自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 ネタバレ 原作 83話 あらすじ マンガ 73、74話 男を選ぶ基準

83話 エルナはアルセン公爵家を訪ねています。

 

シュベリン宮殿で行われる

行事について、騒いでいたエルナが

先日、初めて夫婦喧嘩をしたと

突然、とんでもない話を

切り出しました。

鬱陶しそうな顔で

本を読んでいたアルセン公爵夫人は、

ようやくエルナに目を向けました。

 

水曜日になると、

決まってやって来るビョルンの妻は

今日も一人でお喋りを続け、

すでに1時間が過ぎましたが

疲れた様子は見えませんでした。

 

アルセン公爵夫人は、

エルナが惨めに負けただろうと

指摘しましたが、彼女は、

自分が勝った。

使用人たちが、

自分たちの夫婦喧嘩の勝敗をめぐり

賭けをしたけれど、

皆、公爵夫人のように、

ビョルンが勝つ方を選んだので

自分を選んだ自分のメイドが

賭け金をすべて受け取った。

そのメイドは感謝の意味で、

自分にチョコレートを

プレゼントしてくれたと

説明しました。

 

エルナの満足そうな笑いを見ると、

どうも嘘ではなさそうでした。

アルセン公爵夫人は

さらに呆れて失笑しました。

いくら分別がないとはいえ、

そんな話を外でして

騒いでいるのを見ると、

品位のある王子妃になるのは

到底無理であることが

明らかでした。

 

もっとも、

品位はたっぷりあったけれど

猫の毛1本ほどの

面白さもなかった

ビョルンの前妻と比べると、

非常に悪いとは言えない面も

ありました。

 

今や、エルナは

勝利した夫婦喧嘩の話を

喋り始めました。

本を閉じたアルセン公爵夫人は、

眼鏡を外して、

本棚の上に置きました。

シャーロットが

そっと近づいて来て、

アルセン公爵夫人の膝の上に

座りました。

 

彼女は猫を撫でながら、

やや品位に欠けるけれど、

まあまあ面白い、

大公妃の武勇伝に耳を傾けました。

結果的には、エルナが勝利した

夫婦喧嘩のようでしたが、

エルナにとって、

あまり有利な状況には

思えませんでした。

 

アルセン公爵夫人は、

一体なぜエルナは、

そんなにビョルンのことが

好きなのかと尋ねました。

突然の質問に、

エルナはビクッとしました。

アルセン公爵夫人は目を細めて

当惑しているエルナを

じっくり観察しました。

 

この数ヵ月間、

自ら訪ねて来て

騒いでいたエルナの話と

目つきと表情。

そのすべてを総合すると、

この幼い王子妃が、

彼女の夫をかなり好きだという

結論に達しました。

それに反して、ビョルンの態度は

無関心極まりないため、

エルナが、

とても酷い片思いをしていることが

明らかでした。

 

公爵夫人は、

男は顔なので、

その点では、エルナの夫が、

とても優れているという事実を

否定することはできないと

言いました。

 

的を突かれた質問をされたので

恥ずかしくて知らんぷりをしていた

エルナの目が丸くなりました。

聞き間違えたのではないかと

思うほど衝撃的な言葉でしたが、

公爵夫人は、

淡々とした表情をしていました。

 

彼女は、

外見が素晴らしいからといって

心の中まで

素晴らしいというわけではないけれど

外見が悪くても、

心の中は素晴らしいという

わけでもない。

それならば、

せめて外見が確かな男を選んだ方が

二つの中の一つは

きちんと備えていることになる。

後になって、

心の中も優れていると分かれば

申し分ないけれど、

そうでなくても顔は残るからと

話しました。

 

とても上品な貴婦人の口から

出てきそうにない言葉に

戸惑ったエルナが慌てても、

アルセン公爵夫人は

眉一つ動かしませんでした。

 

彼女は、

ハンサムな顔は喜びを与え、

その喜びが怒りを和らげ、

かつてない忍耐心が

生まれることもある。

ハンサムな男を選ぶのは、

円満な結婚生活のための、

かなり重要な部分だと言えるだろう。

ビョルンを選んだエルナなら

よく知っている事実だと言うと、

エルナは、

自分は違うと否定しました。

 

しかし、公爵夫人は、

白を切るな。

そうでなければ、

まさかビョルンの人柄に惚れて

結婚したというのかと聞きました。

彼女の辛辣な言葉に、

エルナの目は、

不安そうに揺れ始めました。

 

