自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 131話 ネタバレ ノベル 原作 あらすじ 鬼ごっこの終わり

131話 バスティアンがフェリアへやって来ています。

面接を終えたオデットは、

明るい笑顔で出て来ました。

緊張しながら呼び鈴を鳴らした

最初とは、明らかに変わった姿でした。

最初のボタンを無事にはめた。

街に出ると、それが実感できました。

 

オデットに頼まれた下宿の主人は、

5歳の女の子にピアノを教える仕事を

紹介してくれました。

裕福な弁護士一家の一人娘なので、

報酬は

悪くないだろうとのことでした。

 

問題は、普通の貴族に劣らず

お高くとまっている女主人だろうと

話していましたが、

幸い子供の母親が

好意的な反応を示してくれました。

考えてみた後に、

採用するかどうかを知らせると

言いましたが、来週から

レッスンをすることができるかどうかを

それとなく聞いて来たのを見ると、

すでに心を決めたものと見なしても

良さそうでした。

 

オデットは、普段とは違って

浮かれた足取りで、

都心の繁華街へ向かいました。

曇った天気さえ

祝福のように思える日でした。

もしかしたら、暖かい南の、

どこか小さな街に定着して、

平穏な生活を送るという願いが

叶うかもしれないと考えただけでも

胸がいっぱいになりました。

 

いつかそんな日が来るとしたら。

オデットは、この2年間忘れていた

夢の中の風景を描きながら、

年末年始の雰囲気が漂う商店街を

歩きました。

 

童話の中の一場面のように、

美しく飾られたショーウィンドウを

見物し、いくつかの生活必需品を

購入しました。

金貨型のチョコレートを購入したのは

衝動的な選択でした。

こんな無駄遣いをする

状況ではないことを知っていましたが

それでも、

今日を記念することにしました。

 

あなたは、どんな子でしょうか。

ふと、それが気になったのは、

リンゴを買って、

トラムの停留所に向かっている

途中でした。

 

あらゆる試練を

乗り越えてくれたのを見ると、

とても強靭な子供のようでした。

幸い、オデットに

似てはいないようでした。

あまり好きではなかった食べ物を

好んで食べるようになったのを見れば

子供が望んでいるのだろうけれど

それなら味覚も

オデットと同じではなさそうでした。

 

徐々に遅くなった歩みを止めた

オデットは、

思わず静かなため息をつきました。

思いを巡らせているうちに

描き出した、あの男の顔が

白く散らばる息の上に

浮かんでは消えて行きました。

 

いつかは、子供が、

父親を知りたがる日が来るだろう。

どんな言葉で

彼を説明できるか分からず

途方に暮れましたが、オデットは

深く考えないことにしました。

それは遠い未来のこと。

今は、目の前の現実を

うまく乗り越えていく悩みだけでも

手一杯の時でした。

オデットにできることは、

ただ最善を尽くして現在を生き抜き、

時がもたらす答えを

待つことだけでした。

 

ゆっくりと息を整えたオデットは

残りまでわずかの停留所に向かって

再び一歩を踏み出しました。

 

通りの向こうから

トラムのベルの音が聞こえ始めた時

何気なく目を向けた

タバコ屋の前の新聞スタンドに、

オデットは、あの男の顔を見ました。

幻を見たと思って、

再度、確認してみましたが、

変わることはありませんでした。

今日の夕刊新聞の一面に

バスティアン・クラウヴィッツ

写真が載っていました。

 

北海の英雄。

父と戦った鉄道戦争では

惨敗を免れなかった。

 

衝撃的な見出しを確認したオデットは

よろめくような足取りで

スタンドの前に近づきました。

 

ベルクの戦争英雄であり実業家である

バスティアン・クラウヴィッツ

フェリアを訪問した目的とその結果を

深く掘り下げた記事で、

彼は、フェリア政府が売却する

国有鉄道の事業権を勝ち取るために

積極的な攻勢を繰り広げたが、

勝利は、最も強力なライバルであり

父親のジェフ・クラウヴィッツ

手に渡ったという内容でした。

 

タダで読もうなんて考えないで

金を払えと、

ドアを開けて出て来たタバコ屋の主人が

激しく叫びました。

オデットは、半分魂が抜けたまま

首を横に振り、

手に握っていた新聞を下ろすと

やっとのことで声を出して

謝りました。

 

指先から始まった震えは

瞬く間に全身へと広がりました。

入札の発表は

今日の午前中に行われました。

そしてバスティアン自らフェリアへ来て

その場に参加したとのこと。

 

