自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 115話 ネタバレ ノベル 原作 あらすじ 不吉な予感

115話 その後、テオドラは・・・

「確かなの?」

テオドラ・クラウヴィッツ

呆れたように笑いながら

聞き返しました。

 

モリーが、おばを通じて伝えた

バスティアンの近況は

予想をはるかに超えていました。

帰国したら真っ先に

オデットを片づけると

思っていたのに、それどころか

何と、昼夜を問わず

妻と寝転がるのに忙しいと

言って来ました。

結婚してから、

かなりの時間が経ったので、

子供を持つために

努力しているところだというのが

大方の意見でした。

 

モリーの話では、

根も葉もない噂ではないようだ。

すでに知っていると思うけれど

あの子は結構使えると、

顔色を窺っていたメイドが

躊躇いながら言い訳しました。

 

テオドラは頷きながら、

書斎の窓の前に近づきました。

カーテンを開けると、

海を隔てて向かい合っている

バスティアンの邸宅が

視界に入って来ました。

 

メイドは、

バスティアン・クラウヴィッツ

過去のことは忘れて、

妻と共に暮らす決意をしたに

違いないのに、肝心のその女は

他の考えがあるらしい。

モリーが、

再び自分たちと繋がれるようにするのを

手伝うと言ったら

断らなかったそうだ。

大金を手に入れて

去るつもりなのかもしれないと

話しました。

 

バスティアンに許してもらった後で

そんな馬鹿げたことをするほど

愚かな子ではないだろうと言うと

テオドラは鼻で笑いながら

体を回しました。

手招きすると、

キセルと灰皿を手にしたナンシーが

急いで近づいて来ました。

 

他に何かがあるのだろう。

キセルをくわえたまま

物思いに耽っていたテオドラは

窓を開けました。

長く吐き出した煙が、冷たい風の中に

散らばって行きました。

 

あの女も只者ではない。

まだ若くて純真な面があり、

思い通りに

利用することができたけれど、

そんな中でも探偵を雇って

自分の保身を図る証拠をつかむほど

狡猾ではなかったか。

バスティアンと再びうまくやってみる

余地ができたのなら、こちらを、

チラチラ見るはずがありませんでした。

そもそも、最初の前提から

間違って設定されているような

気もするけれど。

 

バスティアン・クラウヴィッツ

自分の背中に刃を突き立てた女と

幸せに暮らそうと決意したなんて

頭に敵軍の銃弾でも一つ受けたままで

帰って来たのではない限り、

あり得ないことでした。

 

メイドは、

モリーにもう一度調べさせるか。

それとも、そろそろ、

あの家から出るよう伝えるべきかと

尋ねました。

テオドラは、

まずはバスティアンの妻の

望み通りにするようにと答えました。

 

半分ほど吸ったタバコを消した

テオドラは、

再び机の前に戻って座りました。

頭の痛い手紙に再び向き合うと、

自然と深いため息が漏れました。

 

今秋までに

結婚式の日取りが決まらなければ

破談にすると、

エラ・フォン・クラインが

最後の通告をして来ました。

かなり頭を悩ませる事態でしたが、

エラを責められませんでした。

実際、今まで我慢してくれたのが

むしろ驚くべきことでした。

 

後継者としての教育を終えて、

実業家としての地位を固めた後に

家庭を築きたいと言って、

1年ほどの婚約期間を置いた後に

結婚式を行うという合意を

先に破ったのはフランツでした。

 

幸い、クライン家でも

快く同意してくれましたが、

問題はその後でした。

目標を達成した後も、フランツは

あれこれと言い訳をして

結婚を先延ばしにしていました。

婚約者に対する態度も消極的でした。

そろそろ社交界にも

破談説が流れ始めたところなので、

エラ・フォン・クラインとしては

耐えがたい屈辱だったはずでした。

 

そばに近づいて来たナンシーは

もしかして今回の件でも、

あの女をスパイとして使うのかと

慎重に尋ねました。

 

テオドラは、

きちんとたたんだ手紙を

再び封筒に入れながら

首を横に振りました。

そして、もう、とっくに

手の内がバレているので、

今更、そんなに、

大きな役に立つことはないと

答えました。

 

ナンシーが、

それでは・・・と呟くと、

テオドラは、片付けなければと

一抹の躊躇もなく断言しました。

 

