問題な王子様-ネタバレ ノベル 101話~110話
110話 久しぶりにビョルンが帰って来ました。 エルナは、 ぼんやりとした目を瞬かせながら ビョルンを見ました。 その瞳は揺れていました。 ベッドのそばに立ち止まった彼を 注意深く見ていたエルナは ビョルンが、 とても疲れているように見えるけれど 大丈…
109話 ようやく「愛と深淵の名前」が出版されました。 悲鳴に近い泣き声が 国王の執務室いっぱいに 響き渡りました。 座り込んで泣いている娘を 見ているラルス国王は、 何でもいいから、グレディスを 落ち着かせなければならないと 思いながらも、口から出…
108話 エルナの体は、少しずつ落ち着いて来ました。 エルナは、 帽子を造花でごちゃごちゃ飾るのは 滑稽だと思い、 すべての造花を取り除きましたが、 造花が一つも残らないと、 それはそれで見苦しいので 最後に取り除いた造花を 帽子に戻しました。 ずっと…
107話 アルセン公爵夫人の次は・・・ 最近のビョルンは、 一種の挨拶のように 「エルナは?」と 使用人たちに質問するせいで 大公邸のすべての使用人は 大公妃の動線を把握しようと 努めました。 まともに答えられなくても、 問責を受けるわけではありません…
106話 エルナはウォルター・ハルディと絶縁することを承知しました。 バーデン男爵夫人は、 大公邸を訪ねるという手紙を エルナに送りました。 しかし、彼女は、 まだ王室が騒然としているため、 当分の間、 客をもてなすことは難しそうだと 拒絶の返事を送…
105話 エルナは、ビョルンが自分と結婚した理由と、自分が賭けの対象であったことを知っていると、淡々と打ち明けました。 ビョルンは何の返事もすることなく エルナを見つめてばかりいました。 エルナは、 冷たくなった両手を合わせて 揺れる心を落ち着かせ…
104話 ついにウォルター・ハルディは捕まりました。 ウォルター・ハルディは、 まさかビョルン皇子が 妻の父親を警務所に送るなんて、 思ってもいませんでした。 不本意ながら このような騒ぎを起こしたのは 残念でしたが、 そもそもビョルン皇子が 金づるを…
103話 エルナが妊娠していることが分かりましたが・・・ これは、離婚されたって、 何も言えないことではないのか。 自分は恥ずかしくて 顔を上げて歩くことができないと 用事を済ませて戻って来た若いメイドは 泣きべそをかきながら、 使用人の休憩室に駆け…
102話 吐き気を催したエルナをビョルンは抱き抱えて走りました。 力なく座って 窓の外だけを見つめていたエルナは 川の向こうに大公の橋が 見え始めた頃になって、 「どうしてですか?」と 最初の一言を切り出しました。 ドレスは草の汁と土埃に塗れ、 髪は…
101話 エルナは、自分が賭けの対象になった話を聞いてしまいました。 エルナが消えました。 ぐっすり眠っていた女性が 消えた所には、 きちんとたたんだ毛布と 飴の入った紙袋だけが ぽつんと残っていました。 ビョルンは、その場に座って エルナを待ちまし…