自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 561話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ なぜ母のそばにいるのか。

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561話 ラティルはクリーミーと一緒に、無事にラウサ邸を抜け出しました。

◇鋭い視線◇

ラティルはクリーミーを連れて、

ガーゴイル一族が

数か月前まで滞在したという

白い花の平原に到着しました。

ラティルは

ランスター伯爵に残してきたメモに

ここの名前を書いて

ここで会おうと書きました。

 

正確な名前を

書いたかどうかは分かりませんが、

「白い花」という文字は

はっきり書いたので、

目ざとい彼なら

分かるだろうと思いました。

しかも、この場所は、

普通の人は通りにくい所だと

言っていたので、

ここで隠れて待てば、

ランスター伯爵に

すぐ会えるはずでした。

 

クリーミーはラティルを呼ぶと、

自分に何をお願いしたいのか。

何を頼みたくて、

自分をこんなに大切にしてくれるのかと

尋ねました。

 

クリーミーを大切にするのは、

ただ可愛いからだと、

ラティルは思いましたが、

もしかして人の頭に

小さな結界を張ることができるかと

尋ねました。

クリーミーは、

もちろんだと答えました。

ラティルは、

自分の頭にもできるかと

尋ねると、クリーミー

分からないと答えました。

 

ラティルはクリーミー

膝に座らせておいて、

フワフワした毛を触りながら

しばらく、

ランスター伯爵を待ちました。

思ったよりも、

かなり長い時間が経ったようでしたが

来る人は誰もいませんでした。

ランスター伯爵は狐の穴を

使うことができるので、

ラティルの計算によれば、

先に到着するはずでした。


ランスター伯爵が来る気配がないので

ラティルは

メモが届いていないのではないかと

急に怖くなりました。

 

字が滲んでしまったのか。

それとも聖騎士が

メモを見つけてしまったのか。

それとも、幽霊がランスター伯爵に

会えなかったのか。

聖騎士たちは、

幽霊を退治することも

できるのだろうか。

 

あらゆる不吉な考えが

浮かんで来たせいで、

ラティルは訳もなく

お腹が痛くなりました。

 

また、あの邸宅へ

行くべきだろうかと考えましたが

あと1時間だけ

待つことにしました。

それでも、

ランスター伯爵が現れなかったら、

またラウサ邸へ行って

幽霊に会うことにしました。

 

それから2時間が過ぎても、

ランスター伯爵が現れなかったので、

やはり伝言が

うまく伝わらなかったに違いないと思い

ラティルは立ち上がりました。

 

クリーミーは、

今度は、どこへ行くのかと尋ねました。

ラティルは、

会わなければならない人が

1人いるのに来ないので、

もう一度、あの邸宅へ

行ってみなければならないようだと

答えました。

ラティルはレッサーパンダを抱き、

馬車に乗って移動した道を辿って

ラウサ邸へ向かいました。

そこまでは遠いけれど、

幸いにも、この身体は

覚醒したロードの身体でした。

たまに、精神的な疲れが

訪れるけれど、たくさん歩いても

足が痛くなったりはしませんでした。

 

そのようにラティルは

屈することなく歩いて行き、

ついに義妹のアニャを降ろした

村の入口に到着しました。

 

ラティルは村に立ち寄り、

食べ物や、いくつか物品を

買いたくなりました。

すべての荷物を

ランスター伯爵がまとめてくれたので

今、ラティルが持っているのは

念のためにポケットに入れてきた

お金だけでした。

 

それに執事が、

近くの村に指名手配書が

貼られていると言っていたので

それを見て、

指名手配書に書かれている

ドミスの特徴が正確に何なのか

確認したいと思いました。

そうすれば、

その部分を着実に隠して

行動できると思いました。

 

しかし、この村で

義妹のアニャが

治療を受けていると思うと、

容易に村の中へ入ることが

できませんでした。

その上、このように全身を

マントで包んでいると、

執事のように鋭い人たちが

何か怪しいと

思うかもしれませんでした。

 

迷っているラティルを見て

クリーミーは、

どうしたのかと尋ねました。

結局、ラティルは

村に入らないことにしました。

お腹は空いていましたが、

ロードの身体は丈夫なので、

何日も飢えても大丈夫だろうと

思いました。


ところが、万が一の危険を避けて

村に寄らずに移動していたラティルは

村からあまり離れていない所で

聖騎士団を発見したので、

再び身を隠さなければ

なりませんでした。

 

聖騎士たちは、

乗ってきた馬の手綱を握ったまま、

立って話をしていました。

ラティルは、

なぜ彼らは、まだここにいるのかと

心の中で悲鳴を上げました。

 

聖騎士の一人は、

副団長は、

まだ戻ってきていないのかと

尋ねました。

別の聖騎士は、

ラウサ邸に行った全員が

戻って来ていないと答えました。

最初の聖騎士は、

そろそろ、戻ってくる頃なのにと

呟きました。

別の聖騎士は、

行ってみなくても大丈夫だろうか。

もし使命手配書に載っている女性が

本当にあの邸宅にいるのなら、

か弱そうに見えたけれど、

王自ら手配しろと指示するほどなので

黒魔術師のようなものかもしれないと

言いました。

 

