自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 754話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ アイニを助けた意外な人

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754話 ラティルはクラインを探すため、アドマルへ入りました。

◇なぜグリフィンは嫌がる?

なぜ、グリフィンは、

ここへ入って来ないのか。

ラティルは勇ましく歩きながらも

不思議に思いました。

 

グリフィンはおせっかいで、

あちこち干渉するのが好きで

好奇心旺盛な鳥なのに、

そんなグリフィンが

ここへ来ようとしないのは、

きっと理由があるはず。

もしかして、ここは

怪物たちにとっても

脅威的に感じられるところなのか。

 

そんなことを考えながら、

ラティルは砂を踏みしめて

歩いていましたが、

しばらく立ち止まって

周囲を見回しました。

見た目は、

ただの砂漠に過ぎませんでした。

 

あちこちに巨大な建築物の残骸が

散らばっているけれど、

グリフィンが、あんなものを

恐がるはずがありませんでした。

 

砂まじりの風が強く吹いてくると、

ラティルの髪が乱れました。

彼女は髪を押さえつけながら

立っていましたが、

再び、歩き始めました。

◇強くなったアイニ◇

クラインは窓枠を飛び越えながら

一番近くにいるマントの背中を

速やかに斬りました。

倒れたマントが、

一歩遅れて、悲鳴を上げました。 

 

バニルは泣きながら

クラインを呼びました。

彼は、すぐにバニルに近づき、

飛びかかろうとするマントを

剣を振り回して押し退けました。

二人目のマントも

後ろに倒れました。

今、バニルが座っている椅子の横には

アイニしかいませんでした。

 

マントは三人いたと思ったけれどと

一瞬、疑問に思いましたが、クラインは

まずバニルを救い出すことに

集中しなければなりませんでした。

しかし、彼がバニルに到達する直前、

じっと立っていたアイニが

さっと剣を抜き、

クラインに向き合いました。

 

きちんと武器を持ったこともないのにと

クラインは鼻で笑って、

アイニの剣を正面から叩きつけました。

しかし、カーンという音とともに、

彼の腕に衝撃が伝わりました。

 

腕が振動して、

反射的に手が少し下がると、

その隙を狙って、アイニの剣が

彼の首を狙って来ました。

 

どうやって?

 

クラインは後ろに避け、

その剣に込められた力を、

自分の剣の刃の上で滑らせることで

防御しました。

アイニは、自分の剣が

クラインの剣の刃の上で滑っていても

落ち着いていました。

剣が完全に

クラインの剣の外に出るや否や、

アイニは剣を捻って、

一気に剣路を変えました。

 

こんなに早く剣が上達したのか?

 

クラインとアイニの剣が

鋭い音を出しながら、

しきりに空中でぶつかり合いました。

バニルは、頭の上で

剣が行ったり来たりすると、

首を縮めました。

 

クソッ!

 

クラインは心の中で

悪口を吐きました。

対抗者だから、

こんなに早く強くなるのか。

それならラナムンも・・・

と考えが乱れた瞬間、

後ろからとてつもなく巨大な

岩のようなものが彼を貫通しました。

 

クラインは血を吐きながら

膝を曲げました。

彼は血を吐き続けながら

首を回しました。

黒いマントを着た老人が

杖を前に差し出していましたが

ゆっくりと下ろしていました。

 

聞きたいことがあったから、

命を奪ってはいけないのにと

アイニが頭の上で

ブツブツ言う声が聞こえて来ました。

バニルは「殿下!」と叫びました。

 

クラインは目の前がかすんで、

気が遠くなりました。

体が傾いていました。

ここはどこだろうと考えました。

◇ラティル vs. アイニ◇

どれくらい歩いたのか。

温度が急激に下がり、

急に寒くなり始めると、

ラティルは両腕を抱えました。

 

夜になりましたが、

無数の星が輝いているおかげで、

前が見えないわけでは

ありませんでした。

しかし、速く歩くのは大変でした。

 

そうしているうちに、

ついにラティルは、遠くない場所に

人工的な光を発見しました。

誰かがランタンを持っているか

壁に吊るしているようでした。

 

あそこに誰かいるのだろうか?

もしかして、クライン?

 

ラティルは良かったと思い、

急いで、そちらへ足を運びました。

しかし、そちらへ近づけば近づくほど

ラティルは何か変だと思いました。

まるで灯火の近くで

風が激しく吹いて

火を揺らしているかのように、時々

灯りが点滅していたからでした。

 

ラティルは、もっと速く歩いていくと、

悲鳴と家具のぶつかる音、

気合を入れた声が聞こえ始めました。

近づくほど音も

大きくなっていきました。

 

それから、さらにラティルが近づくと

壁はあるけれど、

扉と窓のない小さな家が現れました。

光も音も、そこから漏れていました。

中から一度か二度、

閃光が飛び出して来ました。

 

ラティルは腰に差した剣に

ゆっくりと手をかけました。

そして、

中で戦っているのだろうかと呟くと、

すべての音が止まりました。

ラティルは、

それでも剣に手をかけたまま

腰を屈めて進みました。

ラティルは扉の横の壁に張り付いて

事態を把握しようとしました。

 

すでに死んでしまったようだけれど

どうしたらいいのかという

誰かの問いかけに、

なぜ彼がここへ来たのか

調べなければならなかったのにと

責める声を聞いて、

ラティルは目を大きく見開きました。

それは、アイニの声だったからでした。

 

罠はタリウムに仕掛けたのに

なぜアイニがここにいるのかと

驚いていると、

 

この・・・この・・・悪党め!

