自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

バスティアン 171話 ネタバレ ノベル 原作 あらすじ 招かれざる客

171話 オデットに会うためにロスバインを訪れていたバスティアンに軍事機密が届きました。

バスティアンを乗せた軍用車は

すぐにロスバイン駅へ向かいました。

そこから出発した

ラッツ行きの特急列車は、

夜明けが近づく頃に

目的地に到着しました。

 

バスティアンは、

そのまま海軍省へ向かいました。

まだ早い時間でしたが、

作戦司令部は昼間のように

慌ただしくなっていました。

数日前とは全く異なる雰囲気でした。

 

バスティアンは、

身元確認と保安検査を経て初めて

会議室に入ることができました。

軍事機密を扱う場であるため、

参加者は少数に限定されており

佐官の将校は

バスティアンだけでした。

 

準戦時体制への突入。

速やかな復帰と

緊急会議への出席を要請する。

 

急報に書かれていた内容は

それだけでした。

徹底した保安も完全には信頼し難い

重大事であるという意味でした。

まだ将軍たちにも

情報が十分に伝わっていないようで、

様々な憶測が飛び交っていました。

 

バスティアンは軽率に推測せず、

会議の開始を待ちました。

作戦司令官が登場したのは、

朝日が会議室を

満たしていた頃でした。

 

作戦司令官は式次第を全て省略し、

南部連合国の海軍艦隊が、

主要戦線に集結しているという情報を

昨日の午後に入手したと、

すぐに本論に入りました。

後から来た副官が

壁に掲げた作戦地図には、

敵軍の移動経路が詳細に

記されていました。

 

バスティアンは

作戦司令官の説明に耳を傾けながら

冷静沈着に情勢を

読み解いて行きました。

海軍艦隊はもちろん、陸軍部隊も

前線へ移動中でした。

北部と南部は長い年月に渡り

大小の衝突を繰り返し

対立してきましたが、

これほどの大規模な兵力が

一斉に動くのは異例のことでした。

 

ロビタは、

海軍戦力の中核である大洋艦隊を

北海へ移動させているところだと

告げる作戦司令官の指揮棒の先が

指し示した場所には

トロサ諸島が位置していました。

敵の艦隊の規模を確認した

バスティアンの目が細くなりました。

おおよそに見積もっても、

現在、北海に駐屯しているベルク軍の

3倍の戦力でした。

 

最新式の戦艦が多数と

水上機母艦も含まれていることが

確認された。

トロサ諸島を封鎖して

北海艦隊を無力化しようとする作戦と

推測される。

総指揮官は、まさにシェアー提督だと

作戦司令官は、

正確にバスティアンを直視しながら

敵将の名前を明らかにしました。

 

自分がこの場所にいる理由を

バスティアンは今や完全に

理解できました。

シェアー提督は、

ロビタ海軍の誇りと

謳われていたけれど

敵軍の若い大尉に大敗した後は

その名が色褪せつつあった、

あの百戦錬磨の老将の名前でした。

シェアー!

あの忌々しい老いぼれが!

国際条約だの何だのと構わず、

あの時沈めておくべきだったと

悪態をつくと、デメル提督は

深いため息をつきながら

葉巻の箱を開けました。

執務室は、すぐに

むせ返るような煙で満たされました。


葉巻を辞退したバスティアンは

提督の机の前に立ち、

複雑な考えを整理しました。

 

海軍省は、今月末までに

全艦隊を前線に前進配備し、

戦時に備える決定を下しました。

特別海上訓練という名目を

掲げましたが、実際には

大規模な全面戦争を念頭に置いた

決定でした。

バスティアンは、トロサ諸島へ行って

北海艦隊の戦艦を指揮するよう

命じられました。

 

デメル提督は、

バスティアンがせっかく取った休暇を

数日で台無しにしてしまったことを

謝罪しました。

いつものように、

人懐っこい笑みを浮かべる瞬間も、

デメル提督の眼差しは

冷たく沈んでいました。

 

バスティアンはデメル提督に

戦争が勃発すると考えているかと

尋ねました。

デメル提督は、

ロビタの連中は愚かだけれど、

たかが海上訓練のために

100隻以上の戦艦を

運用するはずがないと答えました。


バスティアンは、

衝突が発生した場合、

局地戦では終わらない規模だと

指摘しました。

デメル提督は、

どうか全大陸が砲火に包まれるような

狂気の沙汰を犯さないことを

願うけれど、本来、

権力の座に就いている者たちは

皆、半分狂っているものだから、

確約は難しいと答えると、

遠い空を見上げながら

葉巻の煙を吐き出しました。

 

バスティアンは、

戦線は、どのように形成されると

考えているかと尋ねました。

デメル提督は、

軽率に判断するのは早いけれど

少なくとも首都とアルデンが

攻撃されることは

ないのではないかと答えました。

 

バスティアンは、

東部はどうなのか。

ロスバインは安全かと尋ねました。

デメル提督は、

なぜ?

