233話 ナビエの愛にあふれた看病を受けたハインリは どうなったでしょうか?
◇不思議な夢◇
皇宮の中であることは
間違いないけれども
東大帝国か西大帝国が
区別のつかない所で
ナビエはあたりを
きょろきょろ見回していました。
ナビエの意志とは関係なく
歩いていくと
いつもは閉まっている
大ホールの扉が半分開いていて
中から、騒がしい声が
聞こえてきました。
中へ入ると、ホールの中央に
巨大な鳥が2羽見えました。
2羽とも、金色の羽を持った
きれいな鳥だけれども
互いに相手を
嘴で突つきあっていました。
一体、あの鳥たちは誰で
何をしているのか。
すると、大きな鳥の間に
王冠が見えました。
2羽の鳥が王冠をめぐって
争っていました。
◇回復◇
ナビエは、ハインリが
自分を呼ぶ声で目を覚ましました。
ハインリを看病していて
いつのまにか
寝てしまったようでした。
マッケナはどうしたのかと
ハインリに聞かれると
ナビエは、
彼が大変そうだったので
寝るように言ったと
ハインリに伝えました。
ハインリは、話ができるくらい
身体が回復していました。
そして、ナビエが看病してくれたから
早く回復した。
生命の脅威を感じた。
と言いました。
生命の脅威って、
どのような意味なのか
ナビエはハインリを
不思議そうに見つめると
彼は彼女の視線を避けました。
ナビエは朝食のスープを
ハインリに食べさせてあげると
彼は、変な感じと言いながら
ぎこちなく口を開けました。
いつもはハインリがナビエに食べさせていますよね。
昼食は、庭にテーブルを置いて
向かい合って食べました。
ナビエは、次に雨が降った時は
雨宿りするように
ハインリに忠告しました。
彼は大雨に乗じて
魔石を回収したかったと
言い訳をしました。
食事をしながら、ナビエは
ソビエシュからもらった
手紙の中に
エルギ公爵はソビエシュのことを
恨んでいるのかと
書かれていたのを思い出し
それについてハインリに
尋ねました。
19歳のソビエシュは
未来の自分が書いた日記を読んで
そのように考えたようでした。
ハインリは
恨んでいるかはわからないけれど
嫌いなのは確かだと答えました。
昼食後、ハインリは
確認することがあると言って
マッケナとどこかへ
行ってしまいました。
◇ルベティの仇◇
ナビエは、
カフメン大公の所へ
青い鳥を1羽持っていくように
指示した後、執務室へ行き、
用事を済ませた後
侍女たちと夕食を食べるために
部屋へ行きました。
ルベティも一緒でした。
ルベティの領地の話や
赤ちゃん部屋をどこにするかなど
色々話している時に
ナビエは、
エルギ公爵がソビエシュを
嫌っていたかどうか
ローラとジュベール伯爵夫人に
尋ねました。
ジュベール伯爵夫人は
そのことも気になるけれど
あれだけラスタと仲が良かった
エルギ公爵が
なぜ、ラスタを裏切ったのか
それが知りたいと言いました。
ローラも同意しました。
しかしルベティは、初めて
そのことを知ったようで
驚きました。
ローラは、
ソビエシュとラスタの娘の
親子検査をした時に
エルギ公爵がアンを
その場に連れて行ったことを
ルベティに話しました。
そのせいで、アレンとラスタが
内通していたことが確定したと
ジュベール伯爵夫人が
ルベティに伝えると
ルベティは、険悪な表情で
エルギ公爵が父と兄の仇なんだ。
彼のせいで、父と兄が
ラスタと手を握っているという
濡れ衣を着せられたと言いました。
◇コシャールとの食事◇
コシャールは城門の前に立ち
門を出て、キョロキョロしている
マスタスに向かって
手を上げました。
コシャールを見つけると
マスタスは明るく笑いながら
嬉しそうな顔をしました。
ほとんどの貴族は
コシャールを見ると顔をしかめたり
怖がったりするし
家族でさえ
心配そうな目で見るので
マスタスの
あからさまに喜んでいる姿に
彼は変な気持ちになりました。
2人は、
予約していたレストランに
入りました。
椅子に座ると
マスタスが暗い顔をしたので
コシャールが心配をすると
彼女は、ある人のことを
考えていると言いました。
コシャールは男性かと
尋ねると
マスタスは
コシャール以外の男性のことを
考えたことはないと
答えた後で
いつもコシャールのことを
考えているわけではなく
このくらいだけ、
たまに考えていると
親指と人差し指で示しながら
しどろもどろに言いました。
するとコシャールは
その指の隙間を少し広げて
自分も、マスタスのことを
このくらい、たまに
考えていると言ったところ
マスタスは真っ赤になりました。
改めてコシャールは
誰のことを考えていたのかと
マスタスに尋ねると
彼女はルベティという
ヨークシャーテリアのような
令嬢のことを考えていたと
答えた後で
その答えが気にいらなかったのか
マスタスは拳で
自分の太ももを殴りました。
コシャールはそれを見ながら
マスタスは
正しい拳の握り方をしている
賢明だと思いました。
マスタスは言いたいことが
たくさんあるのに
何度も口を開けては閉じていたし
コシャールは貴族の令嬢と
どんな話をしていいかわからず
2人は静かに食事をしていましたが
そのおかげで
周りの人たちが、ナビエを褒める声を
聞くことができました。
2人は笑みを浮かべながら
食事をしました。
一人、ナビエの悪口を
言った人がいましたが
コシャールがその人の所へ行って
殴りかかる前に
マスタスが拳でテーブルを叩き、
走り出したので
コシャールは反射的に
彼女を止めました。
正気に戻ったマスタスは
絶望的に拳を見下ろしながら
宮殿に戻りましたが
コシャールはマスタスとの
食事に満足していました。
ナビエに感想を求められた
コシャールは
気楽で新鮮で可愛かったと
答えました。
ナビエは、
コシャールが
マスタスのことを好きなら
シャーレット姫との結婚は
考え直した方が良いのではと
忠告しました。
子供が2人以上できたら
仲の良い兄弟姉妹にしなさいと
聖者に忠告されたり
ナビエ様が、
王冠を巡って争う
2羽の鳥の夢を見たりと
ナビエ様の子供たちの将来が
気がかりです。
今回のお話は食事の場面ばかりで
お腹が空いている時に
読んではいけないと思いました。