エルナは、

おばあさんたちのことを

よく知っているつもりでしたが

それは傲慢な考えだったようでした。

田舎のおばあさんと

大都市のおばあさんの違いなのか。

目の前にいるこの老婦人は、

エルナが知っている

おばあさんたちとは、

随分、違っていました。

 

一見、ビョルンを

思い出させるところも

あったりするので、

もしかしたら、

なかなか接しにくい相手である

アルセン公爵夫人を

毎週訪ねる勇気を出せるのは、

そのような点のためかもしれないと

思いました。

 

決まりが悪くなったエルナは

窓の外を見ました。

これまで見てきた

ビョルンの悪い言葉と行動を

その風景の上に描き、

ビョルンではない

他の男の顔を入れてみると、

思っていたよりもひどく

腹が立ちました。

自分が、こんなに

俗物的な面を持っていたことを

田舎のおばあさんである

バーデン男爵夫人が知れば、

びっくりすると思いました。

 

私の言う通りでしょう?と

大都会のおばあさんの

アルセン公爵夫人の口元に

意地悪な笑みが浮かびました。

 

実はそういう面も少し・・・

ないわけではなさそうだと、

エルナは頬を赤らめて、

諦めの声で小さく呟きました。

 

からかい甲斐のある子供を

ゆっくりと見ていた

アルセン公爵夫人の目に

戸惑いの色が浮かびました。

しかし、全く予想していなかった

唐突な返事で

虚を突いてきた幼い大公妃は、

一様に、真剣な表情を

浮かべるだけでした。

 

これでもかと、

エルナを見つめていた

アルセン公爵夫人が

突然笑い出しました。

驚いたシャーロットは

ソファーの下に飛び降りました。

公爵夫人は、

ビョルン・ドナイスタの人生が

どん底に突き落とされたと

思っていましたが、もしかしたら、

そんなに最悪ではないかも

知れないという気がしました。

少なくとも、

適当な女性を選んだという

自暴自棄な結婚ではなさそうでした。

 

戸惑っているエルナを見て

しばらく笑っていた

アルセン公爵夫人は、

ひりひりした頬を撫でながら

椅子から立ち上がりました。

そして、

何をそんなにぼんやり見ているのかと

ぶっきらぼうな言葉を

投げかけると、

エルナの目が大きくなりました。

 

短く舌打ちをした

アルセン公爵夫人は、

応接室を出ました。

躊躇いながら、

後に続くエルナの足音が

静かに続きました。

 

華やかな薄緑色の壁紙で

飾られた部屋は、

多くの肖像画や写真で

埋め尽くされていました。

家族の歴史を網羅した

展示室のような空間でした。

 

エルナは浮き浮きする気分を

隠すことができない顔で

アルセン公爵夫人の後を追いました。

すでに2ヵ月以上、

毎週この邸宅を訪問していましたが、

客用応接室以外の空間を

見物する機会を得たのは

初めてだったからでした。

 

部屋の真ん中に掛けられた

大きな肖像画の前に立ったエルナは

この方がアルセン公爵様かと

慎重に尋ねました。

 

頷いたアルセン公爵夫人は、

エルナのそばに近づくと、

自分が若い頃は有名な美人だった。

レチェンの名門はもちろん、

隣国の王子たちまで、列をなして

自分にプロポーズして来たと

話しました。

 

エルナは、

多くの求婚者の中で、

アルセン公爵が一番立派な

新郎候補だったようだと

指摘すると、公爵夫人は

一番ハンサムな男だったと

返事をしました。

彼女の口元には、あからさまに

誇らしげな笑みが浮かんでいました。

 

肖像画の中の、

若くて美しい公爵を

じっくりと見たエルナは、

公爵夫人は、

本当に自分の信念に忠実な

人生を送ったと、

納得するように頷きました。

 

エルナは、

とても素敵な方だ。

人柄も立派だったと思うと

感想を述べると、公爵夫人は、

自分はエルナより運が良かったと

茶目っ気のある返事をしました。

 

アルセン公爵夫人は、

次の絵の前に足を踏み入れました。

エルナは、彼女の後について

ゆっくりと部屋の中を歩き回り、

たくさんの顔を見ました。

若い頃の王妃と幼い子供たちも

見ることができました。

小さな双子の王子の写真を見た

エルナの顔に

明るい笑みが浮かびました。

 

公爵夫人は、

どちらがエルナの夫かわかるかと

挑発的な質問をすると、

エルナの目つきが慎重になりました。

すると、アルセン公爵夫人は

双子の孫たちの絵と写真が

いっぱいのショーケースの前に

エルナを導きました。

 

