バスティアン-ネタバレ ノベル 21話~30話
30話 オデットは、二年間、バスティアンと結婚するという書類にサインをしました。 トリエ伯爵夫人は、 こんなに急に結婚の準備をしたのは 生まれて初めてだと言うと、 首を横に振りながら失笑しました。 今、二人は宝石店へ結納品を取りに行き 今は完成した…
29話 バスティアンが病院にやって来た目的は? これが、先程伝えた件を整理した 契約書なので、確認して欲しいと 前置きをした後、バスティアンは 書類の束をオデットに渡しました。 厄介な皇女の盾の役割をするという 苦労を共有していた間柄であるだけに …
28話 ディセン公爵は階段から落ちて大怪我をしました。 むしろ目が覚めなかったら 良かったのに。 どうしても口に出せない本音を 飲み込んだトリエ伯爵夫人は、 ただ深いため息だけをつきました。 閉ざされた病室のドアの向こうからは すでに数分間、奇声に…
27話 皇帝はバスティアンに責任を押し付けるつもりです。 長い沈黙を破った皇帝は、 自分が、その気になれば、 今夜、お前は生きて、この宮殿を 出ることができないかもしれない。 明日の明け方、夜が明ける頃、 後から分かったことだけれど、 実は巷の小者…
26話 皇后に平手打ちされたバスティアンは皇帝の言葉を待っています。 バスティアンは整然とした姿勢で そこに座ると、続く言葉を待ちました。 皇后に殴られた頬は まだ赤かったけれど、 表情は極めて穏やかでした。 罪人のように連れて来られて 侮辱を受け…
25話 イザベル皇女がバスティアンのタウンハウスに押しかけて来ました。 バスティアンはクスッと笑いました。 じっとイザベルを見つめる瞳は 深い水のように静かでしたが 口の端が斜めに傾いていました。 あまり好意的な反応のように 見えませんでした。 気…
24話 結局、オデットはバスティアンに服を買ってもらうことになりました。 ドレスと帽子。靴。 手袋や日傘などの小物まで。 日が暮れる頃には、 かなりの量の注文リストが 完成しました。 何から何まで全て バスティアン・クラウヴィッツの 選択でした。 オ…
23話 バスティアンはオデットをサビネ洋品店に連れて来ました。 満面の笑みを浮かべたサビネ夫人は 直接彼らを出迎え、 バスティアンに久しぶりだと 挨拶をすると、彼は、 気兼ねなく彼女を抱きしめました。 サビネ夫人は、 バスティアンの叔母から連絡をも…
22話 バスティアンは医師の診察を受けています。 クラーモ博士は、 やはり若いということがいいと 言うと、満足そうな笑みを浮かべて カルテを伏せました。 異常所見なし。 今月の検診記録も、 先月と大きく変わりませんでした。 砲弾の破片を除去する手術を…
21話 バスティアンはディセン公爵をクソ野郎と呼びました。 すでに一度、自分に 娘を売った人らしくない言葉だ。 会っていない間に、 急激な心境の変化でも あったのだろうかと言うと、 バスティアンは、 真剣に疑問を感じているように 頭を傾げました。 デ…