2024-01-01から1年間の記事一覧
847話 ゲスターも無事に仕事を終えて、意気揚々と帰って来ましたが・・・ ◇一番はタッシール◇ ついに馬車がタリウムの中に入ると ゲスターは、 窓枠から手を下ろしました。 興奮と緊張で震える手を 見られたくなかったからでした。 馬車は城門を通り過ぎた後…
846話 タナサンの会議室の中では、一体、何が起こっているのでしょうか? ◇息子への疑念◇ ロルド宰相は歩いていく途中、 チラッと後ろを見ました。 今、微かに 悲鳴が聞こえたようでした。 しかし、扉は閉まっていたし、 外の様子は見えませんでした。 宰相…
845話 一番最初に宮殿に戻って来た側室は誰なのでしょうか? ◇これは、あれ?◇ タッシール? ヘイレンを治療すると言って 消えたタッシールが 使節団の馬車に乗って登場するなんて ラティルは、 予想していなかったことに、 心から驚きました。 どうやって?…
151話 レオニードはビョルンに、大公妃を見つけたと告げました。 眠りから覚めた子供の泣き声が 寂寞とした幕舎の中に 響き渡りました。 火鉢に薪を入れていたエルナは、 驚いて体を起こしました。 包帯が巻かれた腕や腰を襲った 鋭い痛みは、 しばらくして…
844話 グリフィンはゲスターに、ミロの周辺に変な境界ができていて、中が見えないことを伝えました。 ◇完璧な成果◇ 確かに変だ。 ロルド宰相は グリフィンの言葉は聞こえないけれど ゲスターの言葉は聞けるので、 彼は、宰相が 熟睡していることを知っていた…
150話 ビョルンは倒れている最前列の車両の窓ガラスを割って、中へ飛び下りました。 壊れた扉が外れる音が、 地獄のような風景の中に 響き渡りました。 ビョルンは、その扉を乗り越えて、 次の車両に向かいました。 頭上から、割れたガラスの破片が 雪と共に…
843話 ザイシンと百花が、ゲスターのことで言い争っているのを、ラティルは聞いてしまいました。 ◇怒って落ち込むザイシン◇ ラティルは我慢ができなくなって 扉を開けました。 向かい合って立っていた ザイシンと百花は、同時に話を止めて そちらを向きまし…
149話 エルナの乗った列車が脱線してしまいました。 シュベリンから出発した列車は、 脱線事故が起きたカセン駅に 到着しました。 半分、正気を失って駆けつけて来た 事故列車の乗客の家族、 固い表情の救助隊、 貨物車から降ろされた物資が溢れ出て 入り乱…
842話 ラナムンたち一行の前にアペラが現れ、一緒に連れて行ってくれと頼みました。 ◇何度も告白されたから◇ ラナムンは、 アペラに告白されたことを 完全に忘れていました。 彼に告白した人が 1人や2人ではないためでした。 それさえも側室になってから …
148話 エルナは電報で悲報を伝えられましたが・・・ 「来ましたね、ビョルン。 聞いたところによれば 恋愛の行方は、 本当に順調ではないようだ」と、 ビョルンと目が合った アルセン公爵夫人は、 意地悪な笑いとともに 冗談を言いました。 確かに、病んでい…
841話 ラティルは皇配候補たちを、怪物退治に行かせることにしました。 ◇決定◇ ここに集まっている人々のほとんどが ゲスターとラナムンの支持者であり、 残りは中立だろうと ラティルは考えました。 彼女は、誰かが、引き受けるべき国を 変更してほしいと要…
840話 ラティルとゲスターがじゃれ合っているのを見て、ザイシンは心を痛めました。 ◇ささやかな用途◇ 誰かを嫉妬する気持ちを、 聖職者が抱くべきではない。 ザイシンは、 無理矢理、そのように考えながら、 良い方向に考えようと努力しました。 ザイシンは…
839話 カルレインがラナムンに持ち掛けた取引とは? ◇カルレインの提案◇ 取引って? ラナムンは怪訝な目で カルレインを見ました。 彼は、 簡単なこと。 自分がラナムンを守ってやると 答えましたが、ラナムンは もっと怪しみました。 彼が、 何と引き換えに…
838話 アウエル・キクレンについてのメラディムの警告に、ラティルは聞く耳を持ちません。 クラインに会うために、ラティルが ハーレムへ向かっていた時、 湖から、水がゆらゆらする音が 聞こえて来ました。 そちらを向いたラティルは、 大きな岩に腰をかけ…
147話 雪だるまは徐々に溶けています。 ビョルンは約束通り、その時間を、 エルナと一緒に過ごしてくれました。 特別なことはありませんでした。 ビョルンが眠っている間、エルナは ベッドの横に付き添いました。 食事と薬を用意し、 汗が流れた顔を拭いたり…
