自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 112話 ネタバレ ノベル 原作 あらすじ 執着

112話 オデットは浴室で、冷たいシャワーの水を浴びていました。

くわえていたタバコを

指の間にはさんだバスティアンは、

不幸を楽しむ趣味は

相変わらずのようだと、

先に口を開きました。

 

オデットは赤く充血した目で

じっと彼を睨みつけました。

夜が更けるまで獣のように絡み合って

体を交えましたが、

顔をまともに合わせたのは

この瞬間が初めてでした。

今更のようなことでは

ありませんでした。

毎晩、この男は、同じように

オデットを侮辱していたから。

 

バスティアンは、

凍え死にしたければ、

あと数歩動く気概を見せてみろ。

あそこに、あなたを待っている

冷たい海があるからと言うと

ニコニコしながら

海が見える窓を指差しました。

 

歯がガチガチ震えるほど、

寒気がひどくなりましたが、

オデットは、

とんでもない。

あなたのような人のために、

人生を諦めたりしないと

努めて落ち着いて反論しました。

そして、

これで十分な答えになったのなら

もう出て行ってと言いました。

 

しかし、

バスティアンは首を少し傾けて、

馬鹿げた努力はそこまでにしろと

静かに囁きました。

相変わらず笑っている顔でしたが、

眼差しには、

この空間に漂っているような冷気が

滲んでいました。

 

オデットは思わず肩を震わせながら

視線をそらしました。

体を酷使するのは愚かなことだけれど

少なくとも不幸の種が芽生えるよりは

ましな選択でした。

ティラの結婚式まで耐えればいいので

いくらでも、

やり遂げることができると

信じていました。

まさか、この男が

その意図を見抜いているなんて、

思いも寄りませんでした。

 

「・・・行ってください」

オデットは諦めのため息をつきながら

首を横に向けました。

全身が凍りつくように冷たい状態で

この男と、

不必要な言い争いをしたくは

ありませんでした。

 

しばらくオデットを見守っていた

バスティアンは、

素直に踵を返しました。

無意識のうちに握りつぶしていた

タバコを捨て、手を洗い、

月の光が差し込む窓際に置かれた

浴槽の前に近づきました。

 

蛇口を捻って熱いお湯を出した

バスティアンは、

すぐに浴槽の横にある暖炉に

火を点けました。

オデットは、

相変わらずシャワーの下に座り込み

震えながら

その光景を見守っていました。

混乱しているような表情でした。

 

ガウンを脱いだバスティアンは

温水に濡らしたタオルを持って

再びオデットのそばに戻りました。

驚いたオデットが抵抗しましたが

自分の体一つ

まともに支えられない女を

制圧するのは、

虚しいほど簡単なことでした。

 

バスティアンは、

温かいタオルで包んだオデットを

抱き抱えたまま、つかつかと

バスルームを横切りました。

そして、その姿のまま

湯船に浸かりました。

オデットの

か細い悲鳴と水しぶきの音が、

深まる秋の夜の静けさを乱しました。

 

バスティアンは、

両足の間に座らせたオデットを

力いっぱい抱きしめて

拘束しました。

ぐったり垂れ下がった青白い体には

まだ冷たい冷気が漂っていました。

 

冷たい水に濡れた長い髪を

ざっとまとめたバスティアンは、

ゆっくり、オデットの体温を

確認して行きました。

 

微かな脈拍が感じられる首筋と

肩を通って胸へ。そして再び腰へ

ミズヘビが這うように

ゆっくり動いていた手が

臍の下に届くと、

オデットはビクッとして

体を後ろに反らしました。

 

バスティアンは、

じっとしていろと、

冷ややかに命令を下すと

オデットの腰を抱き締めました。

 

ひ弱な子供を産み残して去れば

心がさらに地獄のように

苦しくなるのではないか。

自ら進んで、

そのような苦行の道を歩むのであれば

自分としては

遠慮する理由はないけれどと、

一見、優しく感じられるほど

彼の柔らかい低音の声が

耳元をくすぐりました。

その瞬間にも、大きな手は

まるで、そこに何かがあるかのように

オデットのお腹を撫でていました。

本当に頭がどうにかなって、

帰って来たに違いない男でした。

 

オデットは目をギュッと閉じたまま

恥辱に耐えました。

しばらくは、できるだけ、

表立った行動を控えるべきだと

思いました。

勝てない相手と

全面戦を繰り広げるのは愚かだから。

このような惨劇をもたらした書類を

盗み出した時にそうだったように、

この男が油断してこそ、逃げ出す隙を

見つけられるはずでした。 

 

