自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 751話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 心配すべきなのはアクシアン

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751話 アイニがいるのを見て、クラインたちは岩陰に隠れましたが・・・

◇蟻地獄◇

ひとまず隠れたものの、

考えてみると、なぜ自分たちが

隠れなければならないのか

バニルは理解できませんでした。

しかし今になって

岩陰から出るのも、少し変でした。

 

そのように、

どれだけハラハラしていたのか、

クラインは、そっと目だけ出して、

先程、アイニがいた場所を見ました。

そこには誰もいなくて、

砂が舞っているだけでした。

 

行ったようだとクラインは呟くと

屈めていた腰を伸ばしました。

バニルは背中を拳で叩きながら

なぜ隠れたのかと尋ねました。

クラインは、意外だったからと

答えました。

しかし、バニルは

皇子の方が強いのにと反論すると、

アクシアンは首を横に振り、

剣術は皇子の方が強いけれど

アイニ元皇后に関しては、

黒魔術師と関係があるなど

奇妙な噂が多いので

分からないと言いました。

 

一方、クラインは

このテーマを避けたかったので

向こうも宝物を狙っていて

自分たちも宝物を狙っているなら

当然、ぶつからない方がいい。

あの女と自分たちは敵だ。

カリセンでのことを

忘れてしまったのかと

断固として話すと、

アイニがいた所とは

正反対の方向を指差して、

自分たちはそちらへ行こうと

二人を促しました。

 

アクシアンとバニルも

この呪われた空間で

敵に会いたくなかったので、

彼らは荷物をまとめて、

クラインが指した方向へ

おとなしく移動しました。

 

しかし、ある区域に入った瞬間、

足を踏み入れるや否や、足元の砂が、

滝のように下の方へ落ち始めました。

突然下に窪みができて

砂を引き込んでいるようでした。

 

走れ!一度踏んだ所を踏むな!

 

アクシアンは叫び、

バニルを押し退けました。

彼は落ちそうになりましたが

素早く前に

足を踏み出し続けました。

一度足が触れる度に、

地面がへこんでしまうので、

3人は重ならないように

走らなければなりませんでした。

 

しばらく

そのように走っているうちに、

クラインは足に触れる感じが

固いことに気づいて

立ち止まりました。

いつの間にか、彼がいる所は

砂の地面ではなく、

硬くて平らな石の地面に

なっていました。

 

クラインは後ろを振り向きました。

下に落ちていた砂は

再び上に噴き出し、

本来の姿に戻っていました。

 

クラインは、

呪われた場所だと呟くと

乾いた唾を飲み込みました。

まるで大地が意志を持って

人を罠に引き込もうと

しているようでした。

 

え?

 

そうしているうちにクラインは

ここにいるのが

自分だけだということに気づいて

飛び上がりました。

彼は、

バニルとアクシアンを呼びましたが

彼らの姿は見えませんでした。 

◇二人がいるから◇

ラティルは、別宮の食卓の前に

膨れっ面をして座っていると、

ゲスターに、大丈夫かと

聞かれたので、頭を上げました。

別宮に来て、

少し緊張感が緩んだのか、

ゲスターは、

薄いシャツと黒いズボンという

楽な服装で入って来ました。

ゲスターは綿菓子のような瞳で

ラティルを注意深く見つめると

声も出さずに反対側に座りました。

 

ラティルは、

大丈夫だと呟くと、

食卓の上に腕を伸ばしましたが

実は、

大丈夫ではありませんでした。

クラインは自分を騙して

一体どこへ行ったのか、

とても気になっていました。

彼の意思で、他の所へ行ったのなら

腹立たしいし、

彼の意志とは関係なく、

どこか怪我をして

他の所へ行ったのであれば

心配でした。

 

ラティルは、

クラインが大丈夫かどうか

分からないと呟くと、

ゲスターは、

強いアクシアン卿と賢いバニルが

一緒にいるので、大丈夫だと思うと

慰めました。

◇バニルは・・・◇

皆、バラバラになってしまったと

クラインは悪態をつきました。

どうやら、夢中で走っているうちに、

そうなってしまったようでした。

 

どうすればいいのか。

クラインは髪を掻きむしり、

一周して、辺りを見回しました。

遠くにも、二人の姿は

見えませんでした。

 

アクシアンは強いから

どうにか生き延びられそうだけれど

バニルは弱い奴。

慌てたクラインは

頭を抱え込みました。

◇何も持っていない皇子◇

バニルは、

むしろクラインのことを

心配していました。

 

彼は背中のリュックサックを

チラッと見ました。

スーツケースを持っていた

アクシアンは、

どうだかわからないけれど、

荷物を持っていなかったクラインは

今、何も持っていませんでした。

一方、アクシアンとクラインが

止めても、恐る恐る

あれこれリュックの中に

全部入れたバニルは

水も、パンも、ジャーキーもあり、

おまけに地図までありました。

 