尻に火がついた状況なのに、

フランツは淡々としていました。

むしろ、これを機に

縁談が壊れることを

望んでいるような気もしました。

クライン伯爵の婿になれることを

あれほど喜んだ子供が

変わり始めたのは、オデットが

世の中に現れた後からでした。

奪ってやっても、

どうしても手に入れられずに焦り、

とうとう、人生を

台無しにしようとしていました。

ここまで来ると、病気といっても

差支えないほどの執着でした。

 

つまり、

ソフィア・イリスのようにかと

低く囁くメイドの声が

不安そうに震えました。

一歩遅れて、

その質問の意味を理解したテオドラは

呆れた笑みを浮かべた。

 

なんてことでしょうと

返事をしたテオドラに、

ナンシーは頬を赤らめながら

失言をしたことを平に謝りながら

過度な忠誠心を見せました。

 

テオドラは、

じっとその光景を見守りながら、

久しぶりに聞いた名前を

噛み締めました。

あまりにも長い歳月が流れたので

確信するのは難しいけれど、

そういえば、あの女を片づける時も

同じ命令を出したような気がしました。

 

もし、本当に

逃げようとしているのなら

助けてあげるべきでしょう?

いずれにせよ、

先に約束を破ったのは私なので、

過去の行いに対する借りを

返さなければならない。

 

テオドラは、

オデット宛ての短いメモを書き、

蝋で封印しました。

バスティアンの思惑が何であれ、

もう、これ以上、時間を

遅らせることはできませんでした。

フランツを守るためには、

1日でも早く、オデットを

片付けなければなりませんでした。

自ら消えてくれるなら、

いくらかのお金など

惜しくはありませんでした。

 

メモを渡されたナンシーは

もし、あの女に、

別の魂胆があったらどうしようと

心配そうに尋ねました。

テオドラは何気なく笑いながら

文箱を整理しました。

 

彼女は、

あの時の薬剤師の名前を

覚えているかと尋ねました。

考え込んでいたナンシーは、

薬剤師なら、

もしかしてレフ氏のことかと

目を輝かせながら囁きました。

 

忠実なメイドをじっと見つめる

テオドラの顔の上に

穏やかな笑みが浮かびました。

そばに置いてから、

もう30年になるだろうか。

お互いを知り尽くすほどの

長い年月でした。

 

レフ、そうだ、レフ。

ナンシーは記憶力が本当にいい。

姪は、おばさんに似て賢いようだ。

テオドラは、

薬と同じくらい、毒をうまく扱った

薬剤師の名前を思い出させることで

答えを代わりにしました。

 

ナンシーは、

満面の笑みを浮かべながら

頷きました。

十分に理解した顔でした。

イライラしながら

部屋の中をうろうろする

オデットの顔色は

青白くなっていました。

何度、明日が繰り返されても

変わることはありませんでした。

 

習慣的に触わってみた腹部と胸からは

確かに、月経の時のような

痛みが感じられましたが、

なぜか症状が現れませんでした。

たまに体調が悪い時は、周期が

不規則になったりもしましたが、

これほど、

遅れたことはありませんでした。

 

まさか、そんなはずがない。

オデットは、

必死に不吉な予感を振り払い、

冷たく固まった両手を組みました。

 

無事に結婚式を終えたティラが

移民船に乗り込んだら、

オデットも、

すぐに出発する予定でした。

船が出航する港から中央駅に向かう道と

フェリア行きの特急列車の時刻表も

あらかじめ熟知しておきました。

 

ティラと一緒に行きたかった未練は

結局捨てることにしました。

あの男が追跡を諦めるまでは、

ティラを遠ざけた方が安全だろう。

それなら、

長い亡命生活を送って慣れている

フェリアが

最も適しているようでした。

あとは、その計画を

実行に移すことだけでした。

 

だからお願いと、オデットは

切迫した気持ちで祈りました。

その日まで、

あと10日も残っていませんでした。

それだけ耐えれば

全てが終わるだろう。必ず

そうしなければなりませんでした。

 

張り詰めた神経の糸が

切れそうになった瞬間、

ティラから電話がかかって来たと

意外な知らせを伝える

ドーラの声が来こえて来ました。

遅ればせながら、

その伝言の意味を理解したオデットは

慌てて寝室を飛び出しました。

 

勢いよくドアを開けると、

驚いたメイド長はビクッとして

後ずさりました。

オデットはドーラに謝ると

体面も忘れて廊下を走りました。

小さな書斎に着いた時は

息がぐっと上がっていました。

 

震える声でティラの名前を呼ぶと

声を上げて泣く声が

聞こえて来ました。

一緒に泣かないように、

オデットは何度も

深呼吸を繰り返しました。

 

