自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 134話 ネタバレ ノベル 原作 あらすじ 監禁

134話 バスティアンはオデットを連れて帰って来ました。

問題の絵が掲載されたタブロイド紙

アルデン邸の使用人の休憩室にまで

入り込みました。

バスティアン自ら、

拡散するのを防いだものの

すでに市中に出回った分まで

回収するのは無理でした。

かなりの上乗せ価格をつけた

闇取引まで横行しており、

街へ出かけたメイドが

手に入れて来た雑誌も、

そのうちの一つでした。

 

「これを見て! 私が・・・」と

はしゃいでいるメイドが

雑誌を振りかざしたのと同時に

「こちらへ寄こしなさい」と

冷厳な命令が下されました。

 

後ろを振り向いたメイドは、

幽霊でも見たような顔をして

後ずさりしました。

冷たい表情のドーラが

手を差し出していました。

 

ドーラは、

そんなものを、この邸宅に持ち込んだら

追い出されることになると

すでに何度も注意しているのにと

激しく叱ると、

若いメイドが握っている雑誌を

取り上げました。

好奇心に満ちた目を輝かせていた

使用人たちは、慌てて顔を背けて

しらばっくれ始めました。

 

メイドは、

自分はただ、

言いつけられた通りに・・・と

ドーラに謝りましたが、

彼女は、

主人の悪口を言うメイドは必要ない。

あなたは今日限りでクビだ。

今すぐ部屋に戻って、荷物をまとめろと

妥協の余地はないと宣言するかのように

冷酷に命じました。

真っ青になったメイドが跪いて

涙を流しても、

ドーラは動じませんでした。

 

ある日、突然姿を消した

クラウヴィッツ少佐の妻が

妊娠した状態で戻って来ました。

その事実だけでも、

格好のゴシップの種になったはずなのに

そこに、不徳な背信と痴情までが

加わりました。

一人の女を巡る異母兄弟だなんて。

まさに全帝国が熱狂するほどの

スキャンダルでした。

しかも、その異母兄弟は公然と対立し

反目し合う仲なので、 真実が何であれ

非難は簡単には消えないはずでした。

だからこそ、この邸宅の壁を、さらに

高くしなければなりませんでした。

 

あらゆる汚い噂が流れているけれど、

ドーラは、オデットが

絶対にそんなことをする人では

ないということを知っていました。

なかなか心を開かない主人なので、

その本心を知り尽くしているとは

言えませんでしたが、

すくなくとも、それだけは

確信することができました。

 

ドーラは、

よく見ておくように。

こんなことをすれば、それが誰であれ

あの子と同じ末路を辿ることになると

警告しました。

 

声を張り上げて泣いていたメイドが

荷物をまとめるために立ち去ると、

ドーラは、握りしめていた雑誌を

暖炉の炎の中に投げ入れました。

怖じ気づいた使用人たちは、

息を殺して、

お互いの顔色を窺うことに

必死になりました。

 

緊張感がピークに達した頃

ご主人様が帰って来た。

もうすぐ邸宅に到着するという

意外な知らせが届きました。

逃げる口実だけを探していた

使用人たちは、慌てて立ち上がって

出迎えに行きました。

 

灰になって消えた雑誌を確認した

ドーラは、

最後に休憩室を出ました。

玄関へ駆けつけ、整列してから

まもなく

バスティアンの車が停まりました。

オデットを置いて去ってから

6日ぶりの帰宅でした。

しばらく息を整えていた探偵は

情況から判断すると、

フランツ・クラウヴィッツ

後援していた画家に裏切られたようだと

話題を変えました。

 

バスティアンは

やや低いため息をつくと、

机の端に腰を下ろしました。

書斎の窓の向こうに広がる海は、

いつの間にか

深い闇に包まれていました。

 

事の経緯を耳にした瞬間、

バスティアンは、

フランツの仕業ではないと

確信しました。

フランツは、せいぜい、

人知れずオデットを偵察しては、

ちょっかいを出すのが関の山だった

馬鹿者なので、

このような正面勝負をする度胸と勇気が

あるはずがありませんでした。

もちろん、ここまで愚かだとは

思ってもみませんでしたが。

 

探偵は

「あの、少佐?」と声を掛けました。

バスティアンは受話器を握り直して

「聞いています。 続けてください」

と短い返事をしました。

 

ケラーは咳払いをして声を整えると、

フランツ・クラウヴィッツが、

個人の所有として描いて

保管していた絵を、

同じアトリエを使う画家たちが

こっそり持ち出して、

展示会場に掛けた。

主導者はノア・ホフマンという

無名の画家で、

正確な目的が何かは、まだ調査中だと

報告しました。

 

ノア・ホフマン。

バスティアンは聞き覚えのある名前を

頭の中で繰り返しながら、

タイの結び目を引き下ろしました。

そういえば、

最近、サンドリンのベッドを温めている

若い愛人も画家でした。

姓は覚えていないけれど、

名前は、ぼんやりと

思い出すことができました。

おそらく、ノア。

偶然の一致である可能性は

極めて低いように思えました。

 

