自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ミス・ペンドルトンの恋 92話 ネタバレ 原作 あらすじ 石碑

92話 ローラがスター家でスター夫人と話しているところへ、ダルトン氏がやって来ました。

まもなく、ダルトン氏が

応接室に入って来ました。

黒いスーツの上に、

秋用の濃い緑色のフロックコートを

羽織るという、

こざっぱりした姿でした。

 

栗色の革手袋をはめた

大きな手の中には、

素朴な花束が数束ありました。

彼は帽子を脱いで、

スター夫人にお礼を言いました。

レトリバーの子犬から

立派な牧師夫人に戻ったスター夫人は

品のある微笑みで

彼を歓迎しました。

 

彼は夫人に安否を尋ねた後

ローラの方を向き、

ペンドルトン嬢も

いらっしゃったのですねと

声をかけました。

ローラは、いつものように

彼に微笑みかけました。

彼の顔を見ると、

先ほどの悲しみが消え、

気分が明るくなりました。

 

ローラは、

この前の晩餐会の時に、スター夫人が

ヨークシャー地方で評判の

アップルパイを食べさせてくれると

言っていたではないか。

同じ場にいたのに、

忘れてしまったのかと尋ねました。

ダルトン氏、

申し訳ない。忘れてしまったと

謝りました。

 

ローラは、

やはりダルトン氏は、

淑女に対して無頓着だと言うと、

彼は、

他の淑女たちに比べれば

格別な思いを抱いている。

そうですよね?と

スター夫人に確認しました。

彼女は頷いて「驚くほど」と

返事をしました。

 

ローラは花束に目をやると、

コベントガーデンの

花を売る少女のようだ。

ホワイトフィールドホールの温室に

咲いている花ですよね?

どこに、そんなに花束をたくさん

持って行くのかと尋ねました。

ダルトン氏は、

知り合いに会いに行くと答えました。

 

ローラが

「知り合い?」と聞き返すと、

スター夫人は、

亡くなった人たちのことだと答え

牧師館の裏に

墓地がありますよね?と尋ねました。

ローラは頷きました。

 

ダルトン氏は、

自分の気持ちとしては、

一束、プレゼントしたいけれど

亡き人のために摘んだ花を、

生きている淑女に捧げるのは

縁起が悪いので、今度、

ホワイトフィールドホールに

着た時に、

オリビアとペンドルトン嬢のために

一束ずつ、作ってあげると言うと

帽子を脱いで、そっと頭を下げた後

応接室を抜け出しました。

 

彼の足音が遠ざかって行きました。

スター夫人は首を傾げて

「変ですね」と呟きました。

ローラが、その理由を尋ねると、

スター夫人は、

ダルトン氏が墓地に花を供えに来るのは

毎月、最後の日曜日と決まっているのに

なぜ、平日に来たのだろうかと

不思議そうに答えると、

ゆっくりとソファーから立ち上がって

窓際へ歩いて行きました。

それから、彼女は窓際に立ち、

じっと外を見ました。

 

ローラも彼女の後を追って

窓際に立ちました。

窓からは、牧師館の質素な裏庭を

見下ろすことができ、

その裏庭は、鉄柵を挟んで

墓地に面していました。

 

乾いた芝生が広がる広い墓地には、

十字架形、長方形、

屋根を乗せた正方形。アーチ型など

様々な形の墓石が立っていました。

 

まもなく墓石の間から

ダルトン氏が現れました。

彼は並んで立っている

十字架の形をした墓石の前で

足を止めました。

そして手に持った花束一つを

二つの墓石の間に置き、

帽子を脱いだ後、頭を下げて

祈りを捧げました。

 

あの墓石は、ダルトン氏の両親の

エリック・ダルトン氏と

パトリシア・ダルトン夫人のものだと

スター夫人は説明しました。

 

約2分間の短い祈りの後、

彼はそばにある別の墓石に

花束を一つ置いて

再び祈りを捧げました。

 

スター夫人は、一つ一つ

その墓石の主について

教えてくれました。

 

ダルトン氏の祖父母の

トーマス・ダルトン氏と

イルーシャ・ダルトン夫人。

長い間、牧師館を守ってきた

ゼンフィールド牧師。

幼い頃、

家事の世話をしてくれたという

家政婦のマーシャ夫人。

若くして亡くなった

農夫であり友人でもあった

ミッチェル・ダン。

 

やがて彼は、

長方形の大理石の墓石の前へ

歩いて行き、

そこに花束を置きました。

 

スター夫人は、

あの墓石は・・・

名前が思い出せないけれど

ダルトン氏の、

子供の頃の絵の先生のものだ。

ああ、どうして、

思い出せないのだろう。

とても素敵な名前だったのにと

嘆きました。

 

彼の祈りは、他の墓石の前より

少し長く続きました。

ローラは、

特別な人だったようですねと

言いました。

 