あの男がここにいる事実に

ハッと気づいたオデットは

逃げるように、

新聞スタンドの前を立ち去りました。

早く帰らなければならないという

考えだけが浮かびましたが、

力が抜けてしまった両足は

彼女の思い通りに

動いてくれませんでした。

 

その間にトラムが到着し、

降車した乗客が、

通りにあふれ出て来ました。

 

よろめきながら

停留所に向かっていたオデットは、

その人波に押されて

バランスを崩しました。

落としてしまった紙袋が

道端に落ちたのと同時に、

腕をギュッとつかむ手が

感じられました。

 

「大丈夫ですか?」

オデットを起こしてくれた通行人が

心配そうに尋ねました。

オデットは、助けてくれた人に

反射的にお礼を言うと、

慌てて落ちた物を拾いました。

破れた紙袋はあきらめて、

コートのポケットに、

品物を無造作に詰め込みました。

 

先程の男が、

ベルク語で話しかけて来たという

事実に、ハッと気づいたのは、

失敗の後始末が、

一段落した時のことでした。

 

ぼんやりとした目を

パチパチさせていたオデットは

死んだ人のような顔色で

周囲を見回しました。

乗客を乗せたトラムが

出発したばかりだったので、

停留所は、

再び閑散としていましたが、

あの男の姿は見えませんでした。

 

オデットは、

理性的に状況を判断しようと

努力しました。

 

ベルクは、

フェリアと友好関係にある隣国で

交流が活発なため、

ここでベルク人に会うのは

それほど珍しいことでは

ありませんでした。

しかし、彼は、

まるでオデットの国籍を

すでに知っているかのように、

ごく自然に母国語を使いました。

 

考えがそこまで及ぶと、

ふと、あの男の顔が浮かびました。

かすめるように見ただけなので

容貌は、ぼやけていましたが、

頬にあった大きな傷跡は

鮮明に思い出すことができました。

 

妙な既視感を覚えた理由を

理解したオデットの唇から

新たに、うめき声が混じった

ため息が漏れました。

 

トラムを待つ余裕さえ失ったオデットは

夢中で通りを走り始めました。

バスティアンは、

小切手を1枚差し出すことで

交渉を締めくくりました。

記入されている数字を確認した

エティエン鉄鋼のオーナーは、

豪快に笑うことで

受諾の意思を示しました。

優に、蒸気機関車30編成分は

買える金額でした。

金融事業に注力するために

鉄鋼事業を整理しようとしていた

エティエン側が

断るはずのない提案でした。

 

鉄道を買い損ねたお金を

代わりに鉄鋼に注ぎ込む

決心でもしたようだ。

今回の入札に、

攻撃的に臨んでいるという噂が

国境を越えて広がっていたので、

まさか最初から鉄鋼が

目的だったわけではないだろうと

しばらく、

バスティアンを見つめていた老紳士が

腹黒い質問を投げかけました。

 

バスティアンは、

気づいていたようですね。

痛恨の敗北を喫し、

大恥をかいてしまったので、

何か一つでも手にして帰らなければ、

最底限の体面を保つことが

できないと思ったのでと、

適当にとぼけて調子を合わせました。

 

よく考えた。時には次善の策が、

最善より良い結果をもたらすもの。

後悔しないと思うと告げると、

老練なキツネのような

フェリアの実業家は、

その辺で一歩引いて話題を変えました。

取引の成功を祝い、

今後も緊密な協力関係を

継続できることを願う、

極めて平凡で無難な締めくくりの挨拶が

さらに、いくつか続きました。

 

待機中だった実務担当者に

細部の調整と仕上げを一任した

バスティアンは、

そのくらいで退場することで

次の幕を開けました。

あと残っている任務はただ一つ。

妻と一緒に

帰国の途につくことだけでした。

 

待機していた車に乗り込んだ

バスティアンは、ケラーから渡された

オデットが滞在している下宿屋の

住所が書かれたメモを運転手に渡して 

ここへ向かって欲しいと命令しました。

そして、座席に深く腰掛け、

窓の外を通り過ぎる風景を眺めました。

駅が見える通りに入ると、

無意識のうちに失笑が浮かびました。

 

ジェフ・クラウヴィッツは、

鉄道王という虚しい名声を

決して捨てることはできないだろう。

今回の競争の勝利で

自信満々になっているはずだから

なおさらでした。

 

視界を遮ったまま暴走していた

競走馬が倒れるその日まで、

バスティアンは、

この情けない王座争奪戦に

真剣に取り組んでいるかのように

見せかける必要がありました。

 

