自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ミス・ペンドルトンの恋 131話 ネタバレ 原作 あらすじ 翼を広げて

131話 ところで、その後、イアンはどうしているのでしょうか?

ベルベットのコートを着て

髪をスタイリッシュな形にまとめた

一人の女性がカフェに入って来ました。

 

彼女には人とは違う

独特な魅力がありました。

それは美しいとか高尚だとかといった

陳腐な言葉では表現できない種類の

魅力でした。

知的でありながら野性的で、

鋭くもありながら官能的でした。

周囲では、

なかなか見つけられない

希少な魅力と言えました。

だからこそ、彼女を一度見たら

誰も忘れることができませんでした。

 

彼女は窮屈な羊の革の手袋を脱ぎながら

テーブルをざっと見渡しました。

カフェのテーブルは

半分ほど埋まっていました。

しかし、彼女が探している人は

見当たりませんでした。

 

まだ来ていないのだろうか。

彼女はゆっくりと

空いたテーブルに座りました。

制服を着たウェイターが近づくと

彼女はコーヒーを一杯注文しました。

彼女は最近、紅茶よりも

コーヒーを好んで飲んでいました。

一緒に暮らしている

ある人の影響でした。

 

コーヒーが出て来ると、

彼女は黒くて苦い液体を

砂糖も入れずに、ちびちび飲みました。

そして出口をじっと見つめながら

約束の相手が現れるのを待ちました。

すると彼女のテーブルの方へ、

一人の紳士が、

ゆっくりと歩いてきました。

 

「こんにちは、ハイド嬢」

ハイド嬢は紳士を見上げました。

彼は、先ほどからカフェの片隅に座って

紅茶を飲んでいた

初秋用のフロックコート姿の

紳士でした。

彼女は不思議そうに瞬きしたかと思うと

すぐに椅子から飛び上がりました。

ハイド嬢は、

全く気づかなかった!

一体、夏以降、何があったのかと

尋ねました。

ダルトン氏は無言で

苦笑いをしました。

二人は握手を交わして

席に着きました。

ダルトン氏が座っていたテーブルに

置かれていた紅茶を

ウェイターが運んで来てくれました。

 

ハイド嬢は今朝、

一枚のメモを受け取りました。

驚いたことに、

ダルトン氏からのメッセージで、

午後3時に、

ローレリアホテルから2ブロック離れた

「モリソン」というカフェで

お茶を飲もうというものでした。

 

彼はメモの最後で、ローラには

絶対に秘密にしておくようにと

頼みました。

彼女は、

ペンドルトン嬢とローティス嬢に

少し外出すると言って

ホテルを抜け出しました。

 

ハイド嬢はコーヒーを飲みながら

向かいのダルトン氏を

じっと見つめました。

ひどい顔でした。

 

ロンドンで彼を初めて見た時、

彼はかなり素敵な男性でした。

まるで耽美主義的な彫刻家が

眠る時間さえ惜しんで完成させた

彫刻のように美しい顔立ちでした。

 

元々、男性の外見に

特に興味がなかったハイド嬢でしたが

ロンドン中の乙女たちが

彼に夢中になるのも理解できました。

彼女は男性に興味がないだけで、

美意識が欠けている人では

なかったので。

 

しかし、

今、目の前にいるダルトン氏は

あの時とは全く違っていました。

顔色は不安を覚えるほど土気色で、

目の下には、死者のような

濃い陰が落ちていました。

その姿も魅力がないとは

言えませんでしたが、

ハイド嬢は、まず彼の健康を

心配しました。

 

ハイド嬢は、

郊外で水切りをした時とは全く違う。

最近、病気でもしたのかと尋ねました。

ダルトン氏は首を振ると、

自分の健康は心配しないで欲しい。

自分は食べなくても寝なくても、

大抵は具合が悪くならないと

返事をしました。

 

ハイド嬢は、

最近は食べてもいなし、

寝てもいないという風に

聞こえると疑問を呈すると

彼は黙って目を伏せ、

テーブルだけを見つめました。

長い睫毛が日よけとなり、

目の下がさらに暗くなりました。


彼女は本題に入ることにし、

自分をここに呼んだ理由は何なのかと

尋ねました。

ダルトン氏は、

自分が2か月前に、鉱泉水ホールで

あなたたちを

慌てさせた男だということは

知っていますよねと尋ねました。

 

ハイド嬢は「はい」と答え、

そして一人でいるペンドルトン嬢を

追いかけていたら、その人が

昔の恋人に会わせてくれたことも。

なぜ、そんなことをしたのか。

ペンドルトン嬢は、

自分たちとの予定以外は、

あまり外出しない方なので、

あの男性と会う確率はゼロだったのにと

言いました。

 

ダルトン氏は、

あの時に戻って、

自分の足に自分の足を引っかけて

転ばせたい気持ちだと返事をしました。

 

