702話 ラティルとサーナット卿は、誓約式のために用意した彼の礼服を見に行くことになりました。 ◇さっきまでのことは何?◇ 簡単に体を洗って着替えた二人は 窓から部屋を出ました。 サーナット卿は高くて狭い塀を すいすい走り、ラティルも その後を付いて…
701話 サーナット卿はラティルに口を重ねてもいいかと尋ねました。 ◇メトロノーム◇ その言葉に驚いたラティルは 目を大きく見開きました。 しかし、サーナット卿は、 冗談を言っているような顔では ありませんでした。 なぜ彼は、急に今、 そんなことを言い…
700話 ラナムンの部屋にいるラティルを慌てて訪ねて来た人は? ◇自決?◇ 訪ねて来たのは ラティルの秘書でした。 ラナムンは、 ラティルの手を放すと ゆりかごに手をつきました。 ラティルはどうしたのかと尋ねると 秘書は慌てて、 アイニ皇后が自決したと叫…
699話 シピサと出かけようとしたラティルは、乳母から皇女の具合が悪いと聞かされました。 ◇興味を持って欲しい◇ 約束の時間が迫っていました。 よりによって、やるべきことが 同時に重なってしまい ラティルは困ってしまいました。 侍女たちが焦りながら 近…
698話 ラティルとヒュアツィンテの手紙のやりとりは、まだ続いています。 ◇拒絶◇ カリセン内部で、 アイニに対する処遇を決めることと 外国の皇帝の影響力の下で 処罰することとは全く違う。 アイニの件は、私の方で処理する。 これは我が国のことだから 手…
697話 ラティルはメラディムとの楽しい旅行?を終えて宮殿に戻って来ました。 ◇順調◇ ラティルは、しばらく休むや否や、 カルレインとタッシールを呼び、 怪物が出没した時期、消えた時期、 ロードが生きていた時期、 対抗者が生きていた時期に関する情報を …
87話 博覧会で心身ともに傷ついたエルナの元へ、ビョルンがやって来ました。 エルナはぐっすり眠っていました。 ビョルンは、そばに坐って しばらく彼女を見つめても 微動だにしませんでした。 ビョルンは、その事実に むしろ安心しました。 話す言葉を見つ…
696話 アイニが見捨てた男は領主の息子でした。 ◇大きな希望◇ 領主の息子だって? あまり正体を知られたくなかったのか 男の顔は、あっという間に 真っ赤になりました。 しかし、男は羞恥心に耐えながら、 自分の命は自分で守るものだから 誰に何と言われて…
86話 エルナはビョルンと一緒に博覧会を見学しています。 冷たい鉄の塊でいっぱいの 空間を抜け出すと、 あらゆる珍しくて美しいもので 満たされた風景が 繰り広げられました。 そこでエルナは 童話の主人公になりました。 遠い東方の砂漠、 名も知らぬ数多…
695話 ラティルがロードで、彼女は血人魚に人々を拉致させたと、アイニは人々に話したようです。 どこへ行ったのかと思ったら、 いつの間にか地上に上がって、 あんな話を広めていたのかと ラティルは眉をひそめて アイニを見つめました。 そして、アイニは …
694話 ラティルは血人魚たちを率いて来たのかと言われましたが・・・ ◇血人魚 vs. 人魚◇ ラティルは、 自分は隊長ではないと、 心の中で叫びましたが 表面では、そんなそぶりを 見せませんでした。 そして、自分より、 はるかに背の高い人魚に 見下ろされて…
693話 上官の人魚は、岩の間に頭を突っ込んだまま動かない部下の肩を引っ張ると・・・ ◇助けに来るよ◇ 部下の人魚は気絶していました。 だらんとした体は、 上官の人魚が、部下の肩から 手を放すや否や、 地面にドンと音を立てて倒れました。 誰だ! 上官の…
692話 ラティルは人魚と対面しました。 ◇人魚も血人魚と同じくらい 髪飾りが華やかな人魚は、 人間一人が訪ねて来ると 聞いていたけれど、その人かと ラティルに尋ねました。 聞かれるや否や、彼女は、 何も分からぬまま、とりあえず、 そうだと答えました。…
691話 ラティルは人魚と戦いに行くメラディムに同行しましたが・・・ ◇粉を浴びたら◇ ラティルは、 目の前に広がる青い水を眺めながら 普通の川のように見えると 言いました。 メラディムは、 ここに来れば、 人魚を見ることができると 言いましたが、 ラテ…
690話 ラティルとタッシールが、良い雰囲気になっています。 ◇手に余る人◇ ラティルは、 タッシールのボタンを 一つ一つ外しながら、 何かを聞きに来たのにと考えましたが 彼女は手を止めませんでした。 タッシールは、 ラティルの背中を掴み、 彼女を引き寄…
