自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 103話 ネタバレ 原作 あらすじ エルナの濡れ衣を晴らすために

 

103話 エルナが妊娠していることが分かりましたが・・・

 

これは、離婚されたって、

何も言えないことではないのか。

自分は恥ずかしくて

顔を上げて歩くことができないと

用事を済ませて戻って来た若いメイドは

泣きべそをかきながら、

使用人の休憩室に駆け付けて来ました。

わざわざ聞かなくても、その理由を、

すでに知っている人たちのため息が

錯綜しました。

 

どれだけ笑われ、

からかわれているか分からない。

大公邸で働いているという話も

できないと、

荒い息を吐いていた下女は

結局、怒りに勝てず

泣き出してしまいました。

 

最近では、どこへ行っても

王室の詐欺師である

大公妃の話ばかり出ていると言っても

過言ではありませんでした。

 

他の家門で働く友達に会うのが怖い。

王子の評判が最悪だった時も、

ここまで、恥ずかしくはなかった。

 

詐欺罪で訴えられたという記事が

全国に広まった日に

妊娠のニュースが伝わるなんて

運だけはいい。

 

子供を持つ妻を

捨てることができないので

王子にとっては不幸だ。

為す術もなく、一緒に泥沼を

はいずり回ることになる。

 

必ずしも、

そう考える必要はないのではないか。

息子を産んだグレディス王女とも

別れたのだから、

あの厄介な大公妃が何だと言うのか。

 

棘のある言葉が一言ずつ加わると、

すぐに雰囲気が盛り上がりました。

内心、大公妃を

哀れに思っている人々は、

口を挟まず、

視線を逸らすだけでした。

大公妃を庇おうとするほど

誹謗が激しくなるので、

むしろ口をつぐんでいた方が

大公妃のためでした。

 

王子は、そのことで

昼夜を問わず忙しいのに、

当の本人は、

妊娠を口実に横になり、

よく食べて、よく寝るだけ。

どれほど気楽なのか分からない。

本当に恥知らずで良かったと

言うべきなのだろうかと、

思い切り皮肉な言葉に

同調する嘲笑が流れた瞬間、

大公妃の寝室で

呼び出しベルが鳴り始めました。

 

どれだけ、きちんと食事を

取っているのかと、

嘲笑いながら投げかけた言葉に

同調する者たちの笑いが

溢れ出ました。

食べ物が半分も減っていない器を

調べたフィツ夫人は

もう少し、食べなければならないと

心配そうな声でエルナに勧めました。

 

フィツ夫人は、

健康に気をつけることに

集中しなければならない。

お腹の中の子供のためにも、

よく食べて、

ゆっくり休まなければならない。

エリクソン先生も、そう言っていたと

話しました。

とんでもない要求だということは

分かっているけれど、

フィツ夫人が言えるのは

それだけでした。

 

じっと彼女を見つめていたエルナは

納得するように頷きながら、

再びスプーンを握り、

ゆっくりと、残った食べ物を口に入れ

食器が底をつくと、

ようやくフィツ夫人は

安心した表情をしました。

最近、食事ごとに

繰り返されている光景でした。

 

空の食器を手にしたリサと

フィツ夫人が去ると、

寝室は深い静寂に包まれました。

エルナは枕にもたれかかり、

窓越しの風景を眺めました。

真夏の熱気のせいか、

すべてが非現実的に感じました。

 

エルナは、

妊娠の事実を知った翌日、

自分の妊娠と

国中を騒がせた父の詐欺事件。

そして、そこに上げられている

自分の名前まで全て、

使用人たちの口から伝え聞きました。

そのため、

自分が詐欺師にさせられた事件の全貌を

把握することは、

それほど難しいことでは

ありませんでした。

 

絶えずお金の問題を起こすだけでは

飽き足らずに、娘の名前まで売って

賄賂まで受け取った父親は、

相手を騙すために

娘を騙った手紙を書き、

さらには大公家の印章まで

偽造したようでした。

自分を騙した人が大公妃だと

被害者が勘違いしたのも

無理はありませんでした。

 

エルナは、

このように蒸し暑い日にも、

冷たい自分の手を揉みながら

息を整えました。

 