837話 ゲスターはタッシールが許しを請えば、ヘイレンを治すと言いました。 ◇脅迫には屈しない◇ カルレインは、うんざりした様子で ゲスターを見ました。 元々、あんな奴であることは 知っていたけれど、 「ゲスター・ロルド」になった ランスター伯爵は、そ…
146話 ビョルンはエルナに、本心を全てさらけ出しました。 バーデン家の敷居を越える時まで 呑気だった村の医者は、 自分が診なければならない患者が 誰なのか分かると、真っ青になり おどおどし始めました。 ベッドに横たわっている患者よりも、 医師の顔色…
836話 ヘイレンとトゥーリが争っている中、料理人は助手に皇帝を呼んで来てと頼みました。 ◇治療の拒否◇ ゲスターの侍従が タッシールの侍従のせいで 死ぬかもしれないという とんでもない報告を聞いたラティルは 仕事の途中でしたが、席を立ちました。 話を…
145話 ビョルンは、死んだ子供は女の子だったと打ち明けました。 じっと彼を見ていたエルナは、 それを、どうやって知ったのかと たどたどしい声で尋ねました。 ビョルンは、主治医を訪ねて聞いたと 答えました。 エルナは、その理由を尋ねると、 祈るように…
835話 はたして、3人目の皇配候補は誰でしょうか? ◇家出をすると・・・◇ 私が入っていないの?! クラインは木刀を下ろして 叫びました。 周囲を歩き回っていた人たちが 同時にそちらを振り返るほど 大きな声でした。 バニルは恥ずかしくて、 声が大きすぎ…
145話 エルナとリサが雪だるまを作っているのを見たビョルンは・・・ 王子が挑戦状を投げつけた。 それ以外のいかなる言葉でも 説明できない挑発的な行為でした。 一緒に雪だるまを作っている リサとエルナのそばに 突然現れた王子は、何も言わずに 雪を転が…
834話 ラティルが全く予想もできなかった皇配候補とは?? ◇同じ意見ばかり◇ ギルゴールが皇配に 最も適していると思うという意見に ラティルは、自分が何か 聞き間違えたかと思いました。 このような意見を聞く時は 客観的で公正でなければ ならないという…
833話 ゲスター様なんですよね?と誰かが話に突然、割り込んできました。 ◇まともな怒り◇ ラティルと金色の目の男のそばに 近づいた人はタッシールでした。 ラティルは彼と金色の目の男を 交互に見ました。 ラティルは、 それはどういう意味なのかと 誰に聞…
832話 タッシールは、ラティルが他の男とキスをするのは見たくない。これは愛ですよねと尋ねました。 ◇陛下も愛している◇ ラティルは唾を飲み込み タッシールの視線を避けながら、 自分の考えでは・・・ 愛で合っていると思うと答え、 自分の肩に掛けられた …
831話 自分が皇帝を愛していたら、どうするのかというタッシールの言葉にラティルは困惑しています。 ◇どちらに安心したのか◇ ラティルは困惑していました。 ゲスターは偽の告白について ほのめかしていましたが、 ゲスターの言葉を 全部信じても大丈夫なの…
143話 自分の部屋に戻ろうとするエルナに、ビョルンは「行かないで」と頼みました。 目を見開いて 瞬きだけしていたエルナは、 何の返事もできずに、 視線を逸らしました。 まるで自分の中にも 吹雪が吹き荒れているように 頭の中が真っ白に染まり 何も思い…
830話 タッシールはラティルへの愛を自覚しました。 ◇競争する価値がない◇ ゲスターが、 プイエスから入ってきたお茶の本を 見ていた時、トゥーリが タッシールの来訪を告げました。 彼は本を開いたまま 頭を上げました。 トゥーリは膨れっ面をしていました…
142話 猛吹雪の中、ビョルンはバーデン家に戻って来ました。 急いで扉を開けると、 雪混じりの風が吹き込んできました。 エルナはその勢いに押されて 後ずさりしました。 その風の勢いが多少和らぐと ようやく目を開けて、玄関の外を 見ることができました。…
829話 自分は逃げないと、タッシールは言いました。 ◇有力な候補◇ こういうところが若頭だと 思ったヘイレンは タッシールの笑顔を見ながら 安心する一方で心配もしました ヘイレンは、 もし若頭が皇配になれなかったら 皇帝を愛しているのに 耐えられるのか…
141話 ビョルンはシュベリンへ帰るのでしょうか? シュベリンに帰るのかと エルナは衝動的に質問しました。 後になって、 気にしないことにしたという決意を 思い出しましたが、 すでに口から出した言葉は 取り戻せませんでした。 ビョルンはエルナの前に近…