素晴らしいウイスキーの味に感嘆して

蒸留所でも買い取ったのかと尋ねると

細めた目を上げて

バスティアンを見つめました。

彼は真剣というよりは、

むしろ切迫しているように見える

眼差しをしていました。

かつてない姿でした。

 

デメル提督は、

現在の情勢を見ると、陸軍は南部へ、

海軍は北部へ進撃する戦略を

選択したが、東部は

陸路で占領するのが難しい地形だ。

自分は北海戦線が、

帝国の北部と東部を守る関門になると

見ていると、

冗談抜きで冷静に答えました。

バスティアンは、

その時になってようやく、本来の

冷静な表情を取り戻しました。

 

デメル提督は、

まずは自分たちのやるべきことだけを

考えよう。

シェアーの艦隊から北海の深みに

沈めてしまおうと言いました。

 

バスティアンは、

出陣はいつかと尋ねました。

デメル提督は、

知っての通り、公式には海上訓練だ。

別に出陣式をすることなく

静かに移動することになるだろう。

今週末が、

ちょうど良いのではないかと思うけれど

やむを得ない事情でもあるのかと

尋ねました。

 

3日間。

週末まで残された時間を数えた

バスティアンの瞳に、

微細な亀裂が入りました。

会社と身の回りの整理をするにも

時間が差し迫っていました。

 

あと数日だけ猶予を欲しいと

バスティアンは

躊躇うことなく懇願しました。

今も時間が流れていて、躊躇し、

迷う余裕は残っていませんでした。

 

バスティアンは、

不忠に対する代償は

勝利をもって払うので、

どうか、もう少しだけ時間が欲しいと

当惑しているデメル提督に

深く頭を下げました。

止まらない時計の秒針の音が

カチコチと

重い静寂をかき乱しました。

焼きたてのジャガイモの

香ばしい匂いが

台所いっぱいに広がりました。

あらかじめ

準備しておいた材料と和えた

ジャガイモ料理を完成させた

オデットは、

すぐに次のメニューの準備を

始めました。

 

スズキは焼くだけで済むように

下処理をしておき、

家庭菜園で採れたトマトとナスを使った

ソースを作りました。

台所の窓に掛けてある懐中時計を

こまめに確認する度に、

手の動きがさらに速くなりました。

おかげでオデットは、

夕食の時間に合わせて、全ての準備を

終えることができました。

 

来ないことを願う男のために

心を込めて料理を作る女だなんて。

ふと自分が滑稽に思えましたが、

オデットは黙って食卓を整えました。

 

きれいに洗って糊付けをした

レースのテーブルクロスを敷き、

買って来た2つのシャンパングラスを

置きました。

1つは片付けるべきかと悩みましたが

結局、

そのままにしておくことにしました。

どうせ食べ物だけでも

十分、情けなく見えるはず。

グラス1つ隠したところで、

プライドを守れるはずが

ありませんでした。

 

もう、することがなくなったため、

オデットは2階に上がって

服を着替えました。

夢中で仕事をしていたせいで

乱れた髪を解き、丁寧に梳かした後、

一つに緩く結びました。

リボンの形を整えている間に

鐘の音が響き渡りました。

 

オデットは、

反射的に体を起こしてから、

それが家の前を通り過ぎる

自転車のベルの音であることに

気づきました。

自嘲的な笑いが漏れましたが、

視線は依然として

窓の向こうに見える道の上に

留まっていました。

 

6時。

1日の仕事を終えて家に帰る

村の人々で、

道が慌ただしくなりました。


7時。

閑散とした小川を泳ぐ白鳥が

バラ色に染まり始めました。

 

8時。

澄んだ闇が降りた村は

静まり返りました。

 

オデットは、

そのまま窓辺から立ち上がり、

裏庭へ下りました。

あらかじめ灯された明かりが

空っぽの食卓を照らしていました。

 

オデットは、

シャンパングラスを持って

キッチンに戻りました。

オーブンの熱は冷めて久しいのに

突然、顔が熱くなりました。

その時、呼び鈴の音が響きました。

 

オデットは、

危うく落としそうになったグラスを

調理台に置くと、

慌てて玄関へ出ました。

大きく開いたドアの向こうには、

予想外の客が立っていました。

 