フランツを利用して、

オデットを始末しようとする計画。

考えがそこまで及ぶと、ようやく

最後のパズルのピースが

はまりました。

 

湾の向こう側に光る

父親の邸宅を凝視していた

バスティアンの唇から、

虚脱した笑いが漏れました。

どうやら、ラビエル嬢に手痛い一撃を

食らわされたようでした。

さすが、野心に溢れた勝負師でした。

 

バスティアンは、ケラーを労い、

残りは自分が直接解決すると

抑揚のない声で

捜査の終結を命じました。

サンドリンの仕業なら、すでに

目的が明らかになったも同然なので

これ以上の調査は無意味でした。

 

ケラーは、

面食らった様子でしたが、

「承知しました」と

素直に受け入れました。

 

電話を終えたバスティアンは

タバコを1本くわえたまま

窓の前に近づきました。

慌ただしく過ぎ去った、

この5日間の記憶が、冬の夜の海の上を

通り過ぎて行きました。

 

クライン伯爵は、

スキャンダルが露呈するや否や

すぐに婚約破棄を決めました。

それだけでなく、

娘と家門の名前を汚した

クラウヴィッツ家と絶縁すると

公表したとのこと。

 

社交界が誰の側に立つかは

火を見るより明らかでした。

それを証明するように、

すでに相当数の有力家門が

クライン伯爵を支持し始めました。

上流社会の一員になろうと

必死になってきた父の一生が

水の泡となったわけでした。

あれほどまでに執着していた

貴族の血統を持つ息子が招いた

惨事という事実が、

何よりも骨身に応えるはずでした。

 

吸い殻になったタバコを

灰皿に投げ入れたバスティアンは、

再び机の前に戻り、

受話器を取りました。

しばらくして、

聞き慣れた声が聞こえて来ました。

 

「こんにちは、バイトさん。

バスティアン・クラウヴィッツです」

と告げると、バスティアンは

微かな笑みを浮かべました。

ギョッとした相手が、

唾を飲み込む音が聞こえて来ました。

 

バスティアンはバイトに、

十分、時間を与えたのに、

まだ返事がないと告げました。

咳払いをした男は、

その件については、

すでに十分な返事をしたつもりだと

威勢良く応じました。

バスティアンはまず、

穏やかなため息をつくことで

遺憾の意を表しました。

 

ほとんどの報道機関は、

事の深刻さに気づき、一歩退きました。

あのスキャンダルを扱った新聞と雑誌は

全て廃棄され、

記者が撮影した元のフィルムも

回収して処分しました。

残ったのは、最も頭の悪い社長のいる

この雑誌社だけでした。

 

バイトは、

言論の自由を、このような形で

侵害されるのは困る。

自分には、

大衆の知る権利を守る義務があり、

それは今回のことにおいても

同じだということを

肝に銘じるようにと、

彼は再び豪快に声を張り上げました。

どうやら、

ライバル会社が諦めたスクープを

利用して得ることになる利益に

目がくらんだようでした。

投資の失敗で使い果たした財産が

相当なものなので、そうするのも

無理はありませんでした。

 

バスティアンは、

バイト氏の考えが

本当にそうなら尊重すると告げると

机に置かれた額縁を凝視していた目を

再び夜の海に向かいました。

 

バスティアンは、

当分の間、その自由を、

存分に楽しむように。

ついでに特別号の販売も

順調であることを祈っている。

その後のことに耐えるには

ある程度の備えが必要だからと

警告しました。

 

バイトは、

それはどういう意味かと尋ねました。

バスティアンは、

バイト氏の会社の雑誌は、

今号を最後に廃刊することになる。

必ずそうなると約束すると、

極めて落ち着いた声で

最後の警告を伝えました。

 

予想通り、男は、

この手の脅迫が受け入れらると

思っているのか。

それなら、

街のチンピラまがいの脅しを平然と行う

二つの顔を持つ英雄として

クラウヴィッツ少佐の記事も

一緒に載せてやると

興奮して叫び始めました。

 

しかし、バスティアンは、

好きにするように。

そのようにして妻と一緒にいられたら

自分にとっては、むしろ光栄なことだと

返事をしました。

タイを引き下げる

バスティアンの手の甲の上に

骨と血管が浮き出ました。

 

バスティアンは、

これだけは覚えておくように、

自分は自分のものを守るためなら

何でもするし、自分の戦い方は

あまり高尚でも上品ではないと

告げると、

かさついた顔を撫でました。

長い間、まともに眠れずにいましたが

意識は奇妙なくらい

鋭く覚醒していました。

 

慌てた男は、しどろもどろに

自分の資金難について

しゃべり始めましたが、

バスティアンは、それ以上聞かずに

通話を終了しました。

これだけ思い知らせてやれば

事の分別の一つもついたはず。

おそらく近いうちに

交渉を持ちかけて来るだろう。

先に処理した狼の群れが

そうだったように。

時が来たら餌を投げてやれば

それで十分でした。

 

