自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ミス・ペンドルトンの恋 115話 ネタバレ 原作 あらすじ 昔の友人と学校の良き先輩

115話 3部 舞台はバースに移ります。

「それでは、

お気をつけてお帰りください」

 

入口までトランクを運んで来てくれた

フロントのスタッフが、

ローラに向かって

丁重にお辞儀をしました。

ローラは頷くと、

すぐに視線を街へ向けました。

黄昏時。

高級なオーダーメイドの服を着た

紳士淑女で賑わう歩道と

家紋が刻まれた四輪馬車が

列をなして走る道は、いつの間にか

オレンジ色に染まっていました。

 

「ああ、どうしよう」

彼女はため息をつきました。

 

ローラは正午頃に

バースに到着しました。

まず、荷物を先に解こうと思い

彼女はすぐに

フェアファクス夫人が教えてくれた

高級ホテルへ向かいました。

しかし、ホテルは、

4階建てのオーダーメイド服店に

変わっていました。

所有者に尋ねたところ、

昨春に建物が売買され、

場所の性質がすっかり

変わってしまったとのことでした。

 

困ったローラは、

適当な貸切馬車を捕まえると、

近場にある評判の良い宿なら

どこでもいいので降ろして欲しいと

頼み込みました。

 

しかし、ローラは泊まる場所を

なかなか見つけることが

できませんでした。

4、5軒ほどのホテルのドアを

叩いてみましたが、すべて満室でした。

 

ローラは、

バースに到着した今日が

何日なのか数えてみて、

ようやく自分の愚かさを嘆きました。

 

ロンドンの社交シーズンが

終わってから、

かなりの時間が経っていて、

貴族たちが一斉に

リゾート都市に集まる時期でした。

狩猟に興味のない貴族たちは、

概してバースを好みました。

毎晩舞踏会や賭博が開かれ、

高級店やレストランで、

満足ゆくまで、ポンドを湯水のように

使い果たすこともできました。

配偶者を探すため、あるいは

こっそり付き合う恋人を探すのに

ぴったりの場所でもありました。

 

貴族たちはすでに

1、2か月前にバースに到着し、

宿泊施設を長期に渡り

借りているはずなので、

ローラは遅いどころか

かなり遅い方でした。

 

ローラは、

29歳という年齢が無意味に思えるほど

迷子になった気分でした。

 

結局、その方法しかないのか。

ローラはポケットから

封筒を取り出しました。

以前、ハイド嬢が送って来た

手紙でした。

 

ハイド嬢が泊まっている

ローレリアホテルに行くのは

後回しにしていました。

突然訪れても、ハイド嬢は

歓迎してくれるだろうけれど、

彼女は仕事で、

ここに滞在していました。

自分の存在がハイド嬢の仕事に

支障をきたす可能性があり

自分のせいで彼女が仕える人に

嫌われるかもしれないと

感じていました。

 

しかし、今は、

他の選択肢がありませんでした。

このままだと、

逃亡中の犯罪者たちが泊まるような

三流ホテルで、

荷を解かなければならない状況でした。

彼女は再び貸切馬車を手配し、

ローレリアホテルへ向かうよう

頼みました。

30分後、馬車は

バース中心部に位置する

ローレリアホテルの前に停まりました。

ホテルは、建てられてから

少なくとも5世紀は経っているようで

ゴシック小説に登場する

孤立した城のように

神秘的な外観でした。

 

ローラはドアマンに案内されて

ホテルの中に入りました。

外観とは対照的に非常に現代的でした。

ローラはフロントへ行き、

宿泊客の中に、

ジェーン・ハイドがいるかどうか

尋ねました。

 

500年前から、

ここで働いているのではないかと

疑われる、

顔がしわしわのフロントスタッフが

宿泊客のリストをざっと見て頷き、

ジェーン・ハイド嬢は

メアリー・ローティス嬢と

同じ部屋にいると伝えました。

 

ローラはがっかりしました。

新しい宿泊先を見つけるまで

ハイド嬢の部屋で

世話になる予定でしたが、

メアリー・ローティス嬢と

一緒に泊まっているなら

それは不可能でした。

 

ローラは、ハイド嬢を通じて

良い宿を

紹介してもらえるのではないかという

一縷の希望を頼りにメモを書き、

ローティス嬢の部屋に届けて欲しいと

頼みました。

 

メモを渡してから、5分ほど経った頃。

モダンな噴水があるロビーを

そわそわと歩き回っていた

ローラの背後から、

「ペンドルトン嬢!」と

聞き慣れた声が聞こえて来ました。

ローラが振り返ると、

淡い青のシルクのスーツを着た

ハイド嬢が立っていました。

華やかではありませんでしたが、

ロンドン時代の

普通の事務員の服装よりも

はるかに高級感のある装いでした。

 

ハイド嬢はスタスタ歩いて

ローラに近づくと、

彼女をギュッと抱き締めて、

こんなに突然来るなんて!

