自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 706話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 必死で娘を庇うラナムン

f:id:myuieri:20210206055100j:plain

 

706話 ザイシンは、カルレインがアイニの持ち物を持って帰って来た理由を尋ねました。

◇仲違いの大王◇

カルレインは、

自分たちが公爵家に行った後に

アイニの所有物を

すべて片付けてしまったと聞けば

アイニは、前公爵夫人に

裏切られたと思うだろうと

答えました。

 

カルレインの説明に

ザイシンは頷くと、

自分は、あの品物で

何かをすると思っていたと

呟きました。

 

カルレインは、

それは自分の領域ではないから

分からないと返事をしました。

ザイシンは嬉しそうに笑いながら、

何はともあれ、

皇帝は、仲違いの大王なのだと

結論を下しました。

カルレインは、

そんなことを皇帝の前で言うのは

どうだろうかと懸念しました。

◇遠慮するザイシン◇

二人が乗った馬車は

一度も休まずに首都を離れました。

カルレインは、隣の村に到着すると、

公爵家の御者に多額の金を渡しながら

ここからは自分たちだけで行くので

帰るようにと告げました。

しかし、御者は、

必ずタリウムまで送るようにと

公爵に言われていると主張しました。

 

しかし、カルレインは、

自分たちに帰れと言われたと

公爵に伝えればいい。

自分とザイシン二人なら

馬に乗って行った方が早いと

言いました。

御者は承知し、

気をつけて帰るようにと告げた後、

二人にぺこりとお辞儀をして

去りました。

 

カルレインはザイシンに

背中を向けて立つと、

連れて行ってやるので

負ぶされと指示しました。

ザイシンは、毎度毎度、

こんなに失礼なことをしていいのか

分からないと遠慮しましたが、

カルレインは、

 

さあ、負ぶされ!

 

と催促しました。

ザイシンが

カルレインにおんぶされると、

彼は素早く道を走り去りました。

やがて二人は、

タリウムの城壁を越えました。

◇持てなかったもの◇

なるほど。

 

ラティルは、

カルレインとザイシンの報告を聞いて

満足げに微笑みました。

そして、後で、誤解が解けたとしても、

こうしておけば、前公爵夫人が

アイニの肩を持つことは

できないだろうと言いました。

 

カルレインは、

ご主人様は、

タッシールの意のままに

なっていたようだったけれど、

いつ、そんなことを考えたのかと

尋ねました。

ラティルは、

即座に考えたと答えました。

 

ラティルは、

念のためにと

カルレインに頼んでおいたことが

的を射たので、

嬉しくて顎を上げました。

 

ラティルは、

タッシールほどではないけれど、

自分も策略家だと自慢すると、

カルレインは返答を避け、

ザイシンは、

幼い公爵が気の毒だ。

立派に育って欲しいと

話題を変えました。

 

ラティルは、

カルレインの脇腹をつねりながら

立派に育つと思う。

アイニも変わる前は

本当に良い人だった。

前公爵夫人も彼を信頼しているからと

返事をしましたが、

途中で、急に静かになりました。

 

ラティルの言葉に頷いていた

ザイシンは、

どうしたのかと尋ねました。

ラティルは、自分の気持ちを

知られたくなかったので

 

いえ、いえ、ただ何となく・・

 

と適当に言い繕いました。

 

実際、ラティルは、

子供たちを最後まで信じていた

ダガ前公爵と前公爵夫人は

本当にすごいと思いました。

しかし、気分の悪くなるような比較は

しないでおこうと思い、

深呼吸しました。

 

持っているものもあれば

持っていないものもある。

アイニは夫が一人しか

いなかったけれど、

自分には大勢いる。

 

しかし、ラティルは

ザイシンとカルレインを

送り返した後も、

そわそわして、

窓際を行ったり来たりしました。

自分はとても欲張りだと思いました。

◇腕の傷◇

悩んでいたラティルは

ラナムンの所へ行きました。

 

自分を最後まで信じてくれる親を

持つことはできなかったけれど

最後まで子供を信じる親には

なれるはずだと思いながら、

ラナムンの部屋の扉を開けて

中へ入ると、

皇女がカーペットの上で、

亀のように、

うつぶせになっていました。

ラナムンは中腰の姿勢で

その後ろに立ち、

腕を下げていました。

子供を抱き上げるべきか

放っておくべきか

悩んでいるようでした。

 