バスティアンは、示談金の額については

考えていませんでした。

ただ、あの汚い絵が、

永遠に彼女の目に触れなくなれば

良いだけでした。

 

時間を確認したバスティアンは、

鐘を鳴らして執事を呼び出ました。

まもなく書斎のドアが開き、

緊張した顔のロビスが現れました。

バスティアンはロビスに、

オデットの分も一緒に

食事の用意をするよう指示すると、

タイの形を整えて立ち上がりました。

 

予期せぬ指示に驚いたロビスは

目を見開きました。

ロビスは、

奥様と一緒に夕食を取るということかと

尋ねました。

バスティアン、

「はい。妻の部屋で食べます」と

答えました。

それと同時に、

電話が鳴り始めました。

 

ロビスは、

そのようにすると返事をして

急いで頭を下げると、

慌てて書斎を出て行きました。

ドアが閉まるのを待っていた

バスティアンは、

そんなに急ぐ様子もなく

受話器を取りました。

 

「おい、クラウヴィッツ少佐。

俺の事情をちょっと聞いてくれ」

 

期待以上に卑屈になった

最後の狼でした。

任務を終えたメイドたちが去ると

再び重い沈黙が訪れました。

オデットは、

果てしない混乱を湛えた目で

寝室に用意された夕食の食卓を

眺めました。

大切な客をもてなす晩餐会に

使われるような豪華な食器や燭台、

そして飾られた花まで、

鉄格子のない監獄のような

この部屋とは異質な光景でした。

何よりもバスティアン。

平然とした顔で

食卓の前に座っている

その男がそうでした。


「食べなさい」

素っ気なく命令したバスティアンが

カトラリーを握りました。

オデットは、唾を飲み込み、

後ずさりしました。

 

バスティアンは、

ついに再び捕らえてきた彼女を

この邸宅に幽閉しました。

外出はもちろん、客の訪問も

徹底的に禁止しました。

電話と手紙も許しませんでした。  

当分の間、絶対的な安静が

必要だという主治医の診断を

名目に掲げていましたが、

事実上、監禁に近い措置でした。

 

オデットは、

一体、何が目的なのかと尋ねました。

バスティアンは、

用件はもう伝えたはずだと答えると

チラッと目を上げて向かいの席を

指し、再び食事を始めました。

惨めに追い出されるのを覚悟していた

この5日間の時間を

虚しくさせる態度でした。

 

オデットは、

フランツの絵のせいで

帝国中が大騒ぎしたことと、

あなたがラッツに滞在した理由が、

その件を

解決するためだったということを

よく知っていると、

先に本論を切り出しました。

 

事件の全容を把握することは、

それほど難しいことでは

ありませんでした。

口止めをしたからといって、

噂を防げられるわけではなく、

誰もが口を固く閉ざして

顔色を窺っていましたが、

それでも、

漏れ聞こえて来る話がありました。

 

オデットは勇気を振り絞って

食卓の前に近づくと、

全て事実だと告げました。

バスティアンは、

まるで何も聞いていないかのように

黙々と自分の分の料理を

食べるだけでした。

 

オデットは、

フランツと不適切な関係を結んだ。

そうしているうちに、結局、

父親が誰なのか分からない子供を

身籠った。

その事実がばれるのが怖くて

逃げたと話しました。

背筋を伸ばした姿勢とは違い、

オデットの眼差しは

不安そうに揺れていました。

その拙い演技を

しばらく鑑賞したバスティアンは、

大きく切った肉の切れ端を

口に入れることで

代わりに答えました。

 

オデットは、

そういうことにしよう。

これは、まさにあなたが

望んだ結末ではないかと

最後の一歩を縮めて懇願しました。

バスティアンは、

これといった感情のない顔を上げて

彼女を見つめました。

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このお話の舞台が現代なら、

展示会へやって来た人たちは

こぞってオデットの絵の写真を

撮りまくり、すぐにSNSにUPし、

あっという間に、

オデットの絵の写真が世界中に拡散し、

取り返しのつかないことに

なっていたでしょう。

紙媒体でしか知らせる方法が

なかった時代だからこそ、

バスティアンは、オデットの絵の写真が

拡散するのを

止めることができたのですよね。

けれども、バスティアンは、

それをするために、

かなりのお金を使ったのではないかと

思います。

そこまでする程、バスティアンは

オデットを愛しているのに、

その気持ちを彼女に伝えないから

オデットは何も分からない。

彼女を監禁しているのも、

二度と、逃がさないためというのも

あるでしょうけれど、

彼女を非難や軽蔑の目から

守る意味もあるのではないかと

思います。

最初はオデットのことを

気に入らなかったドーラが、

今では、

オデットのことを信じてくれて

守ってくれているのが

嬉しいです。

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