しかし、最初の聖騎士は、

自分たちは貴人を訪ねるために来た。

最優先すべきなのは、

そちらの方だと返事をしました。

 

ラティルはクリーミーの助けを借りて

結界の中で彼らの会話を聞くことで

いくつかの情報を

知ることができました。

まず、この聖騎士たちは

執事の通報を受けて

邸宅を訪ねてきた聖騎士たちと、

同じ騎士団に所属していること。

そして、ランスター伯爵だけでなく

その邸宅に行った他の聖騎士たちも、

まだ戻って来ていないことでした。

 

確かに、彼らが去るのを見たのにと

ラティルは不思議に思いましたが、

一旦、ここを離れることにし、

クリーミーに結界を解除させ、

人の気配を殺して

その場を離れようとした時、

ラティルは強烈な視線を感じて、

立ち止まりました。

 

ばれてしまったのか。

ラティルは急いで振り返ると、

そこには、車椅子に乗った

義妹のアニャがいました。

彼女の車椅子の取っ手を、

ある聖騎士が握っていました。

アニャのそばには、

彼女を守っていた下女がいました。

 

聖騎士たちが探していたのは

アニャだったのか!

ラティルは、

目を大きく見開きました。

しかし驚くべきことは、

聖騎士たちがアニャを

探していたことではなく、

彼女がラティルを

じっと見ているという点でした。

 

彼女は、明らかに

ラティルを見つめていました。

自分がドミスであることに

気がついているか、

疑っているのは明らかでした。

ラティルは、

どうすればいいのかと考えました。

◇父を憎む息子◇

議長とメラディムが

話をしている間、

青年はギルゴールと長い廊下を歩き、

ある空き部屋の中に入りました。

壁に飾りがかかっているだけで、

用途が決まっていないような

場所でした。

しかし、部屋の中に入っても

2人は、

なかなか口を開きませんでした。

 

母親に会いに来た青年は、

まさかここで父親に会うとは

思わなかったし、ギルゴールも

生きている姿を見ただけで、

自分に大きな衝撃を与えた人を

彼の生活の基盤としている地で、

再び会うとは思いませんでした。

 

しばらく、2人は、

互いに見つめ合っていましたが、

先にギルゴールが、目を細めながら

「議長の隣にいたあの子だろう?」と

尋ねました。

青年は、

それを知っていて、

呼んだのではないかと答えました。

 

ギルゴールは青年に、

なぜここにいるのかと尋ねました。

青年は、

母親に会いに来たと答えました。

ギルゴールは、

それを聞いているわけではないと

言い返しました。


ギルゴールは、

対抗者の剣の鞘に入れておいた

剣について考えました。

その剣の中には、

彼の子供の魂が入っていました。

そして目の前には、

彼の子供が立っていました。

ギルゴールは、どちらが本物なのか、

一体どういうことなのか、

全く考えられませんでした。

 

彼には双子の子供がいましたが、

2人とも亡くなりました。

剣の中に、

死んだ子供の魂を入れたとしても、

あんなに元気に

生きている姿を見ることが

信じられませんでした。

 

ギルゴールは首を傾げながら、

お前は死んだはずだと呟きました。

青年は無表情で

父親を見つめました。

窓の外で、大きな鳥が

バタバタと飛んでいく音が

聞こえてきました。

ギルゴールは、

お前は自決したはずではないかと

尋ねました。

そのように質問するギルゴールの瞳は

どこか虚ろに見えました。 

青年は、そんなギルゴールの視線を

淡々と受け止めると、

何か誤解をしているようだと

言いました。

 

ギルゴールは、

自決したのではないのかと尋ねると

青年は、ギルゴールが

自分をセルだと思っているようだと

指摘しました。

 

これまで積み重ねて来た

ギルゴールの経験を完全に覆す発言に、

彼は青年の言葉の意味を、

すぐに認めることができませんでした。

 

青年は、ギルゴールの赤い目が

ゆっくりと驚愕の色に

染まって行くのを見ました。

しかし、青年は瞬きもしませんでした。

 

しばらく呆然としていたギルゴールは

「でも、お前は・・・」

と反論しようとしましたが、

青年はギルゴールと向かい合って

数え切れないその長い年月を、

どのように生きてきたのか

話したいという気持ちなど

ありませんでした。

 

青年は、ギルゴールが

考えを整理する暇も与えないまま、

父はどういうつもりで

母と一緒にいるのかと、

彼が長年抱えて来た父親への

憎しみの一片を吐露しました。

続いて、青年は、

父は母のそばにいては

いけないのではないかと

ギルゴールを責めました。

 

ギルゴールは、

アリタルとそっくりな

青年の紫色の瞳が

氷のように冷たくなるのを

見つめました。

青年はギルゴールが何を考えているのか

全く見当がつきませんでした。

 

彼ら父子は、あまりにも長く

別々に過ごしていました。

ギルゴールは、青年が

生きていることも

知らなかったはずでした。

 

青年は、

自分から母親を奪ったも同じの

ギルゴールをじっと見つめました。

ギルゴールは虚ろな目で

青年を見つめると、

なぜここにいるのかと尋ねました。

 

