2025-01-01から1年間の記事一覧
46話 伯父はペンドルトン嬢に、プライス氏のプロポーズを断ったのかと尋ねました。 ペンドルトン嬢は頷きました。 伯父は「ふーむ」と返事をすると ペンドルトン嬢を見下ろしながら 断った理由を尋ねました。 ペンドルトン嬢は、 彼の妻にはなりたくないと答…
108話 バスティアンが皇帝に呼び出されました。 オデットは、 どうやってここまで来たのか よく覚えていませんでした。 義務的に両足を動かしていたら いつの間にか、 夫婦の寝室がある廊下に 立っていました。 オデットは、 固くなった両手を組みながら 遅…
45話 ダルトン氏は、自分が妻を持つのを手伝って欲しいとペンドルトン嬢に頼みました。 ペンドルトン嬢は驚いて 彼を見つめました。 ダルトン氏は、 自分の性格が変わっていて 無愛想だということを 知っていると思うけれど、 しかし、自分はこれから淑女た…
107話 ティラは新大陸に行くのを嫌がっていましたが・・・ 本当に申し訳ないと、 ニック・ベッカーは、 すでに何度も同じ言葉を 繰り返していました。 握りしめていたティーカップを 下ろしたオデットは、 穏やかな笑みを浮かべながら 首を横に振ると、 大丈…
44話 ローラはダルトン氏とランス嬢が話しているのを見て、随分親しそうに見えると思いました。 すぐに二人は腕を組んだまま 彼らの方へ近づいて来ました。 淑女たちは一斉に立ち上がり、 膝を曲げてお辞儀をしました。 帽子を脱いで礼儀正しく頭を下げた イ…
106話 サンドリンはバスティアンに迫りましたが・・・ しがみつくように抱きついた サンドリンを押し退けたバスティアンは 思ったより頭が悪いと 低い声で囁きました。 乱れた呼吸とは裏腹に冷たい声でした。 半分ほど脱げたガウンを 整えたバスティアンは、…
43話 ジェンセン嬢は、ペンドルトン嬢が、これほど良い人だとは思わなかったと言いました。 ジェンセン嬢は、 あなたと長く付き合ってはいないけれど やはり自分の望みを叶える 手助けをしてくれるのに、 あなたほどの適任者はいないと思うと 言って、姿勢を…
105話 サンドリンがアルデンに泊まりに来ています。 自分はそろそろ失礼すると言う 抑揚のない、淡々とした声が カードテーブルの向こうから 聞こえて来ました。 バスティアンは、 深く吸い込んだ葉巻の煙を 吐き出しながら視線を上げました。 次のゲームの…
42話 ペンドルトン嬢は階段の途中で、伯父と出くわしてしまいました。 伯父は、ペンドルトン嬢が12年間 この邸宅の全ての大小事を管理しながら 祖母のそばで、女主人の役割を 務めていたのかと尋ねました。 ペンドルトン嬢は、 「はい、そうです」と答えまし…
104話 サンドリンがアルデンにやって来ました。 オデットは、 優れた審美眼を持っている。 客用の応接室を探索した サンドリンの顔の上に 満足な笑みが浮かびました。 クリーム色を基調にして 整えられた空間は、 全体的に華やかで 落ち着いた雰囲気を 醸し…
103話 オデットはティラを新大陸へ送ろうとしています。 もじもじしながら、 躊躇っていたティラは、 必ず、 そうしなければならないのかと 慎重に尋ねました。 ショーウインドーの向こうの通りを 見ていたオデットは、 静かにため息をつきながら ティラへ視…
41話 伯父と従兄が祖母の見舞いに行ったと聞いて、ローラは急いで祖母の部屋へ行きました。 ペンドルトン嬢は 胸をドキドキさせながら、 ドアをノックしました。 静かでした。 彼女は、祖母の部屋に入りました。 目の前に広がる光景に、 一瞬、ペンドルトン…
40話 馬車から降りて来た従兄のチャールズは若いころの伯父にそっくりでした。 しかし、ペンドルトン嬢は、 まるで人形のように、彫刻のように 微笑んだ状態で剥製になってしまった 動物のように、 接客用の笑みを失いませんでした。 社交界は、 彼女に笑顔…
39話 ランス嬢は甘い夢にだけ浸って過ごしています。 決して、挫折するはずのない 感情のために、胸を痛める人など どこにいるだろうか。 彼女のどうしようもない信念には 自分の美しさを過信する虚栄心も あったけれど、全く根拠のない 妄想ではありません…
102話 オデットとバスティアンは一緒に夕食を取っています。 夕食が終わる頃、オデットは バスティアンが 約束を守ってくれたことに お礼を言いました。 カトラリーを置いたバスティアンは ゆっくりと視線を上げて、 食卓の向かい側を見ました。 作り笑いを…