 

とバニルの声が聞こえて来ました。

ラティルの目は、

さらに大きくなりました。

そして、

皇子の命を奪うなんて天罰が下るという

バニルの叫び声と

彼がすすり泣く声を聞きながら、

ラティルの目は

さらに大きくなりました。

 

クラインが死んだ?

彼は死なないはずではなかったか。

クラインは、

アニャドミスを封印する時に

彼の魂を使ったから、

死ぬことができないのではないかと

考えていると、

天罰は皇子が受けるだろうと

誰だか分からない声が

冷ややかに皮肉りました。

 

バニルは興奮しながら、

皇子ほど頭が切れて

清廉潔白な人はいないと叫び、

彼らを悪魔のような奴らだと

罵りました。

 

ラティルは、

首を素早く横に振りました。

 

クラインは死んだりしない。

理由は分からないけれど、

クラインとバニルが

ここへ来たのは確か。

ところでクラインが死んだら

どうなるのか、

もしかして、封印の方法が

間違っていたのだろうか。

それでクラインが死んだとしたら?

封印する時に魂を使ったから

死なないというのは

確かなのだろうか。

老化しないだけで、

死ぬことはできるのではないか。

 

ラティルは落ち着いて

頭を働かせました。

しかし、バニルが大声を出すほど、

ラティルの頭の中も

冷たく凍りついて行きました。

そうしているうちに、

バタッという音と共に

バニルが静かになった瞬間、

ラティルの思考も止まりました。

 

バニルをどうするかという質問に

アイニは、

砂の中に埋めてしまえばいい。

目が覚めたら死ぬか、

目が覚める前に死ぬかのどちらかだと

答えました。

 

あの皇子はどうすればいいかという

質問に、アイニは、

クライン皇子の魂を

呼び出すことはできないかと

尋ねました。

魂を扱うのは、とても難しいので

普通の黒魔術師には大変だと

答えが返って来ました。

 

黒魔術師は皆、

簡単に魂を扱えると思っていたと

アイニが言うと、

簡単に扱えるのは死体だと

答えが返って来ました。

 

では、あの皇子も

一緒に埋めて欲しいと言うと

ラティルは剣を取り出し、

高く持ち上げました。

 

その後、中からガサガサいう音が

聞こえてきました。

そして、誰かが外へ出てきた瞬間、

すぐにラティルは

持ち上げた剣を打ち下ろしました。

 

血の匂いが四方に広がり、

短い悲鳴が上がりました。

ラティルは肩を斬られた黒魔術師を

片足で蹴飛ばして中に入りました。

 

誰だ?

 

黒いマント姿の黒魔術師たちが

杖を持ち上げて叫びました。

 

ラトラシルです。

 

アイニは驚いた顔もせず

ラティルを見ながら呟きました。

ラティルは、

椅子に縛られたまま気絶している

バニルと、

床に倒れているクラインを

一度ずつ見ると、

片手に剣を、もう片方の手で

短刀を取り出しました。

アイニは無言で剣を持ち上げ、

ラティルに突進しました。

あっという間に

何十回も剣がぶつかり合いました。

黒魔術師たちは、

剣と剣がぶつかる音以外、

誰が誰を突き、

誰が防いでいるのかさえ

まともに区別できませんでした。

しかし、倒れた人と死んだ人の両方が

侵入者とアイニの近くにいたので、

彼らは死体を取りに近づくことが

できませんでした。

 

黒魔術師たちは、

突然現れ、自分たちの主君に

少しも押されずに戦う女を

ちらりと見ました。

自分たちの主君はあの女性を

ラトラシルと呼んだ。

ラトラシルといえば、

タリウムの皇帝ではないか。

ところで、タリウムの皇帝が

なぜ、ここに来ているのか。

タリウム皇帝の側室が

ここに来たことと

関係があるのだろうか。

 

熾烈な剣の対決を

呆然と眺めていた黒いマントの一人が

杖を持ち上げました。

今は、そんなことを

気にしている場合では

ありませんでした。

 

一見、互角に戦っているように

見えましたが、

次第にアイニの表情が硬くなり、

肩の付近から血が滲んでいました、

 

黒魔術師は、皇帝の背後に

小さなダークリーチャーを

吹き飛ばしました。

しかし、素早く飛んでいった

ダークリーチャーは

皇帝の背中に触れる前に

跡形もなく消えました。  

 

あっという間に起こったことに、

黒魔術師は目をパチパチさせ、

自分の杖と皇帝を交互に見ました。

 

