自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 166話 ネタバレ ノベル 原作 あらすじ 最善の結末の決め方

166話 バスティアンは、過去の傷ついた自分と決別しました。

様子を窺っていたメイドは

クラウヴィッツ少佐が訪ねて来たと

慎重に告げました。

トリエ伯爵夫人は、

深くため息をつくと、

鼻先にかけていた老眼鏡を外しました。

読書用のテーブルに置かれた祈祷書は、

最初に開いたページのままでした。

 

少佐は、

今日も奥様を待つと話していたと

伝えると、

メイドはどうしていいかわからず、

頭を下げました。

トリエ伯爵夫人は

ズキズキする額を押さえながら

目を閉じました。

 

バスティアン・クラウヴィッツは、

すでに4日間、

彼女を訪ねて来ていました。

顔を合わせて良いことはないと

判断したトリエ伯爵夫人は、

居留守を使うことで

一線を引きました。

 

しかし、バスティアンは

簡単に諦めませんでした。

それなら帰宅するのを待つと言って

丸2時間も、タウンハウスの前で

じっと佇んでいました。

通行人の視線は

少しも気にしていませんでした。

まるで門前払いされたことを

天下に知らしめるつもりでも

あったかのような態度でした。

 

翌日も、その翌日も、

バスティアンは同じ時間に現れました。

困った噂が立つことを懸念した

トリエ伯爵夫人は、翌日から

客用応接室に招かれざる客を

案内させました。

そして、バスティアンはそこで

無意味な待ちぼうけを続けました。

それでも、決して2時間を

超えることはありませんでしたが

3日目になって

ようやくその理由がわかりました。

 

「夕食は、どうぞごゆっくり」

という挨拶を残して去ったという

メイドの伝言を聞いた、

トリエ伯爵夫人は、

思わず呆れて失笑しました。

嘘をついていることは

分かっているけれど、

ゆっくり食事ができるように

席を外してやろう、というわけでした。

 

断られているくせに

恩着せがましく振る舞う、

本当に傲慢極まりない態度でした。

 

トリエ伯爵夫人は、

「お茶を2杯用意しなさい」と

ため息交じりの命令を下すと、

揺り椅子から立ち上がりました。

 

3か月近く黙っていたのに、

今になって、

一体、何を企んでいるのか、

一度、確認してみるべきだと

思いました。

外出中のはずのトリエ伯爵夫人が

上の階から降りて来ました。

バスティアンは、

平然とした笑みを浮かべた顔で

彼女を迎えました。

数日かかると思っていましたが、

予想より早い屈服でした。

伯爵夫人のせっかちな性格が

大きな助けとなったようでした。

 

形式的な挨拶を交わした2人は、

応接テーブルに向かい合って座り、

互いを探り合いました。

重苦しい沈黙が、

幾重にも積み重なっていく間に、

メイドが茶菓子を運んで来ました。

 

トリエ伯爵夫人は、

一体、この老人に何の用があって

少佐の貴重な時間を

無駄にしているのかという

棘のある質問で、

会話の最初のきっかけを作りました。

 

バスティアンは、

伯爵夫人が推測している

まさにその用件だと答えました。

冷たく刺すような視線の前でも、

バスティアンは毅然として冷静でした。

 

その厚かましい顔を

じっと見ていたトリエ伯爵夫人は

力なく笑いながら、

ティーカップを置くと、

離婚届でも持って来たようだと

返事をしました。

 

バスティアンは

妻に会いたいと訴えました。

バスティアンの青い瞳が

深く静まり返りました。

トリエ伯爵夫人は

断固として首を振りました。

 

彼女は、

もうすべて終わったことではないか。

あなたも受け入れたと聞いていると

返事をしました。

バスティアンは、

そうしようと思っていたけれど

うまくいかなったと、

司祭の前で告解をするかのように

謙虚に本心を打ち明けました。

低くて柔らかな声は、

まるで穏やかな水流のようでした。

 

トリエ伯爵夫人は、

オデットは、

もう落ち着きを取り戻した。

だから、もう、あなたも

気持ちの整理をするように。

それが2人のためになる道だと

言いました。

 

バスティアンは、

自分を信じられないのは

承知しているし、

自分の過ちが大きいことも否定しない。

しかし、どんな理由で結婚したにせよ

どんな苦しみがあったにせよ、

オデットと自分は、

3年間夫婦として過ごして来た。

このような形での終わりが

最善であるはずがない関係だと

考えていると告げました。

 

窓から長く差し込んだ夕日が

白い制服を赤く染めました。

トリエ伯爵夫人は、途方に暮れた目で

バスティアンを見つめました。

ひとしきり

言い争う覚悟をしていましたが、

これは全く予想外の状況でした。

 

