自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 125話 ネタバレ ノベル 原作 あらすじ 幻想

125話 オデットとバスティアンはヘルハルト公爵家へ来ています。

静かに近づいて来た公爵家の執事は

昼食の準備が整ったことを

丁重に告げました。

頷いたカタリナ・フォン・ヘルハルトは

笑顔で、集まった人々を見回しました。

さえずる鳥のように

陽気に談笑していた貴婦人たちは、

一斉に口を閉ざして、

彼女を見つめました。

手にしたティーカップ

ぼんやりと見下ろしていた

オデットは、

一歩遅れて姿勢を整えました。

 

最後に、オデットを一瞥した

カタリナ・フォン・ヘルハルトは、

それでは、これで席を移しましょうと

短いお茶の時間の終わりを告げました。

視線は依然として、

オデットに向けられたままでした。

 

その意味を理解したオデットは

落ち着いて席を立ち、

ヘルハルト家の老婦人を

スコートしました。

女主人のエスコートは、

通常、その集まりで最も身分の高い客が

務めるものであることを踏まえると

かなり異例の選択でした。

おそらく、この場が不慣れな彼女を

疎外させないための

細やかな配慮のようでした。

 

客用の応接室を出た貴婦人たちは、

昼食が用意されている

邸宅の西側の食堂に向かいました。

 

オデットは、

ヘルハルト家の老婦人と共に

先頭に立ちました。

廊下の窓の向こうには、

天国に喩えられるほど

美しいことで有名な公爵家の領地が

広がっていました。

狩りに出かけた男たちが群れをなして

庭の裏手の森に移動していました。

 

オデットは、

一気にバスティアンを見つけました。

狩猟服を着た彼は、

ヘルハルト公爵と並んで馬を駆りながら

話を交わしていました。

独特の真っ直ぐな姿勢と

節制された動作は、乗馬中も

変わらず維持されていました。

理性を失ったまま、

互いを貪り合った昨夜のことが

夢のように感じられる姿でした。

 

クラウヴィッツ夫人は、

夫から目を離せないと、

意地悪くからかう声が、

深まる思いを打ち砕きました。

オデットは、ひどく慌てて、

声のする方へ顔を向けました。

茶目っ気たっぷりの笑みを浮かべた

ヘルハルト公爵の母親が

彼女を見つめていました。

 

結婚3年目にもなると、

そろそろ新婚の甘い夢から

覚める頃なのに、不思議だ。

 

そのうちの2年間は離れ離れになり

再会した夫婦だから、

互いに切ない思いを抱くのも

無理はないだろう。

 

その通り。

それに、まだ子供もいないので、

今は夫が世界中で一番好きな時だ。

 

後を付いて来た中年の夫人たちが

口を挟むと、ひとしきり、

笑いが沸き起こりました。

オデットは、そっと目を伏せたまま

微笑を浮かべることで、

恥ずかしがり屋の新婚の妻を

装いました。

 

エリーゼ・フォン・ヘルハルトは

確かに、言われてみればそうだ。

マティアスも早く結婚して、

こんな幸せを

享受しなければならないのにと

遠ざかっていく息子の後ろ姿を

見つめながら愚痴をこぼしました。

 

自然に話題は

翌年に行われる予定の

ヘルハルト公爵の結婚へと

移りました。

ようやく一息ついたオデットは、

計画を実行する時を思い悩みながら

日差しがいっぱいの廊下を

歩きました。

 

結論が出ると、思わず窓の向こうに

目が行ってしまいました。

狩りに出かけた群れは、

今や森の入り口に

差し掛かっていました。

 

顔を確認するのが難しい距離でしたが

今回もオデットは、

一目でバスティアンに気づきました。

初めて会った日から

今日に至るまでの記憶が、

殺風景な初冬の風景の上を

素早く通り過ぎました。

 

 

何一つ、正常の範疇に入っていない

関係でした。

それでも、互いの利益を図るために

手を組んだものの、結局は、

互いを蝕み合う結末に

至ってしまいました。

時間が経てば経つほど、

より深い傷痕を

残すことになるだろうから

この辺で終わらせるのが

正しいと思いました。

 

最後の躊躇まで振り払ったオデットは

今、目の前にある現実に

目を向けました。

 

彼女は、落ち着いて

昼食会場に入って席に着き、

周りの客と軽く歓談しました。

まずは集まりに参加した後、

適当な時機を見て、

席を立つつもりでした。

 

予期せぬ事態が発生したのは、

前菜が運ばれてきた直後でした。

鼻先をかすめる牡蠣の匂いを

認知したのと同時に

吐き気を催しました。

隠す間もなく起こったことでした。

 

