自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 84話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 今になってムカつくビョルン

 

84話 いよいよ王家の人々がやって来ました。

 

男性たちが集まっている書斎から

追い出された

クリスティアン王子が

むっとした顔で戻って来ました。

やはりそうだと思ったかのように

笑った王妃は、

テーブルの一番端の席を

目で差しました。

そこは、できる限りおとなしく

お茶を飲んでいる

クレタ姫の隣の席でした。

末っ子と一緒に、ティータイムを

楽しむ羽目になったのが不満なのか

彼はため息をつきながらも、

素直に母親の命令に従いました。

 

エルナは好奇心に満ちた視線で、

ドナイスタ一族を見回しました。

声を低くして会話をしている

王妃とルイーゼ王女。

乳母が世話をしている

ルイーゼ姫の年子兄妹。

依然として

子供扱いされることに

ひどく怒っている

クリスティアン王子と、

ひたすら楽しんでいるクレタ姫。

互いの顔が少しずつ似ている姿は

色は少しずつ違っても、

一つの糸に通されているビーズのようで

向かい合って笑っている

王妃とルイーゼを

じっと見つめていたエルナは

ふと虚無感に襲われ、

視線を落としました。

誰とも似ていないのは

自分だけだと思うと、

少し寂しくなり、

ふと、自分とよく似ていると言われた

祖母のことが恋しくなりました。

 

そして、エルナは、

訳もなく茶碗の模様だけを

見つめていましたが、

「そんなことをしてはいけない」と

言って、

いつの間にかそばに近づいて来ていた

乳母の声に驚いて首を傾げました。

ルイーゼの幼い娘が

エルナのドレスの裾をつかんで

立っていました。

きらめく金糸とレース装飾が

不思議なようでした。

 

エルナは、

大丈夫だから

そのままにしておいてと

笑顔で乳母に話しました。

目をきょろきょろさせて

顔色を窺っていた子供は、

ようやく、きゃっきゃっと笑いました。

ハイネ公爵に

よく似ていると思いましたが、

笑った顔は、

間違いなく母親に似ていて、

そのためか、ふとビョルンのことが

思い浮かびました。

 

エルナは、

小さくてふっくらとした手と

桃色の頬、

リボンをきれいに結んだ細い髪の毛を

不思議そうに眺めました。

エルナは、赤ちゃんと、

こんなに近くで接したのは

初めてでした。

どう接したらいいか分からなくて

緊張しているエルナとは違って、

子供はニコニコしながら

気兼ねなく、エルナのスカートを

いじっていました。

そして、エルナは

再び子供と目が合うと、

ぎこちない笑みを浮かべながら

手を振りました。

大きな目をパチパチさせながら

エルナを見ていた子供も

もみじのような手を振ってくれました。

エルナの笑顔は、いつの間にか

子供のように明るくなっていました。

 

エルナのドレスの裾で

思う存分遊んだ子供は

せがむように

エルナの手を引っ張り始めました。

もう一方の手は、

向こうにあるシュロの木を

指していました。

 

静かに立ち上がったエルナは、

子供と一緒に

ガーデンルームを歩きました。

扇子をたたんで握っていた王妃は

興味深い目でその光景を見守りました。

一歩遅れて自分の娘が

誰と何をしているのかに

気づいたルイーゼは、

眉をひそめながら

乳母を呼ぼうとしました。

しかし、王妃は、

その必要はないと言って、

娘を引き止めました。

 

その間、エルナは子供と一緒に

シュロの前に立ちました。

嬉しそうにはしゃぐ子供の話に

耳を傾けるエルナの真摯な態度に

王妃は微笑みました。

 

ルイーゼは、

いったい、なぜそんなに

母親が大公妃に寛大なのか、

さっぱり分からないと、不満そうに

ぶつぶつ文句を言いました。

王妃は、

そうしてはいけない理由でもあるのかと

尋ねましたが、ルイーゼは、

そんなことはないと答えると、

喉元まで出かかった

グレディスの名前を飲み込み、

口を固く閉ざしました。

 

エルナは、これ見よがしに

子供を抱きかかえていました。

これまで何度となく、

子供たちに会いながらも、

よそよそしくしていたエルナが

母親によく見られたくて

心にもないことをする姿が

憎らしいと思いました。

 

エルナは子供を抱いて

ガーデンルームを

ゆっくりと一周し、

ティーテーブルに戻りました。

まるで注目されていることを

知らなかったとばかりに

恥ずかしそうに笑う顔が

かましいと

ルイーゼは思いました。

 

乳母を通して渡された娘を

膝の上に座らせたルイーゼは、

大公妃が、こんなに子供を

好きだとは知らなかった。

将来、とても立派な母親になると

尖った言葉を投げかけました。

ちょうど自分の席に座った

エルナの瞳が小さく揺れました。

 