悩んでいたトリエ伯爵夫人は、

もしオデットに、

すでに他の良い人がいたとしたら、

どうするつもりなのかと、

挑発的な質問をしました。

バスティアンは、

ジェンダス卿のことを言っているのかと

単調なほどに落ち着いた声で

聞き返しました。

 

トリエ伯爵夫人が驚いて

目を丸くしている間、

バスティアンはお茶で唇を潤し、

再び身だしなみを整えました。

鋭く研がれた刃のような雰囲気が

消えても、

依然として威圧的な男でした。

 

バスティアンは、

その質問への答えは

妻に直接すると返事をしました。

いつの間に、裏を嗅ぎ回っていたのかと

呆れて苦笑いする

トリエ伯爵夫人の前でも、

バスティアンは動揺しませんでした。

 

オデットの行方を探すために

手がかりを集めていたところ、

マクシミン・フォン・ジェンダスが

今年の春から、

別の地域に滞在しているという

思いがけない事実を知りました。

国立植物園で研究を進めるために

娘と共に旅立ったとのこと。

何気なく聞き流してしまいそうな

情報でしたが、

どうしても心に引っかかりました。

 

オデットの社交範囲にいる人は

それほど多くありませんでした。

損を承知で

助けの手を差し伸べてくれる人は

さらに少なかったです。

しかし、その中の1人である

マクシミン・フォン・ジェンダスが、

まさにオデットが消えた時期に

動きました。

単なる偶然の一致のようには思えず

留意すべき情報でした。

 

トリエ伯爵夫人は、

すでに手を打っているのに、

一体、なぜ自分を訪ねて来たのか。

偉い少佐の力で

全て解決すれば良かったのにと

皮肉を言いました。

 

バスティアンは、

そうかもしれないけれど、その前に

伯爵夫人を説得してみるのが

適切な手続きだと思ったと、

ありのままの真実を告げました。

 

バスティアンは、

再び探偵を雇って内密に調べるのが

最も簡単な方法だと知っていました。

しかし、

そうしたくはありませんでした。


一度も、

きちんとした礼儀を尽くして

もてなしたことがない女でした。

伯爵夫人が最後まで折れなければ

結局は、強硬手段を選ばざるを

得ないだろうけれど、

少なくともできる限り

努力してみようと思いました。

オデットが選んだ保護者である

伯爵夫人の許可を得て、

正当な資格を持って再会できるように。

 

バスティアンは、

今週末までは、

伯爵夫人を優先順位に置くつもりだと

話しました。

トリエ伯爵夫人は

「その次は?」と尋ねました。

バスティアンは、

ジェンダズ卿を追跡する。そして、

ロスバインの隅々まで探してでも

妻を見つけ出すと答えました。

 

「ちょっと、クラウヴィッツ少佐!」

とトリエ伯爵夫人が抗議すると、

バスティアンは、

オデットにも、

避けられない傷を負わせる不幸なことが

起きないようにという思いで、

伯爵夫人にお願いしていると

訴えました。

 

バスティアンの説得は

むしろ脅迫に近いもののように

聞こえました。

このような瞬間でさえ、

非常に丁重で優雅な態度が

トリエ伯爵夫人の屈辱感を

倍増させました。

 

なぜ、こんな男に

心を許してしまったのだろう?

ロスバインで会った

オデットを思い出すと、

失望がさらに深まりました。

 

オデットは決して

バスティアン・クラウヴィッツの

名前を口にしませんでした。

彼女の言葉にも、一貫して

短く答えるだけでした。

夫婦間のことに関する質問には、

最後まで、

一言の答えも口にしませんでした。

ただ、全て終わったことだという言葉で

線を引き、貝のように

唇を固く閉さずだけでした。

 

一見、過去を全て消し去ったように

見えましたが、

まだ、完全に隠し切れていない気持ちが

現れる瞬間がありました。

夫の名前を聞く度に浮かべる

曖昧な笑みと普段とは違う振る舞い。

時折、途方に暮れたような眼差し。

世の中の悲しみや苦労を全て経験した

老婆のような子だったのに、

その時は、年相応に見えました。

ヘレネが娘に遺したのは、

誇りと品位だけでは

なかったようでした。

 

それでもオデットは、

母親よりずっと賢明でした。

冷徹な理性を持っており、

トリエ伯爵夫人は、

その点を高く評価していました。

自分の人生を大切にすることを

知っている子なので、

間違いなく傷を乗り越えて

うまく生きていけるはずでした。

すでに切り離した過去の影を

再び落とすのは愚かでした。

 

トリエ伯爵夫人は冷淡な口調で、

もう少佐と話すことはない。

帰るようにと、

会話の終わりを告げました。

 

