自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 123話 ネタバレ 原作 あらすじ 病身のような体たらくな男

 

123話 ビョルンは噴水台に座って、馬車が迎えに来るのを待っています。

エルナは帰ってくるだろう。

すでに分かっている事実を

思い出しながら、

ビョルンは、

すでに飽きるほど吸った葉巻を

もう一本取り出しました。

無節操な喫煙は、

死にかけた老人のように

咳をする女性が消えた後に

もう一つの習慣となりました。

 

白く広がる煙の間に

野暮ったいドレスを着て、

この広場を行き来していた

エルナの記憶が浮び上がりました。

 

臆病な田舎の女性は、大抵、

人通りの少ない時間になってから

ようやく姿を現しましたが、

それでも、いつも彼の目に留まり、

彼女に目が行きました。

 

ある日突然、社交界に現れた

「美しい女」は、そのシーズン、

すべての男たちの興味をそそりました。

自分もその一人だったという事実を

ビョルンは喜んで

受け入れることができました。

その情けない賭けに

足を踏み入れたのは、

単に自分のものであるべき掛け金だけが

理由ではないかもしれないと

思いました。

 

社交シーズンの

大人げない、いたずらが

人生を揺るがす波紋を呼び起こした。

避けることはできたが、

喜んで受け入れた。

その程度なら、十分な代価を払ったと

そう信じて来た。

エルナの口から、

実は全部知っていると、

その賭けの話を聞くまでは。

 

一瞬、頭の中が

ぼーっとするような気がしました。

耐え難いほど不安で

いらいらしました。

大したことではないと思っていたし、

自分の口から、

全て打ち明けるつもりでした。

本当に

彼女の全能な神様にでも

なったつもりでした。

 

自分を、

世の中の全てのように思って

従っていた妻が思い浮かぶと、

煙と共に失笑が漏れました。

 

その彼女の視線の中で

生きたかったようだ。

無意味な真実のようなものは

適当に伏せたまま、

エルナが夢見る

まさにその男になって。

 

トロフィー、

グレディスの盾。 赤字の塊。

 

エルナの唇から出てきた言葉が

理性を麻痺させました。

変でした。

今まで妻をそう思ってきたのは  

彼だったのに、

どうしてその言葉に

耐えられなかったのか。  

 

それでも辛うじて守っていた

最後の線は、  

泣きそうな顔をしたエルナが告げた

離婚のその一言で崩れました。

気が狂ったように暴れました。

二度と、

そんな考えをさせないという

強迫観念に

囚われていたようでした。

 

勝利に自信がありました。

子供という

決して負けられない札を

握っていると信じていたから。

結局、こんな風に

逆襲されてしまったけれど。

 

じっと夜空を見つめていた

ビョルンは、

鼻先に残っているような

血と消毒薬の匂いを消すように、

葉巻の煙を深く吸い込みました。

最近になって、度々、

このような幻覚が訪れました。

葉巻を自制することが

難しくなった理由の一つでした。

 

離婚・・・

そんな脅迫をした女が気の毒で

おかしくて、不埒でした。

 

しかし、それでも

エルナ・ドナイスタは彼の妻で

彼女が言うように、これ以上、

以前のような使い方が

できなくなったとしても

同じでした。

彼は、決して彼女が望む方法で

借金を清算する気は

ありませんでした。

 

馬車が来る時間が近づくと、

ビョルンは噴水台から

立ち上がりました。

凍った広場を横切る足音は

いつものように

ゆったりしていました。

白い霜が降りた、田舎の野原の先の

道の端に立っている

人里離れた家が見え始めると、

エルナは足を速めました。

 

ちょうど馬小屋の飼い葉桶を

満たして出てくるところだった

ラルフ・ロイスは、びっくりして

「お嬢様!」と叫びました。

野原に続く垣根の扉を閉めてから、

振り向いたエルナは

にっこりと微笑んで

マントのフードを脱ぎ、

平然と挨拶をしました。

 

こんなに寒いのに、

また朝の散歩に出かけたのかと

ラルフ・ロイスは

空が崩れる光景でも

目撃したような表情で尋ねました。

エルナが

バーデン家に戻って来て以来、

毎朝、繰り返されている

日常の風景でした。

 

落ち着きのない彼から

やっと離れて家に入ると、

グレベ夫人の

大げさな小言が始まりました。

最後に心配そうな目をした

祖母まで安心させた後、

エルナは自分の部屋に

戻ることができました。

 

本を読みながら

しばらく休んだ後、

祖母と一緒に朝食を食べました。

食卓の話題は

もうすぐ初雪が降りそうだとか

グレベ夫人の関節炎など、

平凡な内容で、

シュベリンの話は

全く、言及されませんでした。

自然に生まれた

バーデン家の不文律でした。

 