彼は眉を顰めると、

あの日の失敗の後、

自分は、無理をして、彼女を

追いかけるようなことはしないと

決めた。

そのため、自分は彼女が

ジョン・アシュトンと

交際を続けているかどうか

分からないと話すと ハイド嬢に、

ペンドルトン嬢が、

ジョン・アシュトンに会っているかと

尋ねました。

 

ハイド嬢は、ロンドンで

出版社に勤めていた頃から

ダルトン氏の気持ちに

気づいていました。

アビゲイル夫人が亡くなった後に

姿を消したペンドルトン嬢を探して

ロンドンの宿泊施設を巡り、自分に

ペンドルトン嬢の居場所を知らせて

安全な下宿に連れて行かせた

人だったからでした。

 

そのため、彼女は真実を告げることを

一瞬、躊躇わずを得ませんでした。

彼の心を苦しめることは

間違いないからでした。

しかし彼女は、配慮よりも

真実を追い求める傾向がありました。

 

ハイド嬢は、

ペンドルトン嬢が週に一度

アシュトン氏の見舞いに行き、

そこで3時間以上滞在してから

戻って来ることを伝えました。

 

ダルトン氏の表情が

急速に崩れました。

彼は、頭痛がするかのように

顔を顰め、両手で頭を抱えながら

テーブルの方へ深く俯きました。

 

ハイド嬢は、なぜ彼が

結核患者のような顔になったのか

分かったようでした。

ある男性の愛する女性が

彼女の初恋の人と一緒にいる状況で

きちんと衣食住を整えることなんて

できるはずがありませんでした。

 

ダルトン氏は、

彼女に愛が蘇った兆しが見えたかと

尋ねました。

ハイド嬢は、

さあ、どうでしょう。

元々、感情を表に出さない、

穏やかな人なので。

ただ、アシュトン氏の娘については

いくらか話していた。

賢くて愛らしい女の子で、

あれほどまでに体が弱いことに

心を痛めていたと話しました。

 

ハイド嬢の言葉が

彼の苦しみを増大させたのか、

彼は小さく呻き声を漏らすと、

ペンドルトン嬢は心優しい人だ。

彼女はすでに、彼の娘に

母親の愛情を感じているのですねと

嘆きました。

 

ハイド嬢は、

ダルトン氏が考えを

飛躍させ過ぎたことを非難し、

彼女は元々、子供が好きで、

思いやりのある人だと主張しました。

しかし、ダルトン氏は、

それが問題だと返事をすると、

苦しそうに歯ぎしりしました。

そして、

彼女は2か月間、週に一度、

寝込んでいる病人と

その病人の幼い娘の世話をしていた。

しかも病人は初恋の人であり、

彼は今も彼女を愛している。

思いやりのある女性にとって、

これほどまでに恋に落ちるのに

相応しい状況が

どこにあるのかと尋ねました。

 

その言葉に、

ハイド嬢は首を傾げました。

そして、ダルトン氏が、

なぜ、そんなに不安なのか。

ペンドルトン嬢は、

同情と愛を区別できる人だ。

ダルトン氏の最大の問題は

ペンドルトン嬢への信頼がないことに

あるようだと指摘しました。

 

彼はため息をつくと、

それを認めました。

そして、ペンドルトン嬢に対して

自分は、なかなか安心できない。

彼女は自立していて、

しっかりとした女性だから。

その点が、

ペンドルトン嬢を愛する理由の

一つだけれど、

同時に恐怖の要因でもあると

打ち明けると、彼は顔を上げて

ハイド嬢を見ました。

 

それから彼は、

彼女が翻訳の仕事を始めたと

聞いたけれど、そうなのかと

尋ねました。

 

ハイド嬢は「はい」と答えると、

ペンドルトン嬢が、少し前に

本を一冊翻訳し終えて

100ポンドを受け取ったことと

教える仕事に続いて、

また別の天職を見つけたようだと

話しました。

 

ダルトン氏は、

彼女はすぐに金持ちになるだろうと

言いました。

ハイド嬢はその意見に同意し、

ペンドルトン嬢が、

仕事を速く正確に進めているので

すでに次の仕事の提案が

複数の所から来ていると

淡々と真実だけを話しました。

それはダルトン氏が

望んでいたことでしたが、同時に

その一つ一つが短剣のようでした。

 

彼女は

ダルトン氏の苦しみを見守りながら、

心の中で舌打ちをしました。

ハイド嬢は彼に対して、

それなりに好感を抱いていました。

あんなに水切りが上手な男性はいないし

フェアファクス氏の

友人でもありました。

そんな彼が愛に翻弄され、

胸を焦がす姿は見ていられないほど

哀れに思えました。


ハイド嬢はダルトン氏に、

あまり焦らないように。

そのせいで、かえって結果が

悪くなってしまうから。

あなたであれ、アシュトン氏であれ、

あるいは独身の翻訳者であれ、

ペンドルトン嬢が自分で未来を

決められるようにして欲しいと

頼みました。

 

ダルトン氏は、

それが可能だったなら、

この2か月間、窓の前に張り付いて

彼女が現れるのを

ただ待つこともなかっただろう。

自分は彼女を愛している。

この愛が自分を死へと追いやっている。

愛が、これほど苦しいものだと

知っていたら、

自分は早くにホワイトフィールドを

親戚の一人に譲ることに決めて

独身を宣言しただろうと言いました。

 

ハイド嬢の目に、

同情ではないけれど

(彼女は同情心が厚い人ではなかった)

反感ではない奇妙な感情が

漂っていました。

あえて表現するならば、

共感といったところだろうか。

 

しかし彼女はペンドルトン嬢を

精神的な母と呼べるほど

尊敬していました。

彼の愛が度を越して

ペンドルトン嬢の前途を阻むことを

彼女は、

許すことができませんでした。

 

ハイド嬢は、

ダルトン氏がゆっくりと愛に焼かれて

死んで行くようだ。

とてもロマンチックだし、

ロミオとジュリエットのように

悲劇的で美しい。

けれども、自分たちは

現実の中で生きている。

ペンドルトン嬢の主人は

彼女自身であることを

覚えておいて欲しい。

彼女が歩むべき道は、

彼女自身が決めること。

あなたが愛のために枯れて死んでも

ペンドルトン嬢には何の責任もない。

本当に

ペンドルトン嬢を愛しているなら、

彼女の決定だけに従うと

伝えるように。

惨めに愛を乞うよりも

ずっと素敵に見えるだろうと

冷静な話を終えると、

ウェイターに手を振り、

コーヒー代とチップを払いました。

そして、思い出したように、

ペンドルトン嬢は風邪を引いたので、

しばらくホテルの外に出ない予定だと

伝えました。

 

不安そうな顔でティーカップを

見つめていたダルトン氏は

ぱっと顔を上げて、

その理由を尋ねました。

 

ハイド嬢は、

昨日、ペンドルトン嬢が、

シルクのドレス姿で1時間も歩いて

ホテルに戻って来た。

外でコートを失くしたそうだけれど

そんな失敗をする人ではないので

本当に不思議だと答えました。

 

ダルトン氏は、

深刻な症状なのかと尋ねました。

ハイド嬢は、

疲れからなのか、少し熱っぽいけれど

大したことではない。

一週間しっかり休めば良くなると

医者が言っていたと答えました。

しかし、ダルトン氏の顔は、

まるでローラが余命宣告を

受けたかのように見えました。

 

ダルトン氏は、

看護師はいるのかと尋ねました。

ハイド嬢は、

看護師もいて、自分もいて、

ローティス嬢もいる。

自分たちはチームになって

ペンドルトン嬢の世話をしている。

彼女は、自分たちの

大切な友人だからと答えました。

彼は安堵したように息を吐きました。

 

カフェを出る道すがら、

ダルトン氏は、

フロックコートのポケットに

手を入れたまま、

自分はペンドルトン嬢が

バースでどのように過ごしているか

ずっと心配していた。

彼女が

穏やかに過ごしているのかどうか。

気詰まりな人々の中で

苦労しているのではないかと。

ハイド嬢に会って、ほっとした。

彼女にハイド嬢のような人がいて

幸いだと言いました、

 

ハイド嬢は微かに微笑むと、

自分がペンドルトン嬢に示す親切は、

彼女が自分に与えてくれた恩恵の

1/100にも満たないと謙遜しました。

 

ダルトン氏は手を差し出しました。

ハイド嬢は彼の手の上に

自分の手を置きました。

 

ダルトン氏は、

これからも、ペンドルトン嬢を

どうぞよろしくと頼むと

ハイド嬢の手の甲に

恭しくキスをしました。

 

紳士たちと別れる時は、

いつもしなければならない

手続きだけれど、

本当に気持ちが悪い。

 

ハイド嬢は軽く首を振ると、

体を回して

反対側へ歩き始めました。

 

彼女はダルトン氏から、一刻も早く

離れたいと思っていました。

久しぶりに社交界の頃の知人に会い

まるで、あの頃に戻ったような

気分でした。

不幸で息苦しかった時間。

まるで鳥かごに閉じ込められた

鳥のようでした。

 

そんな自分を、

鳥かごから救い出してくれたのが

ペンドルトン嬢でした。

彼女は今、翼を広げて

高い空を飛んでいました。

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

やはり、ローラは

風邪を引いてしまったのですね。

彼女がコートを忘れたことに

ジョン・アシュトンは

気づかなかったのでしょうか?

それとも、

彼女がコートを取りに来ることを

期待していたのかも。

そんなことすらできない

彼女の気持ちを

ジョン・アシュトンが

気づけばいいのにと思います。

 

もしかしてハイド嬢は

男性が嫌いなのでしょうか?

だから、フェアファクス氏と

友達ではいられたけれど

結婚するのは嫌だったのかも。

 

イアンは恋煩いに陥って

かなり精神的に

参っているようですね。

もうイアンは

仮病を使う必要がなくなるかも

しれませんが、

ローラが、この状態のイアンと

会えるのかどうかが気になります。