自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ミス・ペンドルトンの恋 50話 ネタバレ 原作 あらすじ マンガ 35、36話 デビューした時の装い

50話 ジェラルドは力ずくでペンドルトン嬢に言うことを聞かせようとしています。

早く言え!

プロポーズを受け入れると。早く!

 

彼女の心の中で

炎のように燃え上った怒りが

恐怖の前で、無力に

消え去って行きました。

このまま、手が使えなくなったら

これから、

どうやって生きていけばいいのか。

彼女の全ての内臓が

恐怖で縮こまりました。

 

ペンドルトン嬢は、

伯父の言う通りにするので

どうか・・・と懇願しました。

すぐに、

彼女の指を踏み潰していた足が

離れました。

 

ペンドルトン嬢は、

自分の手を握りました。

全身が痙攣するように震えました。

手に一瞬にして血が流れ、

しびれて硬直した感覚以外、

何も感じられませんでした。

踏まれた部分が、

木片に変わったようでした。

 

ジェラルド・ペンドルトンは

自分が座っていた椅子に戻り

箱から新しい葉巻を取り出して

吸いました。

そして、

明日は装いに気合を入れろ。

もう出て行けと命令しました。

 

ペンドルトン嬢は、

そのまま書斎を出ました。

踏みつけられた手が、靴の跡で

真っ赤に染まっていました。

ペンドルトン嬢は、

そのまま自分の部屋へ行き、

ベッドに身を投げました。

そして、顔を枕に埋めて

すすり泣きました。

 

悲惨さが津波のように

彼女に押し寄せて来ました。

先ほどの出来事が、

過去の記憶と通じる水門を

大きく開けました。

子供の頃、

叔父の冷遇がどれほど堅固で、

彼女自身は

どれほど無力だったことか。

 

ペンドルトン家を離れて10数年間、

彼女は過去から逃げるために

生きて来ました。

寄宿学校での7年間、

1度も1位を逃したことのない

優等生でした。

社交界での12年間、

1つも欠点のない淑女として

他人の役に立つ友人として、

彼女は自分自身を証明しようと

努めて来ました。

ジェラルド・ペンドルトンの

軽蔑とは違って、

自分がどれほど役に立つ人間かを

証明するためにでした。

 

しかし、先ほどの暴力は

彼女が必死に区別して来た

幼年期と現在を

1つにまとめてしまいました。

 

彼女は、灰皿が当たって

泣きながら、

乳児室に逃げ込んだ8歳の頃の自分に

戻ったような気がしました。

伯父の陶器の装飾品を

盗んだという濡れ衣を着せられ、

理不尽にも鞭で打たれていた

9歳に戻ったような気がしました。

伯父が吐き出した罵声に傷つき、

ベッドを涙で濡らしていた10歳に

戻ったような気がしました。

 

2度と屈服しないと信じていたのに。

これからは自分を守り抜くと

誓ったのに、 結局また・・・

 

彼女はもがきました。

心臓が爆発しそうでした。

無力で、悔しくて、腹が立って、

自分が憎くなりました。

再び繰り返された虐待から

自らを救い出せなかった苦痛が

彼女を引き裂くようでした。

 

まるで苦痛から、

もう抜け出せと言うように、

ドアからノックの音が聞こえました。

彼女は涙に濡れた顔を上げました。

もしかしたら、

伯父ではないかと思いましたが、

もし彼が来たなら、このように

礼儀正しくないという気がしました。

 

彼女はよろめきながら

ドアまで行きました。

掛金を外してドアを開けると、

アンが心配そうな顔で

ドアの前に立っていました。

手には、スープの器が置かれた

小さな盆を持っていました。

 

アンはしょんぼりした顔で、

書斎のドアの前で

盗み聞きしてしまったことを

謝りました。

ペンドルトン嬢は、

青ざめた顔を無理やり動かして

微笑みました。

彼女はアンにお礼を言いました。

 