85話 いよいよ博覧会当日になりました。 国王の行列は、 大勢の群衆の間を通り、 博覧会の展示場へ向かいました。 大通りと広場を埋め尽くした 人々の歓呼の声が 天と地を揺るがすようでした。 エルナはその勢いに圧倒され、 屋根のない馬車の手すりの 向こ…
689話 ラティルが戻った先は、サーナット卿の家でした。 ◇こいつ、どうしたんだ?◇ 陛下・・・ サーナット卿は 気が抜けたような声で呟きました。 ラティルは、 食事中に来て申し訳なかったと 素早く謝ると ゲスターを突き飛ばしました。 ランスター伯爵は、…
84話 いよいよ王家の人々がやって来ました。 男性たちが集まっている書斎から 追い出された クリスティアン王子が むっとした顔で戻って来ました。 やはりそうだと思ったかのように 笑った王妃は、 テーブルの一番端の席を 目で差しました。 そこは、できる…
688話 ラティルがダガ公爵の墓を掘り起こしていると・・・ ◇ダガ公爵の幽霊◇ 何となく、ラティルは 誰かの心の中を感じました。 声は聞こえませんでしたが 誰かの心の中に、 墓を掘り起こしている自分の姿が 見えました。 誰かがこちらを見つめていました。 …
687話 ラティルはアイニの弟に会いに行きました。 ◇アイニの弟◇ 誰だろう? 子供の本音が聞こえて来ました。 彼は、とても怖がっているようなので ラティルは、 少し後ろに下がりました。 ラティルは、 アイニの弟が幼いことを 知っていたけれど、 実際に向…
686話 ラティルは手紙の上に誰の印影を見つけたのでしょうか? ◇手紙を書いた人◇ ラティルは、眉を顰め、 首を傾げました。この印影を どこかで見たことが あるような気がしました。 ラティルはサーナット卿にも 印影を見せました。 黒魔術師は、 椅子の周り…
262話 グリフィンはサーナット卿に、降りないのかと尋ねました。 ◇ロードは死んだはず◇ サーナット卿は ぼんやりしていましたが、 グリフィンの言葉に ぎょっとしました。 グリフィンは、 癪に障ると言いたげな目で 彼を見ていました。 サーナット卿は グリ…
684話 ラティルは動物の仮面たちに、世界征服に興味がないと言いました。 ◇沈黙を守る狐の仮面◇ 動物の仮面たちは、 ラティルをロードではなく ロードの真似をする何かのように 見始めました。 ラティルは、カルレインが 動物の仮面たちの話をする時、 気乗…
683話 ギルゴールの菜園で、頭の花たちの会話を聞いたラティルは、その足で、ゲスターの所へ向かいました。 ◇幻想が壊れた◇ 虫一匹も殺せない顔をしているのに サーナット卿を手のひらに乗せて 嘲弄していたなんて。 ラティルは、 ゲスターの優しそうな笑顔…
83話 エルナはアルセン公爵家を訪ねています。 シュベリン宮殿で行われる 行事について、騒いでいたエルナが 先日、初めて夫婦喧嘩をしたと 突然、とんでもない話を 切り出しました。 鬱陶しそうな顔で 本を読んでいたアルセン公爵夫人は、 ようやくエルナに…
682話 サーナット卿は、ゲスターに頼まれて捕まえた怪物が、自分の感情を奪ったことを、ラティルから聞かされました。 ◇ギルゴールは違う◇ サーナット卿は トゥーリが出て来るや否や、 いきなりゲスターの胸ぐらを つかみました。 何をしているんですか・・…
82話 仲直りしたエルナとビョルンに、平和な日常が戻って来ました。 本格的な春が訪れると、 エルナは毎朝、庭へ散歩に出かけ、 ビョルンが目を覚ます頃には、 すでにベッドを離れている日が ほとんどでした。 それは、ビョルンにとっては あまり喜ばしいこ…
681話 カルレインはラティルに動物の仮面たちに会いたいかと聞かれました。 ◇私も行く◇ ラティルは、 動物の仮面? と聞き返した後、 ゲスターがかぶっていた 狐の仮面を思い浮かべました。 ラティルは、 ゲスターのことかと尋ねると、 カルレインは、 彼も…
680話 ラティルは、カルレインが自分のことを、ドミスではないと思ったことはないのかと尋ねました。 ◇カルレインの助言◇ 冷たくて柔らかい唇が、 ラティルの額に触れた後、 離れました。 これが答えなのだろうか。 ラティルは頭を上げ、 カルレインの顎のラ…
679話 ギルゴールとシピサがアリタルとラティルのことで言い争いをしています。 ◇もっと仲が悪くなった◇ 窓をけたたましく叩く音がしました。 本を読んでいたラティルは そちらへ顔を向けると、 グリフィンが窓枠に立っていました。 聞こえて来た音は、彼の…