それを見たラティルは

笑いを吹き出し

何をしているのかと尋ねました。

ラナムンは腕を下げながら、

皇女が少しずつ

ハイハイしそうなのでと、

少し恥ずかしそうな口調で答えました。

ラティルは、

もうハイハイするのかと尋ねました。

ラナムンは、

まだ、あまりハイハイできないけれど

寝返りは打てるようになったと

答えました。

 

どれどれ。

 

ラティルは、

ラナムンの横に行って

皇女を見下ろしました。

皇女は網にかかった亀のように

ずっと手足だけを

かき回していました。

ラティルの目には、

這っているのではなく、

ただ地面で泳いでいるように

見えたので、

これで這っているのかと、

当惑して尋ねました。

ラナムンは、

こうしているうちに、

ハイハイするようになると

乳母から聞いたと答えました。

 

ラティルは、

あの状態で息ができるのかと

心配しました。

ラナムンは、

ずっと見守っているからと

返事をすると、突然、皇女が

 

ウウウウ!

 

と声を上げました。

ラティルは、

何か言っているみたいだけれど

何て言っているのかと尋ねました。

ラナムンは、

自分も分からないけれど、

たまに、あのように

声を上げると答えました。

 

ラティルは子象のように

唸る皇女が不思議で、

こっそり近づいて

彼女を見下ろしました。

皇女も、

手足をばたつかせながら、

ラティルを見上げました。

ラナムンにそっくりな顔は、

まるで赤ちゃんの天使のように

見えました。

皇女の額の模様のせいで、

ラティルは赤ちゃんを嫌ったけれど、

その模様でさえ、客観的に見ると

神秘的に感じられました。

 

赤ちゃん。

 

ウー!

 

赤ちゃん。

今、ハイハイするつもりなの?

 

キャッ!

 

ラティルは

子供を抱き上げようとして、

そっと手を差し出すと、

赤ちゃんは、

キャッキャっと笑って

両手をバタバタさせました。

ラティルは皇女を抱き上げると、

慎重に肩にもたれさせました。

今よりも小さい時とは違い、

首に少し力が出て来たのか、

皇女は自分で

ラティルの肩にもたれました。

赤ちゃんから、

粉ミルクの匂いがしました。

 

皇女。 皇女、私の皇女。

 

と呼びかけながら、

ラティルが背中を軽く叩くと、

皇女は、

また「キャッ」と叫びました。

ラティルは、

 

お母様って言ってみて。

お母様。

 

とお願いすると、皇女は、

 

オッ!

 

と、突然、発音が違う言葉を

叫んだので、

ラティルは驚いてラナムンを見ました。

 

聞いた?ラナムン?

お母様だって!

 

ラナムンは

何を言っているのかというように

笑うと、

まだ、皇女は話せないと言いました。

ラティルは、

いつになったら話せるのかと

尋ねると、ラナムンは、

自分に似ていたら

早く話せるようになるけれど、

皇帝に似ていれば・・・

と言葉を濁しました。

ラティルは、

自分も早く話し始めたと主張すると

ラナムンは、

それなら、心配ないだろうと

返事をしました。

 

ラティルは、

この子はラナムンよりも

性格が良さそうに見えると言うと

ラナムンは、

皇帝よりも性格が良さそうに見えると

言い返しました。

ラティルは赤ん坊を抱きかかえて

ぐるっと見渡しました。

赤ちゃんの

キャッキャッという笑い声を聞くと、

ラティルの口元が自然に開きました。

 

ラナムンは、

皇帝が頻繁に来なくても

皇帝が自分の母親であることは

分かっているようだと言いました。

ラティルは同意すると、

ラナムンが父親であることは

分かっているのかと尋ねました。

 

ラナムンは、

もちろんだと答えると、

 

ご覧になりますか?

