自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 164話 ネタバレ ノベル 原作 あらすじ テオドラからの手紙

164話 バスティアンは嘲笑で始まったテオドラの手紙を読み始めました。

あなたの望み通りに、

私の心は壊れた。

しかし、残念ながら、

それは、あなたとは無関係なこと。

私の心は、とっくの昔に

崩れ落ちていたから。

 

私は全てを捧げて

ジェフ・クラウヴィッツを手に入れた。

完璧な勝利を収めたという

自信があった。

あの男の胸の中に、

自分の手で命を奪った女の神殿が

建てられていることを知るまでは。

 

永遠不滅の存在となって

崇拝されるソフィア・イリスに

勝つ道はなかった。

あなたは、その敗北を絶えず

私に思い出させる存在だった。

その苦しみはあなたと共に育った。

 

毎日、あなたを見る度に、

私は古物商の娘に敗北した。

そして、その屈辱は

私の息子にも受け継がれた。

一生、あなたの影の下で

枯れ果てて行くフランツの未来を

予感した日、私は、

どんな手を使ってでも

あなたを奈落に突き落とそうと

決心した。

そして、ついにやり遂げた。

胸のすくような素晴らしい達成感。

 

あなたが壊れるたびに

私は嬉しかった。

自分の選択が間違っていなかったと

核心を得られたような気がした。

もちろん、今もそう。 

 

あなたの父親の裏切りが

私を崩せることができると

信じていたなんて、実に滑稽なこと。

私はジェフの卑劣な本性を

よく知っている。

それさえも私の愛の一部として

受け入れた。

幻影を愛して傷ついた

あなたとは違う。

 

私は生きたまま埋められた墓の中で、

何の希望も期待もせずに

この愛を守ってきた。

この世の誰も、私より

あの男を愛することはできない。

あなたの母親も、

あなたの母親の代用品も、

ジェフ自身でさえもそう。

それでも、稚拙なチェス盤の上に

立つことにしたのは、

それが、まさにあなたを

滅ぼす道だったから。

 

この手紙を受け取る頃には、

全てが、あなたの望み通りに

成し遂げられていることだろう。

普通の貴族の家門に劣らなかった

名誉と権勢は跡形もなく消え、

その代わりに、

あらゆるスキャンダルと汚名が

クラウヴィッツの名を汚すだろう。

それが、まさに、

私があなたに贈る最後の贈り物。

 

あなたは、これからクラウヴィッツと

呼ばれるようになるだろう。

今や、その名前は、

古物商の孫という蔑称よりも

はるかに優れた武器となるだろうから。

どうせ、あなたが誰であるかなんて

それほど重要な問題ではなかった。

世の中が求めているのは、

あなたを思う存分、

軽蔑し排斥できる口実なのだから。

 

クラウヴィッツになったことを

お祝いする。

これで、あなたは、

家門のすべてを受け継いだ

真の相続者となった。

あなたなら、

上手くやり遂げられるだろう。

父親を食い物にした子供という

汚名を着せられ、恐怖と軽蔑の中で

武力と犠牲で手に入れた

王座に座るだろう。

日に日に、

富栄えて行くだろうけれど、

それに伴い、あなたの人生は

ますます虚しくなるだろう。

あなたは、あなたの父親のようには

生きられないだろうから。

 

私は、最も熱望していたことを

成し遂げて旅立つ。

ジェフは永遠に私のものとなり、

あなたは、

まともに生きられなくなったのだから

これ以上、望むことはない。

 

ところで、バスティアン、

あなたは何を手に入れたの?

私には分かっている。

あなたが本当に望んでいるのは、

莫大な富でも

輝かしい名誉でもないということを。

犬一匹の温もり、愛する女性、

その女性と築く家庭と子供

あなたは、そういうものを愛する

心の優しい子だ。

しかし今、あなたは永遠にそれを失い

望まぬ富と栄華の中で、孤独に枯れて

死んでいくことになった。

 

だから私が勝った。

毎朝、目を覚ますたびに敗北する

あなたの人生が、

どうか長く続くことを願っている。

そして、来世では

私の子として生まれて来るように。

その時は、世界を全てあなたに与える。

 

ゆっくり読み進めた手紙の最後に

たどり着いた時、

周囲は明るく輝いていました。

バスティアンは、

火の消えた葉巻を咥えたまま、

読み終えた手紙を折りたたみました。

再び封筒に入れたテオドラの遺書は

暖炉の炎の中に投げ込みました。

 

春の気配がはっきりと感じられる

朝の空を見ながら、

もう火を消しても良い季節が来たと

バスティアンは考えました。

寒さに弱く、初秋から

暖炉の火を焚いていた女の記憶は

深く飲み込みました。

 

息を整えたバスティアンは、

いつもと変わらない朝を始めました。

シャワーを浴びて、

制服をきちんと着ました。

海軍省が提案した休暇は

受け入れないことにしました。

その知らせを伝えるために

書斎を訪れた瞬間、

電話のベルが鳴りました。

 