それから、ルイーゼは、

話が出たついでに聞くけれど、

まだ妊娠の知らせはないのかと

尋ねました。

王妃は、

まだ新婚だからと、

エルナを庇いましたが、ルイーゼは

グレディスは、

新婚旅行から帰って来るや否や

おめでたい知らせを伝えたと

口にすると、

雰囲気が一瞬にして凍りつきました。

一歩遅れて、

失言をしたという事実に

気づいたルイーゼも、

ビクビクしながら

エルナの顔色を窺いました。

再び大公妃を庇う母親のことが

残念で、

つい一線を越えてしまったのでした。

 

王妃は低く沈んだ声で、

ルイーゼが

失礼なことを言ったことを咎め

エルナに謝れと促しました。

ルイーゼは泣き面をしても、

王妃は厳しい表情を

変えませんでした。

 

雑談を止めたまま

顔色を窺っていた

クリスティアンクレタ

あんな表情の母親には

決して太刀打ちできないことを、

知っていたので、

同時に小さなため息をつきました。

ルイーゼもそうだったので、

彼女は屈辱感で

しわくちゃになった顔で

自分は過ちを犯した。

どうか許して欲しいと

渋々謝りました。

 

エルナは当惑し、

首を横に振りながら、

自分は大丈夫だと返事をしました。

ルイーゼは、

自分を哀願するように見つめる

エルナの目に向き合うと、

理解してくれたことにお礼を言い、

ようやく笑顔を見せました。

そして、王妃も、

優しいけれど力のこもった声で

ルイーゼの無礼を改めて詫びて、

その状況を収めました。

 

呆れたように

母親を見ていたルイーゼの顔が

赤く熱くなった頃、

書斎の仕事がまもなく終わるという

伝言が届きました。

家族の和やかな晩餐会が

始まる時間でした。

確かに父親も

気持ちが変わったようだと

淡々と言うレオニードの声の後に、

ビリヤード台の上を転がる

ボールの音が続きました。

ビョルンは目を細めて、

やや角度がずれているような

象牙のボールの軌跡を調べました。

予想通り、6連続得点は

不発に終わりました。

 

父親は、あの読書台を

寝室に置いて使っていると

レオニードは、

あまり残念そうではない顔で

話し続けました。

十分な点差を広げた者の

余裕のようでした。

 

読書台?と聞き返したビョルンは、

キューの端に

チョークを塗りながら

ニヤリと笑いました。

とんでもない物だと

思っていたけれど、

新婚旅行で妻が買ってきた

プレゼントは

意外と反応が悪くありませんでした。

母親も、晩餐会の時に、

花ばさみを大切に使っていると、

エルナを、褒めてくれました。

多分に意図的な

褒め言葉のようでしたが、

とにかくエルナが大喜びしたので、

それで良かったと思いました。

 

レチェンの国王は意外と優しいと

言うと、ビョルンは

ビリヤード台の左側に近づき、

身を屈めて、

鋭い眼差しでボールを狙いました。

キューの先に当たったボールは、

完璧な反射角を描いて、

点数を出しました。

 

満足そうな笑みを浮かべた

ビョルンは、置いておいた葉巻を

再び唇に持って行きました。

煙の向こうで

真剣な顔をしたレオニードは

大公妃はいい人みたいだ。

ハルディさんが嫌いだと、

きっぱり言った、

あの皇太子殿下は

どこへ行ったのかと聞くと、

ビョルンは、

あの時はそう思った。大公妃が、

どんな人か知らなかったからと

返事をしました。

 

レオニードは、

見解を訂正したのは良かったけれど、

どうして急に、

照れくさいことを言うのかと

尋ねました。

 

ビョルンは、

ブランデーを一口飲んだ後、

再びキューを取りました。

少なからず

酒を飲んだにもかかわらず、

全然酔っていないビョルンは

相次いで4点をあげ、

レオニードとの点差を縮めて来ました。

 

外した眼鏡を

テーブルの上に置いたレオニードは

ビョルンを見つめました。

 

大公妃は、夫のために

最善を尽くしていました。

悲運の皇太子妃グレディスを

一つの神話として信奉する人々は

努めて彼女を

無視しているようでしたが、

そのような偏見を捨てれば、

他人の目にも明らかなほど、

エルナは真摯に努力していました。

だから、心配すべきなのは、

むしろ無関心な夫である

ビョルンの方かもしれないと

レオニードは思いました。

 

自分の番が来ると、レオニードは

再びビリヤード台の前に

近づきました。

落ち着いてキューを握った彼は、

相次いで3点を出して

勝利を手にしました。

ビョルンは、

特に悔しがる様子を見せずに

敗北を受け入れました。

レオニードは、

勝負に対する執着が大きいけれど、

ビョルンは、

自分に有利でないゲームには

無頓着でした。

 