別の黒魔術師は

窓からこっそり抜け出して、

扉のそばへ行きました。

そこには肩を斬られた黒魔術師が

気絶していました。

別の黒魔術師は、

その黒魔術師の足をつかんで

引っ張りました。

 

その瞬間、

黒魔術師の頭の上で

ドンという音がすると、

拳が壁を突き破って出て来ました。

黒魔術師は尻もちをつきました。

拳は建物の中に引っ込みましたが、

黒魔術師は立ち上がれず、

窓から頭だけ突き出して

内側を見ました。

自分たちの主君が

椅子に縛られたまま気絶している

青年の頭頂部に小さな短刀を向け、

息を切らしていました。

 

アイニはラティルに、

すぐに消えろ。消えなければ、

この者の命を奪うと言いました。

その姿を見てラティルは笑いながら、

アイニが、彼の命を奪うなら、

自分は誰の命を奪うと思うかの

尋ねました。

 

アイニは、

どうやってラティルが

自分と対等に戦うのかと

聞き返した後、

信じられないと呟きました。

黒魔術師は、

主君が持っていた剣が

床に転がるのを発見しました。

少し目を離した隙に

決着がついたのでした。

 

しかし、驚くべきことは、

対抗者のアイニが

敗北したことではなく、

強力な黒魔術に当たって倒れた

クライン皇子の手が

動いたことでした。

 

家の中にいた黒魔術師も

それに気づいたのか、

苛立たしげにアイニを呼びました。

しかし、アイニは

ラティルに敗れた衝撃で

周りを見回せませんでした。

 

ラトラシルは

自分に勝てないはずなのにと、

アイニはぼんやりと呟きました。

その姿にラティルの理性も

徐々に戻って来ました。

 

先ほど、倒れたクラインを見た瞬間、

とても腹が立って

何も考えられませんでしたが、

アイニがあのように

呆然とした姿を見ると、

ラティルも

徐々に変だという気がしました。

自分はどうやって

アイニに勝ったのか。

剣術の実力は、

元々ラティルの方が

はるかに優れていたけれど、

アリタルが作った運命のために

ラティルは、

ずっとラナムンとアイニに

敗北していました。

ところが、今、ラティルは

彼女と1対1の剣術で勝ちました。

いかなる不運も訪れませんでした。

 

アイニを呼ぶ

黒魔術師の慌てた声に気づいたのは

ラティルが先でした。

ラティルはアイニを警戒しながら

ちらっと目を横に向けると

倒れたクラインが、

アイニの落とした剣をぎゅっと握り、

その剣を支えにして、

ゆっくりと体を起こし始めました。

ラティルは完全に理性を取り戻し、

クラインを呼びました。

 

ようやくアイニも

クラインが再び立ち上がったことに

気づいて、

 

どうやって?

 

と叫びました。

 

黒魔術?

 

と、アイニはラティルを見ながら

叫びました。

クラインは

何が何だか分からないのか

目を丸くして

額をこすり続けました。 

 

ラティルは再び剣を持ち上げ、

アイニを狙いました。

ロードと対抗者の間の

あの忌まわしい運命が

なぜ突然消えたのか分からないけれど

これがチャンスなら

つかまなければなりませんでした。

 

ラティルは剣を手に取り、

まっすぐアイニに向かって

突進しましたが、その瞬間、

あっという間に現れた誰かが

ラティルの剣をつかみ、

アイニを横に投げてしまいました。

 

投げ捨てられたように

窓の外に転がり落ちたアイニは

よろめきながら立ち上がり、

窓の向こうを見ました。

 

彼女の目が大きくなりました。

先程まで、

建物の中にいなかった人物が

もう一人いました。

それは、彼女を救ってくれるなんて

想像もできなかった人物でした。

アイニは、

 

ギルゴール・・・

 

と呟きました。

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普通の黒魔術師にはできない

魂の召喚を、

普通にやってのけるゲスターは

やはり、すごい魔術師なのですね。

その事実をレアンが知っていたら

魂を召喚する、すごい黒魔術師と

か弱くておとなしいゲスターが

結びつかないのも

仕方がないのかもしれません。

 

かつて、国民に愛され慕われていた

皇后だったのに、

今は、その見る影もないアイニ。

対抗者は

悪の権化であるロードを倒した

英雄として知れ渡っているけれど

その実情は、世の中や人々を

平和にすることなど全く考えず、

ただロードを倒すためだけに

執念を燃やし、そのためなら

どんなに悪いことも、汚いことも

できる人なのかもしれません。

客観的にロードと対抗者を見れば

どちらが善で、どちらが悪か

分かるのに、これまで一般の人々は

双方を見比べることができなかったので

ロードが悪で、対抗者が善だという

間違った考えを

擦り込まれ続けて来た。

しかし皇帝であるラティルが

堂々と表立って、次々と怪物を倒し

タリウムだけでなく、他国を救うのを

目の当たりにすることで、

いつか彼女がロードだと分かっても

ロードは悪だという思い込みが

払拭されるのではないかと思います。

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