自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 104話 ネタバレ 原作 あらすじ ラルスの王女も捨てたから

 

104話 ついにウォルター・ハルディは捕まりました。

 

ウォルター・ハルディは、

まさかビョルン皇子が

妻の父親を警務所に送るなんて、

思ってもいませんでした。

 

不本意ながら

このような騒ぎを起こしたのは

残念でしたが、

そもそもビョルン皇子が

金づるを封じ込めなければ

起きなかったことでした。

 

どうせ、大公妃とのコネを作ろうと

お金や宝石を持って来た者だって

罪を犯したといえば

犯したわけではないか。

それなのに、自分だけ断罪されるのは

理にかなっていませんでした。

 

ウォルター・ハルディは

極度の怒りと

切実な希望が入り混じった目で

テーブルの向こうに座っている

王子を見つめました。

目が合うと、彼は、

ここがどこなのか

忘れてしまったかのように

軽くてさわやかな笑みを浮かべ

ウォルターの顔色が

そんなに悪くは見えないと

皮肉を言いました。

ウォルターは震えながら

拳をぎゅっと握りしめました。 

 

先週末、まさかのことが起こり、

不安感に耐えられなくて

飲んだ酒に酔っていたウォルターは

邸宅にやって来た警官に乱暴を働いて

抵抗したため、

警官暴行罪という罪名まで

付け加えられました。

 

大公妃は捏造された詐欺事件の

別の被害者であるという

捜査結果が発表された日、

ウォルターは拘置所

閉じ込められました。

いつまでも娘を盾にして

隠れることはできないと

予想していましたが、

このような恥辱を受けることは

夢にも思っていませんでした。

 

ウォルターは、

どうして自分に

こんなことができるのかと

抗議しました。

ビョルンは肩をすくめて

葉巻を取り出すと、

娘に詐欺師の濡れ衣を着せた

父親が言うことではないと

言い返しました。

 

焦って目をキョロキョロさせる

ウォルターは、いつの間にか、

かなり傷ついたような顔を

していましたが、

エルナの比ではありませんでした。

ビョルンは、

ふと思い出したその名前を

繰り返し言うと、

葉巻に火を点けました。

 

ウォルターは、

それでもあの子の濡れ衣は

もう晴れたのだから、

大公妃の父親である自分を

あえて拘置所に置いて

何かいいことがあるのかと

大声で訴えてみましたが、

何の得もないということに

気づいたのか、

今度は卑屈な笑みを浮かべて

ビョルンに謝ると、

二度とそんな過ちを犯さないので

一度だけ、

自分の娘と彼女のお腹の中にいる

孫のことを考えて、一度だけ・・・

と詭弁を並べ立てましたが、

ビョルンが長々と吐き出した

葉巻の煙により中断されました。

 

咳込むウォルターを直視し、

ビョルンはもう一度

深く吸い込んだ煙を吐くと、

自分の妻には父親がいないのに

子供の祖父だなんてとんでもないと

言って、眉を顰めました。

 

それからビョルンは

ジャケットの内ポケットから

取り出した書類を

ウォルター ∙ ハルディに

差し出しました。

それを確認したウォルターの顔色が

死んだ人のように

血の気がなくなりました。

父親の資格を放棄し、生涯二度と

エルナの前に現れないことを

約束する覚書でした。

 

ウォルターは、

いくらビョルンが

エルナの夫だとしても、

勝手に父娘の間の縁を切れと

強要できないと抗議すると、

ビョルンは、

すでに一度捨てた娘なので、

二度捨てられないことも

ないのではないかと言うと

にっこり笑って葉巻の灰を

払い落としました。

 

ビョルンは、

それに同意してくれるなら、

この都市を離れ、一生死んだように

静かに生きていくという条件の下、

刑務所に入れられるという不祥事を

一度は防いでやると言いました。

 

ウォルターは、

それはできないと拒否すると、

ビョルンは、

それでは刑務所に

行かなければならないと

残念なことになったかのように

舌打ちしながら、

椅子にもたれかかりました。

そして、

詐欺罪で服役した父親を持つ

ハルディ家の2人の息子たちの

将来が真っ暗になるけれど

それをハルディ子爵が望むなら

仕方がない。

エルナと絶縁をしなければ、

自分が彼女を捨てるので、

これ以上、王室の姻戚の役割が

できなくなるのは

言うまでもないと言いました。

 

エルナを捨てると聞いて、

ウォルターの怒りに満ちた目が

一瞬、当惑したように変わりました。

足を組んで座るビョルンの姿は、

まさかと思っている彼を

あざ笑うかのように自然でした。

 

ビョルンは、

ウォルターにチャンスを与えるのは

もう一度離婚するよりは、

このほうが面倒ではないと

判断したからだ。

しかし、ウォルターが監獄行きを選び

その後もずっと

大公妃の父親の役割をして

問題を起こすとしたら話が変わる。

その時は、ある程度の面倒を

甘受するしかないと説明しました。

 