 

と尋ねながら、

意気揚々とラティルに近づき、

赤ちゃんに向かって腕を広げると、

驚くべきことに皇女は

すぐにラティルの顔を押し退けて

ラナムンの方へ行こうと

腕をばたつかせました。

 

わあ、すぐに行こうとするね。

 

ラティルは、

残念だけれど仕方がないと思いながら

ラナムンに赤ちゃんを渡している途中

彼の手の甲に再び傷を発見しました。

 

今回、ラナムンは、

赤ちゃんに気をとられていたので

ラティルの視線に気づきませんでした。

ラティルは、

ラナムンが赤ちゃんを抱いて

あやしているのを見ているうちに、

我慢できなくなり、

その手の甲の傷は何かと

ラナムンに尋ねました。

 

ラナムンは、

ようやく、しまったと思って

素早く袖を下ろすと、

子どもの面倒を見ていると、

たまに、こうなると答えました。

しかし、ラティルは、

どんな面倒を見れば、

手の甲に切り傷ができるのかと

問い詰めました。

ラナムンは、

なぜか、こうなるけれど、

気にするほどのことではないと

答えました。

 

ラティルは、

前にも怪我をしていたことを

指摘すると、ラナムンは

一日や二日で傷は治らないと

言い訳をしました。

しかし、ラティルは、

ザイシンに見せれば

全部治療してくれると思うと

言うと、ラナムンは、

ザイシンには、

よく見てもらっていると

返事をしました。

しかし、ラティルは、

ザイシンに、

よく見てもらっているのに

傷があるということは、

ずっと新しい傷が、

でき続けているのではないかと

指摘しました。

 

すると、笑っていたラナムンの表情が

だんだん強張っていき、最後には、

全く返事をしなくなりました。

見るに見かねたラティルが

もっと何かを聞こうとした瞬間、

袖の辺りで

ヒリヒリする痛みを感じました。

何かと思って袖をまくり上げると、

腕を切ったような感覚が

さらに強くなりました。

ラティルは眉を顰めて、

袖を引きちぎりました。

袖の中には刃がありました。

 

これは何?

 

ラティルは刃を手に取り、

ラナムンを見ました。

彼は黙って視線を落としました。

 

ラナムン?まさか。これ・・・

 

ラティルは

刃をテーブルの上に置くと、

ラナムンの手の甲を

引き寄せました。

手の甲にできた多くの傷は

やはり刃に切られたような

傷でした。

 

この子がやったの?

 

ラティルが鋭く尋ねると、

ラナムンは手を戻しながら、

この子ではなく皇女だと

訂正しました。

ラティルは、

いつから、こうだったのかと

問い詰めましたが、

彼は返事をしませんでした。

 

ラティルは、

昨日も、こうだったのかと

問い詰めました。

赤ちゃんはわけが分からず、

一人で笑ってばかりいました。

ラナムンは、

赤ん坊を少し強く抱き締めると、

まだ赤ちゃんなので、

力の調節ができないようだ。

もう少し大きくなったら

教えることができるはずだと

弁解しました。

しかし、ラティルは、

そんなことを言っているけれど、

もっと危険になるかもしれないと

反論しました。

しかし、ラナムンは、

皇女が意図して、

やっているわけではないと

弁解しました。

 

ラティルは、

意図したことではなくても、

ラナムンの手は

傷だらけではないかと言うと、

彼の腕を確認するために、

ひとまずラナムンから赤ちゃんを奪い

ゆりかごに入れようとしました。

しかし、ラナムンは赤ちゃんを庇って

さっとラティルに背を向けると、

まだ赤ちゃんだからと、

無愛想に訴えました。

彼が警戒しているのを見ると、

ラティルが怒って

赤ちゃんを奪っていくのではないかと

心配しているようでした。

 

呆れたラティルは、

子供を害するつもりはない。

ただ、ラナムンの腕を

見ようとしているだけだと、

落ち着いて説明すると

ラナムンは、

腕も似たような状態だと

渋々答えました。

 

ラティルが歯ぎしりをすると、

赤ちゃんは笑うのを止めて

ラティルを見つめました。

皇女は何も知らない顔で

ぼーっとしたまま

ラティルを見ていました。

 

ラティルは

赤ちゃんを降ろそうとしない

ラナムンを見ていましたが、

怒りが込み上げて来たので、

さっと向きを変えると

部屋を出て行きました。

◇サーナット卿の提案◇

執務室に戻ったラティルは、

自分は良い親にも良い子供にも

なれないようだと嘆くと、

書類を見ようとしましたが、

そうすることができませんでした。

 

サーナット卿は、

ラナムンが言ったように、

時が経てば良くなるだろうと

慰めの言葉をかけましたが、

全く効果がありませんでした。

 

サーナット卿は、

赤ちゃんの真似をする大人と

本物の赤ちゃんの区別はつく。

特に、乳母は

赤ちゃんを2人も育てたのだからと

ラティルを宥めましたが、

彼女は、

分かっているけれども鳥肌が立つ。

でも、自分がそんなことになっては

いけないから腹が立つと

打ち明けました。

 

