2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧
111話 エルナはたらいとタオルを持って来て、ビョルンの服を脱がし始めました。 とても疲れているのか、 ビョルンは、いつもより ぐっすり眠っていました。 目が覚めなくて幸いでしたが、 意識のない 大きな男の体を扱うのは 思ったより容易では ありません…
766話 ラティルはアイニを追いかけ、ギルゴールはメラディムと戦っていますが、まだパーティは続いています。 ◇議長?◇ ギルゴール様は怖すぎる。 宮殿に置いてもいいのか分からない。 皇帝が自分の家に置いているのだから 自分たちはどうすることもできない…
110話 久しぶりにビョルンが帰って来ました。 エルナは、 ぼんやりとした目を瞬かせながら ビョルンを見ました。 その瞳は揺れていました。 ベッドのそばに立ち止まった彼を 注意深く見ていたエルナは ビョルンが、 とても疲れているように見えるけれど 大丈…
765話 ギルゴールが登場して、レアンは青ざめました。 ◇狼藉のおかげ◇ ギルゴールの最近の狼藉について 聞いていた貴族たちは、 同時にたじろぎました。 彼が一歩一歩進む度に、 彼の周りの円が 少しずつ広がっていきました。 他の人が、 自分を怪物のように…
764話 年末祭でレアンがラティルに近づいて来ました。 ◇皇女を連れて来て◇ 優雅に歩きながら ラティルに近づいたレアンは、 いつも苦労しているラティルの 久しぶりに平和な姿を 見ることができて良かったと、 親しみを込めて話しました。 ラティルは、 その…
763話 ランスター伯爵は、ラティルの頼みを聞き入れるのでしょうか? ◇後悔◇ ランスター伯爵は、 ラトラシル、私なんだけど。 と言いました。 彼は、確かに笑っているけれど なぜか、ラティルには 笑っているように見えませんでした。 ラティルは、 ランスタ…
762話 タッシールの言う「あれ」とは? ◇100%ではないけれど◇ ラティルと二人だけになると、 タッシールは、前にラティルが アイニ元皇后を、 アドマルに呼び寄せる方法を 考えてみろと指示したことについて 説明しました。 ラティルは、 方法を見つけたの…
761話 ラティルは聖騎士たちに話を始めました。 ◇ただの好色ではない◇ 通例通りに主張するには 証拠が足りない。 だから気を抜かなければならない。 そう考えたラティルは 聖騎士たちを見回すと、 空気の読めない人のように笑いました。 聖騎士たちは皆、 あ…
760話 ラティルは聖騎士会議の開かれる会場へやって来ました。 ◇視点の違い◇ ラティルは、 人々が自分を見て 驚いたかどうか気にすることなく、 続いて馬車から降りて来た百花に ここで会議をするのかと尋ねました。 百花は「はい」と答え、 たぶん、 あちら…
109話 ようやく「愛と深淵の名前」が出版されました。 悲鳴に近い泣き声が 国王の執務室いっぱいに 響き渡りました。 座り込んで泣いている娘を 見ているラルス国王は、 何でもいいから、グレディスを 落ち着かせなければならないと 思いながらも、口から出…
108話 エルナの体は、少しずつ落ち着いて来ました。 エルナは、 帽子を造花でごちゃごちゃ飾るのは 滑稽だと思い、 すべての造花を取り除きましたが、 造花が一つも残らないと、 それはそれで見苦しいので 最後に取り除いた造花を 帽子に戻しました。 ずっと…
759話 ラティルは、ギルゴールが自分を怖がっているのではないかと言いました。 ◇成功◇ ギルゴールは、 ゆっくりと息を吸い込みました。 炎が燃え上がるように 彼の瞳が揺れました。 私の言う通りでしょう? ラティルは心の中で 自分は彼を刺激していると 考…
107話 アルセン公爵夫人の次は・・・ 最近のビョルンは、 一種の挨拶のように 「エルナは?」と 使用人たちに質問するせいで 大公邸のすべての使用人は 大公妃の動線を把握しようと 努めました。 まともに答えられなくても、 問責を受けるわけではありません…
758話 クラインはアドマルの情報を集めることにしました。 ◇欲が全くない?◇ クラインは 探検家や冒険家を探すため、 ディジェットのあちこちを 歩き回りましたが、 探検家たちがよく集まるという 酒場を訪れても、 アドマルに行ったことのある 探検家たちを…
756話 ラティルはギルゴールを呼び出しましたが・・・ ◇絶対に行かない◇ ラティルは探るように ゆっくりとギルゴールに近づきながら 自分に何か言いたいことが あるのではないかと尋ねました。 ギルゴールはニッコリ笑いながら 「愛している」と答えました。…