机の前に近づいたバスティアンは

冷静に受話器を取りました。

電話をかけて来たのは

トーマス・ミラーで、

早朝に連絡をして来たことを詫び、

急ぎの案件のため、

無礼を承知で連絡したと告げました。

 

バスティアンは、

大丈夫なので、話すようにと

促すと、ミラーは、

解体工事の日程を変更できるそうだ。

空きが1つできたため、

順番を早めることができるように

なったそうだけれど、

時間が迫っているため、

すぐに決定を下さなければ

ならないそうだ。

断るなら、すぐに次の順番の人に

連絡するそうだけれど、

どうするかと尋ねました。

バスティアンは躊躇うことなく

「受け入れる」と確答しました。

慌てた様子でしたが、

トーマス・ミラーは

特に反論を加えませんでした。

 

通話を終えたバスティアンは

予定通り海軍省に電話をかけ、

出勤する意向を伝えました。

そして踵を返すと、

窓の向こうに広がる青緑色の海と、

その向こうにある

主人を失った邸宅を見つめました。

 

バスティアンは

最後までやり遂げるつもりでした。

原点、あるいは破局。

どんな結末が待っていても、

少なくとも、この迷路の中よりは

マシだろうから。

わざわざ仕事をすると言うオデットと

それを許したあなたも

同じ変わり者だと言うと

トリエ伯爵夫人は舌打ちしながら

ティーカップを置きました。

本格的なレッスンが始まった音楽室では

子猫が鍵盤の上を駆け回るような

騒音が聞こえていました。

ジェンダス伯爵家の令嬢は、

どうやら音楽的な才能が

全くないようでした。

 

マクシミンは、

自立したいというオデット嬢の考えは

十分、道理が通っている。

どうか、理解して欲しいと言うと

柔らかな微笑みを浮かべながら

空のティーカップを満たしました。

湯気と共に立ち上った

ベルガモットの香りが、日差しの中に

静かに染み込みました。

トリエ伯爵夫人は目を細めて

マクシミンを見つめました。

 

オデットが仕事を探しているという

連絡を受けたのは先週末でした。

家庭教師の仕事が難しいなら、

下働き。それすら難しい場合は、

針仕事でも良いと、

マクシミンに会って、

直接頼んだとのこと。

 

あまりにも馬鹿げた話だったので

即座に断りましたが、

マクシミンの見解は異なっていました。

それなら、近いうちに直接会って

話し合おうと説得したところ、

なんと、ロスバインに到着した時には、

すでに事が起こった後でした。

オデットは、家庭教師として

ジェンダス家の別荘を訪れて

アルマを教えていましたが、

それ以上に驚いたのは、

午後には次のレッスン予定が

入っているということでした。

マクシミンが人脈を総動員して

見つけてくれた仕事とのことでした。

 

トリエ伯爵夫人が

長いため息をついている間に

流麗な演奏が始まりました。

お手本を見せるオデットでした。

しばらくすると、

子どもがキャッキャと笑いながら

手を叩く音が聞こえてきました。

 

淡々と視線を受け止めていた

マクシミンは、

オデット嬢は伯爵夫人の助けを

有難く受けると話していた。

今は、余計なプライドを

持つ時ではないと分かっていると

言いました。

トリエ伯爵夫人は

話を続けてみろと言わんばかりに

頷きました。

 

マクシミンは、

ただし完全に、他人の好意に

依存しなければならない生活に

戻りたいとは言っていない。

その気持ちを、

全て理解していると言うのは

傲慢かもしれないけれど、

少なくともオデット嬢が

何を望んでいるのかは

ぼんやりと推測できた。

伯爵夫人も、

きっと、そうすると思うと話しました。

 

トリエ伯爵夫人は、

どうやら、ジェンダス伯爵は

自分の代理人ではなく、

オデットの代弁者だったようだと

言いました。

ジェンダス伯爵は、

怒りの気持ちは自分に向けて、

オデット嬢とは、

楽しい時間を過ごして欲しいと

頼みました。

満開の花が咲いている枝の間を

通り抜けた春の日差しが、

にっこりと微笑む

マクシミンの顔を照らしました。

 

トリエ伯爵夫人は、

思わず力が抜けて苦笑しました。

要領よく人を丸め込む態度が

まるでオデットのようでした。

趣味と性格もまた同じでした。

こんな男と結ばれるべき子だという

思いがふと浮かぶと、

怒りが少し収まりました。

 

2人は、

和やかな雰囲気の中で談笑しながら

オデットを待ちました。

誠実な家庭教師のピアノ指導は、

昼食の準備が終わったという

知らせが届く頃になって

ようやく終わりました。

ジェンダス伯爵を称賛し続けていた

トリエ伯爵夫人は、

昼食会が終わりかけた頃、

依然として、クラウヴィッツ少佐は

何の異議も申し立てなかったそうだと

話題を変えました。

 