アンは、

少し入ってもいいかと尋ねました。

ペンドルトン嬢は1人でいたいと

優しく彼女を制すると、

アンは頷いてお盆を差し出しました。

 

ペンドルトン嬢は、

スープどころか、水さえ一口も

飲みたくありませんでしたが、

アンの好意を

断りたくありませんでした。

 

ペンドルトン嬢は

お盆を受け取りました。

ところが、お盆をつかんだ瞬間、

右の指全体に、

ズキズキと鋭い痛みが走りました。

彼女は反射的に

お盆を落としてしまいました。

床にスープ皿が転がっていました。

 

驚いたアンは、ペンドルトン嬢が

右手を握りしめているのを見ました。

彼女はすぐに

ペンドルトン嬢の腕を引っ張って

手を確認しました。

右手の指全体が

パンパンに腫れ上がり、

赤黒い痣が広がっていました。

アンはびっくりした表情で

ペンドルトン嬢を見つめました。

 

ペンドルトン嬢はアンに

救急箱を持って来るよう頼みました。

アンは黙って部屋を出ると、

下の階から救急箱を持って

上がって来ました。

アンが戻って来た時、

ペンドルトン嬢は、

ケガをしていない方の手で

床にこぼれたスープを

片付けていました。

 

アンはすぐに彼女を止めると、

自分で床を片付けた後、一緒に

ペンドルトン嬢の化粧台へ

向かいました。

彼女が椅子に座ると、

アンはその下に膝をついて座り、

彼女の手に軟膏を塗って

包帯を巻き始めました。

 

アンは、

できるだけ注意を払いましたが

アンの指が触れる度に

ペンドルトン嬢は、

思わず身をよじらせながら

低いうめき声を上げました。

アンはそんな主人の姿に

胸が張り裂けるようでした。

 

一体どうして、お嬢様が

こんな扱いを

受けなければならないのか。

こんなに善良で尊いお嬢様が

一体どうして。

 

アンは心の中で

怒りを爆発させながらも、

限りなく慎重な手つきで、

ペンドルトン嬢の手を

包帯で縛りました。

 

アンは、

幸いにも骨は傷ついていないようだと

言うと、唇を噛み締めながら

ペンドルトン嬢を見上げました。

今にも

泣き出しそうな顔をしていました。

 

アンは、

一体どういうことなのか。

こんなに小さくて軟弱な手に

こんなに残酷なことをしたのか。

お嬢様の悲鳴が

どれほど大きかったか知っているか。

自分は彼が、

お嬢様の首を絞めたと思ったと

怒りました。

 

ペンドルトン嬢は

ニッコリ微笑みました。

そして、しばらく考えてから、

首ではなくて良かった。

首を隠せるドレスは多くない。

手は手袋で隠せば、

いくらでも舞踏会に行けると

言いました。

 

アンは呆れた表情で

ペンドルトン嬢を見ながら

舞踏会へ行くのかと尋ねました。

ペンドルトン嬢は

プライス氏に会わなければと

答えました。

 

アンは、

お腹が出ている中年紳士の

プライス氏を思い浮かべ

嫌悪感を示すように顔を歪めました。

そして、まさか、

ペンドルトン氏の言うことに

従うのか。

本当に、あの人のプロポーズを

受け入れるのかと尋ねました。

 

ペンドルトン嬢は

アンをじっと見つめながら、

全部聞いたのかと尋ねました。

アンは黙っていました。

やや良心が咎めるような表情でした。

ペンドルトン嬢はニッコリ微笑むと

伯父にばれなくて良かった。

見つかったら、

大目玉を食らっただろうと

言いました。

アンは、怖くないと返事をしました。

 

ペンドルトン嬢は

自分の手を見てもそう思うのかと

尋ねました。

アンは、

あの野郎が何を投げたかは

分からないけれど、自分だったら

それを同じように投げ返したはず。

顔を滅茶苦茶にして、

自分の手がどこに当たったのかも

分からないようにしたはずだと

答えました。

 

ペンドルトン嬢は

声を出して笑いました。

アンと話をしていると

地に落ちていた気分が

徐々に良くなって行きました。

 