隣の席に座った治安判事の妻が

心配そうな眼差しで

「大丈夫ですか?」と尋ねました。

 

ナプキンで口を覆ったオデットは

小さく頷くことで、

代わりに答えました。

しかし、子供の考えは違ったのか

吐き気は、

なかなか収まりませんでした。

口の中いっぱいに溜まった

酸っぱい唾を

かろうじて飲み込みましたが、

再び胃がねじれて吐き気がしました。

 

青ざめて冷や汗を流している

オデットを発見した

カタリナ・フォン・ヘルハルトは

目を丸くし、

具合が悪いのかと尋ねました。

食前酒を飲んでいた

エリーゼ・フォン・ヘルハルトの視線も

まもなく同じ場所に向かいました。

 

オデットは謝罪し、

胃炎のせいだと言い訳をしましたが

話をきちんと終える間もなく

再び吐き気を繰り返しました。

 

どうやら、

そういった類の問題ではなさそうだと

注意深くオデットを観察していた

エリーゼ・フォン・ヘルハルトの口元に

妙な笑みが浮かびました。

 

目配せで嫁を制止した公爵家の老婦人は

温かい憐れみが込められた目で

少佐の妻を見つめました。

 

老婦人は、

まずは客用の寝室へ行って

休むように。

狩り場へ人を送って

クラウヴィッツ少佐を呼んで来させると

言いました。

 

その言葉に驚いたオデットは

慌てて首を横に振りました。

落ち着いて礼儀正しい性格とは

相容れない行動でした。

 

オデットは、

そのような迷惑をかけるのは

本当に申し訳なくて面目ないことだ。

許してもらえるなら、

先にホテルに帰るようにすると

言いました。

 

その言葉に面食らった

カタリナ・フォン・ヘルハルトは

「夫なしで1人でですか?」と

聞き返しました。


オデットは、

こんなことで、

夫の仕事の邪魔をしたくないと

オデットは、

かなり切迫した様子で訴えました。

聞き入れざるを得ない懇願でした。

最初に獲物を仕留めたのは

ヘルハルト公爵でした。

彼が撃った弾丸は、

茂みの間を疾走していた鹿の息の根を

一気に止めました。

 

その光景を見守っていた

リンドマン侯爵が、

今度は、走り回る獲物にも

関心を示すつもりなのかと尋ねると

おどけた様子で拍手を送りました。

 

ヘルハルト公爵は特に反応を示さずに

馬の頭を回しました。

バスティアンは適切な距離を置きつつ

静観の構えを崩しませんでした。

ヘルハルト公爵の名前を

前面に出してはいるけれど、

実際には、領地を訪問中の

従兄であるリンドマン侯爵が主催した

集まりに近いものでした。

それを証明するかのように、

マティアス・フォン・ヘルハルトは

狩りにこれといった熱意を

見せませんでした。

しかし、バスティアンが提案した

事業協力の議論には、

かなり真剣に取り組んでくれているので

それで十分でした。

ただ話をする機会が必要だっただけで

バスティアンも、狩りには

あまり興味がありませんでした。

リンドマン侯爵も

ウサギ狩りに成功すると、

雰囲気が一段と盛り上がりました。

 

猟師は、鳥を狩るのに適した

川辺の方へ猟犬を導きました。

落ち葉が積もった道を走る

馬の蹄の音と、銃声が

森の静けさを揺るがしました。

 

バスティアンは、

適当な時を見計らって、

水鳥一羽に弾を命中させました。

異変が発生したのは、

彼がちょうど白い鳥に向かって

銃口を向けた時でした。

先頭に立っていたヘルハルト公爵が

正確にその獲物に狙いを定めました。

彼らしくない行動でしたが、

バスティアンは、

快く譲ってやりました。

だから、バスティアンは、

ヘルハルト公爵の誤射が、

おそらく、

意図的な選択だったということが

分かりました。

 

ヘルハルト公爵もミスをするなんて

今日は本当に、

面白いものばかり見ていると、

リンドマン侯爵から始まった笑いが

たちまち群れ全体に広がりました。

 

射撃の鬼才という名声に汚点が刻まれた

瞬間でしたが、ヘルハルト公爵は

大したことではないと

笑い飛ばしました。

 

バスティアンは顔を上げて

鳥が飛んでいった空を見つめました。

あれを撃てば、

マティアス・フォン・ヘルハルトが

かなり面白いことをした理由を

知ることができるだろうか?