ティラは、

ひどい振る舞いをして

本当に申し訳なかった。

自分を許して欲しい。

本気で言った言葉ではなかった。

とても癪に触ったから、

あんなことを言った。

こんな風に姉と

別れなければならないという事実を

受け入れられなくて・・・と

言いました。

 

オデットは、

分かっている。自分は大丈夫だと

返事をしました。

 

オデットは崩れ落ちないように

背筋をピンと伸ばしました。

溢れ出た涙で

ぼやけた視界に映ったアルデンの海は

夕陽で赤く染まっていました。

 

ティラは、

それなら結婚式に来てもらえないか。

あまりにも厚かましいことは

分かっているけれど

それでも姉の祝福を受けながら

新しいスタートを切りたいと

頼みました。

 

オデットは承知すると、

結婚式はベッカー家で行うと

言っていたよね。

正確な住所を教えてくれれば、

そちらへ・・・と答えると、

ティラは、

違う。場所が変わったではないか。

まさか知らなかったのかと

慌てて聞き返しました。

受話器を握り直すオデットの指先が

細かく震えました。

 

オデットは、

それはどういう意味かと尋ねました。

ティラは、

クラウヴィッツ少佐が、

カルスバルで一番良いホテルで

結婚式を挙げられるようにしてやると

秘書を通じてニックに連絡して来た。

費用は少佐が全て払うし、列席して、

祝ってくれるとも話していたと

答えました。

 

なぜ、姉には秘密にしたのだろうか。

サプライズプレゼントなのかと

無邪気に聞くティラの声が、

耳元で鳴り響きました。

 

虚ろな目で空中を見つめていた

オデットは、思わず力が抜けて

体が崩れ落ちてしまいました。

その衝撃で、

手から逃れた電話機が落ちる轟音が

書斎を揺るがしました。

 

お姉様!どうしたの!

薄れて行く意識の向こうから

ティラの叫び声が聞こえて来ました。

 

妊娠中のあの子を

驚かせてはいけないのに、

体は思い通りに

動いてくれませんでした。

オデットにできるのは、

冷たい床を手をついたまま

息を切らして喘ぐことだけでした。

 

息が詰まりそうな苦痛の中で

オデットは、

あの男の目的は子供だけではなく、

徹底的に追い詰めて

自分の命を奪うつもりなのだと

思いました。

それなら、

バスティアン・クラウヴィッツ

計画は、順調に

進んでいることになりました。

「お帰りなさいませ、ご主人様」

3階の廊下の角を曲がると、

聞き慣れたメイド長の声が

聞こえて来ました。

バスティアンは軽く黙礼し、

彼女の横を通り過ぎました。

 

もしかしたら、すでにオデットは

眠っているかもしれないという

気がした瞬間、メイド長は、

奥様が全く食事をとらないので

心配だ。

食欲がないのかと思ったけれど、

そうではなく、

絶対に食べないという決意を

固めたようだ。

数日間、食事の準備をするなと

命令を出していると言いました。

 

氷のような水を浴びるという

狂ったことだけでは足りず

ハンガーストライキだなんて。

 

バスティアンは

静かなため息をつきながら

体の向きを変えました。

オデットが自傷行為をする理由を

知るはずがないメイド長の顔は、

心からの心配でいっぱいでした。

 

メイド長は、

奥様は、かなり

気を落としているようだけれど

ご主人様が、奥様の気持ちを

慰めてあげられたらと思い、

差し出がましいことを口にしたと

言いました。

 

バスティアンは、

「そうですか」と返事をすると、

食事の準備は可能かと尋ねました。

メイド長は、

簡単な軽食程度ならできるはずだと

答えると、バスティアンは、

それで構わないので、

妻の部屋に持って来てと

淡々と命令しました。

そして、オデットの部屋に向かって

足を踏み出しました。

 

腕時計は11時を指していました。

それほど、

遅い時間ではありませんでした。

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テオドラという名前の意味は

神からの贈り物という意味が

あるそうですが、

悪魔からの贈り物の

間違いではないかと思うくらい

このお話のテオドラは、

悪辣だと思います。

バスティアンの母親に使った毒を

オデットにも使おうとするなんて

どこまで

罪を重ねれば気が済むのか。

自分の幸せのためなら

人が不幸になることを厭わない

テオドラに天罰が降って欲しいです。

 

冷たい水を浴びたり

ハンガーストライキをしたり

オデットは、

自分の体を痛め過ぎです。

オデットには、もう少し自分を

大事にしてもらいたいです。

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