昨夜、ビョルンは、

この事件を調査するため、

今日の午後、警官が訪ねて来ると

深い疲労感のある声で

伝えてくれました。

このことを解決するために

彼がどれほど忙しい日々を

送っているのか

よく知っているエルナは、

どうしても彼と

目を合わせることができず、

頷くだけでした。

しばらくベッドのそばにいた

ビョルンは、その後、何も言わずに

去っていきました。

 

子供ができたという知らせを聞いた日

深夜にエルナの寝室を訪れた

ビョルンは、

「妊娠したんだって」と

一言、言っただけでした。

まるで無関心な人の安否を

尋ねる時のような口調でした。

エルナは呆然として頷きました。

全く予想できなかった

反応だったので、

どんな返事をすればいいのか

思いつきませんでした。

 

じっとエルナを見下ろしていた

ビョルンは、意識して微笑みながら

「お休み、エルナ」と

挨拶だけして背を向けました。

トロフィーだと思っている妻の子供が

嬉しくないのだろうか。

それとも、パーベルとの喧嘩のせいで、

まだ気分が悪いのだろうか。

 

エルナは、

不安でいらいらした気持ちで

閉ざされた扉を見つめながら

ビョルンを待っていましたが、

彼は帰って来ませんでした。

同じベッドを使う約束が

破られた夜でした。

その日は寂しくて

腹が立ちましたが、

後になってその理由が分かると、

それを悲しんだ自分が

情けなくなりました。

 

父の愚かな貪欲は、

大公妃の評判を

台無しにしただけではなく

王室全体を笑いものにしました。

それを証明するかのように、

王室に対する非難と嘲弄は

連日、高まる一方でした。

 

エルナは痩せた手で

血の気のない顔を覆いました。

取り調べを受ければ、

自分の容疑は晴れるだろうけれど

だからといって、

このおぞましい事件が終わるわけでは

ありませんでした。

王室の姻戚が犯罪者、

しかも詐欺師だなんて、

誰も容認できないだろうし、

エルナ自身でさえ

受け入れ難いことでした。

 

何も知らないまま

ビョルンの愛を渇望し、

幸せを夢見てきた、

分別のない少女のようだった

自分が恥ずかしくて

耐えられませんでした。

 

エルナは、熱くなった目頭を

力を込めて押さえると

指先がブルブル震えました。

ようやく感情を抑え込んで顔を上げると

ノックの音が聞こえてきました。

沈鬱な表情をしたリサが入って来て

客を迎える準備をしなければならないと

告げましたが、

全ての言葉を言い終わる前に

リサは、すすり始めました。

 

時間を確認したエルナは、

頷きながらベッドから降りました。

警官が訪問する予定の時間が

目の前に迫っていました。

大公邸の玄関ホールに入った

弁護士のバイルは

「狂人は強い」と結論を下しました。

ビョルン王子が先頭に立ち、

弁護団と捜査官たちが

その後に続きました。

単なる詐欺事件の被告人の話を

聞きに来たというには、

決まりが悪くなるほど

やりすぎ感がある光景でした。

 

最高の王室弁護士を直接選んで

弁護団を設けたのは、

ビョルンでした。

あえてここまでしなくても

十分に大公妃の濡れ衣を

晴らすことができるという

法律的助言は

徹底的に無視されました。

そして、彼が無視したのは

それだけではありませんでした。

 

怒った国民は、

恥辱的な醜聞を起こした大公妃は

王族の礼遇を受ける資格がないと言って

直接警察署に出頭することを

要求しました。

大公妃に大々的な恥をかかせ、

王室を圧迫するため、

共和派まで、連日猛攻を浴びせました。

無視するには

あまりにも熱い怒りの前に

王党派の警察局長まで躊躇しましたが

ビョルンは、眉一つ動かさず、 

妊娠初期で、

医師が絶対安静を言い渡したほど、

体が弱っている妻を

警察署に引っ張り出して、

もし自分の子供に何かあったら

どうするのか。

その責任を負う自信があるなら、

一度出頭を要求してみろと、

誰が何と言っても、終始一貫して

同じ主張だけを繰り返しました。

 

