自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 168話 ネタバレ ノベル 原作 あらすじ 決して一線を越えない男

168話 バスティアンがオデットの前に現れました。

太陽に熱せられた広場の熱気を

運んできた風が、

静かに見つめ合う2人の間を

そっと通り過ぎて行きました。

昼食時のカフェは、

満員の客で賑わっていましたが、

オデットの世界では音が消えました。  

頭の中が真っ白に漂白され、

息が詰まりそうでした。

 

そっと近づいて来たウェイターが

注文を聞くと、

重い沈黙が破れました。

バスティアンにメニューを渡した後も

彼はまだ、

テーブルのそばに立っていました。

 

すぐに逃げ出したい衝動を

必死に抑えたオデットは、

緊張した眼差しで周囲を見回しました。

幸い知っている顔は

ありませんでしたが、

容易に安心できませんでした。

田舎の人々は互いの距離が非常に近く

絆が深かったので、

他所から来た家庭教師の噂は

口から口へと伝わって、

隣の村にまで広まっていました。

そのおかげで農場主の娘を

教えることになったのでした。

ここで起きたことは、

間違いなくオデットが住む村にも

知られることになるという意味でした。

 

バスティアンの登場が意味することを

明確に理解したオデットの顔が

青ざめました。

深い水の中に沈んでいくような

気分に包まれるのと同時に、

バスティアンは

メニューを置きました。

 

バスティアンは、

遠慮なく料理を注文しました。

オデットの分まで

勝手に追加する無礼さえも

躊躇しませんでした。

 

注文を受けた後も、

なかなか立ち去ろうとしなかった

ウェイターは、バスティアンに、

見かけない顔だけれど、

ベラー先生と知り合いなのかと

露骨な好奇心を示しました。

 

バスティアンは、

特に躊躇う様子もなく

「はい、そうです」と答えました。

オデットが介入する間もなく

起きた出来事でした。

 

オデットの心臓が

破裂しそうに鼓動し始めた瞬間

マリー・ベラー嬢は従妹だ。

ロスバインへ来る用事があったので

久しぶりに顔を見に来たと

とんでもない嘘を付け加えました。

少なくとも、必要以上の騒ぎを

起こすつもりはなさそうな

態度でした。

 

幸いにもウェイターは

十分に納得した顔で立ち去りました。

まずこの窮地から抜け出すことを

考えるべき時だと判断したオデットは

最善を尽くして平静を装いました。

しかし、揺れる眼差しと

赤くなった頬を隠すには

力不足でした。

むしろ卑怯な選択を責めて欲しいと

願ったけれど、

バスティアンは穏やかな沈黙の中で

オデットの視線を

受け止めるだけでした。

時には、真心のようで

彼女を混乱させました。

しかし、結局は、

あの嘘の瞬間のように、

悲しみとなって消えて行きました。

 

最善の結末は、自分たち自身で

決められるようにして欲しいと

トリエ伯爵夫人にお願いしたと

告げることで、バスティアンは 

静かな見つめ合いの時間に

終止符を打ちました。

騒音の中でも、

はっきりと聞こえるその低い声が、

オデットの混乱をさらに深めました。

 

バスティアンはオデットを直視しながら

皇命。世間の目。 利害と得失。

そういったことは全て忘れて、

自分たち2人だけの気持ちで

改めて考えてみようと、

静かな力強さを感じさせる

告白を続けました。

極限まで抑えられた眼差しは

冷たくもあり、熱くもあり、

炎の中の青い芯のような、

消そうと努力してきた

記憶の中のあの目でした。

 

その事実に気づいたオデットが

呆然としたその時、

ちょうど料理が運ばれて来ました。

そのおかげで

かろうじて息がつけたのも束の間

テーブルを見下ろしたオデットは、

思わず深いため息をつきました。

 

バスティアンの前には

厚く切って焼いた肉料理が、

そしてオデットの前には、

香りが強くないソースをかけた

魚料理が、

それぞれ置かれていました。

添えられた料理やパン、ワインまで

すべてバスティアンのものとは

違っていました。

彼女の好みを考慮した

選択であることは明らかでした。

 