祖母とクロスワードを解いたり

おしゃべりをしている間に

そろそろ郵便配達員が

訪問する時間になりました。

エルナは厚いウールのショールを

羽織って家を出ました。

この時間に郵便配達員を待つのは

エルナの日課の一つでした。

 

今日あたり、シュベリンから

離婚手続きを知らせる連絡が

来てくれれば良いけれど、

そうでなくても、

大きく傷つくことは

ありませんでした。

すでに彼らの結婚は幕を下ろし、

ビョルンは沈黙することで、

それを受け入れたからでした。

残りの片付けは、

時間の問題に過ぎませんでした。

 

エルナは、

のどかな日差しと冷たい風の中で

バーデン家に続く道を眺めました。

あの道を歩いて故郷に戻って来てから、

いつのまにか1ヵ月が過ぎました。

連絡もなく、

トランク一つを手にして現れた

孫娘を見たバーデン男爵夫人は

衝撃に包まれ、

しばらく言葉を続けることが

できませんでした。

 

ぼんやりと

彼女を見つめていたエルナは、

ようやく祖母への謝罪の言葉を

口にしました。

バーデン男爵夫人は

何も責めることなく

エルナを抱きしめました。

祖母に向き合うと、涙が出そうでしたが

意外にも、

心は落ち着き過ぎるほどでした。

 

「本当にごめんなさい」と

何度も繰り返す孫娘を抱きしめて、

バーデン男爵夫人は

ずっと熱い涙を流しました。

代わりに泣いてくれる祖母がいて、

エルナは安堵しました。

それで十分だと思いました。

 

その日から、しばらくは、

記憶がまともに残っていなくて

数日間、

死んだように深く眠ることだけを

繰り返していたようでした。

ある瞬間からは、

夜と昼の区別すら、

曖昧になりました。

 

その長い眠りから覚めた時、

エルナの世界は

とても単純で明瞭になっていました。

 

エルナは

ポケットから時計を取り出して

時間を確認しました。

今日も郵便馬車

来ないようだけれど、

明日があるから

関係ありませんでした。

 

今日、エルナは

書斎の本をすべて整理した後、

新しい靴下を編む予定でした。

午後には、

シナモンと砂糖をたっぷり入れた

ケーキを焼くのも良さそうでした。

 

そのように決めたエルナが、

玄関の最初の階段を上がった瞬間、

「妃殿下」と

聞き慣れた声が聞こえて来ました。

 

幻聴を消すように頭を振ると

むしろ、その声は

一層鮮明になりました。

エルナは

信じられないと思いながらも

リサの名前を呟きながら

振り返りました。

 

何もない田舎道の向こうから

背の高い娘が走って来ていました。

造花がいっぱい付いた帽子をかぶり、

片手には、

大きなトランクを握っていました。

 

エルナは声を上げて、

リサの名前を呼ぶと

彼女は全力で走り始めました。

トランクは無造作に

投げ捨てられたままでした。

この状況が、到底信じられず、

呆然としている間に

リサはいつのまにか

エルナの目の前まで走って来ました。

真っ赤に燃え上がった顔は

涙でびしょびしょになって

輝いていました。

いきなりエルナの胸に抱かれた

リサの号泣が、

静かな田舎の家の中に

響き渡りました。

日が暮れ始めると、

色とりどりの紋章をつけた馬車が

列をなして、ハーバー家の邸宅の門を

通り過ぎました。

大公を乗せた馬車は、

すでにパーティーの雰囲気が

盛り上がった後になって

ようやくハーバー家に到着しました。

 

その知らせが伝わると、

ハーバー侯爵夫人の顔は

目に見えて明るくなりました。

彼女は慌てて彼に駆け寄り、

本当に来てくれて嬉しいと

感激に満ちた挨拶をしました。

 

ようやくビョルンは

毒キノコの汚名をそそいだけれど

彼が、全レチェンに

愛されていた時代にも、

決して模範的とはいえない

王子だったので、

ハーバー侯爵夫人は、

パーティーの名を高めてくれる

小さな騒動一つくらい、

期待せずにはいられませんでした。

 

彼女は、

その密かな熱望を隠しながら、

大公妃は元気か。

早く健康が回復して

戻ってくればいいのにと、

慈しみ深くて、

大人らしい質問をしました。

 

ビョルンは、

すぐに戻って来ると快く答えました。

安堵感と物足りなさが

入り混じったハーバー侯爵夫人の

目に向き合うと、

自然に笑いがこぼれました。 

大叔母様が、

早く地獄まで人脈を広げて

パーティーを開くことが

できればいいのにと願いながら

ビョルンは、

見慣れた顔でいっぱいのホールを

ゆっくりと横切って行きました。

 

先を争って

彼のそばに集まって来た人々は、

一様に大公妃の安否を

聞いて来ました。

かなり気分を害する質問でしたが、

ビョルンは繰り返し

上手に答えました。

 

