自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 131話 ネタバレ 原作 あらすじ 終わった愛の領収書

 

131話 ビョルンの言葉を遮った鋭い打撃音とは?

 

「悪い子だ」

ヒリヒリする痛みが広がってから

ビョルンは、

自分の身に起こったことに

気づきました。

 

彼が呆れて

ニヤニヤ笑っている間に、

激しく彼の頬を叩いた

エルナは後ずさりしました。

そして、

ビョルンには愛がないのに、

どうやって愛を

与えることができるのかと

抗議しました。

 

エルナは怒りのせいで

全身がガタガタ震え始めましたが、

屈せずに持ちこたえました。

依然として、取るに足らなくて

つまらないと思われる自分の境遇を

改めて確認するようになった

気分でした。

それが少しも驚くことではないという

事実が、

エルナをより虚しくしました。

 

彼女は、

気が向いた時にだけ可愛がってくれる

ペット扱いをして、

望んでもいない高いプレゼントを

くれるのが愛だと思うなら、

あなたこそ、おかしいと言って、

呆れたように笑いました。

ギャンブルで勝ち取った

王子のトロフィーはもうない。

枯れない、きれいな花も同じ。

今のエルナは

バーデン家の淑女なので、

落ち着いて優雅に。

いつでも、どこでも淑女のように。

たとえ真冬の深夜にパジャマ姿で、

やがて元夫になる男に

向き合っている瞬間でも、

祖母の価値を

守っていかなければならない

義務がありました。

 

自分は人間だと

冷静に放った一言で、エルナは

過去の時間を消し去りました。 

この男の愛を哀願し、

良いことを行うように

投げかけてくれた関心の

一片にも喜び、

一人だけの愛を育てた、

あの、みすぼらしい女は、

もう消えて久しいということが

はっきり、

分かるような気がしました。

 

エルナは、

ビョルンの愛なんていらないので

すぐに、目の前から消えてと

言いました。

赤くなった頬を触っていた

ビョルンは、本気なのかと

失笑するように尋ねました。

 

エルナは端正な姿勢と眼差しで

ビョルンに向き合いました。

当惑と怒り、

それに続く深い幻滅まで消えると

初めて、まともに

彼の姿が目に入りました。

土ぼこりがついた靴と

しわくちゃの服を

じっくりと見たエルナの視線は、

動きが不自然なビョルンの左腕の上で

止まりました。

ハーバー家のパーティーで喧嘩をして

腕を怪我したという話は

事実のようでした。

 

エルナは拳を握りしめながら

視線を上げました。

やつれた顔、もつれた髪、

そして、充血した目。何一つ、

彼らしいものがない姿でした。

 

シュベリンからバフォードまで

随行して来た使用人が一人もなく

このような姿で、いきなり

自分を訪ねて来たという事実が

信じられませんでした。

エルナが知っている

ビョルン·ドナイスタは、

決してこんなことをする人では

ありませんでした。

だから嫌でした。

 

エルナは震える唇に力を入れました。

たとえ愛は終わっても、

エルナは、残りの人生を

良く生きるために、

二度とビョルンに

会いたくありませんでした。

これ以上、

このように利己的で残忍な男に

傷つけられないよう、

心を守ることで生きられそうでした。

 

エルナは、ビョルンの

偉そうな愛なんて必要ない。

これが、どういう意味か

分からないのかと冷たく尋ねました。

そんな妻を

じっと見つめるビョルンの目は

徐々に細くなっていきました。

今、この瞬間の全てが

あまりにもおかしくて、

何を話せばいいのか、

どうしても思いつきませんでした。

ただ、ニヤニヤ笑って

荒い息を吐くことが

ビョルンにできる全てでした。

 

エルナは、

ビョルンが、こんな風に、

ここまでやって来たのは、

この事でビョルンも、ある程度、

傷ついたからではないかと

言いました。

 

ビョルンは、

全ての感情を消した目で

落ち着いて彼女を見下ろしました。

 

エルナは

やはり自分も傷ついたので、

ビョルンの計算法によれば、

誰も損をしていないと思う。

このように一つ一つ計算してみると

自分たちの結婚生活は

かなり公平だったようにも思えると

言いました。

 

ビョルンは、

傷だなんて

勘違いをしないように。

自分は、ただ気になっただけだと

弁解しましたが、

口角を上げて笑うビョルンの顔の上に

奇妙な感情が沸き起こりました。

しかし、その微細な動揺は

しばらくすると、

きれいに姿を消しました。

そして、ゆっくり髪をかき上げた

ビョルンは、

落ち葉のようなカサカサした声で

「離婚しよう」と静かに囁きました。

あれほど望んだ答えを

くれたにもかかわらず、

エルナは黙々と

沈黙を守るだけでした。

 

身震いするエルナを残したまま、

ビョルンは立ち去りました。

壊れそうな音を立てて開いた

納屋の戸が閉まる時まで、

エルナは、

まっすぐに立っているだけでした。

 

