自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 138話 ネタバレ ノベル 原作 あらすじ すれ違った車

138話 ドーラの好意のおかげで、オデットは久しぶりに外へ出ています。

野良猫が庭に現れました。

興奮したマルグレーテが暴れ出すと

オデットは、

首輪をさらに強く握り締めました。

「ダメよ、メグ」と優しく諭す声が

涼しい風に乗って広がりました。

 

残念そうにしながらも、

マルグレーテは

素直に命令に従いました。

オデットは、

ようやく厳しい視線を和らげると

笑いました。

頭を撫でて褒めてやるのも

忘れませんでした。

 

オデットは庭の花壇の間を

マルグレーテとゆっくり歩きました。

一定の間隔を保ちながら

後を付いて来るドーラの足音が

静かな波の音と調和していました。

 

オデットが、

ちょうどパーゴラの下に着いた時、

「メイド長!」と

急いでドーラを探す叫び声が

聞こえて来ました。

1人の若いメイドが、早足で

庭を横切って来ていました。

 

行って来るように。

自分はメグと一緒に

ここで休んでいると告げると

オデットは、穏やかな眼差しで

パーゴラの下のベンチを

指し示しました。

 

オデットは、

心配しないで欲しい。

こんな姿で、

逃げられるわけがないことを

よく分かっているではないかと

言いました。

しかし、ドーラは、

奥様はマルグレーテさえいれば、

どこへでも飛んで行ってしまう

人ではないかと心配しました。

 

オデットは、

あの時は十分な資金があった。

見ての通り、今は翼を失っていると

答えると、

不信感を隠せない

メイド長を見つめながら、

微かに微笑みました。

呆れかえっていたドーラは、

しばらくして、

ため息のような笑みを浮かべました。

 

ドーラは、

なぜ、そうしなければならなかったのか

聞いても答えてくれないですよねと

尋ねました。

オデットは、ドーラに謝りました。

 

「ここまで」と穏やかな態度で

線を引いたオデットは、

マルグレーテを抱き上げて

パーゴラの下のベンチに近づきました。

悩んでいたメイド長は、

しばらくして引き返しました。

 

ドーラを安心させたものの、

自らの境遇を思い出した

オデットの唇の間から、

苦笑いが漏れました。

 

ジェンダス伯爵が訪れた日以降、

邸宅の警備が

さらに厳しくなりました。

運良く、監視役の目を欺いて

逃げることに成功したとしても、

固く閉ざされた出入り口を守る門番に

遭遇することになるだろう。

海にでも飛び込まない限り、

この領地を抜け出す方法は

ありませんでした。

 

どうかジェンダス伯爵が

伝え切れなかった言葉を

察してくれますようにと

オデットは切に願いました。

逃げることが不可能なら

助けを求めなければなりませんでした。

このような状況で

手を差し伸べることができる人は、

トリエ伯爵夫人ただ1人でした。

しかし、もし彼女まで背を向けたら、

その時は、どうすればいいのだろうか。

 

日が暮れていく西側の空を

じっと見つめるオデットの眼差しが

深まりました。

その時、花壇に隠れていた野良猫が

再び姿を現し、

おとなしく膝に座っていた

マルグレーテが極度に興奮して

ベンチの下に飛び降りました。

急き立てるように名前を呼んでも

無駄でした。

互いに追いかけっこを繰り広げていた

野良猫とマルグレーテは、

すぐに遊歩道の向こうの森へ

姿を消しました。

 

メグを連れて来ると、

メイド長に断りを入れたオデットは

急いでマルグレーテを探しに

出かけました。

森はマルグレーテの

遊び場のようなものでしたが、万が一

野獣に出会うようなことがあれば

危険な状況が発生する可能性も

ありました。

 

「メグ!」

オデットは声を張り上げて

マルグレーテを呼びながら

森の道を歩きました。

幸いなことに、

犬の吠える声が聞こえて来ました。

間違いなくマルグレーテでした。

 

オデットが、

ようやく一息ついている間に

松ぼっくりを口にくわえた

マルグレーテが、

嬉しそうにピョンピョン跳ねながら

走って来ました。

逃した野良猫のことは

すっかり忘れてしまったようで

ただ新しいおもちゃを見つけて

浮かれている様子でした。

尻尾を振りながら

松ぼっくりを転がす愛らしい仕草に

オデットは笑いました。

 

オデットはマルグレーテに、

ここではダメ。

ボール遊びは帰ってからやろうと

叱ると、

松ぼっくりをコートのポケットに入れ

マルグレーテを抱いて踵を返しました。

その時、

落ち葉を踏みながら歩いて来る足音が

足音が聞こえて来ました。

 

「・・・オデット?」

名前を呼ばれて振り返ったオデットは

目を見開きました。

1人がやっと通れるほどの狭い小道に

1人の男が突然現れました。

実家と内通をしていたモリーが

利用していた、まさにその道でした。

 

