自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 88話 ネタバレ 原作 あらすじ 誕生パーティにやって来た人

 

88話 いよいよ双子の誕生パーティーです。

 

フィツ夫人の助けを借りて選んだ

食器と花で飾られた晩餐室は、

春の風景のように美しくなりました。

 

燭台とセンターピースの位置、

セットされたカトラリー一つ一つを

注意深く確認した後、

エルナはようやく

安堵のため息をつきました。

 

料理人に会い、

料理の準備事項まで確認したエルナは

急いでホールへ向かいました。

そこも、お客さんを迎えるために

完璧な準備を終えた状態でした。

影のように静かに、

エルナの後を付いて来たフィツ夫人は

心配しないように。

これなら、

誰もこのパーティーの欠点を

見つけることができないと

断言できると言いました。

フィツ夫人の、その言葉に、

エルナは少し安心しました。

彼女は緊張した笑みを浮かべながら

周りを見回しました。

その時、自分の名前を呼ばれたので

エルナは、そちらを振り向くと、

大理石のホールの中央に刻まれた

王家の紋章の上に立っている

ビョルンが見えました。

手を差し伸べた夫に向かって、

エルナは慎重に歩み寄りました。

ビョルンの手を握り、

ビョルンのそばに立って眺めた

大公邸のホールは、

より完璧に美しく見えました。

 

エルナは、

うまくいくだろうかと心配しました。

ビョルンは、

うまくいかなくても構わない。

どうせ誕生日は、毎年来るのだからと

エルナが期待していたものとは

全く違う答えをして視線を下げました。

 

エルナは、

結婚後に初めて一緒に過ごす誕生日は

一度きりだと主張しました。

初めてって、それが一体何なのかと

ビョルンは尋ねましたが。

エルナは、自分にとっては

本当に重要だと答えました。

 

ビョルンの理解できないことを言う

エルナの表情はとても真剣でした。

大したことではないことに

大げさな意味を持たせる

妻を見下ろしていたビョルンは、

適当に頷いて笑いましたが、

ふと、誰も覚えていなかった

妻の初めての誕生日のことを

思い出しました。

しかし、それは、

長い間、彼の意識の中に

留まっていませんでした。

 

最初の客がもうすぐ到着するという

フィツ夫人の言葉が、

二人の間に流れていた

平穏な静寂を破りました。

深く吸い込んだ息を

ゆっくりと吐き出したエルナは、

夫の手をぎゅっと握り、

緊張した足取りで歩きました。

 

遠くに立っているリサは、

満足そうな目で

自分の傑作を眺めました。

少なくとも美貌一つに限っては

グレディス姫に勝つために

どれだけ苦労したか

分かりませんでした。

そして、誰が何と言っても

淡い青色を基調としたドレスを着た

今日のシュベリン大公妃は、

まるで水の妖精のように

清楚で美しいと

リサは確信しました。

そして、認めたくはないけれど、

エルナを最も輝かせる最後の一つは、

自分の手ではなく王子のようでした。

夫のそばに立つと、

さらに美しく輝く大公妃を見て下した

結論でした。

あの罪深い王子が

それを分かってくれることを

リサは切に祈りました。

静かにエルナに

近づいて来たフィツ夫人は、

どうしても晩餐会のテーブルの席を

調整しなければならないと

精一杯、声を低くして告げました。

 

エルナは、

もう少し待ってみると返事をしました。

彼女は、しばらく悩みましたが、

意志を変えませんでした。

フィツ夫人は、

これ以上は困るというような目つきで

エルナを見ました。

 

もうすぐ晩餐会の時間でした

アルセン公爵夫人が

最後まで出席してくれなかったら、

今日の主人公である

ビョルンの隣の席が

がらんとするかもしれない状況でした。

 

何とかエルナの気持ちを変えようと

決意したフィツ夫人は

早く決断を下さなければ・・・と

口を開いた瞬間、

客の声で賑やかだったホールが

突然、静寂に包まれました。

 