赤ちゃんは、あの能力を、

もっと恐ろしいことに

使うことができたはずなのに、

そうしなかったということを

ラティルは、

頭では分かっていました。

もし、そんなことになっていれば、

ラナムンが隠そうとしても、

ザイシンが

話してくれたはずだからでした。

 

ラティルは、

自分の父は自分のせいで自決した。

自分も皇女に、

今のように接していたら、

後で、皇女も、

自分のせいで死にたくなるかも

しれないと、

ため息をつきながら呟いた後、

口をつぐみました。

 

私ったらおかしい。

なんでこの話を!

 

今、言ったことは、

ラティルが、自らも否定しながら

誰にも言わないようにしてきた

話でした。

しかし、サーナット卿は

すでに全部聞いて、

目を大きく見開きました。

 

サーナット卿は、

そんな風に考えてはいけない。

先皇帝が自決したのは

先皇帝の選択であり、

皇帝のせいではないと、

早口で言いました。

しかし、ラティルは書類をかき回して

急に働こうとしました。

サーナット卿の視線は感じられましたが

ラティルはそちらを

見向きもしませんでした。

それから、ラティルは

バタンと音を立てて書類を伏せると

急いで立ち上がりました。

 

サーナット卿は、

どうしたのかと尋ねました。

ラティルは、前にシピサが

自分と一緒に

遊びに行きたがっていたので、

また、約束しなければならないと

答えました。

 

ラティルが

突然、そんなことを言い出したので

サーナット卿は驚きましたが、

ラティルは、

シピサは自分の前世の子供なので、

彼の面倒をよく見ていれば

また家族に対する勇気が

出て来そうな気がすると話しました。

 

家族と口にしたことで、

レアンのことが

思い浮かんだものの、

彼のことはしばらく後ろへ追いやり、

ラティルは脱いだ上着

また羽織りました。

 

サーナット卿は、

ラティルが楽に服を着られるように

手を添えながら、

今日、すぐに

出かけるつもりなのかと尋ねました。

ラティルは、

都合が合えば、そうするけれど

なぜ、そんなことを聞くのかと

尋ねました。

するとサーナット卿は、

2日後の祭りに

行ってみたらどうかと提案しました。

 

ラティルは服を着終えると、

サーナット卿を見つめながら、

この時期に祭りがあったのかと

尋ねました。

大きな祭りがあれば、

予算の承認をしなければならないので

ラティルが知らないはずは

ありませんでした。

 

サーナット卿は、

大規模なお祭りではなく、

近所の商店街同士で行うお祭りだ。

テーマを決めて料理を作って

いつもより30%安い値段で売ると

説明しました。

 

ラティルは、

サーナット卿が

よく知っていると感心すると、彼は

使用人たちが、そこへ行くと言って

浮かれていたから。

その中の黄色い屋根のお店が

一番美味しいとのことなので、

行ってみたらどうかと勧めました。

 

ラティルは少し感動して、

サーナット卿の

つやつやした靴の先を見ました。

ギルゴールを嫌っているサーナット卿が

彼のために

こんな情報をくれるということは、

やはり、以前の気持ちが

戻って来たようだと思いました。

 

ラティルは、

行ってみて美味しかったら、

次は自分たち二人で行こうと、

躊躇いながら、

消入りそうな声で提案しました。

そして、サーナット卿が答える前に、

さっと背を向けて出て行きました。 

◇食べ物の好み◇

幸いにもシピサは、ラティルの提案を

すぐに受け入れました。

ギルゴールも、

シピサに関することだからなのか、

すぐに受け入れました。

 

二日後の夕方、

ラティルはギルゴールとシピサと共に

サーナット卿が教えてくれた

商店街付近に行ってみました。

 

サーナット卿の言葉のように

大規模な祭りではなかったので、

路地のあちこちに

風船や飾りがあるだけでしたが、

参加する店の前には、

煌めく看板が立てられていて、

口コミを聞いてきた見物人たちが

それぞれの店ごとに

溢れかえっていました。

 

シピサは、

その雰囲気だけでも気に入ったのか、

本当に一緒に来てくれるとは

思わなかったと、

ウキウキした声で呟きました。

ラティルは、

一緒に来ることにしていたではないかと

返事をすると、

ここにもゼリーが売っているだろうかと

呟きました。

 

