自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

問題な王子様 94話 ネタバレ 原作 あらすじ エルナからビョルンへのプレゼント

 

94話 ビョルンと一緒にピクニックへ来ているエルナは、ワインを飲んで酔っ払ってしまいました。

 

酔ったエルナは、普段より

たくさん笑っていました、

のろのろと続くおしゃべりや

少し、ぼんやりした瞳と共に、

それは、

そんなに悪くない酒癖でした。

 

エルナは、 

幼い頃、ここでままごとをしていたと

話していましたが、突然、

自分たちが、

建国祭の舞踏会で会ったのは

1年前の今日であることを

知っているかと

とんでもない質問をしました。

 

ビョルンは、

記憶力のいい酔っぱらいだと

答えると、エルナは、

自分は酔っていないと

頭を振りましたが、

顔は、酔って赤くなっていました。

 

大笑いしたビョルンは、

かましい酔っぱらいの

空のグラスを

再び満たしました。

 

「1年か」

ビョルンは落ち着いた目で

森の風景を眺めました。

美しい金色の埃が漂う日差しと

新鮮な花と草の香り。

名も知らぬ鳥たちの

歌声で満たされた世界は、

あまりにも平穏で美しく

非現実的でした。

こんな所で育った女性が

一夜にして社交界

結婚市場に投げ出されたなんて。

 

そこまで考えが及ぶと、

1年前の舞踏会の夜、

あの強烈だった

初めての出会いについて

初めて理解できました。

息もまともにできず、

ブルブル震えていた

ハルディ家の売り物。

その女性を熟練した妖婦だと

思っていた過去が

ふと、おかしくなりました。

そのおかげで賭けをし、

それに勝利したのだから、

結局のところ、

悪いことのなかった誤解でした。

 

じっと彼を見ていたエルナは、

あの日、ビョルンが

自分を助けてくれたことに

お礼を言いました。

 

ビョルンは

「そうだったっけ?」と尋ねながら、

そんな大げさな表現を

使うほどのことでもなかったと

思いましたが、

エルナは躊躇うことなく頷きました。

酔っているせいか、

ひときわ冴えて見える瞳には

無垢な信頼が

たくさん込められていました。

 

それからエルナは、

ハーバー侯爵家のパーティーでも、

ボートレースがあった日も、

ビョルンが助けてくれた。

トロフィー代も免除してくれたと

言うと、ビョルンは、

エルナの方が、

はるかに高いトロフィーだったから

と思いました。

そして、言えないその言葉の代わりに

ビョルンは、

にっこりと微笑んで見せました。

 

ふと、彼は喉が渇きました。

最近、よく訪れる、

奇妙な焦りを伴う渇きでした。

 

エルナは、

自分と結婚してくれたことにも

心から感謝している。

ビョルンのおかげで

父親から離れられた。

バーデン家の邸宅も

守ることができた。

自分は、ビョルンに

本当に多くの借金をしてしまったと

言いました。

 

ビョルンは、

衝動的にエルナの名前を呼びましたが

すぐに話を続けることが

できませんでした。

 

エルナは難しくない、気楽な女でした。

複雑な計算をする必要が

なくて良いという理由で、

妻の席を与えました。

だからエルナは、

静かに、無害で美しく、

この人生に平安と楽しさを

与える存在でいればいい。

今でも、その事実は変わっておらず、

エルナは確かに

その効用を果たしていました。

 

では、一体何が変わったのか。

答えが見つからない疑問が

神経質に意識をかき立てました。

 

グラスとグラスがぶつかる音が、

澄んだ音を立てて

響き渡ったのはその時でした。

視線を下ろすと、

いつの間にか目の前まで

近づいているエルナが見えました。

ビョルンと目が合うと、

エルナは、

彼のグラスに自分のグラスを当てて

「乾杯」と囁くと、

はにかむような笑みを浮かべました。

酒飲みの世界へ力強く飛躍した

妻を眺めていたビョルンは、

すべての雑念を忘れて

笑ってしまいました。

その間、エルナは、

もう一杯のワインを空にしました。

 

当然のように、

再びグラスを差し出すエルナに

酔い過ぎたと、

ビョルンは断固とした拒絶の意を

伝えました。

もう少し飲むと、気絶するように

眠りにつく段階でしたが、

どうも、それは

嬉しくないことでした。

 

ビョルンは、

不満そうな顔をしている妻のグラスを

奪うのをやめました。

すると、今度、エルナは、

酒瓶を奪おうと努力し始めました。

 