 

少し興味が湧いたものの、

バスティアンは、あえて

危険を冒さないことにしました。

道の向こうから、

一人の女が走って来たのは

その時でした。

 

従弟をからかうのに夢中だった

リンドマン侯爵が、

あれ?あの子が、

どうしてここにいるのかと

驚いた顔で、

狩場に乱入して来た女を見つめました。

公爵家の使用人たちと

他の一行の視線も

一斉にそこに向かいました。

 

バスティアンは気乗りのしない目で

招かれざる客を見ました。

女は、おそらく、

公爵家の使用人の家族のようでした。

侍従たちに叱られる最中にも、

その女は、

ただ公爵だけを見つめていました。

 

主人を慕う、

分別のないメイドが起こした

騒動程度だと、

結論を下したバスティアンは、

その辺で関心を引きました。

美人ではあるけれど、

マティアス・フォン・ヘルハルトは

たかがそのような理由で

メイドを欲しがる類では

ありませんでした。

 

それを証明するかのように、

公爵は、妨害者とは反対の方向に

馬を回すことで状況を収拾しました。

バスティアンも、すぐ後に続きました。

 

ヘルハルト公爵は、

向こうの森に鹿がよく出没する。

クラウヴィッツ夫人が喜ぶプレゼントを

手に入れることができるだろうと

先に口を開きました。

 

鹿の頭をプレゼントでもらった

オデットを描いてみたバスティアンは

思わず笑ってしまいました。

喜ぶだなんて、とんでもない。

気絶さえしなければ幸いでした。

 

バスティアンは、

妻にまで気を使ってもらったことに

お礼を言うことで、

女心に疎い朴念仁の趣向を

尊重してやりました。

 

2人がちょうど道を曲がった瞬間、

激しい風が吹き荒れ、

森を覆っていた赤い落ち葉が

突風に乗って舞い上がりました。

 

バスティアンは急いで馬を止めて

振り返りました。

それと同時に、

すっかり忘れていたとばかり思っていた

夢の残像が脳裏をかすめました。

 

落ち葉は一瞬にして花となって咲き、

森は広大な野原になりました。

バスティアンは、

再びその夢の中へと戻り、

目を開きました。

そして、彼は、

金色に輝く日差しが降り注ぐ

地平線の向こうから近づいている人影

幼い頃のオデットといっても

信じられるほど、

美しい女の子を見ました。。

 

その夢の記憶は、

ぴょんぴょん跳ねながら走って来た

子供が、にっこり笑って、

彼の手をギュッと握る瞬間、

幕を下ろしました。

 

「クラウヴィッツ少佐」

公爵の落ち着いた声が、

静まった風に乗って伝わって来ました。

バスティアンはようやく、

自分がぼんやりと

虚空を見つめていたことに

気づきました。

「行きましょう」と

ヘルハルト公爵が丁重に勧めました。

 

雲一つない、高くて青い空の向こうを

じっと見つめていたバスティアンは、

ゆっくりと視線を戻して

公爵に向き合いました。

静かな見つめ合いが続いている間に、

他の一行が近づいて来て

彼らの周りを取り囲みました。

 

バスティアンは、

儀礼的な笑みを浮かべながら

「はい、そうですね」と

決まり文句の返答をしました。

目的を完遂させるためには、

必ずヘルハルトの協力が必要でした。

単なる虚しい幻想のために、

このような重大事を

台無しにするわけにはいきませんでした。

 

誰が先に雄鹿を捕まえるか賭けないか。

公平を期すために、

勲章をたくさん付けた2人の将校は

別々に競ってもらうことにするという

リンドマン侯爵の提案が、

雰囲気を一層和らげました。

興奮した若者たちは、

先を争って馬を駆り立て始めました。

 

バスティアンは、

ヘルハルト公爵と並んで

群れの最後尾に立ちました。

スピードを出さない彼らと

森を疾走する仲間たちの間隔は

ますます大きく広がって行きました。

しばらく中断されていた議論を

再開するには最適な条件でした。

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とうとう、マティアスがフィービーを

逃がしたシーンが出て来ました。

もし、バスティアンが興味本位で

フィービーを撃っていたら、

マティアスはバスティアンの事業に

強力しなかったかもしれません。

それにしても、

仕留めた鹿をプレゼントしたら

オデットが喜ぶと思うなんて、

マティアスは女心が

全く分かっていないと思います。

だから、悉く、

レイラへのアプローチに失敗したのだと

思います。

 

バスティアンの幻想に出て来たのは、

もしかして、オデットの中にいる

子供でしょうか。

子供が自分の存在を知らせたくて

そんな幻想を見せたのではないかと

思いました。

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