ナプキンで口元を拭っていた

オデットは、

微かに微笑みを浮かべた顔で

トリエ伯爵夫人と向き合いました。

早めに食事を終えたアルマは

乳母と一緒に遊び部屋へ行き、

ジェンダス伯爵は、

研究室からかかってきた電話に

出るために、

しばらく席を外していました。

開け放たれた窓の向こうから

聞こえる鳥たちのさえずりが、

2人きりになった食卓の静けさを

消してくれました。

 

花が咲いている庭を

見つめていたトリエ伯爵夫人は、

おかげさまで、

離婚が順調に進みそうだ。

もしかして、クラウヴィッツ少佐も

それを望んでいるのかもしれない。

あなたと別居したことが、

彼にとっても、

色々と好都合になったからと

そっと、言葉を添えました。

オデットは理解したと言わんばかりに

頷きました。

 

クラウヴィッツ家の悲劇は、

この辺鄙な田舎の村まで

流れ込みました。

オデットは、

洗濯用石鹸を買うために立ち寄った

雑貨店の新聞スタンドで、

そのニュースが載った新聞を

見つけました。


大きな衝撃を受けて

その新聞を購入したオデットは、

道端に置かれたベンチに座って

記事をじっくり読みました。

予想通り、

非難の声が高まっていましたが、

バスティアンはよく耐えていました。

父親の事業体を吸収して規模を拡大し

その力で、

上流社会の壁を打ち破る歩みを

続けていました。

すべての足枷を断ち切ったので、

あとは、

羽ばたいて飛び立つだけでした。

 

最後の1行まで丁寧に読んだオデットは

安堵のため息をつきながら

立ち上がりました。

新聞はベンチの端に残しておきました。

それで、十分でした。

 

次のレッスンのために、

出発しなければならない時間が

近づいていた頃、トリエ伯爵夫人が

ジェンダス伯爵は、

あえて後継者を得たいとは

思っていないようだ。

アルマを大切に育てて、静かに

暮らしたいと思っているようだと

突拍子もない話を切り出しました。

 

そして、周囲を見回し、

誰も聞いていないことを確認した

トリエ伯爵夫人は、

良い関係を続けていけば、

さらに良い縁に

生まれ変わるかもしれないと

声を低くして囁きました。

 

オデットは首を振ると、

そんなことは言わないで欲しい。

まだ、この結婚さえも、

きちんと整理できていないと

落ち着いて反論しました。

 

トリエ伯爵夫人は、

もう全て終わったも同然ではないかと

言い返すと、

平然と肩をすくめました。

そして、

今すぐ、何かをどうしろという

意味ではない。

ただ、そんな道もあるという意味だ。

子供のことなら、

あまり気に病まないように。

二度と妊娠できない体に

なったわけではないそうだから、

しっかり健康を回復すれば、また・・

と言いましたが、オデットは、

そろそろ失礼しなければならない。

今日は初めてのレッスンなので、

遅れると困るからと、

トリエ伯爵夫人の言葉を遮り

急いで席を立ちました。

そのせいで落としたフォークが

食堂の床に転がりました。

膝から落ちたナプキンも、

その後に続きました。

危うく水の入ったグラスを

こぼしそうになりましたが、

幸いにも、

そのような不祥事は防げました。

 

トリエ伯爵夫人は、呆然とした顔で、

普段とは違うミスを犯したオデットを

見つめました。

慌てて後始末をしたオデットは、

ここに一泊してから帰る予定だと

聞いている。帰る前に、

もう一度立ち寄るようすると告げると

逃げるように食堂を去りました。

 

わけもなく、子どもの話を

持ち出したせいだろうか。

物思いに耽っていたトリエ伯爵夫人は

人の気配が聞こえて来た窓の向こうへ

目を向けました。

その間に荷物をまとめたオデットが

庭を横切って歩いていました。

真昼の太陽が昇る空を見つめながら

歩いていた子は、

別荘の出入口にたどり着いてから

手に持った日傘を広げました。

春風に揺れる水色のドレスの裾が

道の向こうへ消えていくまで、

トリエ伯爵夫人は、その風景から

目を離すことができませんでした。

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もしも、テオドラが、

妻のいるジェフに横恋慕せず、

彼のことを素直に諦めていたら、

生涯、ソフィアの影に

苦しめられることはなかったのです。

けれども、テオドラは

ジェフがどうしても欲しくて

体を張ってジェフに迫って

妊娠にこぎつけ、ジェフも

テオドラに流れる貴族の血欲しさに

テオドラと共に

ソフィアと彼女のお腹の子供の

命を奪った。

その後のことは、

テオドラの手紙に書かれている通り。

彼女は、ジェフと結婚すれば

幸せになれると思っていたけれど

そうはならなかった。

彼女自身が不幸を招いたのに、

ジェフの心を捉えて離さない

ソフィアを恨み、彼女に勝つために、

何の罪もないバスティアンを

死んでからも攻撃したことは

本当に許せません。

 

知らなかったとはいえ、オデットは

バスティアンを裏切ったことで、

彼の家族への復讐を

邪魔してしまったので、

バスティアンが、

復讐をやり遂げたことで、

オデットも少し肩の荷が

降りたのではないかと思います。

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