まるで、

サプライズプレゼントのようだと

喜びを露わにしました。

ローラはぎこちなく

彼女の抱擁を受けました。

ストーブの上にしばらく置いた

やかんのように、喜びが

ぐつぐつと沸き上がりましたが、

当惑が激しい感情を押し留めました。

ハイド嬢の後ろに立っている

女性のせいでした。

 

だらりと垂れた黒髪。

体にフィットした

濃紺のスーツドレス。

健康的に日焼けした茶褐色の顔と、

その中に鮮明に刻まれた

女神のような顔立ち。

片手に握った黒い杖。

存在するだけで

空気を吸い込むようなカリスマを放つ

女性でした。

 

並外れた存在感を持つ女性が、

友人に自分を紹介してくれないのかと

ハイド嬢を促しました。

印象とは異なり、柔らかい声でした。

いえ、口調が柔らかくて、声までも

柔らかく感じられるようでした。

 

ハイド嬢は抱擁を解くと、ローラに

その女性のことを、

自分がサポートしている旅行作家の

メアリー・ローティス嬢だと

紹介しました。

そして、ローティス嬢には、

先ほど話をした、

ローラ・ペンドルトン嬢だと

紹介しました。

 

ローラは、

自動的に膝を軽く曲げて

挨拶をしました。

ローティス嬢はハハハと笑いました。

 

彼女は、

その古典的な方法で

礼儀を尽くせない点を

理解して欲しい。

膝の調子が良くないため、

そのように挨拶をすると

骨盤までズキズキ痛むと告げると、

手を突然差し出しました。

黒い革の手袋に包まれた

小さな手でした。

ローラは彼女の手を握り、

軽く2、3回振ってから

手を離しました。

 

ローティス嬢は、

ペンドルトン嬢が直接ジェーンに

タイピングを教えてくれたという

話を聞いた。

自分は女性に独立の道を開く人を

「命の恩人」と呼んでいる。

ジェインの命の恩人ペンドルトン嬢

会えてとても嬉しいと挨拶しました。

ローラは頬を少し赤らめながら、

自分は、ただハイド嬢に

ほんの少し手助けをしただけ。

残りはハイド嬢1人で

成し遂げたのだと謙遜しました。

 

しかし、ローティス嬢は、

ジェーンから、

あなたが非常に謙虚だという話を

聞いていたので、

その言葉は信じない。

それと、もう1つ、

グラント女学校を卒業したと

聞いている。

自分もグラント女学校の出身だと

話しました。

 

ぎこちない様子で

少し緊張していたローラは

その話に驚き、

「あら、本当ですか?」と尋ねました。

 

ローティス嬢は、

大学に行けない少女たちに

無駄にラテン語やギリシャ語を教え

家庭生活のために習得すべき

裁縫や生け花を学ぶ時間を

浪費させていると、

イギリス中から非難されている

あの場所のことだと答えました。

ローラは、

ローティス嬢が先輩であることに

喜びました。

 

ようやくローラが

ローティス嬢にとって

嬉しい言葉をかけると、彼女は

自分たちには、話したいことが

たくさんありそうなので

一緒に部屋に上がらないかと

自然にローラを

自分の客室へ案内しました。

 

ローラは、

ローティス嬢の後を付いて行きながら

彼女の歩き方が

不自然であることに気づきました。

ひどい状態ではありませんでしたが

左足を引きずっていました。

彼女の存在感を際立たせる杖は、

彼女の不自由な左足を補う

松葉杖のようなものでした。

 

彼女たちの部屋は

最上階にあるスイートルームでした。

ドアを開けると、緑の背景に

金色の葉の模様が散りばめられた壁紙と

重厚なマホガニーの家具で飾られた

広いリビングが現れました。

上品な空間でした。

 

彼らはソファーに座り、

使用人が持って来た紅茶を飲みながら

話をしました。

メアリー・ローティス嬢は32歳で、

ペンドルトン嬢より3歳年上でした。

お互い、記憶はありませんでしたが、

一緒に学校に通っていたことは

確かでした。

 

グラント女学校時代の話を通じて、

ローラとローティス嬢は

すぐに親しくなりました。

彼女たちは同じ先生から

フランス語で詩を朗読する方法を学び

同じ先生に鞭で叩かれながら

ピアノを習い、

同じように校長先生の目に留まり、

アリストテレスや

トマス・モアをはじめとする

多くの人文古典に感化され

影響を受けました。

 