38話 イアンは再びペンドルトン嬢に近づくことを望んでいます。 イアンは次の日の早朝に家を出ました。 彼は30分あまり歩いて グロヴナー通りに入りました。 閑散とした街を歩いていると、 まもなくペンドルトン家の タウンハウスが目に入りました。 彼は家…
37話 ランス嬢はイアンに会うために、フェアファクス家のタウンハウスにやって来ました。 ペンドルトン嬢は 友情を大切にする淑女でした。 そもそも自分が 彼女と親しくなれたきっかけも、 自分と彼女の友人の一人の 仲人役をするためでした。 ランス嬢は ペ…
101話 ディセン公爵の葬儀が終わってから4日経ちました。 窓を通り抜けた朝の日差しが ベッドを包み込みました。 オデットは、 その穏やかな光の波の中で 目を覚ましました。 時間と空間を認識するまでに、 もう少し、時間が必要でした。 3日。 いえ、もしか…
36話 イアンはピクニックでの出来事をウィリアムに話しました。 ウィリアムは、 プロポーズを断られた男たちが いつも口にする言葉を 君からも聞くようになったんだな。 まあ、実際、紳士であれ淑女であれ 結婚話で相手を探るのは 珍しいことではない。 しか…
35話 フェアファクス氏はペンドルトン嬢が最近経験している困難について、ダルトン氏に手紙で知らせました。 彼は5分後に、 ラムズウィックを呼びました。 そして、ラムズウィックが 入ってくるや否や、 昨日、面接を受けた土地管理人を 直ちに呼ぶよう指示…
100話 バスティアンが帰って来ました。 葬儀は正午に始まる予定だと 聞きました。 腕時計を確認したバスティアンは それほど急いでいない様子で コートのポケットから タバコの箱を取り出しました。 1本取り出したタバコの先に 火を点けている間に、 ちょう…
34話 ランス嬢は、24歳も年上のプライス氏とペンドルトン嬢が結ばれるなんて、あり得ないと主張しましたが・・・ ランス夫人はクスッと笑うと、 あなたは、まだ知らないから そう言うけれど、 そうやって暮らす夫婦も多いと 返事をしました。 ランス嬢は、 …
99話 ディセン公爵が亡くなりました。 献花を終えて振り返った デメル侯爵夫人は、 田舎の農夫の葬式だって、 これよりは、ましだろうと言って 深いため息を漏らしました。 デメル提督は 複雑な心情が滲み出る眼差しで 周囲を見回しました。 葬儀が行われる…
33話 伯父がプライス氏に自分の自慢をしたことを聞いて、ペンドルトン嬢は訝しがっています。 ニューヨークの社交界に、 数十年間、どっぷり浸かっていた 自分に、故国への郷愁を 呼び起こしてくれた。 どの国の淑女たちよりも上品で美しく 貞淑なイギリスの…
32話 ペンドルトン嬢は祖母亡き後の人生を考えています。 プライス氏が滞在している ナイズリー夫人の家に ペンドルトン家の晩餐会の招待状が 舞い込みました。 続いて「喜んで応じる」と、 見事に走り書きした筆跡で 書かれた返事が ペンドルトン家に届きま…
98話 オデットは皇女と再会しました。 ついに、 皇女とクラウヴィッツ夫人が会った。 口から口へと伝わった噂は、 たちまちパーティー会場全体に 広まって行きました。 一時、1人の男を巡って恋敵だった いとこ同士の再会は、 今夜、皇宮に集まった客全員が …
31話 伯父が来ることになり、ペンドルトン嬢は祖母のことを心配しています。 ペンドルトン嬢は、 しばらく頬杖を突きながら 手紙を見下ろして、 物思いに耽りました。 そして、しばらくして、 席を立って2階に向かいました。 ペンドルトン嬢が 祖母の部屋の…
30話 ランス嬢はフェアファクス兄妹に近づくことにしました。 彼はロンドンで、ダルトン氏と 正式に手紙をやり取りする 唯一の人でした。 彼と頻繁に交流すれば、 彼の手紙に、自分の安否を 書き添えることくらい 何でもないはずでした。 ランス嬢は、 フェ…
97話 オデットはイザベルと会うことになりました。 嫁いで子供を産んでも、 依然としてわがままだ。 イザベルの分別がつく日より、 自分が棺桶に横になる日が 早く来そうだと愚痴をこぼす トリエ伯爵夫人の鋭い声が ガタガタ揺れる馬車の騒音を 圧倒しました…
96話 バスティアンは出征しました。 郵便配達員は、 今日も2時に邸宅を訪れました。 午後の日差しがアルデン湾全体を 金色に染める時でした。 メイド長は、 直接受け取った郵便物を持って 小さな書斎に向かいました。 予想通り、オデットは、 海の見える窓の…