ウォルターは、

そんな嘘に自分が騙されると

思うのかと反論しましたが、

逆にビョルンは目を細めて

できないと思うのかと質問しました。

ウォルターは、

子供のことを考えて

そうしないでくれと頼みましたが

ビョルンは口元に

冷たい笑みを浮かべながら

ハルディ子爵は

自分と自分の娘を

過大評価しすぎていると言いました。

それから、彼は立ち上がると、

ウォルターのそばに近づき、

息子を産んでくれた

ラルス国王の娘を捨てた自分が、

ハルディ子爵の娘一人を

捨てることができないだろうかと

言いました。

 

じっとウォルターを見下ろす

ビョルンの目には、

いかなる偽悪の光も

宿っていませんでした。

その静かな灰色の瞳に向き合った

ウォルターの息遣いが

次第に荒くなり始めました。

 

ビョルンは

娘と絶縁できないのなら、

子爵がその子を育てればいい。

離婚するその瞬間、

子供も捨てるので、

その子供が、王家の一員として

認められることはないと言うと

ウォルターは慌てました。

 

続けてビョルンは

警務所へ行って来た父親と

離婚された娘が、

仲良く幼い孫を育てながら

幸せに生きていくことが

子爵の意思なら

喜んで尊重すると言うと、

まるで激励でもするかのように

ウォルターの肩を叩きました。

それからビョルンは、

葉巻を灰皿に投げ入れ、

どちらが子爵にとって良い道なのか、

理性的に一度考えてみて欲しい。

自分の忍耐心が、

それ程、強くないという点は

あらかじめ知らせておくと告げると

テーブルから一歩下がり

首をまっすぐに立てたまま

軽く黙礼しました。

 

怒りに勝てず、震えるばかりの

ウォルターは

一言も反論できませんでした。

その間にビョルンは

最初に現れた時と変わらず優雅な姿で

悠々と去って行きました。

鉄の扉が閉まる絶望的な音を聞きながら

ウォルターは、

ぼんやりとテーブルに置かれた書類を

見つめました。

血走った瞳が、苛立たしそうに

揺れ始めました。

キャサリン・オーエンの元に

「愛と深淵の名前」というタイトルの

ヘルマン出版社の次回作が

仮製本状態で届きました。 

信じられないといった目で

それを見ていた

キャサリン·オーエンの瞳に

徐々に涙があふれ始めました。

海を渡って来た弟の遺作が

ようやく陽の目を見ることが

できたからでした。

ラルスのすべての出版社が

この原稿を断ってくれたおかげで

検閲なしに、

完全な真実を盛り込んだ本に

することができました。

 

まずはラルス語で書かれた原本を

そのまま出版する。

ジェラルド・オーエンに興味のある

レチェンの識者層の多くは、

ラルス語にも堪能なので、

この本が話題を呼ぶのに

何の問題もないはず。

熱気が高まった時、

一般大衆も読めるように、

レチェン語の翻訳本を発表する予定。

その頃には、ラルスにも

すでにこの本が出回っている。

 

向かいの席に座った

出版業者ヘルマンは

落ち着いた口調で

今後の日程を説明してくれました。

 

キャサリン

本を力いっぱい胸に抱きしめて

傾聴しました。

弟の命を奪ったあの女の名前が

燦然と輝く日も、もうすぐだと思うと

ようやくまともに

息ができる気分でした。

 

ヘルマンは、

今は大公妃の家門と関連した事件で

国中が騒々しいので、

この件が落ち着いた後に

出版日程を決めようと思うけれど

キャサリンの考えはどうかと

尋ねました。

彼女は、それで良いと答えて

頷きました。

そして、もう完成したのだから

もう少し待てない理由はない。

可能であれば、最大の注目を

集めることができる時期に

出版して欲しいと頼むと、

ヘルマンは、

そのように計画を立ててみると

返事をしました。

そして、キャサリン

心の準備はできているかと

尋ねました。

 

これを出版すれば

その性格は全く違うだろうけれど

ラルスとレチェンに

大きな波紋をもたらすはずなので

ヘルマンの表情は

さらに真剣になりました。

キャサリンは、

じっと閉じていた目を開き

何事にも動じない目で、

「はい」と、きっぱり答えました。

今日もエルナは眠っていました。

カーテンを引いて

午後の日差しを遮ったビョルンは、

ベッドの横に置かれた椅子に座って

眠っている妻を見つめました。 

最近、エルナは、

子供のためにという

主治医のアドバイスに従い

ほとんどの時間を

ベッドに横になって過ごしました。

 

日に日にやつれていく

エルナの顔を見ると、

よりによってこんな時にと、

思わず考えてしまいました。

ただでさえ大変なこの女性を

お腹の中の子供が、極限まで

追い詰めているような気がしました。

最近は、

随分良くなったようだけれど

つわりがひどくて、

しばらくの間は、一口の水も

まともに飲めませんでした。

 