756話 アクシアンの行った謎の地下に、ラティルは興味津々です。 ◇正体を知らせたい◇ 遠い古代の大神殿について 知るはずのないクラインは むっとした声で、 それは何なのかと問い返しました。 アクシアンは、 自分も初めて行った所なので 分からないと答え…
755話 アイニを助けたのはギルゴールでした。 ◇元々、自分勝手だから◇ ラティルは、ギルゴールと 彼が掴んでいる 自分の剣を交互に見ました。 ラティルはギルゴールに、 今、何をしているのかと きつい声で尋ねました。 ギルゴールが突然現れたことよりも 彼…
754話 ラティルはクラインを探すため、アドマルへ入りました。 ◇なぜグリフィンは嫌がる? なぜ、グリフィンは、 ここへ入って来ないのか。 ラティルは勇ましく歩きながらも 不思議に思いました。 グリフィンはおせっかいで、 あちこち干渉するのが好きで 好…
753話 ラティルはグリフィンを捕まえて、ディジェットへ連れて行ってと頼みました。 ◇変態のせい◇ 水に濡れたグリフィンは もがきながら目を丸くしました。 けれども、ラティルが 早くディジェットへ連れて行ってと 催促すると、 グリフィンはブツブツ言いな…
106話 エルナはウォルター・ハルディと絶縁することを承知しました。 バーデン男爵夫人は、 大公邸を訪ねるという手紙を エルナに送りました。 しかし、彼女は、 まだ王室が騒然としているため、 当分の間、 客をもてなすことは難しそうだと 拒絶の返事を送…
752話 ラティルの目の前からゲスター(ランスター伯爵)が消えてしまいました。 ◇平和的な考え◇ ラティルは、目の前の空席が、 あまりにも、 がらんとしているように 感じられました。 ラティルは ゲスターのカプチーノを飲みながら 平和的なことを考えよう…
105話 エルナは、ビョルンが自分と結婚した理由と、自分が賭けの対象であったことを知っていると、淡々と打ち明けました。 ビョルンは何の返事もすることなく エルナを見つめてばかりいました。 エルナは、 冷たくなった両手を合わせて 揺れる心を落ち着かせ…
751話 アイニがいるのを見て、クラインたちは岩陰に隠れましたが・・・ ◇蟻地獄◇ ひとまず隠れたものの、 考えてみると、なぜ自分たちが 隠れなければならないのか バニルは理解できませんでした。 しかし今になって 岩陰から出るのも、少し変でした。 その…
750話 久々にクラインの登場です。 ◇早くアドマルへ◇ ここがピピリト様の 故郷なんですねと、 バニルは高い絶壁の上から 広大な砂の王国を眺めながら 嘆声を吐きました。 金色の砂の上に建てられた都市は、 まるで黄金で作った国のように美しく ここまで来る…
749話 自分のことが嫌いなのかと、ラティルはザイシンに聞かれましたが・・・ ◇ザイシンは神聖だから◇ これは好き嫌いの問題では ありませんでした。 ラティルは、ワクワクするよりも 当惑する気持ちの方が もっと強かったので、 再びバスルームに入りました…
748話 タッシールもラティルを愛していると言いました。 ◇側室でいたいなら◇ ザイシンはザイシンなりに、 ヘイレンはヘイレンなりに、 クーベルはクーベルなりに 固まってしまった中、 タッシールは、たった今、 一人の女性を愛していると 言ったことなどな…
747話 タンベクは兄龍から団長職を剥奪したいと思っていますが・・・ ◇団長職剥奪建議書◇ 議長の居所とされる場所に 手紙を送っておけば、 ある時はとても早く、 また、ある時は 手紙を送ったことも忘れるほど 長い時間が経ってから返事が来ました。 議長が…
746話 タッシールは団長を挑発し続けています。 ◇終わらない挑発◇ 兄龍術の聖騎士は、 平民の側室の頭が 少しおかしいと思いました。 彼がザリポルシ姫の話を 9回も10回もしていたからでした。 本音がどうであれ、 団長とトラブルを起こしても 彼には何のメ…
104話 ついにウォルター・ハルディは捕まりました。 ウォルター・ハルディは、 まさかビョルン皇子が 妻の父親を警務所に送るなんて、 思ってもいませんでした。 不本意ながら このような騒ぎを起こしたのは 残念でしたが、 そもそもビョルン皇子が 金づるを…
745話 ラティルは、父親の秘密の部下のリストを手に入れることができました。 ◇秘密の部下のリスト◇ ラティルは驚きのあまり 箱を抱えたまま 足を踏み鳴らしました。 シウォラン伯爵が リストを丸ごと渡して行くなんて 期待もしていませんでした。 ラティル…