客の視線が集中したホールの入口に

視線を移したフィツ夫人は、

無意識に「あらまあ」と

感嘆の声を漏らしました。

他の人たちの反応も

大きく違いませんでした。

「なんと。おばあ様!」と

驚いたルイーゼ姫の声が

ホールを揺るがしました。

 

しかし、この大きな波紋を呼んだ

張本人であるアルセン公爵夫人は、

平然とした顔で、

大公妃だけを見つめながら

ホールをトコトコ横切りました。

 

「来てくれたのですね、おばあ様!」

感激したエルナは、

人々の耳目と体面もしばらく忘れて

彼女に向かって走って行きました。

その軽挙妄動を指摘するかのように

アルセン公爵夫人は

舌打ちをしましたが、彼女の瞳は、

いつもより優しい光を帯びていました。

そして、彼女は、

狂人に襲われた割には、

エルナはとても元気そうだ。

どれだけ哀れな姿をしているかと思って

見に来たけれど無駄足だったと

皆がひそひそ話していることについて、

躊躇なく言及しました。

しかし、それよりもっと驚くべきことは

そんな侮辱を受けても

平気で笑う大公妃でした。

 

これは一体どういうことなのか。

自分にも何も言ってくれなかったと、

信じられない知らせを聞いて

やって来た王妃の質問にも、

アルセン公爵夫人は、

ただ冷たい表情をするだけでした。

 

その間に国王と王太子

そして誰よりも驚いた顔をした

ビョルンまで

彼女のそばに集まって来ました。

 

アルセン公爵夫人は、

彼らとは関係ないことなので

大げさに言うなと言って

チラッとビョルンを見ましたが、

彼女の視線は、

すぐに再びエルナに向かいました。

終始一貫、冷ややかな表情をしていた

老婦人の口元が、

そっと曲がっていきました。

 

アルセン公爵夫人は、

自分は、大公妃の客にすぎないと

告げると、エルナに

「そうですよね?」と尋ねました。

その質問に、皆の耳目は

大公妃に集中しました。

エルナは、しばらく緊張感も忘れて、

密かな共謀の笑みを浮かべました。 

エルナは、アルセン公爵夫人が

自分の客になってくれて

本当に嬉しいと歓迎しました。

果たして、あの席に座るのだろうか。

広い食卓の周りに座っている皆の目は

今、晩餐室に入ったばかりの

剛直な老婦人に向けられていました。

 

女主人が決めた自分の席が

ビョルンの隣だという

事実を知ったアルセン公爵夫人は、

眉を顰めて、

露骨に不満を表していました。

公爵夫人の、

ものすごい気性をよく知っている

彼らは、息を殺したまま

迫って来る烈火のような怒りを

待っていました。

 

浮気をして離婚をしたビョルン王子が

結局、王太子の座からも

降りることになったという知らせが

国中を揺るがした日、

王宮に攻め入ったアルセン公爵夫人が

外孫の頬を叩いたことは、

今でも一つの伝説のように

語られていました。

二度とビョルンとは

言葉を交わさないという呪いをかけて

去ったという彼女は、

数年間その誓いを

守っているところでした。

 

大公妃は、一体何を考えて

こんなことをしたのか分からないと

眉間にしわを寄せたルイーゼが

夫に不平を漏らした瞬間、

アルセン公爵夫人は

止まっていた足を踏み出しました。

すぐに背を向けてしまいそうな

表情をしていても、彼女は素直に

自分の席に向かって行き

ビョルンの隣に座りました。

 

数年間の反目を忘れたかのように

平然としている姿に、

皆は驚愕しました。

ずっと正面だけを

凝視していたビョルンは、

ざわついていた客が

静かになる頃になって、

ようやく祖母を見ました。

ちょうどアルセン公爵夫人も

首を回したので、避ける暇もなく

目が合ってしまいました。

微妙に動揺したものの、

二人のうちどちらも、

視線を避けることはありませんでした。

 