しかし、結局この子が

母親を救ったのだと、

まだ妊娠している気配のない

エルナのお腹を見つめる

ビョルンの口元に、

笑みが浮かびました。

 

子供がいなくても、

決してこの女性を

世間の餌食にすることは

なかったでしょうけれど、

妊娠が、世論と対抗する

大きな武器になってくれたのは

事実でした。

お腹の中から、自分の価値を

十分に証明しているのを見ると、

間違いなくデナイスタで

あるようでした。 

 

ビョルンが立ち上がった途端、

エルナが目を覚まして

彼を呼んだので、

ビョルンは、再び椅子に座りました。

 

今日はビョルンが

早く帰って来たと言うと、

エルナは慎重に体を起こし、

ビョルンと向き合いました。

昼寝から起きたばかりなのに

疲れた様子でした。

 

エルナは、

不安と焦燥感に耐えられず、

父親の件について

尋ねようとしましたが、

どうしても最後まで

質問することができませんでした。

父親の件が

耐え難いほど気になりながらも、

返事を聞くのが怖かったからでした。

 

すると、普段なら何も言わずに

去っていくはずのビョルンが

ハルディ子爵に会ってくるところだと

淡々と返事をしました。

驚いたエルナは、

ため息をつきながら

布団の襟を掴みました。

 

ビョルンはエルナを呼びました。

彼女は震える声で

辛うじて返事をしました。

蒸し暑い夏の午後なのに

寒気が感じられました。

そして、

思い浮かべたくもない不吉な思いが

暴れ出したエルナにビョルンは

もうエルナには父親がいないと

予想とは違う、

驚くべき言葉が聞こえて来ました。

 

それから、ビョルンは

エルナの人生から

ハルディの名前をきれいに消すと

言ったので、エルナは、

それはどういう意味なのかと

尋ねました。

 

ビョルンは、

エルナと絶縁する代価として

ウォルター・ハルディを

救うことにした。

子爵は受け入れるだろうと

答えました。

 

長くても二日以内に

ウォルターから連絡が来ることを

ビョルンは知っていました。

彼にとって娘は、

ただの金づるなので、利益どころか

人生の重荷になる娘を手放さないで

刑務所暮らしを選ぶはずが

ありませんでした。

 

ビョルンは、

それがエルナの席を守る道なので

先にエルナが父親を捨てるようにと

勧めました。

絶縁をしても、

エルナへの非難が

止まることはないけれど、

少なくとも、

人間らしくない父親のせいで、

このような苦境に

追い込まれることがなくなるので

ビョルンは、

それだけで十分でした。

世間の非難なんてどうでもよく、

そのようなことが、大公妃の座を

揺るがすようになっても、

彼が見過ごすはずがありませんでした。

 

エルナはしばらく迷っていましたが

答える前に

一つ聞きたいことがあると言って

はっきりした目で彼を見ながら

実はビョルンが自分と結婚した理由を

知っていると打ち明けました。

 

ビョルンは眉を顰めて

何を知っているのかと

鋭く聞き返しました。

「はい」と一言返事をせず、

このように呆れたことを

並べ立てる妻に対しての苛立ちが

滲み出ている声でした。

 

エルナはしばらく躊躇いましたが

勇気を出して、

社交クラブでカードをしている時に

始まった、自分にお金を賭けた

その賭けだと話しました。

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いつも、たくさんのコメントを

ありがとうございます(^^)

 

ビョルンの見事なはったりに

拍手したくなりました。

 

おそらくビョルンは

エルナを犯罪者の娘にしたくないと

思っている。

けれども、ウォルターが

刑務所行きにならず、

エルナの近くにいれば、

また彼女を利用しようとする。

ビョルンは

エルナへの被害を最小限に抑えつつ

ウォルターを遠ざけるための方法が

覚書の内容なのだと思いました。

たぶんウォルターは

警官に暴行を加えた以外は、

人を傷つけたりしていないので

お金さえ返せば、

ウォルターへの告訴を

取り下げさせることができると

ビョルンは判断したのだと思います。

 

ビョルンは、

エルナも子供も捨てる気は

ないでしょうけれど、

自分には、それができると

平然と言い、

グレディスのことを持ち出して

ウォルターに引導を渡す手腕は

凄いと思いました。

初めてグレディスが

ビョルンの役に立ったかも(笑)

 

多くの国や企業を相手に

お金を動かしている

ビョルンにとって、

ウォルターのような小物を

相手にするのは、

取るに足らないことで、

スパッと切り捨てることも

できたのに、

回りくどい方法を使ったのは

エルナのためなのでしょうね。

 

余談ですが、

バーデン家に二人の息子がいたことは

驚きでした。

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