しかし、アンは、

力なく笑うペンドルトン嬢の姿に

胸がさらに痛くなって来ました。

 

彼女は8年間

自分が仕えたお嬢様でした。

ケチで気性の悪いあらゆる主人たちに

侮辱されて来た彼女にとって、

ペンドルトン嬢は最高の主人でした。

彼女のように優しくて

情け深い主人はいませんでした。

アンは包帯で巻かれた

ペンドルトン嬢の手を撫でました。

 

彼女はペンドルトン嬢に、

プライス氏のプロポーズを

受け入れないですよね。

それでも、お嬢様は

一人で生きて行ける能力が

あるではないか。

自分のように、学校なんて

近くにも行ったことのない

女ではなく、ラテン語もできるし、

ギリシャ語もできるではないか。

計画通りペンドルトン家を離れて

家庭教師になるのですよね?と

尋ねました。

 

ペンドルトン嬢は鏡を見ました。

鏡の中の

充血した目とむくんだ顔が

彼女と向き合っていました。

 

ペンドルトン嬢はアンに

ドレスを選んでもらえないか。

明日、この醜い顔を

隠すことができるほど

華やかなデザインでお願いしたいと

頼みました。

 

アンが、

「全く、お嬢様はと」ぼやくと

ペンドルトン嬢は鏡から顔をそむけて

アンに微笑みかけました。

そして、

心配しないように。

ローラ・プライスに

姓を変えることはない。

明日、完璧に見せたいだけ。

自分の社交界生活の

最後の舞踏会になるからと告げました。

 

アンは驚いて、

最後の舞踏会かと尋ねると、

ペンドルトン嬢は、

もうローラ・ペンドルトンとして

生きて行けないから。

ローラ・シェルドンなら

別だけれどと答えました。

 

ローラ・シェルドン?

アンは不思議そうに

お嬢様を見ました。

ペンドルトン嬢は、

シェルドンは自分の父の姓だと

説明しました。

 

アンは、

父の姓・・・

では、お嬢様はプライス氏と・・・

と尋ねると、ペンドルトン嬢は、

そんな結婚はしないと答えて

鏡を見ました。

そして、自分はこれから堂々と

ローラ・シェルドンらしく

自由に生きて行くと言いました。

翌日、ペンドルトン嬢は、

いつもと全く違う姿で

タウンハウスを出ました。

普段、舞踏会に出かける際に

好んで着ていた銀灰色の絹のドレスや

紺色のモスリンのドレスではなく、

社交界にデビューした時に着て以来、

二度と着たことのない

真っ白な花々が銀糸で刺繍された

水色の高級な絹のドレスでした。

雪のように真っ白な絹の手袋をはめ

手首を包んだ

サファイアのブレスレットが

眩しく輝いていました。

 

結い上げた髪の毛は、

いつものように

ヘアネットでまとめておらず

美しいユリやスイセン

真珠の装飾で飾られていました。

 

ペンドルトン嬢は、

家紋が刻まれた白い四輪馬車に乗って

舞踏会へ向かいました。

 

彼女はまず、

入口で客を迎えているランス夫人に

丁重に挨拶した後、

会場の中に入りました。

 

中に入ると、

人々の視線が彼女に集中しました。

今までは地味な姿で、

目立たないように隠れていた

ペンドルトン嬢が、

このように精一杯着飾った姿は

初めてのことでした。

 

彼らの中の何人かは、

彼女がペンドルトン嬢であることに

気づかず、

彼女にダンスを申し込もうとして

近づいたりもしました。

 

ペンドルトン嬢の計画は

見事に成功しました。

華やかな装いに気を奪われ、

充血した目元と目の下のクマが

あまり目立たなくなっていました。

誰も彼女が、浮腫んだ顔に

一晩中、冷湿布をするため、

まともに

眠ることができなかったことに

気づきませんでした。

 