スター夫人は、

先生を超えて家族のような

間柄だったそうだ。

8歳の時にお姉さんが結婚して

いなくなってから、ダルトン氏は、

とても寂しかったそうだ。

毎日、泣いて

食事もできなかったので、

そのような息子を見ていられなかった

父親が、家に訪れた肖像画家を

絵の先生として受け入れたと

説明しました。

 

ローラは、

孤独な境遇にあって、

頼れる先生がそばにいたことは

慰めとなったのだろうと

話しました。

 

スター夫人は、

聞いたところによると、

天使のように優しい人だったそうだ。

その先生は、人生で出会った

数少ない尊敬に値する人だった。

その人から、絵だけではなく、

悲しみに耐え、

大人になる方法を教えてもらったと

ダルトン氏は時々話していると

説明しました。

 

彼の祈りが終わりました。

彼は墓石の前に跪き、

その上に短くキスをしました。

ローラは、

彼の後ろ姿をじっと見つめました。

彼の表情を

見ることはできませんでしたが、

愛が感じられました。

 

ダルトン氏は、

特に、あの墓石に気を遣っている。

故郷がアメリカなので

他国に葬られたのを不憫に思っていて

自分が家族の代わりだと

思っているようだと、

スター夫人は話しました。

 

ダルトン氏は墓石の前で

ゆっくりと立ち上がりました。

そして墓石から離れました。

彼がいた場所には、

美しい赤いライラックの花束が

残されていました。

彼が引き返すと、

二人の淑女も窓際から離れました。

 

スター夫人は、

ローラの手に指を絡めて

ギュッと握りながら、

夕食を食べて行くように。

先生から、

ロンドンの社交界の話を聞きたいと

懇願しました。

愛嬌を振りまいているのと

駄々をこねているのが

混ざったような声でした。

ローラは、毎日のように

この声を聞いている

オリバー・スター牧師は

どれほど幸運な男なんだろうと

思いました。

 

ローラは、

今日は無理そうだと答えました。

スター夫人は、

その理由を尋ねました。

ローラは、

ダニエルの誕生日なので、

晩餐会を開くことになっていると

答えました。

 

スター夫人はため息をつきました。

レトリバーの子犬であると同時に

自覚を持った28歳の妻である

彼女は頷きました。

 

スター夫人は、

それなら仕方がない。

オーブンにアップルパイを

たくさん焼いてある。

籠に入れるので、

ダンビルパークへ持って行って欲しいと

申し出ました。

ローラは、

ダニエルへの

素敵なプレゼントになりそうだと

感謝しました。

 

二人は腕を組んで台所へ向かいました。

ところが、応接室を出た直後、

スター夫人は

「ああ」という叫び声と共に

立ち止まりました。

 

彼女は、

自分の頭を叩きながら、

画家の先生の名前を思い出した。

本当に、どうして、この名前が

思い出せなかったのだろう。

ハリーを産んだ後は記憶力が、

以前の半分しかないと嘆きました。

ローラは、

そんなスター夫人を見て笑いました。

 

彼女は、

それで、何という名前なのかと

尋ねました。

スター夫人は

満面の笑みを浮かべながら

ルイス・シェルダンだと

答えました。

 

ルイス・シェルダン。

その瞬間、ローラの口元から

笑みが消えました。

ローラは、

「ルイス・シェルダン・・ですか?」

と聞き返しました。

スター夫人は「はい」と答え、

本当に芸術家らしい名前ですよね。

もし、長く生きていたら、

ヨーロッパ中が知っている

画家になったはずだ。

聞いたところによれば、

絵の腕前が天才的だったそうだと

続けて何かブツブツ言っていました。

しかし、ローラの耳には

何も聞こえませんでした。

 

ローラの頭の中で、

幾重にも重なった記憶のカーテンが

次々と開かれました。

気の遠くなるほど長い歳月を遡って

ようやく、かろうじて、

その輪郭を描き出せるほどの存在が、

再び彼女の脳裏に

浮かび上がりました。

 

自分の首にペンダントをかけながら

涙を流し、

必ず迎えに来ると誓ったけれど

結局、永遠に去ってしまった

若くて美しかった父。

 

ローラは狂ったように

牧師館を飛び出しました。

背後から、

彼女を呼ぶスター夫人の叫び声が

聞こえて来ましたが、

ローラには意味のない風の音に

過ぎませんでした。

 

彼女は門を通り抜け

歩道を走りました。

墓石が並んでいる

乾いた芝生の上を走ったローラは、

すぐにライラックの花が置かれた

大理石の墓石の前に

立ち止まりました。

 

ルイス・シェルダン

1844.8.7 -1876. 2. 1

地上に花開かぬ才能は

天において尊く用いられん

 

彼女は名前の綴りと生没年を

目で辿りました。

自分が知っているその名前と

綴り一つ違っていませんでした。

自分が覚えている誕生日も

全く同じでした。

 

ああ・・・

ローラは、全身から

血が抜けていくようでした。

めまいがしてフラフラし

彼女はよろめきました。

そんな彼女の肩を

誰かがギュッと握りました。

肩を覆い尽くすほどの大きな手でした。

 

