自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 84話 ネタバレ 原作 あらすじ マンガ 74話 今さらイラつくビョルン

 

84話 いよいよ王家の人々がやって来ました。

 

男たちが集まっている書斎から

追い出された

クリスティアン王子が

むくれた顔で戻って来ました。

そうなると思っていたかのように

笑ったイザベル・デナイスタは、

目で、テーブルの一番端の席を

差しました。

そこは、

精一杯おとなしくお茶を飲んでいる

グレタ姫の隣の席でした。

末っ子の隣で、

お茶を飲むことになった境遇が

気に入らないように、

彼は深くため息をつきながらも、

素直に母親の命令に従いました。

 

結局、元の場所に戻って来た

末の兄をチラッと見たグレタは

澄ました顔で、

ほら、やっぱりそうだと思った。

お兄様はまだ男ではないと

言ったではないかと言いました。

クリスティアンはグレタに

静かにしろと命令しましたが、

グレタは、

淑女にそんな言い方をするのは

正しくないと言い返すと、

ため息をつき、

わざと大人びたふりをして

ティーカップを置きました。

 

クリスティアン

呆れたように鼻で笑い、

お前が一体どんな淑女なのかと

皮肉を言いました。

グレタは、

自分は淑女たちの集まりに

正式に参加している。

紳士の集まりに

足を踏み入れることもできずに

追い出されたお兄様とは

事情が違うと返事をして、

兄を思う存分怒らせると、

再び茶碗を握りました。

優雅な淑女のように見せようと

最善を尽くしていましたが、

まだ確かに幼い少女でした。

本人が、その事実を

全く知らないという点が

特にそうでした。

 

エルナは優しい笑みを浮かべたまま

まだ幼いデナイスタ王家の

二人の兄妹を見守りました。

少しの間も黙っていられなくて

なんやかや言い争っていましたが、

それで、むしろ

兄妹愛が深く感じられました。

 

クッキーをモグモグ食べている

妹を睨んでいたクリスティアン王子は、

なぜ、グレタはすでに

淑女扱いされているのに、

自分は、まだ子供扱いされるのか。

不公平だと、母親に訴えました。

イザベル・デナイスタは

優しく笑いながら、

父親の基準は自分と違うかもしれない。

それぞれの考えがあるからと言って

末息子を宥めました。

 

しかし、クリスティアン

ビョルン兄様とレオニード兄様は

自分より幼い時から、男として

認められていたではないかと

抗議しました。

王妃は、

あの二人を見守って下した

結論ではないかと思うと

返事をしました。

彼女の口調は優しかったけれど、

その言葉には、断固とした意思が

込められていました。

 

王妃は、

もう少し待つように。

大学に入学すれば、

あなたにも資格ができるだろうと

言いました。

クリスティアンは、

「悔しいです」とだだをこねながらも

素直に頷きました。

 

兄をからかう気が萎えたグレタ姫も

静かになると、

ティーテーブルには

再び平穏が訪れました。

 

エルナは好奇心に満ちた目で、

デナイスタ一家を見回しました。

声を低くして会話をしている

王妃とルイーゼ王女。

乳母が世話をしている

ルイーゼ王女の年子の兄妹。

依然として

子供扱いされていることに

ひどく怒っている

クリスティアン王子と、

ひたすら楽しんでいるグレタ姫。

互いの顔が少しずつ似ている姿が

見ていて良いと思いました。

色は少しずつ違っても、

一つの糸に通されている

ビーズのような姿でした。

 

向かい合って笑っている

王妃とルイーゼを

じっと見つめていたエルナは

寂しい気持ちを感じながら、

視線を落としました。

誰とも似ていないのは

自分だけだと思うと、

少し寂しくなり、

突然、祖母が恋しくなりました。

皆が、

孫娘とおばあちゃんは本当に似ていると

言っていました。

 

エルナは、

訳もなく茶碗の模様だけを

見つめていましたが、

「そんなことをしては、

いけませんよ、お嬢様」と

言って、

いつの間にかそばに近づいて来ていた

乳母の声に驚いて首を傾げました。

ルイーゼの幼い娘が

エルナのドレスの裾をつかんで

立っていました。

きらめく金糸とレースの装飾が

不思議なようでした。

 