「フランツ!」

よろめきながら近づいて来る

茶色の髪の男に気づいた

オデットの顔から血の気が引きました。

その不安が伝わったのか、

マルグレーテも警戒態勢に入り

歯をむき出しにしました。

 

「本当に・・・あなたですね」

ぼんやりとオデットを見つめていた

フランツが、突然笑い出しました。

汚れた服と髪の毛、

そして傷だらけの顔まで。

外見にかなり気を使っていた

普段の様子とは、

明らかに違う姿でした。

距離が縮まるにつれて

濃くなる酒の匂いが、

その理由を語ってくれました。

 

ほら、見て。

やっぱりこうなると思ったと、

支離滅裂な言葉を呟く

フランツの陰鬱な目が

煌めき始めました。

 

ただならぬ事態を直感したオデットは

マルグレーテを抱いた腕に

力を入れながら後ずさりしました。

あんなことをしておいて、

自らここに足を踏み入れたフランツが

正気であるはずがありませんでした。

それなら、オデットが選べる選択肢は

ただ1つだけでした。

 

決意を固めたオデットは

全力で走り出しました。

声を張り上げて助けを求める声が

冬の森の静けさを破りました。

しかし、妊娠した体で

若い男性を振り切るには力不足でした。

急速に距離が縮まり、

冷や汗でびしょ濡れの手が

オデットのうなじをつかみました。

 

「ああ・・・!」

フランツは悲鳴を上げるオデットの口を

急いで塞ぎました。

手荒に扱いたくはありませんでしたが

今のところ、

どうしようもありませんでした。

 

狂気じみた興奮に酔いしれたフランツは

天からの贈り物のように来てくれた

オデットを連れて脇道に入りました。

狂暴に吠える犬は

オデットの懐から引き離し、

遠くへ放り投げました。

それでも、

しつこく付きまとっていましたが

彼に何度か蹴られた後、

静かになりました。

 

奥様!どこにいらっしゃいますか? 

オデットを探す声が

次第に近づき始めると、フランツは、

さらに狭くて急な道へと

方向を変えました。

 

オデットは、無意味な抵抗を

なかなか止めませんでした。

焦ったフランツは、

もう少し我慢してと告げると

ポケットから取り出した

ポケットナイフを

オデットの首に押し当てました。

力をうまく調節できなかったせいで

傷つけてしまいました。

真っ白な肌から滲み出る血を見た

フランツの顔が凄まじく歪みました。

 

あなたを傷つけたくないという

自分の気持ちが分かりますよねと

フランツは心をこめて懇願しました。

ようやく、おとなしくなったオデットは

きれいでした。

病人のように青白い顔と

みすぼらしい姿、ましてや、

あの獣の子を宿した惨めな姿さえも

欠点になりませんでした。

 

「愛しています、オデット」

フランツは恍惚したように笑いながら

足を早めました。

彼は、

もう全て終わった。

自分があなたを助けてあげると

告げました。

カーブが続く道路を疾走して来た

クリーム色の自動車は、今や、

上流階級の邸宅が密集している区域へ

差し掛かりました。

 

バスティアンは、

ギアをシフトチェンジして

スピードを上げました。

昼と夜が入れ替わるアルデンは、

赤い夕日に染まっていました。

湾を挟んで向かい合った

2つの邸宅も同様でした。

 

あの滑稽な光景は、

やがて消えることになると

バスティアンは確信しました。

窮地に追い込まれた父親の失策は

止まるところを知らず、

このままでは、

自滅するのも時間の問題でした。

早ければ、春が終わる前に

決着をつけることも

不可能ではありませんでした。

 

大願を成し遂げ、

夏が来て子供が生まれ、

そしてオデットとの関係に

決着をつければ、

全てを成し遂げたことに

なるはずでした。

再婚計画に支障が生じましたが、

バスティアンは、

もう結婚商売を必要としませんでした。

次の妻が必要になったら、

いつでも、また

適任者を探せばいいのだから。

 

簡潔明瞭な結論を出したバスティアンは

やや苛立った手つきで

タバコを取り出し、口にしました。

深く吸い込んで吐いた煙が

開けておいた窓から吹き込んで来た

夕暮れの風に乗って流れました。

 

だから、終わり。

紫色の黄昏が降り始めた水平線を見る

バスティアンの眼差しが

深く沈みました。

立て続けにタバコを吸ってみても、

肺の奥深くに溜まっている寒気は

少しも緩みませんでした。

 

指先に触れた

サンドリンの細い首と脈拍、

恐怖に浸食されていく瞳の記憶は、

今でも、現在のことのように

鮮明に残っていました。

あの瞬間の感情もまた同じでした。

 

サンドリンは、

まるで発情した獣のように

飛びかかって来ました。

バスティアンは傍観するかのように

静かな眼差しで、その光景を、

じっと見つめていました。

 

