泣いてみろ、乞うてもいい-ネタバレ ノベル 81話~90話
90話 レイラはマティアスに、洋装店へ連れて行かれました。 見る人を混乱させる二人の客の姿に 戸惑ったのもつかの間。 洋装店の主人は、 すぐに華やかな笑みを取り戻しました。 地位が高くて裕福そうな男は、 自分のコートに包まれた小さな女性を エスコー…
89話 マティアスの出張先で、レイラは彼と一緒に過ごしています。 あの目を初めて見た日の記憶が 今、公爵の顔の上に蘇りました。 再び不思議な気分になって 視線を避けましたが、彼は素直に レイラを離しませんでした。 大きな両手が顔を包み込むと 怯えた…
88話 レイラはマティアスとソファーの間に閉じ込められてしまいました。 なぜ、いつも 一番隠したい情けない気持ちが この男にばれてしまうのか。 レイラは泣きたい気持ちで、 逃れる術のない公爵の視線に 向き合いました。 先に話そうかと考えましたが 止め…
87話 レイラはマティアスが脅迫したと主張していますが・・・ マティアスは、 「あっ、あれ」と 大したことがなさそうに言い返すと 今回は、もう少し力を入れて レイラの頬を包み込み、 あれを脅迫とは言えないと 否定しました。 レイラは、 あれが脅迫でな…
86話 レイラはマティアスに飽きられたと思い安心していますが・・・ 少なくとも、 四日はかかると予想していた日程は 一日早く終わりました。 マーク・エバースは 疲れたため息をつきながら、 ホテルのロビーの ホールに置かれた椅子に 深くもたれかかりまし…
85話 マティアスはレイラが帰って来るのを待っています。 マーク・エバースは少し困惑しながら 主人の後を追いました。 侍従から随行人になるまで 長い間、 アルビスで働いて来ましたが、 とても重要な、 皇太子夫妻を迎える晩餐会を 控えているのに、 まる…
84話 皇太子夫妻がアルビスを訪れています。 グレバー先生の家は、 町から少し離れた所にありました。 レイラは、市内で買った花束と 去年の夏に、 アルビスで摘んだ果物で作った ジャムを持って、 グレバー先生の家を訪れました。 レイラを迎えたグレバー先…
83話 クロディーヌはマリーに謝りました。 鏡の中で目が合ったメイドに向かって クロディーヌは、 淡々と謝罪の言葉をかけました。 メイドはびっくりして 持っていた櫛を下ろすと、 そんなことを言わないで欲しい。 すべて自分が うまく立ち回らなかったせい…
82話 マティアスはタオルでレイラの体を拭きました。 マティアスは、 きれいに拭いたレイラのそばに 横になりました。 熱が冷めるほど 時間が経ったにもかかわらず、 依然として赤く染まっている 小さな体がきれいでした。 布団をかけてあげようとして 気が…
81話 レイラはマティアスに早く終わらせてと言いました。 マティアスは、レイラの髪を わしづかみにしている手に 力を入れました。 このまま揺さぶり、首を捻ってでも 目を自分の方へ向けさせ、 踏みつけて泣かせ、 いや、捨てたいと思いました。 しかし、そ…