葉巻をくわえて

書斎にかかった肖像画の前をうろつく

病身のような体たらくより、

少なくとも、

こちらの方がましだからでした。

だから、ビョルンは、最近、

ほとんどの社交的な集まりの招待に

応じていました。

 

人より先にお世辞を言いたくて、

うずうずしていた

ある伯爵家の女主人は、

二人がハーバー家のパーティー

一緒に踊った時に、

何てお似合いのカップルなのかと

感嘆しながら眺めていたと、

満足そうな顔で言いました。

その言葉にビョルンは

機嫌を損ねましたが、

唇の端を、そっと引き上げる微笑を

浮かべて見せました。

多分にムカつくような状況の中でも

平静を保つ能力を育ててくれた

エルナ・ドナイスタに

深く感謝するところでした。

 

伯爵夫人のお世辞が

かなり成功したと判断したのか、

あの日のエルナは

眩しくて美しかったとか、

皆は、大きな誤解をしていたとか、

淑女の真価を見抜き

愛した王子だとか、

まるで天が結んでくれた

運命のような二人だとか

他の人々もお世辞を言い始めました。

 

黄金のトロフィーを盗んだ泥棒と、

それを口実に賭け金を取ろうとした

賭博師を褒める言葉は煌びやかで

その努力は、

実に涙ぐましいほどでした。

 

遠くから見守っていたレオニードが

そっと近づいて来て

大丈夫かと尋ねました。

ハーバー家のパーティー

嫌っている模範的な王太子

ここに姿を現したのは、

母親が自分のことを心配して、

彼の背中を押したに

違いありませんでした。

 

気後れしたエルナが

一人で立っていたホールの隅の席を

見つめていたビョルンは、

レオニードの方を向くと、

高潔な王太子が、自分のために

泥沼へ足を運んでくれたのだから

レオニードが望む姿になってやると

言いました。

レオニードは、

呆れたように見つめるだけで、

何も言いませんでした。

その沈黙が、さらにビョルンを

苛立たせました。

 

ビョルンは、

何も思いつかないのなら、

例でも挙げてやろうかと提案すると

レオニードは眉を顰め、

どうしてそんなに

過敏に反応するのかと言って

小さなため息をつきました。

そして、母は

ビョルンと大公妃のことを

とても心配している。

父も同様だと話すと、ビョルンは

深く感謝している。

子守唄は乳母に頼むから

心配しないように伝えてと

返事をしました。

 

むやみに喋っていることを

知っているけれど、

ビョルンには、

自らを制御するほどの意志力が

残っていませんでした。

エルナという名前が

まるで引き金にでもなったような

気分でした。

 

ビョルンは、

まだ言いたいことが

たくさん残っているという

顔をしたレオニードの横を通り過ぎて、

社交クラブの酒飲みたちと

合流しました。

レオニードがもう一度

エルナの名前を口にしたら、

どんなことを喋るか

わかりませんでした。

 

パーティーは適度に楽しく退屈で

節制なく飲みながら騒ぐ群れの中で、

ビョルンも普段より

多くの酒を飲みました。

少しずつ酔いが回り始める頃になると

エルナ・ドナイスタが

プレゼントしてくれた忍耐心も

そろそろ限界に達していました。

 

ビョルンは適当な言い訳をして

パーティー会場を抜け出し、

パーティーの喧騒から離れた

邸宅の東側の廊下に入ると

突然、葉巻を切望しました。

それと同時に、

がらんとした廊下の向こうから

あの日のエルナのものと似ている

恐怖が込められた鋭い悲鳴が

聞こえてきました。 

 

放漫なパーティー

人影の少ない邸宅の片隅。 女。

見なくても明らかな状況でした。

安っぽい芝居のような状況が与える

苛立ちと幻滅が、

罵声混じりの長いため息となって

漏れました。

 

そっと閉じていた目を開けた

ビョルンは、

怯えた女性の泣き声が

聞こえ始めた方向へ足を向けました。 

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じっとしていると

エルナのことばかり

考えてしまうから、

仕事に打ち込んだり、

社交クラブに行って、

カードに熱中したり、

社交的な集まりにも顔を出す

情けない男に成り下がったビョルン。

エルナの肖像画の前で

病身のような体たらくになるのが

我慢できないなら、

今すぐにエルナに会いに行き

跪いて、

戻って来てと言えばいいのに、

ビョルンのプライドは

それを許さない。

けれども、バフォードに戻って

元気を取り戻し、

大公妃として過ごした日々に比べて

はるかに気楽で

神経を使わずに生活できるようになり、

毎日、

離婚手続きの書類が届くのを

待っているエルナが、

自発的にビョルンの元へ戻ることは

決してないと思います。

 

本気でビョルンと別れようとしている

エルナと、

離婚する気が全くないビョルンが

どうやって、エルナを取り戻すのか

興味津々です。

 

いつも、たくさんのコメントを

ありがとうございます。

皆様からのコメントを励みに

頑張ります。

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