鉄道事業はすでに飽和状態でした。

現状維持は可能だろうけれど、

新しい時代を率いて行く

原動力になるのは困難でした。

父との数年間の鉄道戦争で得た

教訓でした。

 

衰退しつつある王朝を

簒奪したいという気持ちは

微塵もありませんでした。

だから、あの見苦しい鉄道王の座は

朽ち果てるまで、

父のものになるはずでした。

それに気づいた時は、

もう、そんな名前で呼ばれることすら

できなくなるだろうけれど。

 

父が勝利感に浸れば浸るほど

事が運びやすくなるはずでした。

フランツがかき集めた債権が

紙くずになってしまえば、

入札に成功した事業を進める

余力がなくなるだろうから、

結局、手放すしかないはず。

その時が来れば、

二束三文で買い叩くのが

最も合理的だというのが

バスティアンの見解であり、

理事会も同意してくれました。

 

フェリアの鉄道は、

明らかに有用な価値がありました。

ただ今回の落札価格ほどの

値打ちがないだけでした。

 

目標金額で

事業権を獲得することができれば、

バスティアンはいくらでも

嘲弄される敗北者の役を

演じることができました。

 

もう一度じっくり考えを整理すると、

窓の外を流れていた風景が

止まりました。

 

後部座席のドアを開けた運転手が

「到着しました。こちらです」と

丁重に告げました。

彼が指差した所には、前王朝風の

3階建てのレンガ造りの建物が一軒

立っていました。

 

バスティアンは、

すぐに車から降りました。

見覚えのある若者が現れたのは、

下宿先の呼び鈴を

押そうとした瞬間でした。

今回の件のために送った

ケラーの助手でした。

 

「申し訳ありません」と、

まず、彼は謝罪しました。

良くない兆候でした。

 

歩を止めて踵を返した

バスティアンは、階段を下りて

ケラーの助手と向き合いました。

じっと彼を見つめる青い目は、

雨雲に覆われた今日の空のように

暗い光を帯びていました。

 

ケラーの助手は、

約30分前に、クラウヴィッツ夫人は

ここを離れた。

ケラー氏が後を追いかけたけれど

自分はここで、少佐に

それを伝えるよう命じられて、

待機していたところだったと

説明しました。

 

バスティアンは

「そうですか」と答えると

淡々と頷きました。

うろたえている彼の顔を見た時、

すでに予見していた状況でした。

 

ケラーの助手は、

おそらく、列車に乗りに向かっている。

ケラー氏の考えも同じだ。

そちらへ、連れて行くと告げました。

 

バスティアンが、

「分かりました。 出発しましょう。」

と返事をすると、敏捷な動作で

車に乗り込みました。

ようやく緊張を解いたケラーの助手も

すぐに後を追いました。

 

駅へ行くようにと

命じたバスティアンは、

ここへ来た時と変わらず、

静かな目まざしで、

窓の外を凝視しました。

かなり面倒にはなったけれど、

これしきのことで、

感情をすり減らす必要など

ありませんでした。

 

今まで、オデットが、

この不埒な鬼ごっこ

楽しむことができたのは、

彼がそれを容認していたからでした。

そしてバスティアンは、

もう、これ以上、

目隠しされた鬼になる気が

ありませんでした。

それだけで、すでに結論が

出ているようなものでした。

 

スピードを上げて走った車は、

すぐに駅舎の前に到着しました。

1日中曇っていた空から降り出した

冷たい冬の雨が

街を濡らしていました。

バスティアンは躊躇うことなく

雨の中に入りました。

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バスティアンがケラーに

オデットを見張るよう命じた時、

彼女の危険を回避することも

含まれていたとしたら、

ケラーがオデットを助けたのは

当然のことだったのでしょう。

しかし、2度も同じことが起きて

しかも、ケラーの傷跡のせいで、

オデットはバスティアンに

見張られていたことに

気づいてしまった。

それでも、

2度目にケラーに助けられなければ、

オデットは、彼に見張られていることに

気づかなかったのだから、

ケラーは凄腕の探偵なのだと思います。

 

バスティアンは、

子供が生まれたら、離婚をして

子供を取り上げて

サンドリンに育てさせると

言っていますが、

ここまで執着しているオデットを

手放すつもりはないと思います。

オデットに逃げられたくなければ

離婚はしない。子供が生まれたら

自分たちで育てると、オデットに

話せば良いのではないでしょうか。

バスティアンは、かなりオデットを

精神的に追い込んだので、

もう彼女は、十分罰を受けていると

思います。

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