「ペンドルトン嬢」

彼女は振り向きました。

彼女の後ろに

ダルトン氏が立っていました。

彼は、どうしたのかと尋ねました。

 

ローラは体を回すと、

ぼんやりとした目で

彼を見上げました。

黒い目と髪。 白い肌。

黒と白の鮮やかなコントラスト。


白樺みたい。

彼女の目の前に、

ホワイトフィールドホールを囲む

白樺の森が通り過ぎて行きました。

夢幻的な魔法にかかったかのように

視界がいっそうぼやけてきました。

そして、胸が狂ったように

高鳴りました。

 

彼女は、

血の気の失せた唇を震わせながら

重いだろうけれど、

自分を少し支えて欲しいと

ダルトン氏に頼みました。

最後に絞り出した判断力でした。

 

そして、

ローラの体が後ろに傾きました。

彼の腕がローラの背中を

包み込みました。

彼はローラを

力いっぱい抱きしめました。

彼女の頬が

石のように固い胸板にぶつかり、

彼女の体は、大きな胸の中に

しっかりと包まれました。

手袋をはめた彼の大きな手が

ローラの小さな頭を包み込みました。

 

「ローラ、ローラ・・・!」

 

ローラは意識が薄れて行く中でも

彼の胸の中で安定感を覚えました。

彼女は何の心配もなく気絶しました。

目を覚ましたローラの前に見えたのは

見慣れない白い天井でした。

ローラは、

天井をぼんやりと見ていました。

頭が朦朧としていました。

目を閉じると、すぐにまた

眠りの中に吸い込まれそうでした。

再び眠りにつくのは、

かなり誘惑的でした。

 

しかし、 ひそひそと話す声や

心配そうなため息が

ローラの邪魔をしました。

結局、彼女は目を開けました。

 

彼女が横になっているのは、

先日、オリビアと世話になった

牧師館の客室でした。

ひそひそ話す声とため息の主たちが

部屋の片隅に立っていました。

スター夫人とダルトン氏でした。

二人は向かい合っていましたが

立て続けにため息をつくのは

ダルトン氏で、

ひそひそ話すのはスター夫人でした。

 

夫人が何かを話しながら

ベッドの方へ目を向けると

ローラと目が合いました。

 

「あら、目を覚ましました!」

とスター夫人が言うと、ダルトン氏は

急いでベッドへ駆けつけました。

 

彼は、

目を開けたローラの顔を確認すると

重い荷物を下ろしたように

息を吐きました。そして、

手にはめている革の手袋を外し

彼女の額を撫でました。

二人の素肌が初めて触れた瞬間でした。

 

肌の上で滑る彼の指は硬くて

温かでした。

彼女の中に芽生えた、

再び眠りたいという誘惑が

すっと消えました。

 

ダルトン氏は、

痛いところはないかと尋ねました。

ローラは「はい」と答えました。

彼はローラに視線を固定したまま

スター夫人に、

ワインを一杯持って来て欲しいと

頼みました。

 

夫人はすぐに部屋の外へ出て、

ワインが半分くらい入った

小さなグラスを持って

戻って来ました。

ダルトン氏は、

ローラの後頭部を支えながら、

彼女の口にグラスを当てました。

ローラは口を開けて、おとなしく

ワインを飲ませてもらいました。

鉄の味がする、

苦くて香ばしい果実酒が

喉に流れ込んで来ました。

すぐに体が温まり、

手足に力が回りました。

ぼんやりとしていた精神も

戻って来ました。

 

グラスを片付けた彼は、

彼女をゆっくりと起こして

座らせました。

背中に枕を当てて、

後ろにもたせかけた後、

もうすぐ医者が来ると伝えました。

ローラは頷きました。

 

ダルトン氏は、

 

ダンビルパークで、よく食べて

過ごしているって?

太ってしまって、

服も仕立て直さなければ

いけないほどだって?

全部、嘘でしょう?

姉と義兄が、食卓で

肩身の狭い思いをさせたのでは?

 

と立て続けに尋ねました。

 

彼があまりにも深刻なので

ローラは笑いました。

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ローラの父親が

ダルトン氏の絵の先生だったなんて!

2人が出会ったのは偶然ではなく運命。

出会うべくして出会ったのだと

思います。

もしかしたら、

天国にいるローラの父親が

不幸な娘を見て、イアンなら

娘を幸せにしてくれると思い、

2人を引き合わせたのではないかと

思いました。

 

マンガの18話では、

ローラの父親の顔が

はっきり描かれていないですし

原作にも、今まで

ローラの父親の容姿について

描写がありませんでしたが、

もしかして、ローラは、

伯父からの虐待が辛くて、

それに耐えるために、

父親と一緒にいた時の

幸せな時間や父親の顔を

思い出さないよう、父親との記憶を

封じ込めたのではないかと

思いました。

 

ローラの父親は美しかったのですね。

32歳で亡くなるなんて早過ぎます。