エルナは、

大丈夫だから

そのままにしておいてと

笑顔で乳母を制止しました。

顔色を窺っていた子供は、

ようやく、

きゃっきゃっと笑いました。

ハイネ公爵に

よく似ていると思いましたが、

笑った顔は、

間違いなく母親に似ていて、

そのためか、ふとビョルンのことが

思い浮かびました。

 

エルナは、

ドレスをいじる

小さくてふっくらとした手と

桃色の頬、

リボンをきれいに結んだ細い髪を

不思議そうに眺めました。

エルナは、赤ちゃんと、

こんなに近くで接したのは

初めてでした。

どう接したらいいか分からなくて

緊張しているエルナとは違って、

子供はニコニコしながら

遠慮なく遊んでいました。

 

再び子供と目が合うと、

エルナは「こんにちは」と挨拶をし

ぎこちない笑みを浮かべながら

手を振りました。

大きな目をパチパチさせながら

エルナを見ていた子供も

もみじのような手を振ってくれました。

エルナの笑顔は、いつの間にか

子供のように明るくなっていました。

 

エルナのドレスの裾で

思う存分遊んだ子供は

せがむように

エルナの手を引っ張り始めました。

もう一方の手は、

向こうにあるシュロの木を

指していました。

 

静かに立ち上がったエルナは、

子供と一緒に

ガーデンルームを歩きました。

扇子をたたんで握り締めた王妃は

興味深そうな目で

その光景を見守りました。

 

一歩遅れて自分の娘が

誰と何をしているのかに気づいた

ルイーゼは、眉をひそめながら

乳母を呼ぼうとしました。

しかし、王妃は、

その必要はないと言って、

娘を制止しました。

 

その間、エルナは子供と一緒に

シュロの前に立ちました。

嬉しそうにはしゃぐ子供の話に

耳を傾けるエルナの真摯な態度に

王妃は微笑みました。

 

ルイーゼは、

いったい、なぜそんなに

母親が大公妃に寛大なのか、

さっぱり分からないと、不満そうに

ぶつぶつ文句を言いました。

王妃は、

そうしてはいけない理由でもあるのかと

尋ねましたが、ルイーゼは、

そうではないけれどと答えると、

喉元まで出かかった

グレディスの名前を飲み込み、

口をつぐみました。

 

エルナは、これ見よがしに

子供を抱きかかえていました。

これまで何度となく、

子供たちに会いながらも、

よそよそしくしていたエルナが

母親によく見られたくて

心にもないことをする姿が

憎らしいと思いました。

 

エルナは子供を抱いて

ガーデンルームを

ゆっくりと一周した後、

ティーテーブルに戻りました。

まるで注目されていることを

知らなかったとばかりに

恥ずかしそうに笑う顔が

かましいと

ルイーゼは思いました。

 

乳母から渡された娘を

膝の上に座らせたルイーゼは、

大公妃が、こんなに子供を

好きだとは知らなかった。

将来、とても立派な母親になると

尖った言葉を投げかけました。

ちょうど自分の席に座った

エルナの瞳が小さく揺れました。

 

それから、ルイーゼは、

話が出たついでに聞くけれど、

まだ妊娠の兆候はないのかと

尋ねました。

 

王妃は、

まだ新婚だからと、

エルナを庇いましたが、ルイーゼは

でも、そういう時期ではないか。

グレディスは、

新婚旅行から戻って来るや否や

おめでたい知らせを伝えたと

話しました。

ルイーゼの口から出た名前が

一瞬にして雰囲気を硬直させました。

まだ世間知らずのグレタまで、

ビクッとして

大公妃の顔色を窺いました。

 

遅れて、失言をしたという事実に

気づいたルイーゼも、

そっと横目で

エルナの顔色を窺いました。

再び大公妃を庇う母親のことが

残念で、

つい一線を越えてしまったのでした。

 

「無礼だ、ルイーゼ」と言う

王妃の低く沈んだ声が

凍りついた空気の中に

染み込みました。

そして、王妃はルイーゼに

エルナに謝れと促しました。

 

ルイーゼが泣き顔になっても、

王妃は厳しい命令を

撤回しませんでした。

 