自分を騙そうなどという

考えはするなと、

王宮に押しかけた祖母の

悲鳴のような叫び声が

ビョルンの耳元に蘇るようでした。

 

アルセン公爵夫人は

表面的な真実を信じようとせず、

きっと何かを隠すための

煙幕だと確信し、

それを突き止めるために、彼女は

一体、何のために

身を投げ出そうとしているのか

真実を話してくれと

ビョルンを問い詰めました。

しかし、ビョルンは、

これが自分なので受け入れて欲しいと

笑いながら投げかけた言葉に

アルセン公爵夫人の悪態は止まり、

その後、パチンと、

頬を叩く音が響きました。

 

かなり厳しい手つきでしたが、

その痛みは、

それほど長くは続きませんでした。

次に出てきた刀のような言葉も

やはりそうでした。

しかし、その瞬間、

茫然自失した祖母の目に浮かんだ

涙だけは、長い時間が経っても

忘れられない鮮明な記憶として

残っていました。

 

少なくとも家族には

「真実を語ろう」という母親の言葉に

従わなければ

ならなかったのだろうか。

その涙を思い出す度に、

ビョルンは考えました。

 

しかし、いつも結論は一つ。

数百回、時間を戻しても

数百回、同じ決断を下すことに

変わりはありませんでした。

もしも、グレディスが娘を産んでいたら

後継者を汚さないために

王冠を投げつける必要がなければ、

彼は、一生誰にも

その真実を口外しなかったはずでした。

 

王室と国益のためという建て前で

殉教者のふりをしたけれど、

今になって考えてみると、

よくわかりませんでした。

もしかしたら、それは

利他心を装った

極度の利己心だったかも

しれませんでした。

しかし、それがビョルンであり、

今もその事実は変わらない。

だからどうにもならないことだと

思って来ました。

祖母が望む真実は、

永遠に表に出すことはできないので、

実は、それが祖母の変わらぬ

深い愛だということを知っていても

むしろ軽蔑に耐えようと

思っていました。

 

近くで見ると、

シワがかなり増えたと、

ビョルンは、

突然、がっかりして笑い、

つまらない冗談を言いました。

彼をじっと見つめていた

アルセン公爵夫人も、

くすくす笑いました。

そして、

数年ぶりの会話の第一声が

とても感慨深いと

つっけんどんに答えた瞬間も、

彼女の両目には

依然として孫が映っていました。

 

頑固な老婦人の誓いが

破られました。

その事実が与えた衝撃の余波で

晩餐会場が揺れ始めました。

平静心を失うことのない王妃でさえ、

動揺を隠すことのできない目で

二人を見つめました。

 

その騒ぎの中でも

平静を保っているのは、

大公妃一人だけでした。

エルナは、

夫にプレゼントをあげられたので

ただ嬉しそうに、

明るく笑っていました。

ブレンダ・ハルディは

息を切らしながら

エルナの名前を呼びました。

バルコニーの手すりに寄りかかり、

風に当たっていたエルナは

驚いた顔で彼女を見ました。

 

周りを見回して

盗み聞きする人がいないことを

確認したブレンダ・ハルディは

慌ててエルナのそばに近寄りました。

二人きりで話をする適当な時を

見つけるために、

どれほど神経を尖らせていたか

分かりませんでした。

エルナは戸惑いを隠しながら、

どうしたのかと

落ち着いて尋ねました。

 

今日のパーティー

ハルディ一家を招待したのは、

フィツ夫人の助言のためでした。

実家の家門を徹底的に無視している

大公妃を巡り、ありとあらゆる噂が

出回っていたので、

今日、この場にも彼らが見えなければ、

手の施しようもないくらい

憶測が大きくなるだろう。

この辺で一度くらいは

デマに水を差す必要があると

フィツ夫人は忠告しました。

 

エルナは気が進みませんでしたが

ビョルンのためだという言葉を

呪文のように繰り返しながら

フィツ夫人の提案を受け入れました。

しかし、だからといって

ハルディ一家と交友する決心を

したわけではありませんでした。

ただ適当に形式を整えるだけの関係。

エルナにとって

ハルディという名前は、

もはや、その程度の意味でしか

残っていませんでした。

沈黙が長くなると、エルナは、

話すことがなければ、

これで失礼すると挨拶をした後、

足を踏み出しました。

 