どうやら、オデットの隠れ家を

移さなければならないようでした。

今から調査を始めるとしても

数日はかかるだろうから、

できるだけ早くジェンダス伯爵に

連絡を取るのが良いだろうと

考えがそこまで及んだ時、

バスティアンが席を立ちました。

トリエ伯爵夫人は、

安堵のため息をつきながら

水の入ったグラスを握りました。

 

逆光の中で、

静かに彼女を見下ろしていた

バスティアンは、

テーブルをゆっくり回って

ソファーのそばで立ち止まりました。

向かい合った2人は、沈黙の中で

静かに見つめ合いました。

 

トリエ伯爵夫人は、

本能的な恐怖に囚われて、

唾を飲み込みました。

その時、バスティアンが

ゆっくりと身を屈めました。

彼の膝がカーペットに触れて初めて、

トリエ伯爵夫人は

その行動の意味を理解しました。

 

傲慢な軍神のようだった男が跪いた。

その事実が与えた衝撃が

悲鳴のような嘆きとなって

流れ出ました。

 

バスティアンは、

呆然自失しているトリエ伯爵夫人を

真っ直ぐ見据えながら、

オデットに害が及ぶことは

絶対にないようにする。

最善の結末は、オデットと自分が

直接決められるようにして欲しい。

お願いしますと頼みました。

君が自ら進んで休暇を取るのを

目にする日が来るなんて。

長生きはしてみるものだと、

デメル提督は豪快に笑いながら

休暇許可証に署名しました。

 

バスティアン・クラウヴィッツが

休暇を取るという噂は、

すぐに海軍省全体に広まりました。

その目的が休養であるという事実が

さらに大きな衝撃を与えました。

衝撃的な事件を次々と経験し、

頭がおかしくなってしまったのでは

ないかと、真剣に心配する将校も

少なくありませんでした。

 

デメル提督は、

よく決心した。

そんなに無理をすれば、

海軍省の尖塔の下で業務と戦いながら

戦死していただろうと言いました。

バスティアンは

休暇許可証を手にすると、

重要な時期に席を外すことになり、

申し訳ないと、頭を下げながら、

改めて謝罪の意を伝えました。

デメル提督は、構わないというように

手を振りながら

机の前で立ち上がりました。

 

彼は、

心配しないように。

元々、備えを万全にしていたから、

当分は問題ないだろうと

返事をしました。

 

バスティアンは、

緊急連絡先は上層部に報告済みなので

緊急事態が発生した場合は・・・

と告げると、

デメル提督は首を振りながら、

少佐1人がいないからといって、

ベルク海軍が崩れると思っているのか?

こちらの心配はそのくらいにして、

早く行くようにと返事をすると

バスティアンの肩を叩きました。

彼は、デメル提督から、

いつも、たくさんの恩を

受けていることにお礼を言うと、

ようやく、ニッコリと微笑みました。

 

デメル提督は、

それなら酒を1本買って来るように。

ロスバイン産ウイスキーの風味が

最高だからと、軽い冗談で

会話を締めくくりました。

 

バスティアンは敬礼をした後、

執務室を後にしました。

トランクを持っているのを見ると、

ここからすぐに

出発する予定のようでした。

 

デメル提督は執務室の窓辺に立ち、

葉巻を吸いながら、

久しぶりの休暇に出かける

部下の後ろ姿を見守りました。

街路樹の緑が茂る海軍省の入口の上に

初夏の眩しい日差しが

降り注いでいました。

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やはり、バスティアンは、

何もしないで3か月近くを

過ごしていたわけではなく、

しっかり、

オデットの行方を捜していて、

マクシミンが、今回のことに

関わっていたことまで

突き止めていたのですね。さすがです。

そこまで調べがついていれば、

もっと早い時期に

オデットの居場所を見つけ出すことが

できたかもしれないのに、

わざわざ回り道をして、

トリエ伯爵夫人にオデットの居場所を

聞いたのは、今までバスティアンが

常にオデットよりも

高い位置にいたのを、

彼女と同じ高さまで降りて来て、

雇用主と雇用者ではなく、

同じ人間として、

彼女の気持ちや意思を尊重しながら

対等に付き合いたいという気持ちを、

抱くようになったからではないかと

思いました。

バスティアンが

トリエ伯爵夫人の前で跪いたのは

驚きでした。

そこまでするなら、

彼を信じても大丈夫だと

トリエ伯爵夫人も

考えたのかもしれません。

 

デメル提督は、おせっかいで

空気を読めない所がありますが

上司としては、素晴らしいと思います。

デメル提督をがっかりさせないよう

バスティアンが忘れずに

ロスバイン産のウイスキーを

買って来ますように(笑)

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