息を殺したまま、

状況を注視していた

クリスティアンとグレタは、

互いに見つめ合いながら

小さくため息をつきました。

あんな表情の母親には

絶対に太刀打ちできないことを、

デナイスタ王家の子供たちは

よく知っていました。

ルイーゼも、

例外ではありませんでした。

 

彼女は屈辱感で歪んだ顔で

自分はミスを犯した。

どうか許して欲しいと

渋々謝りました。

 

エルナは

慌てて首を横に振りながら、

自分は大丈夫だと返事をしました。

ようやく笑顔を見せました。

 

イザベル・デナイスタも、

穏やかな力のこもった声で

改めてルイーゼの無礼を詫びて、

その状況を収めました。

 

ルイーゼは、

呆れた表情をしていましたが

反論する機会は与えられませんでした。

 

書斎の仕事がまもなく終わるという

伝言が届きました。

家族の和やかな晩餐会が

始まる時間でした。

夕食を終えたビョルンとレオニードは

一緒にビリヤード室に向かいました。

レオニードが先に誘ったゲームでした。

どんな小言を聞かされるか、

大体、見当がつきましたが、

ビョルンは素直に応じました。

 

父親も確かに改心したようだと

淡々と言うレオニードの声の後に、

ビリヤード台の上を転がる

ボールの音が響きました。

ビョルンは目を細めて、

やや角度がずれているような

象牙のボールの軌跡を調べました。

予想通り、6連続得点のチャンスは

失敗に終わりました。

 

父親は、あの読書台を

寝室に置いて使っていると

レオニードは、

あまり残念そうではない顔で

言葉を続けました。

十分な点差を広げた者の

余裕のようでした。

 

「読書台?」と聞き返したビョルンは

キューの先にチョークを塗りながら

クスッと笑いました。

やはりエルナ。

予想通りの小言でした。

 

とんでもない物ばかりだと

思っていたけれど、

新婚旅行で妻が買ってきた

プレゼントは意外と評判が良く、

母親も、夕食の席で、

花ばさみを便利に使っていると、

エルナを褒めてくれました。

明らかにわざとらしい

褒め言葉のように聞こえましたが

とにかくエルナが大喜びしたので、

それで済んだことでした。

 

レチェンの国王は意外と容易いと

言うと、ビョルンは

自分のボールがある

ビリヤード台の左側に近づき、

身を屈めました。

ゆったりとした身振りとは違って

ボールを狙う目つきには、

鋭い刃が立っていました。

 

力を込めて打ったキューの先に

当たったボールは、

完璧な反射角を描きながら動き

得点を挙げました。

 

満足そうな笑みを浮かべた

ビョルンは、

グラスの上に掛けておいた葉巻を

再び唇に持って行きました。

散り散りになった煙の向こうで

真剣な顔をしたレオニードは

大公妃はいい人みたいだと

言いました。

 

ビョルンは、

ハルディさんが嫌いだと、

きっぱり言った、あの皇太子殿下は

どこへ行ったのかと聞くと、

レオニードは、

あの時はそう思った。大公妃が、

どんな人か知らなかったからと

返事をしました。

 

ビョルンは、

見解を訂正したのは良かったけれど、

どうして急に、

照れくさいことを言うのかと尋ねると

ブランデーを一口飲んだ後、

再びキューを握りました。

ビョルンは、

少なからず酒を飲んだにもかかわらず

酔いは全く感じられませんでした。

普段の酒量を考えると、

この程度は食前酒と見なしても

差し支えなく、

それを証明するかのように、

相次いで4点をあげ、

レオニードとの点差を縮めて来ました。

 

外した眼鏡を

首に掛けたレオニードは

より深い眼差して、

ビョルンを見つめました。

 

大公妃は、夫のために

最善を尽くしていました。

その真心のこもった努力の理由が

何なのかを推測するのは

それほど難しくありませんでした。

夫を見つめる目つきだけ見ても

それが分かったからでした。

ビョルンが、どうかいい女性と

出会って欲しいと言う願いは

叶ったと言っても

差し支えないようでした。

問題は

ビョルン側にあるようでしたが。

 