ゆっくり目を開けたオデットは、

自分が怖くないのかと、

とんでもない質問をしました。

バスティアンは、

とても面白い冗談でも聞いたように

笑いながら、蛇口を締めました。

白い湯気が立ち上る温水は、

今やオデットの胸の高さまで

上がっていました。

 

ぼんやりと水面を見下ろしていた

オデットは、

自分はあなたを裏切ったと

話を続けました。

バスティアンは温かくなった彼女を

抱き締めたまま、

浴槽に背中をもたせかけました。

もう不要になったタオルは剥がして

反対側の端に投げておきました。

 

オデットは、

今、バスティアンが、

再び父親と対決するという

重要なことをしているではないかと

言いました。

 

バスティアンは「それで?」と

ゆっくり聞き返しながら、

オデットの胸を包み込みました。

片手いっぱいに収まっている

柔らかな感触は、

不埒な挑発を我慢できるほど

大きな満足感を与えていました。

 

オデットは、

こんな時期に、もう一度、

あなたを裏切った自分を

そばに置くなんて・・・と

言いかけていたところで、オデットは

これ以上、我慢できなくなった

うめき声を上げました。

熱意なしに胸を撫でていた

バスティアンの手に

熱気が満ちて来ました。

下を刺激するボリューム感も、

次第に、

大きく鮮明になっていました。

 

オデットは、

それは、

愚かなことだと思わないのかと

尋ねました。

目の前が

真っ白になるような気がしましたが

オデットは諦めませんでした。

どうか、この男が、

本来の冷徹な理性を

取り戻してくれることを

切に祈りましたが、帰って来たのは

露骨な嘲笑だけでした。

 

バスティアンは、

なぜ?

何か新しい指令でも受けたのかと

尋ねると、

一気に振り向かせたオデットを

自分の太ももの上に乗せました。

熱い手とは違って、

じっと彼女を見つめる顔は

無表情で冷ややかでした。

 

バスティアンは、

どうぞ、好きにやってみるように。

面白そうだと言って、

わざと寛大そうに頷きながら、

オデットの胸の上に

唇を下ろしました。

 

どうしていい分からず、

もがいていたオデットは

バスティアンの肩をつかんで

辛うじて体を支えました。

情欲に酔いしれて、

胸を口にしながらも

彼は一抹の遠慮もありませんでした。

凍った水面のような目が

自分に向かうたびに、オデットは

息をする方法を忘れました。

 

はたして、この男から逃げることが

可能なのだろうか。

オデットは途方に暮れて

身震いしました。

自分を2度も欺いた女に対して

この男が、

どれほど残酷になれるかと思うと

全身の血が

冷たく凍えるような気がしました。

しかし、

このように生きることができないので

それなら、

何でもしなければなりませんでした。

たとえ、それが

狂気の沙汰だとしても。

 

バスティアンは、

心配しないように。

自分は卑しい身分なので、

主人を噛んだ犬とでも

関係が持てるくらい見境がないと

言って、平然と笑みを浮かべました。

その男を

ぼんやりと見つめている間に

背筋を伝って降りて来た大きな手が

腰の下をつかみました。

荒々しく押し寄せる腕力に勝てず、

ふらついていたオデットは

バスティアンの肩の上に

倒れ込みました。

 

彼女を抱き締めたバスティアンは

憚ることなく動き出しました。

床に投げ捨てた彼のガウンは、

浴槽からあふれた水で

すぐにびしょ濡れになりました。

 

この忌々しい女が

早く子供を産んでくれることを

バスティアンは願いました。

お腹が大きくなり、

やがて子供が生まれる頃には、

この欲望と憎しみも

全て使い果たされ

底をつくだろうから。

そうすれば、

愚かだった日々の記憶と

灰となって崩れた感情の残滓まで、

全て捨てることができるだろう。

 

最後の自制心まで

手放してしまったバスティアンは、

体をまともに支えられないオデットを

直接つかんで揺さぶりながら

速度を上げました。

氷のようだった女は、いつの間にか

乱雑な熱気で熱く火照っていました。

気が狂ってしまったかのように

振る舞う自分が滑稽で、

バスティアンは失笑しました。

全く間違った判断ではないような

気もしました。

耐えられないほど退屈な公演でした。

サンドリンは、

オペラグラスを投げるように置いた手で

扇子を広げました。

舞台の上の歌手が熱唱中の

物悲しい曲調のアリアが

神経を鋭くかきむしりました。

 

思わず立ち上がりたい衝動に

駆られた瞬間、

気分が良くないようだけれど、

何かあったのかと、

慎重に尋ねる声が聞こえて来ました。

 

サンドリンは、

静かなため息をつきながら

首を回しました。

目が合うと、彼は

飴のように甘い微笑みを浮かべました。

 

まだ幼い少年の面影が

そのまま残っている顔を

見つめていたサンドリンは、

つい虚しくなって

笑ってしまいました。

 