ビョルンは躊躇いのない足取りで

バーデン家を去りました。

馬車を待機させておいた所へ

行くまでの間、

彼は一度も振り返りませんでした。

再び客を乗せた駅馬車は、

冬の夜中を走り出しました。

妻を失った狼の

慢性的なイライラが止まりました。

2日間姿を消した王子が

帰ってきた後に起きた

劇的な変化でした。

しかし、使用人たちは、

簡単に緊張を緩めることができず、

王子の顔色を窺っていましたが

1週間が経つと

彼が変わった現実を受け入れました。

しかし、以前のビョルン王子とは

違っていたので、それはそれで、

やきもきしていました。


カレンは、

帳簿を見ているフィツ夫人の顔色を

窺いながら、王子は大公妃に

会いに行って来たのではないかと

声を低くして、慎重に質問しました。

大公邸の使用人の間では、

すでに公然の秘密でしたが

フィツ夫人は、

王子が言及しないことを

むやみに速断することはできないと

答えました。

 

真夜中に消えてしまった王子のせいで

宮殿は大騒ぎになりました。

酒に酔ったビョルンを

一人でシュべリン駅に降ろした御者は、

2日間、猛烈な非難を

受ける羽目になりました。

御者は、

付いて来るなと厳しく命じられたと

言い訳しましたが、これは、

あまりにも重大な問題でした。

もしビョルンが戻って来るのが

半日だけ遅れていたら、

大公が失踪したと

警察に届けたはずでした。

 

明け方に帰って来たビョルンを

見た瞬間、フィツ夫人は、

おそらく彼は

バフォードへ行ってきたのだろうと

推測しました。

ビョルンは

君主として生まれ育った王子でした。

茶目っ気たっぷりで

手を抜くことはあっても、

その場にふさわしい責務は

決して疎かにすることが

ありませんでした。

それは、王冠を下ろして

王室の蕩児を自任した後も、

変わらず続いていました。

そんな王子が犯した衝動的な行動と

めちゃくちゃになった体たらくは

大公妃以外の、いかなる理由でも

説明ができないと思いました。

 

カレンは、

もし、王子が本当に

バーデン家に行ってきたのなら

なぜ、一人で戻って来たのか。

まさか、大公妃は

永遠に戻って来ないと決心したのか。

ようやく名誉を回復したのに、

このまま2度目の離婚でも

することになったら・・・

と心配していると、フィツ夫人は

厳しくカレンの名前を呼ぶことで

不安に襲われているメイドを

叱りました。

 

カレンはギョッとして頭を下げ、

王子のことが、とても心配で

自分でも知らないうちに・・・と

謝罪しました。

 

フィツ夫人は、

その気持ちは理解できるけれど

こういう時こそ、言葉を慎むべきだと

叱りました。

カレンは頬を少し赤らめて

「はい」と返事をしましたが

視線は依然として

苛立たしげに揺れていました。

 

カレンは、

もし、大公妃が、

グレディス王女の件で受けた傷のせいで

帰ってこないのであれば、

自分が使用人を代表して

謝罪の気持ちでも伝えたらどうかと

提案しました。

 

フィツ夫人は、目を伏せたまま

じっくり考え込みました。

この宮殿内も、大公妃にとって

好意的な世界ではなかったことを

知っていました。

フィツ夫人の前では、皆、気をつけて

自重していたけれど、

見えない所で行き交う言葉まで

いちいち統制することは困難でした。

使用人を罰し、押さえつける方法では

この宮殿の真の女主人として

認められることは難しい。

そう考えたフィツ夫人は、

一日も早く大公妃が

真の貴婦人に成長するしかないと

判断しました。

それで、フィツ夫人は

厳しく大公妃に教えました。

しかし、やはりフィツ夫人も

教えることだけに邁進してきた

過去の時間を後悔していました。

 

もう少しエルナの立場で

考えてみたら良かった。

使用人を変えるにしても、

エルナが、

自らの権威を立てられない以上、

同じことが繰り返されるのは

明らかだったので、 それよりは、

王子に対して深い忠誠心を抱いている

今の使用人たちの心を

買った方が良いと判断しましたが

今になって考えてみると、

その忠誠心こそ、大公妃を排斥する

最も大きな理由でした。

結局、王子のためだけの判断をして、

エルナを追い詰めてしまいました。

 

謝罪するのは、

メイド長だけだろうかと

考えながら、フィツ夫人は

静かなため息をついて

席から立ち上がりました。

 

彼女は、

それに付いては、

もう少し考えてみるので、

しばらくは、

大公邸が騒然とならないように

気を配るようにと指示しました。

 

カレンは丁寧に返事をすると

下がりました。

一人残されたフィツ夫人は、

庭に面した窓に近づき、

カーテンを開けました。

窓の向こうに、

冬の朝の風景が広がっていました。

 

あの日、明け方に帰って来た

ビョルンは、

何の説明もしないまま

体を洗って寝ました。

そうして丸一日、過ごした後は、

平凡な日常に戻りました。

もう、酒を飲み過ぎたり、

社交クラブのカードルームに

閉じこもることもなく、

健全と見ていい日々でした。

なぜか、その姿が

より一層危険に見えましたが、

どうしても大公妃のことを

聞くことはできませんでした。

 