これといった表情のなかった彼の顔に

冷笑が浮かんだのは、

シャツを脱がせたサンドリンの手が

ベルトに触れた頃でした。

 

怒りと欲望に目がくらんだサンドリンに

バスティアンは自分の姿を見ました。

まるで、

鏡の前に立っているようでした。

オデットの目に映った自分もやはり

こうだったのだろうという気がすると

突然、サンドリンが、

耐え難いほど嫌になりました。

 

その次の瞬間の記憶は不明でした。

サンドリンの泣き声が

聞こえ始めてから、バスティアンは

再び正気を取り戻しました。

彼はソファーの上に投げ出された

サンドリンの上にまたがり

首を押さえ付けていました。

体に染み付いた防御術でした。

ただ興奮して暴れまわるサンドリンを

制圧するための手段に過ぎず、

危害を加えるだけの力を

込めてはいませんでしたが、

バスティアンは、

いくらでもサンドリンの首を

絞めることができたということを

知っていました。

いかなる戦場でも感じたことのない

冷たくて静かな殺意が

彼を支配していました。

 

サンドリンもやはり、

それに気づいたということは、

たちまち変わった彼女の眼差しで

証明されました。

 

生まれて初めて

人の命を奪いたくなった瞬間に

バスティアンが見たのは

サンドリンではなく自分の顔でした。

正確には、

オデットの目に映ったはずの

あの怪物でした。

 

あの女への復讐は

成功したのだろうか。

何度も自問してみたけれど、

バスティアンはついに

答えを見つけることが

できませんでした。

行き場を失った心を嘲る笑みが

口元に浮かんだ瞬間、

海岸線に沿って道路の向こうから

黒い車が姿を現しました。

 

バスティアンは、

何の役にも立たないタバコを

ようやく消すと、

再びギアをシフトチェンジしました。

速度を落として

カーブに差し掛かったのと同時に、

反対方向から走って来た車が

彼の車とすれ違いました。

一瞬の出来事でした。


短く一瞥したバスティアンは、

何ら関心を示すことなく、

その車の横を通り過ぎました。

見覚えのある車だったことを、

ふと思い出したのは、

曲がりくねった道の終わりが

見え始めた頃でした。

 

フランツ。

バスティアンは、車の窓越しに見た

ドライバーを思い出しました。

確かに父の車を運転していた

フランツでした。

そして後部座席には

別の同乗者がいました。

その女の顔が浮かんだのと同時に、

急ブレーキをかける音が

鋭く鳴り響きました。

「・・・オデット」

その名前を繰り返す

バスティアンの眼差しが、

ひやりと冷たそうに沈みました。

 

確かにオデットでした。

到底あり得ないことでしたが、

バスティアンは

自分の判断を疑いませんでした。

 

異常な速度で車を走らせるフランツと

必死に車の窓を叩いていたオデット。

脳裏に残った記憶を振り返った

バスティアンは、

躊躇うことなくハンドルを切りました。

方向を変えて疾走する車の音が

夕方の平穏を破り始めました。

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ああ、Solche様に

すっかり騙されました(笑)

137話のサンドリンの様子が

変だったものの、

てっきりバスティアンとサンドリンは

男女の関係になったと思って、あまり

良い気持ちがしなかったのですが

まさか、バスティアンが

サンドリンを制圧するために

首を押さえつけたという展開になるとは

思いもしませんでした。

しかも、その理由が

サンドリンの中に自分の姿を

見たからだなんて。

 

表向き、バスティアンは、

オデットに復讐するために、

オデットに子供を産ませた後、

その子を取り上げて、

サンドリンに育てさせると

言っているけれど、彼の本心は、

ただ、オデットと

体を交えたかっただけ。

そして、今まで事に及んでいる時は

オデットの気持ちなんて無視して

自分さえ満足すればいいと

思っていたのかもしれません。

しかし、自分がサンドリンに

襲われそうになって初めて、

自分がオデットに何をして来たか

気づいてしまった。

バスティアンは

そんな自分が急に嫌になり、

自分と重なっている

サンドリンの首を

押さえつけたのではないかと

思いました。

 

ところで、

庭から森へ行けるということは

庭と森の境目に塀があるわけでは

ないということですよね。

以前、モリーも同じ道を通って

スパイ活動をしていましたし・・・

マクシミンが来てから、

警備が厳重になったとありますが、

オデットは、

いとも簡単に森へ入ったし、

フランツも来られるくらいなので

森は、しっかり

見張られていないのかな?

と思いました。

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いつも、たくさんのコメントを

ありがとうございます。

 

あとは読者の想像にお任せではなく、

バスティアンとサンドリンの間に

何が起こったのか、

きちんと書かれていて良かったです。

予想外の展開に、私以外にも

驚いた方が多かったのではないかと

思います。

なぜ、バスティアンは今回、

サンドリンに殺意を抱いたのか

バスティアンの心情を思い図るのが、

とても難しかったです。

是非、皆様のご意見が聞きたいです。

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