚いた様子もなく、

「ええ、そう」と

落ち着いて返事をしました。

 

ベッドの上に置かれている

青いドレスを見たモリーは、

まず与えられた任務に

取り掛かりました。

オデットも、素直に協力しました。

 

オデットよりも先に

我慢の限界に達したモリーは、

しばらく

コルセットを着せていた手を止め、

自分の助けが必要だったら、

いつでも言って欲しいと言うと

そっと目を上げて

オデットの顔色を窺いました。

青白く美しい顔には、依然として

何の感情も浮かんでいませんでした。

 

モリーは、

もしかして、ご主人様が

奥様の裏切りを

知ったのではないかと心配している。

恐ろしい人なので、絶対に奥様を

そのままにしておかないだろうと言うと

肩をすくめました。

そして、オデットの後ろへ回ると

コルセットの紐を締め始めました。

かなりの圧迫感のはずなのに

オデットは黙々と耐え抜きました。

 

モリーは、

自分を信じて欲しい。

奥様の味方になると、

さらに、親しげになった態度で

彼女を懐柔しました。

 

今まで

この邸宅で仕事ができたのは、

すべてオデットのおかげでした。

モリーの正体を知った後も、

オデットは何の措置も

取りませんでした。

それどころか、

自分の身の回りの世話をする

メイドとして、

そばに置いているのを見れば、

将来を見据えた戦略を

立てているのは明らかでした。

モリーにとっても、

損することのない共生関係でした。

 

モリーは、

力いっぱい引いた紐を結びながら、

実家に助けを求めてみるのが

良いのではないか。

もしかしたら、

助けてもらえるかもしれない。

互いに助け合う道があるかもしれないと

本論を伝えました。

 

しっかりと結んだ紐を

満足げに見つめている間に、

オデットが振り向きました。

非現実的に澄んで静かだった瞳が

微かに揺れていました。

 

モリーは歓迎の笑みを浮かべた顔で

共犯者に向き合いました。

「ようこそ、クラウビッツ少佐」

満面の笑みを浮かべたデメル提督が

力強い歓迎の挨拶をしました。

 

敬礼したバスティアンは

落ち着いて執務室を横切りました。

デメル提督は、窓際に置かれた

応接用ソファーに座って

彼を待っていました。

 

バスティアンが、

緊急な案件だと聞いたと告げると

デメル提督は、

大したことではないように肯きながら

とりあえず座れと言って、

向かいの席を勧めました。

直ちにクラウヴィッツ少佐を

捜し出せという緊急命令を下し、

海軍省をひっくり返した本人とは

思えない態度でした。


疑わしい状況でしたが、

バスティアンは反論せず、

上官の指示に従いました。

ソファーに座って顔を上げると、

秋の色が深まった

水の庭園が見えました。

変わってゆく季節を

ふと実感した瞬間、デメル提督は、

皇帝が、私邸で

クラウヴィッツ少佐と

夕食を共にしたいとのことで、

送って寄こすよう連絡が来たと

伝えました。

 

バスティアンは、

「今夜、皇宮でですか?」と

尋ねました。

デメル提督は、

そうらしい。

あまりにも突然だけれど、

皇命だから、時間がなくても

作らなければならないと答えました。

 

バスティアンは

「はい、そうします」と

大胆に命令を受け入れました。

 

取引成立。

皇帝が彼を探す理由はそれだけでした。

予想よりも早く

反応があったのを見ると、

取引の成果に

かなり満足しているようでした。

かなりの報酬を期待しても

良さそうでした。

 

デメル提督は、「おめでとう」と

お祝いの言葉を伝えると、

自分にも秘密にしているのを見ると、

皇帝は、かなり大きな褒美を

用意しているようだ。

勲章は、もうもらったも同然だし、

もしかしたら、

再び、特別昇進するかもしれない。

この調子なら、近いうちに

自分と同じ階級章を

付けることもできるだろうと

自分のことのように喜んで、

お喋りをしました。

 

バスティアンは落ち着いて

耳を傾けながら、

最善の戦略を考えました。

 

まず離婚の意思を表明してから

交渉に臨むのが有利だろう。

もちろん破局の責任は、

全面的にあの女にあるべきでした。

離婚の理由は汚いほどいい。

皇帝の罪悪感が大きい分、

立派な補償が与えられるだろうから。

 

デメル提督は、

皇宮に入るための準備が必要だろうから

そろそろ帰っていいと、

早退を命じることで

長広舌を締めくくりました。

 

バスティアンは

最初とあまり変わらない表情で

提督の執務室を出ました。

制服の袖口をめくって

確認した腕時計は、

ちょうど正午を指していました。

とても長い一日になりそうでした。

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サンドリンは、

見事に、バスティアンに

拒絶されてしまいました。

彼は、以前もサンドリンに迫られて

相手にしなかったことから、

もしかしたら、彼は

結婚相手以外とは、

深い付き合いをしないと

決めているのではないかと

ふと思いました。

 

モリーはまだいたのですね。

オデットに指示をするかのような

図々しい態度が、本当に嫌いです。

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