青年は、

同じ質問をそっくりそのまま

繰り返すギルゴールが、

今正気なのかどうか

疑わしくなりました。

それでも青年は、

母に会いに来たと

自分の目的を率直に話しました。

 

ギルゴールは苦笑いすると、

青年と議長が現れたことで、

当初の計画が台無しになり、

結局、ラティルが倒れたのに、

彼女に会いに来たのかと責めました。

 

青年は、今回のロードが

母親かもしれないと知っていたら、

絶対に議長の計画を

そのままにしていなかったとか、

まさか、あそこで、あの女性が

母親を攻撃するとは

思わなかったなどと

言ったりしませんでした。

青年は、すでに父親と

痛みを共有する間柄ではなく、

逆に彼は、

母親と自分が傷ついた分だけ、

父親を傷つけたいと

思っていました。

 

青年はわざと冷たい声で、

父は母を捨てて行ったのに、

母のそばにいるではないかと

言い返しました。


母を捨てたという声に、

ギルゴールの瞳が揺れました。

何か言おうとするかのように

唇を動かしましたが、

今回も何も言いませんでした。

 

青年が覚えているギルゴールは、

一日のほとんどを

笑顔で過ごす人でした。

そして青年は、ギルゴールが笑う姿を

見たくありませんでした。

青年は一時、

自分の世界にいた人を見つめると、

どうして、まだ生きているのか。

母をあのように捨てたくせに、

1人で、

ひたすら生きていてもいいのかと

何度も何度も考えていた言葉を

口にしました。

 

青年は、

自分が生きていることを

ギルゴールが

知らなかったということを

知っていました。

自分が死んだことで、ギルゴールが、

どれほど惨憺たるものだったかも

知っていました。

ギルゴールが、

自分をどれほど愛していたかも

知っていました。

青年にとって、ギルゴールは、

世界の半分に等しい存在でした。

しかし、彼は、母親を捨てた父親を

以前ほど愛することが

できませんでした。

 

青年は、

父に死んで欲しいと言っても、

ギルゴールは

少しも反応しませんでした。

青年はがっかりしました。

ギルゴールを

傷つけたいと思っているのに、

彼が傷ついていないように見えると

かえって、

自分が傷ついた気分になりました。

 

確かに、これだけ長い時間が

流れれば、

すでにギルゴールの中で

幼い頃に失った子供に対する愛情は

ほとんど、なくなってしまったのかも

しれません。

 

青年は、

ギルゴールが腰にぶら下げている

剣を見ました。

彼の双子の兄弟の魂が入った剣でした。

本当に大切にしていると思いました。

青年は口元を歪めました。

 

自分が死んだと知った後、

ギルゴールは1人で

セルを養育したので、

もしかしたら彼は、

今はセルだけを

子供だと思っているのかもしれない。

だから、あのように

何の反応もないまま、

立っているだけなのだと思いました。

 

青年は、そのようなギルゴールを

残念そうに見つめた後、

部屋の外へ出て行きました。

彼が出て行った後、

1人残されたギルゴールは、

そのまま立っていましたが、

やがて、ゆっくりと崩れるように

床に座ると、 片手で額を覆いました。

そして、しばらくすると、

ギルゴールは、あっという間に

どこかへ消えました。

 

がらんとした部屋の壁に

かかっていた装飾品がうごめくと、

すぐにぽっちゃりした

レッサーパンダに変わって、

下に降りました。

 

レッサーパンダは、

これはどういうことなのかと

叫びました。

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後の話を読んでいるので

ギルゴールのもう1人の息子の名前が

シピサであることは

分かっていますが、

まだ、彼の名前が

一度も出て来ていないのは、

後で彼の名前に

何か意味を持たせるという

作者様の意図があるのだろうかと

疑問に思っています。

 

セルは自決したのですね・・・

ギルゴールが

手にかけたのではなくて

良かったです。

それならば、なぜギルゴールは、

対抗者がロードの息の根を止めた後、

対抗者の命を奪うのでしょうか?

対抗者は人間なので、

放っておいても、

いつかは死ぬのだから、

再び、歴史は繰り返されると

思いますが、

自決であろうが、

誰かの手によるものであろうが、

ロードの命を奪った対抗者は

直ちに、

死ななければならないというのが

議長の言う呪いなのでしょうか?

そうだとすると、ギルゴールは

何千年もの間、

呪いに翻弄されたままに

なっていることなのでしょう。

 

シピサは、

ギルゴールが母親を捨てたことを

ずっと恨んでいて、

自分が生きていることを

ギルゴールに

隠していたのでしょうけれど、

議長はシピサが、

いっそう父親を恨むよう、

何か手を打ったような気がします。

 

議長の隣にいたのが

セルだと思ったから、

ギルゴールは墓を確認しに

行ったのでしょうけれど、

すでに魂は墓になかったので、

やはり、議長の隣にいたのは

セルだと確信した。

しかし、

アニャドミスが持っていた

剣の中にセルの魂が入っているのを

知り、ギルゴールは

再びセルが死んだと思い、

正気を失ったということなのかなと

思いました。

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