「こんばんは、オデット嬢」

穏やかな笑みを浮かべた

ジェンダス伯爵が挨拶をしました。

「こんばんは、先生!」

オデットの弟子となったアルマも

一緒でした。

 

ジェンダス伯爵は、

古い床板を交換する工事の

日程調整のために立ち寄った。

この村の大工は、秋にならないと

対応できないと言ったので、

他の地域の大工を手配した。

少し、相談させてもらえるかと

尋ねました。

 

「ああ・・・はい」と答えた

オデットは、

優しい笑顔を浮かべながら道を開けて

「どうぞお入りください」と

告げました。

とにかく客が来たので、

それでいいことにしようと考えました。

終電で降りた客は

バスティアンだけでした。

駅舎を歩いたバスティアンは

慌ててホテルへ向かい、

制服を脱ぎました。

服を着替えて、再び広場へ飛び出すと

9時を知らせる時計塔の鐘の音が

響き始めました。

 

オデットが住む村と繋がる

川沿いの道に入ったバスティアンは

全力で走り始めました。

街灯の明かりは

1つもありませんでしたが、

月と星がとても明るい夜だったので

暗くありませんでした。

 

次第に荒くなっていく息遣いが

カエルや虫の鳴き声と

一つに溶け合いました。

心臓が破裂しそうに鼓動しても、

バスティアンは休むことなく

走り続けました。

片手には、

ラッツで買ったシャンパンの瓶を

力いっぱい握り締めていました。


幸いにも海軍省は、

バスティアンの要請を

受け入れてくれて、

1週間の猶予をくれると言いました。

遅くとも、出発の2日前には

海軍省に復帰しなければならず、

実質5日間でしたが、

再びオデットに会えるだけで

十分でした。

バスティアンは、そのまま

ラッツ中央駅へ向かいました。

 

オデットの家から漏れ出る

明かりが見え始めると、

バスティアンは

さらに力強く走り出しました。

ポーチの前に立った時は、全身が

汗でびっしょり濡れていました。

 

その声が聞こえて来たのは、

滅茶苦茶になった姿を

何とか整えようとして、

ハンカチを取り出した時でした。

子どもがキャッキャと笑いました。

柔らかな音色の男性の声と、

低い女性の笑い声も

それに続きました。


バスティアンは、

ゆっくりと向きを変えて

ポーチの下に降りました。

その時になって、ようやく

オデットの家の前に停まっている

見知らぬ車が目に入りました。

このような辺鄙な田舎では

見られない高級な車でした。

 

バスティアンは、

無造作に丸めたハンカチを

捻じりながら握りしめて、

家の裏手へ向かいました。

腰の高さまでしかない

低い塀の向こうに

オデットの裏庭が見えました。

 

愛嬌を振りまいている可愛い子供と

満足そうな目で娘を見守る

マクシミン・フォン・ジェンダス。

そして優しい笑みを浮かべるオデット。

暖かい明かりに染まった

大木の下の食卓を、

仲睦まじい家族のように見える

3人が囲んで座っていました。

あまりにも美しくて平和で、

まるで夢のように見える光景でした。

 

バスティアンは、

暗い曲がり角で立ち止まったまま

オデットを見守りました。

オデットは、

穏やかに食事をしながら

お喋りをしていました。

度々、笑い、饒舌でした。

深い悲しみと苦痛に沈んでいた

昨日のオデットとは

まったく別人のように見える姿でした。

 

はたして誰が

招かれざる客なのだろうか。

ふと浮かんだ疑問を

心の中で繰り返していた

バスティアンは、

自嘲的な笑みを浮かべて

背を向けました。

蠢いていた喉は、

ほどなくして、静まりました。

炎が燃え上がるかのような眼差しも

冷たく沈んで行きました。

3人の幸せな笑い声が

甘い風に乗って流れて来ました。

招かれざる客は

静かに闇の中へ退きました。

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オデットは、

バスティアンのために料理を作り

時計を気にしながら、

彼が来るのを待っていたのに、

バスティアンも、

歩いて1時間かかる道のり

(4㎞くらい)を必死で走って

オデットの元へ駆けつけたのに

いくら子連れとはいえ、

夜の8時過ぎに

女性の1人暮らしの家を訪ね、

10時近くまでアルマを寝かせないで

自分に付き合わせている

非常識なマクシミン伯爵のせいで

2人で過ごす時間を

奪われてしまいました。

 

オデットが

楽しそうにしている様子を見て

傷ついたバスティアンが

気の毒でなりません。

でも、オデットがそうしたのは

マクシミンが他人だからなのです。

家族でない人に、オデットは

不愉快そうな態度を

取ったりしないのです。

それをバスティアンに

気づいて欲しいです。

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