21、いえ、22歳だったっけ。

南部の田舎出身の

青二才の画家ノア・ホフマンは、

なかなか良い恋人でした。

見栄えの良い顔と体、

何より愛想の良い性格が

気に入っていました。

画家として大きく成功できる才能は

ありませんでしたが、

処世術一つは役に立ちました。

もちろん、

バスティアン・クラウヴィッツ

代わりとなるには

物足りない相手でしたが。

 

今頃、バスティアンは

自分の近況を

知るようになっただろうか。

なかなか断ち切れない未練が、

サンドリンの苛立ちを募らせました。

 

見せびらかすようにノアを連れて

社交界を回り始めたのは、

バスティアンに惨めに

断られてからでした。

彼を刺激するつもりでしたが、

実はサンドリンは、

彼が、この事実を知ったとしても、

あの非情な冷血漢は

眉一つ動かさないということを

ぼんやりと予感していました。

 

「もう出ましょうか?」

そっと指を絡めてきたノアが

尋ねました。

扇子をたたんで手に持った

サンドリンは、

曖昧な笑みを浮かべながら

首を横に振りました。

今日はこの青二才と

戯れたい気分になれませんでした。

 

そわそわしながら顔色を窺うノアが

気の毒になったサンドリンは

最近、仕事はどんな感じかと

新しい話題を一つ投げかけました。

すぐに浮き浮きしたノアは、

準備中の展示会について

騒ぎ立て始めました。

ただの三流画家たちの白昼夢。

つまらない話でしたが、

オペラよりは、はるかにマシでした。

 

一緒に展示会を準備している

同僚の話をしていたノアは、

ちょうどあそこに

フランツ・クラウヴィッツがいると

嬉しそうに叫びました。

 

サンドリンは、

彼が指差している対角線方向の

ボックス席へ目を向けました。

バスティアンの異母弟が

婚約者と一緒に

オペラを鑑賞していました。

両家の女主人たちも一緒でした。

 

サンドリンは、

彼は家業を継ぐものだと

思っていたけれど、

まだ画家の道に

未練を残しているようですねと

尋ねました。

ノアは、

フランツは自分たちの後援者だ。

作業室を提供し、

展示会を手伝う仕事をしている。

絵も描くけれど、

公式的な活動はしていない。

家の反対があまりにもひどくて

諦めたようだと答えました。

 

サンドリンは、

確かに、もともと

軟弱な坊ちゃんではあると呟くと

ノアは、

そういえば、フランツについての

面白い噂が一つあると

思い出したように言いました。

そして、

サンドリンの方へ体を傾け、

突然、声を低くすると、

いつも彼が使う作業室のドアは

必ず鍵をかけておくのに、

ある日、うっかり鍵をかけ忘れた。

それで、自分たちが

こっそり中へ入ってみたら、

同じ女を描いた絵が

部屋中にたくさんあった。

さらに厄介なのは、

その女が異母兄の妻だったと

話しました。

 

サンドリンは、

バスティアンの妻だなんて

確かなのかと尋ねました。

くだらない話にも、

適当に笑ってやる準備をしていた

サンドリンの眉間にしわが寄りました。

 

ノアは、

確かに彼女だった。

以前、新聞に載っていた写真まで

手に入れて

照らし合わせてみたけれど

間違いなかったと答えました。

 

サンドリンは、

お気に入りのモデルだったようですねと

指摘しました。

ノアは、

まあ、もともと、すごい美人だから

そういうことも

あるかもしれないけれど、

それでも、あそこまで執着するのは

ちょっと変ではないだろうか。

それに世間の人が見たら

大変なことになるような絵も

少なくないと、

いかにも悔しそうに反論しました。

 

しばらく物思いに耽っていた

サンドリンは、

優しい笑みを浮かべた顔で

彼を見つめました。

ようやく、この夜が

少し面白くなりそうでした。

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バスティアンが

冷徹な理性を失ったのは

オデットが裏切ったせいなのに

彼女は、それを分かっていないし

バスティアンがおかしくなった理由を

考えることもなく、

バスティアンから逃げることだけを

考えています。

確かに今のバスティアンの

オデットへの仕打ちは

ひどいかもしれないけれど、

彼はオデットが自分の子供を産むことが

自分への償いだと言っているので

オデットは、

自分の子供を諦めることになっても

素直に、

それに従えばいいのではないかと

思います。

しかし、それを嫌がるということは

彼女が罪を償うつもりがないのではと

疑ってしまいます。

こんなことを言うと

お叱りを受けるかもしれませんが、

私には、オデットが

嫌なことから逃げてばかりいて

自分のしたことに責任を持てない人に

思えてなりません。

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