しばらく考え込んでいたフィツ夫人は

郵便物を持って執務室を出ました。

明るい朝の光の中、

服を着替えたばかりのビョルンは、

モーニングティーと

新聞が置かれているテーブルの前に

座りました。

窓の向こうに見えるアヴィト川は、

いつの間にか凍りついていました。

メイドたちが下がると、

寝室は深い静寂に陥りました。

無意識のうちに

葉巻の箱を開けたビョルンは

しばらく躊躇った後、

再び蓋を閉めました。

ビョルンは、奇襲的に

バフォードに行って来てから

葉巻を一本も口にしていないし

お酒も同じでした。

 

ゆっくり目を開けたビョルンは、

葉巻の箱の下に置いていた

手紙を開きました。

 

「親愛なる私のビョルン」と

優しい挨拶で始まる手紙は、

一時、この世の全てのように

自分を愛してくれた女が

残したものでした。

 

ビョルンは

すでに全文を暗記している手紙を

じっくり読みました。

何回読んだか分からないくらい

読みました。

 

手紙のどこにも、愛という言葉は

入っていませんでしたが、

言葉と言葉の間の余白さえも

すべて愛であることを

ビョルンは分かりました。

そんな愛が終わりました。

 

その明確な事実を

噛み締めているうちに、

手紙の最後に添えられた

「あなたの妻、エルナ・ドナイスタ」

という署名に視線が届きました。

 

もうすぐ他人になる、その名前を

繰り返し呟いているうちに、

ノックの音が響きました。

フィツ夫人の声が聞こえてくると、

ビョルンは、

終わった愛の領収書のような手紙を

元の位置に戻しました。

 

冷めたお茶を一口飲んでいる間に

フィツ夫人が入って来ました。

彼女がシュベリン宮殿の

財政に関する報告をしている間、

ビョルンは窓越しに広がる

冬のアヴィト川を凝視しました。

凍りついた川の上の残雪を見ると

初雪が降ったその夜の記憶が

浮び上がりました。

 

ビョルンは

シュベリンに戻る列車の中で、

コントロールを失い

感情に振り回されたことに

気づきました。

その結果、離婚となったことに

彼は一層虚しくなりました。

 

フィツ夫人に声を掛けられて

我に返ったビョルンは、

ゆっくりと視線を上げ、

乳母に向き合いました。

彼は、

バフォードへ行って来た。

エルナが離婚を望んでいると

衝動的に話しました。

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事あるごとにニヤニヤするビョルン。

今回のお話を読んで、

もしかしたら、彼のニヤニヤは、

自分の感情を隠したり

誤魔化すための盾であり

自分に有利なように事を運ぶための

武器なのではないかと感じました。

 

ビョルンは、

ルイーゼには諦めろと言われたけれど

バーデン家に来るまでは、

エルナが戻って来ると信じていた。

ところが、自我に目覚めたエルナは

ちょっと言い過ぎではないかと

思うくらい、ビョルンを非難し、

彼は、かなり

戸惑ったのではないかと思います。

それでも、必死に

感情を露わにしないように

していたけれど、

ついに、彼の盾は壊れてしまった。

彼の「離婚しよう」という言葉は

負けを知らない

ビョルン・ドナイスタの

敗北宣言なのだと思います。

 

イライラすることは

なくなったけれど、

カードもやらない、酒も飲まない、

葉巻も吸わないビョルンは

腑抜けの状態。

離婚しようと言ったものの、

まだ未練たらたらで

エルナの愛の込められた手紙を

何度も読み返すビョルンの姿に

泣けてしまいました。

 

ビョルンは、

辛いことがあっても、

誰かに相談することは

なかったでしょうけれど、

エルナの愛を失ったことが

余りにも辛過ぎて、

つい乳母のフィツ夫人に、

恥も外聞も捨てて、

バフォードへ行ったこと。

エルナが離婚したがっていることを

話してしまったのでしょう。

 

ビョルンは、

今まで経験したことのない

どん底にいると思いますが、

もう、これ以上、

落ちることがなければ

あとは浮上するだけ。

 

エルナはビョルンの愛なんて

いらないと言ったけれど、

彼が「離婚しよう」と言った時は

戸惑いを覚えたような気がします。

けれども、

今のままのビョルンの元へ

エルナは帰らない。

彼女の愛を取り戻すためには

ビョルンは、

今までの彼の常識を捨てて

心底、変わる必要があると思います。

 

いつもたくさんのコメントを

ありがとうございます。

はてなブログ

コメントに返信する機能がないので

直接、いただいたコメントに

お礼ができず申し訳ありません。

けれども、皆さまのコメントは

いつも

楽しく読ませていただいています。

そして、私の体へのお気遣いも

本当にありがとうございます。

 

実は、先週の月~水の3日間、

夏休みだったのですが、

今年の暑さが尋常でないせいで

疲労感が半端なく、結構、

グータラ過ごしてしまいました。

疲れている時は、

無理をしないことも大事ですね。

どうぞ皆さまも、お体ご自愛ください。

明日も更新します。

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