「まずは食事をしましょう」と促し

周囲を見回すことで

現実を突きつけたバスティアンが

カトラリーを手に取りました。

そして、

これは、マリー・ベラー嬢にとっても

良いことになるのではないかと

思うけれど、違いますか?と

尋ねました。

これまでの苦労を

一瞬で泡にした男性は、

夏の陽射しのような

微笑みを浮かべていました。

反論できる言葉を見つけられなかった

オデットは、冷たい水で

乾きかけた口を潤しました。

 

久しぶりに会った従兄妹同士。

バスティアンが書いた脚本に従うのが

最善策だと分かっていましたが、

オデットは、なかなかこの芝居に

集中できませんでした。

突然の事故に遭ったかのようでした。

麻痺したようにぼんやりした頭は、

まともな考えができませんでした。

今のオデットにできることは、

平然と食事をするバスティアンを

ただ見つめることだけでした。

 

辛うじて乗り越えた過去が

一瞬で再び現在になりました。

ただ一人の男性の存在だけで。

これほど簡単で虚しく。

 

オデットは、

この舞台の幕が下りる頃になって

ようやく、

現実を把握することができました。

早くバスティアンから

離れなければならないという

強迫観念は、

もはや恐怖に近づいていました。

 

オデットは、

ほとんど減っていない食べ物に

目を向けたまま、

一方的な決断を下したことを

承知している。その点は、

いつも申し訳なく思っていた。

今からでも謝罪する。

しかし、自分の考えは今も変わらない。

だから、どうか・・・

と固い唇を開きましたが、

爆発しそうな心臓の鼓動の間から

「待っています」と

水の流れのように淡々とした声が

聞こえて来ました。

 

言いかけた言葉を忘れてしまった

オデットは、途方に暮れた目を上げで

バスティアンを見つめました。

彼は、

時間が必要なら待っていると

告げました。

揺らぐことなく真っ直ぐ見つめて来る

バスティアンの目を、

オデットはもう無視できませんでした。

ただ、互いを見つめ合っているうちに、

賑わっていたテラスが

徐々に静かになっていきました。

罠にかかったような気がしました。

この全ての苦痛と悲しみの

始まりとなった、

あの悲劇の瞬間のように。

カール・ロビス様が

伯爵様を訪ねて来られた。

研究所の裏手にある野生の花の庭園を

見物して来るそうだと、

研究室を訪れた助手が、

来客を伝えました。

 

マクシミンは、

眉を顰めて時計を見ました。4時。

バスティアンと会う約束の時間が

近づいていました。

約束の場所は

国立植物園の野生の花の庭園。

そこまで考えが至ると、

自然とカール・ロビスの正体が

分かるようになりました。


マクシミンは承知し、

今日は、早く退勤するよう

皆に伝えて欲しいと助手に指示した後

研究室の隅にある洗面台へ行き、

インクのシミがついた手を

丁寧に洗いました。

身支度を整えて約束の場所へ行くと

ちょうど定刻になっていました。

 

バスティアンは、

野生の花が咲き乱れる草原を

ゆったりと散策していました。

今日は制服姿ではなく、

深くかぶった帽子で

顔を隠していましたが、

マクシミンは一目で

少佐だと分かりました。

 

驚くべきことに、

バスティアン・クラウヴィッツが

先に連絡をして来ました。

トリエ伯爵夫人から

驚くべき知らせを聞いた翌日の

午前のことでした。

夜行列車でロスバインに来ると

知らせて来た少佐が

面会を求めて来ました。

オデット抜きで2人だけで。

約束の場所と時間は

マクシミンが決める通りに従うと。

 

その通話が続く間、バスティアンは

一度も声を荒げませんでした。

公務について

論じている最中ではないかと

錯覚するほど、冷静な口調を保ち、

礼儀正しく接していました。

マクシミンは、

その時になってようやく

トリエ伯爵夫人の決定を

理解することができました。

とはいえ、

まだ完全に安心できるわけでは

ありませんでしたが。

 

複雑な頭の中を整理したマクシミンは

止まっていた足を

再び動かし始めました。

オデットを助ける決心をした時に

すでに覚悟していたことでした。

今さら責任を回避するつもりは

ありませんでした。

 