1時間ほどたっぷり話した後、

ローラはローティス嬢が、

まるで昔から知っていた人のように

親しみを感じました。

そして、自分を見る

ローティス嬢の視線にも

そのような感情を覚えました。

 

一方、ハイド嬢は、

まるで飼っていた猫が

新しく連れて来た子犬の毛を舐める

様子を見守る飼い主のように

満足そうな表情で

2人の会話を聞いていました。

 

少し会話が途切れた隙に

ハイド嬢は、

2人がこんなに仲良くなれるなんて

とても嬉しいと言いました。

ローラが、その理由を尋ねると

ハイド嬢は、

2人共、世界で一番好きな人たちだから

と答えました。

 

ローラは、その話に

とても気分が良くなりました。

彼女の上司ローティス嬢が

ハイド嬢に親切にしていることが

明らかだったからでした。

 

ハイド嬢が送ってくれた手紙を

読みながら、ローラは

ローティス嬢が、

かなり気性の激しい人だと

推測していました。

出版社のドアを叩き壊し、

突然、出版社所属のタイピストを

自分の秘書として

奪い取るようなことをしたので、

十分、理解できました。

 

しかし、彼女は、

これまでの1時間の間、

そのような性格を

全く見せませんでした。

ローラにはとても丁重に接し、

時折ハイド嬢に話しかける時は

とても優しかったです。

特に、彼女がハイド嬢を

「ジェーン」と呼ぶ口調から

甘さが感じられました。

ペンドルトン嬢は、

2人が仲の良い姉妹のような

関係になったのだと推測しました。

すると、とても心強くなりました。

 

ローティス嬢は、

良かったら、

明日の昼食を一緒に取らないか。

自分たちは、

ルームサービスに飽きてしまったので

いくつかのレストランを

探索中だと誘いました。

ローラは、

食事の誘いなら、いつでも歓迎すると

返事をしました。

 

するとハイド嬢は、

明日、ホテルの隣にある

フランス料理店に行く。

2席予約しているけれど、

もう1席追加するのは簡単なこと。

昼食の頃に貸切馬車を送るので

今どこに泊まっているのか

教えて欲しいと、

話に割り込みました。

 

厄介な問題を切り出す時が

訪れました。

ローラは、

泊まる場所を見つけられない状況を

照れくさそうに説明しました。

 

ローラの話が終わると、

すぐにローティス嬢は、

ローラの荷物が、

今どこにあるのかを尋ねました。

ローラが、

下のフロントに預けてあると答えると

ローティス嬢は

リビングの壁に設置された

呼び出しベルを押しました。

すぐに使用人が入って来て

お辞儀をしました。

ローティス嬢は

フロントにある

ペンドルトン嬢のトランクを

持って来るよう指示しました。

 

驚いたペンドルトン嬢に

ローティス嬢は、

今、バースでは絶対に宿を取れない。

特にあなたのような上品な淑女が

身を横たえる場所は、

自分の大叔母の名にかけて

言うけれど、決してない。

ここに泊まるように。

空いている部屋が1つあるので、

そこを使えばいいと提案しました。

寛大な対応に

ローラは胸が高鳴りました。

 

期待以上の助けに、ローラは、

自分が少しでも

安心して過ごせるように、

宿泊費の3分の1を支払うことを

許可して欲しいと頼みました。

しかしローティス嬢は

手をヒラヒラと振りながら、

ここでの経費は全て、出版社が

負担することになっているので

何も考えずに

自分の家のように過ごしなさいと

言いました。

 

ローラは赤らんだ顔で

謝意を表しました。

ハイド嬢は笑いながら

ローティス嬢と腕を組み、

彼女の肩に頬を寄せました。

そしてローラに、

ローティス嬢が素敵な人であることを

話しましたよね?と聞きました。

 

ローラは笑いながら頷きました。

本当にそうでした。

ローティス嬢は、

彼女が想像していたよりも素敵で

人間味のある人でした。

 

昔の友達と学校の良き先輩。

もしかすると、

この人たちと過ごすうちに

ダルトン氏を

忘れられるかもしれない。

 

ローラはバースにいる間、

ここでの生活に、

しっかり溶け込むことを決心しました。

彼女がヨークシャーから逃げた理由の

半分は、彼女自身が

ダルトン氏を忘れるためだったので。

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情けは人の為ならず。

ローラがハイド嬢に

タイピングを教えなければ、

彼女は出版社で働くことがなかったし

ローティス嬢の原稿を

校正することもなかった。

ローティス嬢にとって、

自分の原稿が

間違って校正されることは

侮辱されたも同然。

ローラは、

ローティス嬢の原稿を

正確に校正できるハイド嬢との出会いを

間接的に実現させた人なので、

ローティス嬢が

ローラに親切にするのは

当然だと思います。