レオニードは、

外しておいた眼鏡をかけながら、

ビョルンは、

良い妻を得たのだから、

ビョルンも

良い夫になってみたらどうかと

提案しました。

その言葉に、ビョルンの眉間が

しわくちゃになりました。

 

彼は、

その良い奥さんが待っている夫を、

こんな時間まで、

ビリヤード室に拘束した人が

言うことではないと思うと言って、

葉巻の煙を吐き出しました。

 

一瞬、たじろいだレオニードは

小さくため息をつきながら

テーブルの向かい側に座りました。

ビリヤードを勧めたのは

レオニードでしたが、

それは、2日後に開かれる博覧会の

開幕式で会う他国の王族たちと

彼らが持ってくる懸案に関する話を

交わすためでした。

ビリヤード台で、

主要な事案を議論してきたのは、

彼ら兄弟の

長年の習慣だったからでした。

 

もう終わったから帰れと言う

レオニードに、ビョルンは、

まだ、酒が、

残っているのではないかと言って

空になったばかりのグラスを

満たしました。

そら笑いをしながら

首を横に振ったレオニードは、

冷たい水で喉を潤しました。

ビョルンは、一口飲んだ

ブランデーのグラスを置くと、

ハゲワシたちは意地を張ったので

国債の利率の転換や

有価証券に税金を課したり

しないだろうと言いました。

 

レオニードは、

その代価として何を望んでいるのかと

尋ねました。

ビョルンは、

あちらはレチェンの資金で

財政赤字を解消することが

一番の急務だろう。

見たところ、北部鉄道敷設権を

売りたがっているようだけれど

他の手札を

持ってくるかもしれないし。

まあ、何を与えて何をもらうかは

マクシムとレオニードの仕事だと

答えると、

長くなった灰を払い落とし、

再び、葉巻を口にくわえました。

もはや、

自分の知ったことではないと言うように

気乗りしない様子でした。

 

ビョルンは、

一度、手を引いたことに

再び介入することがないのを

よく知っているレオニードは、

これ以上質問を続けませんでした。

ビョルンが

歴訪で得て来た情報を土台に、

すでに大まかな方向性を

決めているところだからでした。

 

考え込んでいたレオニードは、

急に気になったのだけれど、

その歴訪日程に、

銀行の仕事まで加えたビョルンは、

一体、新婚旅行で、

何をしていたのかと尋ねました。

 

ビョルンは、

全て自分でやったことなので、

干渉しないで欲しいと答えました。

その言葉にレオニードは

何か言おうとしましたが、

ビョルンは、

自分の良い奥さんのことは

誰よりも自分がよく知っていると

より冷たく感じられる口調で

レオニードの言葉を遮り、

そっと微笑みました。

確信に満ちた顔でした。

そしてビョルンは、

実は自分も結構いい夫だと、

いたずらっぽく付け加えると、

しばらく呆然としていた

レオニードは、

笑いを爆発させました。

 

さらに冗談を

言い合っているうちに、

いつのまにか午前0時を過ぎました。

 

ビョルンが、

再びブランデーを注いでいる間

レオニードは、

半分、空になったグラスを

置きました。

その姿に、

パーベル・ロアーの記憶が

重なったビョルンの目つきが

変わりました。

グラスを持ったレオニードは

なぜ、そんな目をしているのかと

尋ねました。

ビョルンは椅子の背もたれに

斜めに寄りかかり、

葉巻の煙を深く吸い込むと、

今になってムカついてきたと答え

クスッと笑いました。

ぼんやりと彼を見ていた

レオニードは、

何を言っているんだ、

おかしな奴だと言うと、

彼のように笑いました。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

ビョルンの良い奥さんのことは

彼よりもレオニードの方が

よく知っているのではないかと

思わず、文句を言いたくなりました。

ビョルンは、エルナが

どのような仕打ちをされているのか

知っているのでしょうか?

ビョルンは、

パーベルのことでムカついていないで

もっとエルナのことを見て欲しいです。

 

yuki様、

いつも楽しみにしていただき

ありがとうございます。

また、82話について

ご指摘ありがとうございます。

82話のカテゴリー分けを

失念しておりましたので、

82話が見つけられず、

申し訳ありませんでした。

 

はてなブログは、

いただいたコメントに対して

返事ができないので、

お礼を申し上げるのが

遅れてしまいましたが、

ご指摘いただいたおかげで、

カテゴリー分けをすることが

できました。

本当にありがとうございました。

 

yuki様以外の方々からも

多くのコメントをいただき

感謝の気持ちでいっぱいです。

それを励みに頑張ります!

f:id:myuieri:20210206060839j:plain