自分の番が来ると、レオニードは

再びビリヤード台の前に

近づきました。

チョークを塗ったキューを

落ち着いて握った彼は、

相次いで3点を出して

勝利を手にしました。

ビョルンは、

特に残念そうな様子を見せずに

敗北を受け入れました。

この双子の兄弟は、

勝負に対する執着が大きいけれど、

最初から、

自分に有利でないゲームには

超然としていました。

 

レオニードは、

再び眼鏡をかけながら、

ビョルンと向かい合いました。

そして、ビョルンは、

良い妻を得たのだから、

ビョルンも

良い夫になってみたらどうかと

提案しました。

 

ビョルンは笑みを浮かべながら、

その良い奥さんが待っている夫を、

こんな時間まで、

ビリヤード室に拘束した人が

言うことではないと思うと言って、

葉巻の煙を吐き出しました。

 

窓際に置かれたテーブルの前に

座ったレオニードは

低いため息をつきながら背を向け

もう終わったから帰れと言いました。

 

肩をすくめたビョルンは、

ビリヤード台の端に置いた

グラスを持って彼のそばに近づき

酒は残っていないかと尋ねると

向かいの席に座り、

呑気な顔でグラスを傾けました。

 

作り笑いをしたレオニードは、

前に置かれた冷たい水で

喉を潤しました。

ビョルンは、まだ言いたいことが

残っているようでした。

それは、高い確率で

公務に関する議論のはずでした。

 

ビョルンは、

ハゲワシたちは

意地を張るのを止めた。

国債利回りや有価証券に課す税金に

手を付けたりしないだろうと

言いました。

彼が空のグラスを下ろす音が

きれいに響き渡りました。

 

レオニードは、

その見返りとして、

何を望んでいるのかと尋ねました。

ビョルンは、

あちらはレチェンの資金で

財政赤字を解消することが

一番の急務だろう。

見たところ、北部鉄道敷設権を

売りたがっているようだけれど

他の手札を

持ってくるかもしれないし。

まあ、何を与えて何をもらうかは

マクシムとレオニードの仕事だと

答えると、

長くなった灰を払い落とした葉巻を

再び、口にくわえました。

もはや、自分の関与するところでは

ないというように、

気乗りしない様子でした。

 

ビョルンは、

一度、手を引いたことに

再び介入することがないのを

よく知っているレオニードは、

これ以上、問い詰めませんでした。

ビョルンが

先の歴訪で得て来た情報を土台に、

すでに大まかな交渉戦略を

立てていたからでした。

 

じっくり考え込んでいた

レオニードは、突然眉を顰めると、

急に気になったのだけれど、

あのハードな歴訪日程に、

銀行の仕事まで加わり、

一体、新婚旅行で、

何をしていたのかと尋ねました。

 

ビョルンは、

全て自分でやったことなので、

干渉しないで欲しいと答えました。

 

レオニードは、

「自分は、お前が・・・」と

言いかけましたが、ビョルンは、

「自分の良い妻はね」と言って

淡々とレオニードの言葉を遮ると

レオニードをじっと見つめながら

「誰よりも自分がよく知っている」

と答えて、さっと微笑みました。

確信に満ちた表情でした。

 

そして、

実は自分も結構いい夫だと、

いけずうずうしく、

とぼけたことを言うビョルンを

見ていたレオニードは、

つい、愛想笑いをしました。

 

いくつかの冗談を交わしているうちに

いつのまにか午前0時を過ぎました。

ビョルンが再び酒を注いでいる間、

レオニードは、

ゆっくりと水を飲みました。

その姿の上に重なる

パーベル・ロアーの記憶が

ビョルンの目つきを深めました。

グラスを持ったレオニードは

素っ気ない態度で、

どうしたのかと尋ねました。

 

ビョルンは椅子の背もたれに

深く寄りかかり、

葉巻の煙を深く吸い込むと、

今更、イラついてきたと答え

クスクス笑いました。

ぼんやりと彼を見ていた

レオニードは、

何を言っているんだ、

狂った奴だと言うと、

結局、同じように笑いました。

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ビョルンの良い奥さんのことは

彼よりもレオニードの方が

よく知っているのではないかと

思わず、文句を言いたくなりました。

ビョルンは、エルナが

どのような仕打ちをされているのか

知っているのでしょうか?

ビョルンは、

パーベルのことでイラついていないで

もっとエルナのことを見て欲しいです。

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