天高くそびえる高木の梢を

見上げていたバスティアンは、

ゆっくりと振り向くと、

「お久しぶりです、ジェンダス卿」

と挨拶をしました。

2人は、適度な距離を保ちながら

向かい合い、

格式ある挨拶を交わしました。

社交的な笑みを浮かべた

バスティアンの顔のどこにも

マクシミンに対する敵意や反感を

見出すのは困難でした。

まるで礼儀正しい他人のような

態度を貫きました。

私情を持つ必要などないかのように。

ただ、

その程度の関係に過ぎないように。

 

ゆっくりと周囲を探っていた

バスティアンは、

噂に聞いていた通り、

景色がとても美しい場所だ。

案内をお願いしても良いかと

思いがけない提案をしました。

 

向かいの遊歩道を指す

少佐の鋭い目つきを見て、

マクシミンはその意図に気づきました。

植物園の見学に来たと思われる

貴婦人の一行が近づいていました。

 

マクシミンは、

「もちろんです。 こちらへどうぞ」

と返事をして、人通りの少ない道へ

バスティアンを導きました。

本格的な会話が始まったのは、

外部と完全に遮断された

深い森に入った後でした。

 

バスティアンは、

妻に会って来た帰りだ。

変わりなく、

元気に過ごしていたようで安心したと

あえて悪ぶることなく、

淡々とした声で本題に触れました。

逃げるように去ったオデットの記憶が

緑豊かな夏の森の風景の上を

かすめて通り過ぎて行きました。

 

オデットは、午後のレッスンを口実に

席を立ちました。

目的地を尋ねると、

眼差しが大きく揺れました。

おそらくジェンダス伯爵の娘を

教えに行く日だったようでした。

 

不安に震える姿を

これ以上見たくなかったバスティアンは

それくらいでオデットを解放しました。

ようやく見つけた女の平和と安息を

踏み潰す怪物のようでしたが、

それでもオデットに会えて

良かったと思いました。

 

バスティアンは、妻に対する

マクシミンの大きな助けに

心からの感謝を伝えると、

上気したマクシミンの顔を見て

歩く速度を落とし、

足並みを揃えました。

 

乱れた息を整えたマクシミンは

さあ、どうだろう。

今の状況にそぐわないお礼のようだと

返事をすると、

バスティアンを見つめました。

この程度の散歩でも辛そうな

虚弱体質らしくなく、

強い眼差しが印象的でした。

 

マクシミンは、

すでにオデット嬢が

少佐の妻の座を離れたものと

理解していると言いました。

バスティアンは、

そのような決断をしたからといって

離婚が成立したわけではない。

自分はまだオデットの夫なので

夫としての権利が残っている。

そうではないかと尋ねました。

 

法律的には

正当な主張であることを

よく理解している。しかし、自分は

そのような強制的な所有権を

行使することは正しくないと

考えている。

もうオデット嬢の意志を

尊重してもらえないかと

頼みました。

 

バスティアンは、

それもまた、心からの友情から

生まれた助言なのかと

尋ねました。

マクシミンは、

人間としての哀れみから

お願していると答えました。

 

足を止めたバスティアンは

マクシミンの方を向くと、

それではジェンダス卿に

一つ聞くけれど、

哀れみと友情以上の目的は

本当にないのかと尋ねました。

 

「おい、クラウビッツ少佐!」

元の顔色を取り戻していた

マクシミンの顔が

瞬く間に赤くなりました。

バスティアンは落ち着いた眼差しで

伯爵を見つめました。

何事にも高潔で

超然と振る舞っていた男が、

ひどく動揺し、

生々しい感情を露わにしていました。

 

バスティアンは、

卿の答えは聞いたことにすると

比較的淡々と納得しました。


友情と哀れみだけで

こんな無謀なことをする

男などいないことを、

バスティアンは

すでに前から知っていました。  

自分自身の気持ちを

一つも理解できないほど

愚かな者ではないので、

おそらく伯爵も、

朧気ながら察しているだろう。

ただ、許しがたい感情であるため

否定しようと必死に

努力しているだけでした。

 