エルナの顔色を窺っていた

ブレンダ・ハルディが

まだ便りがないので、

そろそろ心配していると

口を開きました。

エルナは、

便りって何なのかと尋ねると、

ブレンダ・ハルディは、

まるで愛する娘の将来を

心配する母親でもあるかのような

表情をしながら、

エルナが、あちこちで噛みつかれ

今度は変な奴まで暴れる状況なので

早く子供でも産んでこそ、

エルナの地位が安定するはずだと思い

あちこち探してみたところ、

妊娠しやすい薬を見つけた。

エルナのために

苦労して準備しておいたので、

近いうちにハルディ家に

一度立ち寄ってそれを・・・

と言いかけているところでエルナは

侮辱感に耐え切れず

子爵夫人!」と冷たく叫びました。

 

しかし、ブレンダ·ハルディは気にせず、

そんなに暢気に

振舞っている場合ではない。

息子を産んでくれた

グレディス王女も捨てられたのに、

このまま永遠に妊娠しなければ、

どうやって大公妃の座を

守ることができるのかと

言い続けました。

そして、ブレンダ・ハルディは

もう一歩エルナに近づき

彼女の手を握ると、

よく考えてみるように。

ビョルン王子がどんな男なのかは

誰よりもエルナが

よく知っているはずだと言うと、

エルナは、自分の夫のことを

そんな風に言わないで欲しいと訴え

その手を振り切り、

後ろに下がりました。

 

ブレンダ・ハルディは

大げさなため息をつくと、

エルナが自分のことを

あまり好きでないのは

よく知っているけれど、

このことに関しては、

自分より心強い味方はいない。

エルナと自分は

同じ船に乗った仲だと言って

再びエルナに手を伸ばしました。

彼女はブレンダ・ハルディを避けて

後ずさりしました。

 

ちょうどその時、

大公妃を探しに侍従がやって来て

二人の会話は

しばらく中断されました。

侍従は礼儀正しく頭を下げると

王妃殿下が探していると、

静かにエルナに伝えました。

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エレナの努力が実って

おばあ様が誕生パーティに来てくれて

本当に良かったです。

きっと、おばあ様は

ビョルンと仲直りしたかったけれど

皆の前で、二度と口を利かないと

言った手前、

素直になれなかったのだと思います。

パーティーに来るのも、

彼女のプライドが許さなかったかも

しれませんが、勇気を出して

来てくれたことで、エルナは

お金では買えない

素晴らしいプレゼントを

ビョルンに贈れたと思います。

 

グレディスが

もし女の子を産んでいたら

離婚はせず、

一生、グレディスの子を

自分の子として

育てるつもりだったのでしょうか。

けれども、男の子が生まれたので

その子を王にしないためには

自分が王太子を退位するしかない。

けれども、王や王妃が、

理由も分からないまま、

それを認めるわけがないので、

結局、両親とレオニード、

そしてラルスの王には

真実を打ち明けたと

いうことなのでしょう。

後継者を汚さないという一言に

ビョルンの王族としての覚悟を

見て取れました。

 

shaoron-myanmyan様、

うずまき様、koko様、

nonmirolove様、ワッフル様、

ママ様、りん様、air0113様、

Nico様、ジュン様、

コメントありがとうございます。

コメントをくださったのに、

見落としていた方がいらしたら、

申し訳ありません。

 

Nico

70話から原作を読み始めたので

最初、王とレオニードが

エルナのことを、どう思っていたか

分からず、申し訳ありません。

ビョルン、レオニード、ルイーゼの他に

王子と姫がいたことも、

まだ、マンガには

描かれていなかったと思うので

もしかしたら、原作には

速い段階で登場しているけれど、

とりあえず、出番がないので

省略されたのかもしれません。

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