バニルは地図を取り出して

広げました。

アドマルの内部の隅々まで

描かれていませんでしたが、

砂の穴のようなものが

また現れない限り、これがあれば

外に出られるような気がしました。

 

アクシアンは口が問題だけれど

頭はいいので、

自分で抜け出せると思うけれど

皇子は、どうするのだろうかと

心配しました。

◇まずはバニル◇

バニルは知らなかったけれど、

クラインは、

地図を何度も見ているうちに

近隣の地図を

全て覚えてしまっていました。

彼は地図を見なくても、

自分がどこから来たのか

大体の方角は分かっていました。

 

クラインは、念のため、

石の地面に印をつけた後、

最初にバラバラになった時に

バニルと自分、

アクシアンが走った方向を

思い浮かべました。

 

クラインは方角と地図を

照らし合わせて悩んだ末、

バニルがいると思われる方へ

足を運びました。

情報も情報だけれど、

とりあえずバニルを捕まえるのが

先決でした。

◇巨大な柱◇

バニルもクラインも

アクシアンのことは

心配していませんでした。

彼はどこへ行っても、

一人でうまく

生き延びられそうな面が

あったからでした。

しかし、哀れなアクシアンは、

今、最も困難な状況に

直面していました。

 

ここはどこなのだろうかと

アクシアンは辺りを見回しました。

バニルが、

自分の足元が消えているのに、

クラインを捕まえようという

馬鹿なことをするのを見た

アクシアンは、

バニルを後ろから押す間、

まともに穴を避けることが

できませんでした。

そして、2、3回、

足を踏み間違えたところ、

そのまま下に落ちてしまい、

巨大な滑り台のような所を

ゴロゴロ転がりました。

 

しばらくの間、

無我夢中で下っていた

アクシアンでしたが、

このままでは、

本当に死んでしまうと思い、

短刀を取り出して

地面に突き刺し続けました。

 

辛うじて止まった彼は、

横に体を転がしながら

低い通路を這って行きました。

 

這っていくうちに虫の群れが降り注ぎ、

それを避けて、

また逃げているうちに、

気がついたら、ここにいました。

 

アクシアンは

髪の毛に付いた虫を払い落とし、

とてつもなく巨大な柱を

見回しました。

文字がぎっしりと刻まれた巨大な柱が

果てしなく続く空間は

神秘的でぞっとしました。

これが皇子が探していた宝物なのか。

一体、これは何だろうと思いました。

◇三人でデート◇

30分程、ゲスターは、

ラティルの頭が、

どんどん食卓に近づいて行くのを

見ていました。

そして、ついに彼女の顎が

食卓に付くと、

ゲスターは、この辺りで

デートをしないかと

慎重に誘いました。

 

ラティルは、

そんな気分ではないと、

言おうとしましたが、

以前、ミロへ行って来た時に、

デートをしようと約束したことを

思い出しました。

ラティルは多くのゲスターとの約束を

反故にしてきたように、

その約束も守りませんでした。

 

それを考えると、

ラティルの心が重くなって来たので、

彼女は無理に体を起こし

デートを承知しました。

ゲスターと一緒に

街を歩き回って遊んだら、

この重苦しい気持ちも

少しは晴れるだろうし、どのみち

レアンが何をするか見るために

宮殿を空けたので、

数日間は、ここで持ちこたえて

帰らなければなりませんでした。

 

ゲスターは、彼女が

本当にデートを承諾するとは

思わなかったのか、

顔を真っ赤にして

「着替えて来る」と告げると

急いで食堂を出ました。

 

しばらくすると、

ゲスターは服を着替えて、

髪まで整えて現れました。

身支度も、黒魔術を使ったのかと

疑うほどの速さでした。

 

行きましょう。

 

とラティルを促すと、

ゲスターは愛らしい目で

ラティルを見つめました。

二人は目立たない馬車に乗って、

別宮に近い繁華街へ出かけました。

馬車に注目する人はいませんでした。

 

どこへ行きたいですか?

 

何をするのがいいでしょうか・・・?

 

二人がひそひそ話していると、

御者が鞭の先で、どこかを指しながら

向こうをまっすぐ歩いていくと、

道の両脇に落ち葉がいっぱいの

散歩道がある。

この辺の恋人たちは、皆、

そこを歩いてデートすると

教えてくれました。

 

ゲスターはラティルの手を握り、

期待に満ちた視線を送りました。

ラティルは、

そこへ行くことにしました。

 

御者の言葉のように、

木がぎっしりと植えられていない

日当たりの良い散歩道が見えました。

恋人同士や友達のような人たちが

談笑しながら道を歩いていたり、

落ち葉を拾って

遊んでいる人もいました。

 