小さな王子妃は、

幼い頃の王子たちには

混乱したけれど、二人の性格が

少しずつ現れ始めた頃からは、

正確に自分の夫を捜し出しました。

 

そして、アルセン公爵夫人は、

乗馬大会で優勝した

ビョルンの写真を

じっと見ているエルナを見て、

いくら男は顔であり、

エルナの夫が、

そういう点で卓越しているとしても、

今のようにしてはいけないものだと

言って、舌打ちをしました。

それから、公爵夫人は、

好きでも好きでないふりをする。

適当な隠し方も知っておくべきだ。

感情が丸出しなのは、

エルナの夫が

そうさせているのではないかと

言いました。

エルナは「はい?」と

わけが分からないかのように

問い返し、

彼女に向き合いました。

こましゃくれた猫かぶりだと

言うには、

あまりにも清らかな顔を

していました。

 

公爵夫人は、

押す時は押して、

引っ張る時は引っ張れという意味だと

教えました。

エルナは「何を?」と聞き返すと、

公爵夫人は、

エルナは一度も恋愛をしないまま

後妻として嫁に来たのかと、

言われたので、

エルナはそっと目を伏せました。

それから彼女は、

自分は愚かだと思うと返事をしました。

 

優しく舌打ちをした

アルセン公爵夫人は

応接室へ向かいました。

お茶をもう一杯飲むと、

いつのまにかエルナが

帰る時間になっていました。

 

エルナは帰る前に、

来週の水曜日には、

シュベリン宮で会おうと言って

双子の王子の

誕生日パーティーの招待状を

そっと差し出しました。

渋々、それを受け取った

アルセン公爵夫人は、

自分は行かないと、

ぶっきらぼうな返事をしました。

しかし、エルナは

待っていると告げると、

明るく笑いました。

予定時間より

早く準備を終えたエルナは、

夫婦の寝室をつなぐ通路を通って

ビョルンの部屋へ行きました。

お客さんを迎える心配で

眠れませんでしたが、

頭の中は、

不思議なほど冴えていました。

 

エルナはビョルンに声をかけながら

慎重に扉の隙間から顔を出しました。

鏡の前に立っていたビョルンと、

彼の世話をしていた使用人たちの視線が

一斉にエルナに向かいました。

 

入ってもいいかと尋ねるエルナに

ビョルンは、

扉の隙間から入っている

エルナの足を指差して

もう入っているようだと答えて

笑いました。

少し照れくさかったけれども

エルナは喜んで敷居を越えました。

ネクタイを締めた彼は、

使用人が差し出したカフスボタン

選んでいました。

 

エルナは、

干渉してはいけないと思いながらも

自分はこちらの方がいいと思うと

つい衝動的な言葉を

かけてしまいました。

今、ビョルンが選んだ

オニキスもきれいだけれど、

どうしても自分と同じ宝石を

着用して欲しいと思いました。

 

幸い、その気持ちが伝わったのか、

ビョルンは、

サファイアが飾られた

カフスボタンの方に変えてくれました。

夫を見つめるエルナの瞳は、

今やその宝石のように輝いていました。

 

今日は到着する王室の家族を迎え、

2日後には、

万国博覧会の開会式に参加し、

その2日後には、

双子の王子の誕生日が

控えていました。

この一週間を

どのように過ごすかによって、

大公妃の評判が決まると思うと、

エルナは、

目の前が遠くなりそうでした。

 

ビョルンの準備が終わると、

エルナは自分に近づく夫を

息を殺したまま見つめました。

 

アルセン公爵も、

かなりの美形でした。

しかし、アルセン公爵夫人には

言えないけれど、

どう見てもビョルンの方が

ずっと素敵でした。

 

ビョルンが差し出した

手を握ったエルナは

大人の言葉は、

大体、正しいと思うと、

秘密でも伝えるように

声を低くして囁きました。

 

眉を顰めながら「え?」と

ビョルンが問い返すのを見て、

エルナは

頬を少し赤らめながら首を

横に振ると、

何でもない、 早く行こうと

言いました。

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結婚する前に、

長い期間、付き合っていれば

相手の性格も分かるけれど、

次々とプロポーズしてくる相手を

すぐに選ばなけれならないとしたら

顔で選ぶのが一番なのではないかと

妙にアルセン公爵夫人の言葉に

納得してしまいました。

 

グレディスは、

結婚前の妊娠がバレた後、

ビョルンから

かなり冷遇されていたと思いますが

それでもなお、

彼を愛し続けている理由の一つに

ビョルンの容姿も

あるのではないかと思いました。

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