ペンドルトン嬢は、

ダンスを申し込んでくる紳士を

全て断り、

プライス氏とジェンソセン嬢を

探すために、舞踏会場の片隅を

ゆっくり歩いて行きました。

 

「ペンドルトン嬢!」

彼女は自分を呼ぶ声が

聞こえてくる方を振り向きました。

ランス嬢が友人たちに囲まれて、

彼女に手を振っていました。

ペンドルトン嬢は

彼女に近づきました。

 

ランス嬢と友人たちは、

近づいて来るペンドルトン嬢の姿に

驚きました。

以前から、

美人だとは思っていたけれど、

これほどまでに華やかに装うと

社交界にデビューしたばかりだと

言っても信じられるほど

眩しい姿でした。

 

ランス嬢の友人たちは、

ペンドルトン嬢の姿を

嬉しくなさそうな表情で見ました。

自分たちの誇りであり、

今日の主人公である

ドーラ・ランス嬢と同じくらい。

いや、もしかしたら、それ以上

彼女が美しかったからでした。

 

今日の舞踏会で

最も美しくなければならないのは

ランス嬢でした。

彼女たちは、

ペンドルトン嬢の美貌のせいで、

ランス嬢に集中する人々の関心が

薄れるのではないかと戦々恐々とし

ひそひそと話し合いました。

 

しかし、友人たちとは違って、

ランス嬢はペンドルトン嬢の姿に

純粋に感嘆しました。

 

ランス嬢は、

どうして、こんなに美しく

装って来たのか。

もう少しで気づかないところだったと

言いました。

 

ペンドルトン嬢は、

ランス家の舞踏会なので、当然

気を使わなければならない。

ランス嬢も、とても美しくて、

今日の主人公らしい姿だと

褒めました。

豊かな緑のドレスに

バラの生花で髪を飾ったランス嬢が

微笑みました。

 

ランス嬢は、

身支度するのに、

午前中から本当に忙しかった。

一日中、コテで髪を真っ直ぐにし

編んで、結い上げて、

花を付けて、腰を締めて、

ドレスを着て、香水を付ける。

本当に、二度とやりたくないと言うと

疲れたように首を横に振りました。

 

ランス嬢からは、

今日、舞踏会を主催する家門の

一人娘としての自負心が

溢れ出ていました。

ペンドルトン嬢は、そんな彼女に、

淑女が最も喜ぶ言葉をかけました。

 

彼女は気を使いながら、

このドレスは見たことがないけれど

本当に美しい。

ランス嬢の瞳の色とよく似合っている。

もしかして海外から取り寄せたのかと

細かく質問しました。

やはり、

ランス嬢の顔が明るくなりました。

 

ランス嬢は、

分かってもらえて嬉しい。

フランスで最も有名な仕立て屋に

作ってもらったドレスだ。

でも、この刺繍は、

自分が入れて欲しかったので

パターンを別に送ったと答えると

ドレスのスカートを見下ろしました。

 

緑のドレスの生地に、

華やかな木の葉の模様が

金糸で刺繍されていました。

ドレスの素材に見合う美しさでした。

 

ペンドルトン嬢は、

本当にきれい。 やはりランス嬢は、

眼識とセンスを備えていると

褒めました。

 

ランス嬢は頬を赤く染めながらも、

褒め言葉に喜びを感じられずには

いられませんでした。

さらに何度か褒められると、

彼女はいつの間にか、

その場でクルクル回りながら、

自分のドレスを自慢するように、

見せびらかすようになりました。

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ジェラルドのローラへの虐待が

ひど過ぎます。

今の時代だったら逮捕できるのに

無力な子供を痛めつけるなんて

良心の欠片もない

残虐な男だと思います。

幼い頃から、蔑まされ

罵倒され、虐待され続けて来たら

ローラの自己肯定感が

下がってしまうのも

無理はないと思います。

 

社交界にデビューした時と

同じドレスを着たのは、

社交界での最後の日を

同じドレスで締めくくりたいと

思ったのでしょうか。

ペンドルトンと決別するという

ローラの強い意思が感じられました。