遊歩道に入ると、ゲスターは

ラティルの顔色を窺いながら

たくさんの落ち葉を

両手いっぱいに拾い上げると、

ラティルの腕の上に落としました。

色とりどりの落ち葉が落ちると、

ゲスターは

美しい笑みを浮かべました。

 

周囲を行き交う女性たちの視線が

自然とゲスターに集まりました。

彼らはゲスターの美しい顔と

雲のような笑顔を見ながら、

隣に立つ女性が、前世で

国を救ったのだろうと思いました。

 

しかし、ラティルは、

ゲスターのかわいいいたずらと

美しい外見を見ながらも、

気分が晴れませんでした。

ゲスターが、

大丈夫かと尋ねると、ラティルは

実は、ずっとクラインのことが

気になっていると答えました。

 

ゲスターは躊躇いながら

 

・・・帰りましょうか・・・?

 

と提案しました。

言葉ではそう言っても、

本当に帰れば、

がっかりしそうな顔でした。

 

ラティルは、

大丈夫だと返事をして、

無理矢理笑うと、

 

このまま行きましょう。

 

と返事をしました。

 

落ち葉がうず高く積もった

散歩道を抜けると、

童話に出て来るような

可愛らしいカフェが集まった

場所に出ました。

その反対側には

食堂が集まっていました。

二人とも

お腹が空いていなかったので、

カフェに入りました。

 

店員がカプチーノ2杯と

栗のケーキ2切れ置いていくと、

ゲスターはにっこり笑いながら

たまには、こうして外出して

一緒に食事するのもいいと思うと

言いました。

 

ラティルは無理矢理笑って

フォークを掴みました。

そして、栗のケーキを少し口に入れ、

二、三度噛んだ後に、なぜゲスターは

クラインが逃げたと思うのかと

尋ねました。

 

ゲスターは持ち上げたカップ

降ろすと、

皇子はカリセンと皇帝との間で・・

色々と大変そうだったから・・

と答えました。

 

ラティルは、

それは自分も知っているけれど

クラインは急に逃げる人では

ないのではないか。

クラインが、もしかして・・・

と言いかけているところで、

ゲスターはため息をつき、

傷ついた目でラティルを見つめながら

まるで3人でデートしているようだ・・

と呟きました。

 

その言葉にラティルは、

自分の行動が、デート中の恋人としては

あまり良くないことを認めました。

むしろデートをしない方が

良かったかもしれないし、

別宮を出て来てから、

ずっとしかめっ面をしているので、

ゲスターが、

あのように言うのも

無理はありませんでした。

 

けれども陛下2まで

預けて行ったので

逃げたようには思えない。

クラインは突進することはあっても

逃げたりはしない。

むしろ逃げるのは、

ギルゴールとシピサだと思いました。

 

ラティルは、ぼんやりと

目をパチパチさせた後、

席から立ち上がると、

もう一度ディジェットへ

一緒に行って来よう。

もしかしたら、どこへ行ったか

分かるかもしれないと言いました。

 

すると、眉をひそめて

ラティルを見ていたゲスターは

カプチーノを一口飲んで、

にっこり笑うと、

 

嫌だ。

 

と返事をするや否や、

目の前でランスター伯爵が

消えました。

ラティルは脱いだ上着

手に取っている途中で、

口をポカンと開けました。

 

ゲスターを注視していた

何人かの人々は、

あそこにいた美しい男が

突然消えたと囁き始めました。

ラティルは片手で額を押さえました。

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いくらラティルが

クラインのことが心配でも、

ゲスターとデートをしている時に

クラインの話をすれば、

ゲスターでなくても怒るはず。

彼のことを聞いたのは

失言だったと思います。

どうせ、何度もゲスターとの約束を

反故にしているのだから、

クラインのことが

気になって仕方がない時に

ゲスターとのデートを

承知することはなかったと

思います。

 

また、ゲスターにしろ

ランスター伯爵にしろ、

人目を気にせず、

瓦礫を動かしたり、人前で消えたりと

感情のままに行動するのを慎まないと

ラティルが困ることになるのを

気づきべきだと思います。

 

クラインは、

怒りっぽくて、

すぐに喧嘩腰になることを除けば

案外、皇帝になる資質を

備えているのではないかと思いました。

本当は賢いのに、

バニルに過小評価されるクラインが

可哀そうだと思いました。

ただ、彼は

誰かに助けてもらう環境に慣れていて

危機的状況にならないと

その能力を発揮できないのかも

しれません。

 

ところで、ゲスターを見た女性たちが

彼の隣にいる女性の前世が

国を救ったのだろうと

推測していたということは、

ゲスターが皇帝の側室であることを

知っていて、

その隣にいるのは皇帝であることも

推測していたのでしょうけれど、

その割には、素っ気ない態度だと

思ってしまいました。

お話の本質とは関係ないので

どうでもいいといえば

どうでもいいのですが、

ちょっと気になってしまいました。

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