すべてが完璧に片付くまでは

決して一線を越えない男でした。

オデットを理解し尊重し、

傷つけることもなく。

 

そのような品格と尊厳を備えた

男であるという事実は、 

まるで両刃の剣のようでした。

バスティアンにとっては

限りなく難しいことだけれど、

伯爵にとっては

息をするように簡単でした。  

だから幸いでしたが、

一方で虚しさも感じました。

 

バスティアンは、

しかしジェンダス卿は

紳士の名誉を知っている人なので、

道理を守ってくれると信じていると

告げました。

 

考え込んでいたマクシミンは、

何が言いたいのかと

冷静に聞き返しました。


激しい思いを胸に秘めた

バスティアンは、

自分はまだオデットの夫なので

シャペロンの代理人以上の

権利があるということだと

丁重で冷淡な口調で

明確な線を引きました。

 

マクシミンは、

自分はかろうじて安定を取り戻した

オデット嬢を揺るがす

クラウヴィッツ少佐の行動を

実は、正しくないと思っている。

しかし少佐の言葉通り、

自分はトリエ伯爵夫人の代理人なので

彼女が許可したことに反対する

権利はない。

その点は心配しなくて結構だ。

代わりにオデット嬢が

助けを求める状況が発生した場合、

自分はトリエ伯爵夫人の

代理人としての役割を果たすと

今回も毅然として、

自分の意思を表明しました。


バスティアンは、

卿の正当な権利は尊重することにすると

快く同意しました。

ただ、互いの踏み越えてはならない

一線を引いておきたかっただけなので

無駄な神経戦を繰り広げるつもりは

最初からありませんでした。

 

その後の会話は、

再び適度に軽く表面的な方向へと

流れて行きました。

予想外の一撃が飛んで来たのは、

気乗りしない散歩を終えて

再び出発点に戻った時でした。

 

マクシミンは、

今、オデット嬢は

娘を教えているところだろう。

レッスンがある日は、

通常一緒に食事をするけれど、

よろしければクラウヴィッツ少佐も

一緒にどうかと、

ただの普通の食事の招待に

過ぎないかのような態度で

誘いました。

草むらに執着する変人という評価は

やはり訂正した方が良いように

思われました。

 

バスティアンは

爽やかな笑みを浮かべながら

気持ちだけ

有難く受け取ることにすると

断りました。

これ見よがしに、ジェンダス家の夕食を

台無しにすることも

できるかもしれませんが、

1つの家族のように、

幸せな3人を見る気持ちの悪い経験を

自ら進んで

味わいたくありませんでした。

 

彼らはその辺りで別れの挨拶を交わし

それぞれの道を歩み始めました。

マクシミンは、

研究所の前で待機していた車に乗り、

バスティアンは、

国立植物園の入口へ続く道を

歩きました。

 

ジェンダス伯爵の車が

通り過ぎるのを見て、バスティアンは

どうか、オデットの夕べが

安らかでありますようにと祈りました。

明日からは、

あまり平穏でない夕べが

続くだろうから。

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オデットが困らないよう、

自分は彼女の従兄だとごまかしたり

オデットの好きな食べ物を注文したり

(それを把握していること自体

驚きでした)

オデットは知らないことだけれど

マクシミンが苦しくならないよう

歩く速度を遅くしたりと、

さりげなく優しさを示していた

バスティアン。

オデットは、改めて

バスティアンの優しさを確認し、

また、彼が以前と変わったことも

何となく

気づいたのではないでしょうか。

今のオデットは

バスティアンを恐怖の対象としか

見られないけれど、

彼に対する彼女の気持ちが、

どのように変わって行くのかが

気になります。

 

まだオデットは

離婚していないのだから

マクシミンは、

せめてバスティアンの前では、

彼女のことを、オデット嬢ではなく

クラウヴィッツ夫人と

呼んで欲しかったです。

食事に誘ったのは

単なる社交辞令かもしれませんが

アルマのピアノのレッスンの後は

3人で食事をすると、

わざわざバスティアンに教えるなんて

彼に対する挑戦状としか

思えません。

マクシミンへの好感度が

少し下がりました。

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