グレディス王女が生んだ息子に

あれほど非情だった父親が、

詐欺師の大公妃のお腹の子供を

宝物のように大切にしているという

非難が殺到しましたが、

王子は聞く耳を持たず、

自分の意思を頑として押し通しました。

 

そうして、狂人は勝利しました。

いくら哀れな身に転落した

大公妃だとしても、

そのお腹の中にいる子は

大公の子であり、国王の孫なので

あえて誰も、その子まで

手を出すことができなかった

おかげでした。

 

その皆の非難と怒りに対抗して、

ついに自分の意思を貫き通した

ビョルン王子の意地は、

一種の狂気に近いように

思えるほどでした。

 

大公妃がシュベリン宮殿の塀の外に

出ることのないようにすること。

王子の要求事項は

その一つだけでしたが、

これ以上の取り調べや尋問がないように

この一度で、

すべてを解決しろという意味と

同じだったので、

背筋がゾッとする命令でも

ありました。

 

大公妃が待っている

応接室に近づくと、

バイルは無意識のうちに

ため息をつきました。

大公妃を弁護することは

難しいことではありませんでした。

手紙の筆跡と

ウォルター・ハルディが偽造した

大公家の印章を

本物と照らし合わせれば

被害者に手紙を送ったのが

大公妃ではないということが

明らかになるからでした。

ただ、大公妃の濡れ衣を晴らす瞬間

必然的に

大公妃の父親が罪人となるのが

問題でした。

詐欺に王室への冒涜、

さらに娘を売ったという

道徳的な非難まで加わり、

最悪の場合、国王の姻戚が

監獄に入れられる惨劇が

起こるかもしれませんでした。

 

しかし、弁護団が慎重に言及した

その問題を聞いたビョルンは、

原則通りにしてくださいと

皆を気抜けさせるほと

平然と返事をしました。

その言葉に、

誰も話を継ぐことができず、

雰囲気が重苦しくなった中、

王子は、

ウォルター・ハルディは

考慮の対象ではないので、

大公妃の弁護だけを考えればいいと

義父を刑務所に送るという

意思を明らかにして笑いました。

まともに眠ることができず、

充血した目と乱れたタイが、

その平然とした笑みを

さらに際立たせていました。

 

慌てた弁護士たちが

ざわついている間にも、ビョルンは

黙々と、

テーブルの上に散らかっている

書類だけに集中しました。

妻の濡れ衣を晴らすのに

死活をかけた人のように

振る舞うのを見ると、

離婚をするつもりでは

なさそうだけれど、

そんな妻の実家の家門を

容赦なく捨てるという決定は、

どう受け止めるべきなのか

繰り返し悩みました。

しかしバイルは、その答えを

見つけることができませんでした。

 

王室と国民が

刑務所に入った詐欺師の娘を

大公妃の席に

置いておくはずがない。

しかし、この王子は、

どうせ人の言うことに

耳を傾けないので、

自分なりの計算があるかもしれないと

理解しておくのが最善でした。

 

雑念を消したバイルが

息を整えている間に

応接室の扉が開きました。

彼らが庇護しなければならない

悲運の大公妃を見つめながら、

バイルは、

ウォルター・ハルディは考慮しない。

救済の対象は

エルナ・ドナイスタのみであるという

この弁護の核心を再確認しました。

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いつも、たくさんのコメントを

ありがとうございます(^^)

 

きっとビョルンは

エルナが妊娠したことを

喜んでいると思います。

けれども、

エルナの濡れ衣を晴らすことを

優先させているので、

その気持ちを、

エルナに伝える余裕がないだけだと

思います。

 

どんなに非難されても、

エルナを出頭させることを拒み、

夜もろくに眠らず、

身だしなみも気にせず

エルナのために奔走している

ビョルン。

エルナのことを愛していなければ

こんなことはできないと思いますが、

これが愛だと、

ビョルン本人が自覚していないのが

残念です。

 

いくらビョルンに余裕がなくても、

たった一言、優しい言葉を

かけてあげれば、

エルナは喜ぶと思いますが、

恋に不器用なビョルンは

何を言っていいか

分からないのかもしれません。

 

父親のことで、

ますます風当たりが強くなる中、

自分が賭けの対象であったことまで

知ってしまったエルナの心は

崩壊寸前のように感じました。

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