シピサは、

なくても大丈夫だと返事をしましたが、

ラティルは、

それでも、あればいいねと言って

ギルゴールに同意を求めました。

しかし彼は、シピサとラティルを

交互に見ながら唇を噛んでいて、

彼女の言葉に返事をすることなく、

自分に花を買ってくれないかと

頼みました。

 

ラティルは、

ギルゴールが花を好きなのを

知っているので、

素直に近くの花屋で花束を二つ買って、

ギルゴールとシピサに

一束ずつ渡しました。

 

ギルゴールは、

花束を抱きしめるや否や、

花びらをかじって食べながら

顔を赤くしました。

それなりに嬉しいという表れなのかと

ラティルは考えました。

 

シピサは花束を抱いて香りを嗅ぎ、

ギルゴールを嫌そうな目で見つめると

父親はヤギなのか。

皇帝がくれたものなのだから、

食べるのは止めてと抗議しました。

しかし、ギルゴールは

息子にけなされても、

嬉しそうに花びらを口にくわえながら

自分はプレゼントしてもらった花を

全部、自分のお腹の中に保管する。

しかし、シピサがもらった花は

数日後には枯れるだろう。

どちらの方が

プレゼントを大切にしていると思うかと

質問を投げかけました。

 

ラティルは、

大事な子供と、

そんなことで言い争うなと

ギルゴールに注意すると、

しきりに花束を巡って喧嘩する

父子を連れて、

サーナット卿が推薦してくれた

黄色い屋根の店を訪ねて入りました。

幸運なことに、

ちょうど一つのグループが

席を立ったところだったので、

ラティルたちは、

その席に座ることができました。

 

店の従業員は、

ラティル一行が座るや否や、

注文を聞くこともなく、

油がだらだら垂れている

揚げたソーセージ3皿を

置いて行きました。

 

ラティルは、

今日は、メニューが

これ一つだけみたいだと呟くと、

ギルゴールに、

花を食べるのは止めて、

これを食べるようにと勧めました。

 

ギルゴールは、

なぜ、自分の食習慣のことで、

文句を言うのか。

自分は二人が何を食べても

気にしないとぼやくと、ラティルは、

誰もギルゴールのように

変な物を食べないからと言うと、

ギルゴールは、

変だという基準は何なのかと

尋ねました。

ラティルは、

ギルゴールだと答えました。

 

彼は魂が抜けたような表情をし、

シピサは息を殺して笑いました。

ギルゴールはシピサが笑うと

表情を緩めて頭を下げました。

 

ところが、なんだかんだと

3人で話しながら

食事をしていると、

どこからか「サーナット」という

言葉が聞こえて来たので、

すぐにラティルの注意を引きました。

 

彼女はソーセージを

ナイフで刻みながら、

声のする方をチラッと見ました。

五人の見知らぬ男女が話をしていて

そのうちの一人が、

礼服を燃やしたのはもったいなかったと

言いました。

 

礼服?

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

かつて、大神官の命を奪おうとしていた

カルレインが、大神官をおぶろうとし、

それを遠慮する大神官とのやり取りに

ほっこりしました。

アリタルが堕落したことで、

大神官に運命で結びつけられた

騎士はいなくなりましたが、

もしも、アリタルが堕落しなかったら

巡り巡ってザイシンの騎士に

カルレインがなったかもなんて

考えていたら、楽しくなりました。

二人は生まれた時代も違うし、

アリタルが堕落しなければ、

ずっと彼女の血筋から

大神官が出たでしょうから

ザイシンが

大神官になることは

なかったかもしれないし、

カルレインも、別の大神官の

騎士になったと思いますが、

時代を経て、大神官と騎士が

同じ屋根の下に暮らすようになったのも

運命なのではないかと思いました。

 

ラティルは皇女に鳥肌が立つと

思った時、

娘がロードかもしれないと

レアンに聞かされた先帝も、

鳥肌が立ったのではないかと

考えたのかもしれません。

けれども、先帝は

娘を愛していたけれど、

ラティルは、

まだ、そこまで至っていません。

ラティルは父親よりも残酷なことを

娘にしてしまうのではないかと

恐怖を感じているのかもしれないと

思いました。

 

ラナムンとギルゴールの

子供への愛は、

ひたむきで純粋だと思います。

シピサも、少しずつ、ギルゴールを

受け入れられるようになり

喧嘩までできるようになったのは

凄い成長だと思います。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain