247話 ハインリと再会できたナビエでしたが・・・
◇ハインリの救出方法◇
ナビエは、エインジェルに
どうしたのか。
知っている鳥なのかと
聞かれました。
何を考えているかわからないけれども
おそらく
良いことを考えていなさそうな
エインジェルが、
目を細めて笑うのを見て
ナビエは、人々が超国籍軍団を
避ける理由がわかりました。
ナビエは、あの鳥は
エインジェルからもらった鳥に
似ている、兄弟なのかと
尋ねました。
エインジェルが否定したので
ナビエは、
彼からもらった鳥が
寂しがっているので
あの鳥も欲しいと言いました。
鳥かごの中にいるハインリは
顔がやつれ
翼はパサパサになり
瞳は生気がなくて
目に涙がたまっていました。
そして、わざとナビエに
知らんぷりをしている姿を見て
ナビエは不憫に思いました。
すると、エインジェルは
あの鳥は、
自分が一番大事にしている鳥なので
あげられないと断りました。
その場所は、
とても人通りが多いので
こっそりハインリを連れ出すことが
できそうにありませんでした。
エインジェルは、わざとこの場所に
鳥かごを置いたと
ナビエは思いました。
エインジェルが部屋へ
案内するというので
ナビエは、心を痛めながらも
彼の後に付いていきました。
エインジェルが案内した部屋は
2階の一番奥の部屋でした。
ナビエが一人で使う部屋なので
マッケナとランドレ子爵、
侍従や護衛たちは
部屋を出て行きました。
一人残ったマスタスは
あの鳥は
時々、皇后が
一緒に遊ぶ鳥ではないかと
ナビエに尋ねました。
ナビエは認めました。
ナビエは窓に近づきました。
カーテンはずっしりと重く
窓の外には
特に多くの騎士たちが
いるように感じられました。
なぜ、ナビエの鳥を
エインジェルが持っているのかと
マスタスが尋ねたので
ナビエは、
手紙を送った時に
捕まえられたと答えました。
するとマスタスは、
そういう時は残念だけど
仕方がない。
皇后の伝書鳥だと
知られなければ殺されないので
あの鳥は、
もういない鳥ということにすれば
皇后にとっても、鳥にとっても
良いことなのではないかと
言いました。
何も知らないとはいえ、マスタスの言葉はちょっと・・・ マスタスなりにナビエを慰めているのでしょうけれど。
20分後、マッケナが
ナビエの部屋へやって来ました。
ナビエは、マスタスに
用事を言いつけて
マッケナと2人だけになると
ハインリの救出方法について
相談をしました。
こっそり連れ出すのは大変だ
と言うマッケナにナビエは
堂々と連れ出すと伝えました。
◇ルベティの殺意◇
新年祭に出発したナビエの
ただならぬ様子を見たルベティは
神殿に立ち寄り
ナビエが無事であるように
彼女のために祈りました。
その後、ルベティは
カイとラリと遊んでいる時に
アレンが、アンのことを
世界で一番きれい、
天から降りてきた天使だと
褒めちぎっていたことを
思い出しました。
ルベティは、
ラスタに似たアンが嫌いだったので
そのような兄の振る舞いに
腹を立てていましたが
今は、あの時に戻りたいと
思っていました。
兄がアンを抱きしめて
歩き回っているのを見て
舌打ちしていた父の姿を
もう見られないと思うと
涙が出ました。
ルベティは風に当たりたいと思い
誰もいない所を探して
歩き続けていると
エルギ公爵を発見しました。
彼は壁にもたれながら、階段に座り
物思いに耽りながら
ネックレスをいじっていました。
彼がアンを神殿に連れて行かなければ
アレンはラスタの一味に
されなかったのに。
階段から転げ落ちてしまえと
ルベティは思いました。
自分とエルギ公爵の周りには
誰もいませんでした。
ルベティは靴を脱ぎ
ゆっくりとエルギ公爵に近づき
彼の背中に手を伸ばしました。
◇ハインリ救出作戦◇
ハインリは鳥かごの中で
先ほどのナビエの驚いた顔、
悲しんでいる姿
心配している瞳を
思い浮かべていました。
ハインリは、
魔石の最後の1個を
回収するところで
捕まえられました。
一人で行ったことを後悔しましたが
何人かで行って
同時に鳥に変わって逃げたら
怪しまれたと思いました。
ハインリは、何とか逃げる方法を
考えていると
悲鳴と叫び声が聞こえました。
捕まえろという声が聞こえましたが
声の主と足音は一人や二人では
ありませんでした。
すると、仮面で顔を隠した
各国の制服を着た騎士の群れが
走って来ました。
その中には、西大帝国と
第4騎士団の制服も見えました。
そして、ハインリが驚く間もなく
騎士の一人が鳥かごを持って
走り出しました。
その人は鳥一族の部下でした。
他の騎士たちも走り出しました。
ハインリは鳥かごに
身体をぶつけないように
翼で柵をつかんでいました。
すると騎士が急に立ち止まったので
ハインリは後方へ投げ出されました。
態勢を立て直すと
ハインリの目の前に
エインジェルが立っていて
その後ろに第4騎士団の騎士たちが
壁のように立っていました。
そして、後ろからは
別の騎士団が集まって来ました。
ハインリと騎士たちは
サンドイッチ状態になりました。
なぜ、その鳥を救うために
わざわざ各国の騎士の制服を
盗む必要があったのか、
勝手に盗まないで
その制服を着たいと
話せば良かったのにと
エインジェルは言いました。
子供の頃から遊ぶのも我慢して
皇后になるための
勉強をしてきたナビエ。
その知識と、皇后としての経験が
あらゆる困難を乗り越えるための
力を与えていると思いました。
ナビエの不屈の精神を
見習いたいです。