「もうだめですよ、この酔っぱらい。」

と、ビョルンは執拗に動くエルナを

引っ張って抱きしめたまま、

クッションの山にもたれかかりました。

木の葉の間から差し込む光が

作りだした影が、

互いを凝視する2人の顔の上で

ちらつきました。

 

遠くからカッコウの鳴き声が

聞こえてきました。

エルナは諦めたように

ため息をつきながら

体をだらんとしました。

背中に触れたビョルンの胸と

腰を包み込む手は硬くて温かでした。

いつも、

冷たく感じられた体温が、

今日はこの春のように温かでした。

こういうのを酔ったと言うなら、

お酒に溺れて生きている人たちの心情が

理解できるような気がしました。

 

エルナは、

なぜビョルンがお酒を飲むのか、

やっとわかった。

とても気分がいいと言うと

ビョルンに向き合いました。

ニヤリと笑うビョルンの唇が、

今一口飲んだばかりの

酒のように赤い色をしていました。

 

続けて、エルナは、

ビョルンに助けてもらったから

ビョルンのことも好きだと告げました。

ビョルンは、

「あっ、そうなんですか。」

と返事をすると、エルナは、

たまに憎たらしくなるけれど、

それでも大好きだ。

できればクッキー缶に

入れてあげたいと言いました。

とんでもない酔っ払いになっても

エルナの目つきは

かなり真剣でした。

 

それは、

棺桶に入れてしまうという

意味ではないかと

聞き返そうとしましたが、

ビョルンは、

ただ笑ってしまいました。

エルナの古いブリキ缶の中に

入れられる気持ちが

それほど悪くはなかったからでした。

どんな宝石よりも、

そこに入れた粗悪品が

好きな女だからでした。

エルナはビョルンに

自分のお金の利子が

かなり増えたかどうか尋ねました。

期待に満ちて

ニコニコしているエルナの顔は

輝いていました。

 

酔っぱらいという者は、

もともと、

首尾一貫していないものだけれど

この女は、本当に気ままに

気が変わる酔っぱらいでした。

新しいクッキー缶と恋に落ちた妻を

見つめていたビョルンは

愉快な笑い声を爆発させました。

 

ビョルンは、大公妃のために

多くの利子を得られるよう

最善を尽くしているので、

心配しないでと答えました。

その答えに満足したのか、

エルナは、

この世で一番幸せな人のように

微笑みました。

 

ビョルンは、

干したイチジクを

酒飲みの口に入れながら、

その利子で何をするつもりなのかと

尋ねました。

それを素直に受け取るエルナは

巣の中の小鳥のようで、

ビョルンは少し笑いました。

エルナは考え込み、

まだ、よく分からないと答えました。

 

ビョルンは、

どうしてそんなに執着するのかと

尋ねながら、

今度はイチゴをエルナの口の中に

入れました。

せっせと口を動かすエルナの頬に

微かに、えくぼができました。

 

エルナは、

何でもない。 ただ、

お金が集まって来るのが好きだと

ビョルンに

仲間意識を感じさせる答えが、

甘い吐息と共に伝わって来ました。

 

美しい夢でも見るように

笑って通帳の残高を考える

妻を眺めていたビョルンの唇の先にも

エルナに似た笑みが広がりました。

彼女は、文明とかけ離れた

大自然のもとで育ったけれど、

物質的な淑女だと思いました。

そして、ビョルンは

その点がかなり気に入りました。

 

エルナは、利子が増えれば

ビョルンへのプレゼントも

買ってあげると、

再び、真剣な顔をして、

善良な心を露わにしました。

ビョルンは、

光栄だと返事をしました。

 

エルナはビョルンに、

お金以外に何が欲しいかと

尋ねました。

ビョルンは、お金を除くと、

何が欲しいか分からないと

答えました。

 

エルナは、

それでも一つだけ言ってみて欲しい、

けれども、葉巻とお酒は

体に悪いのでプレゼントしないと

言いました。

 

ビョルンは、

どうせエルナの思い通りにするなら、

自分の意見は要らないのではないかと

言いました。

しかし、彼女は目を丸くして、

ビョルンの意思を尊重したいと、

首を横に振りました。

ビョルンは、

エルナは酒に酔うと嘘もかなり上手だと

思いました。

 

ビョルンは乗馬が好きだから、

馬はどうか。

タイ、手袋、靴、 カフスボタンは?

と、エルナの野望は、

たちまち巨大化して行きました。

 

しかし、馬は高いから、

とても時間がかかりますよねと

エルナが深刻になると、

ビョルンは軽く笑いました。

彼女の預金では、

自分が棺桶に横になっても

なかなかもらえないプレゼントだと

ビョルンは思いました。


エルナは、

「それとも他の・・・」の

言いかけると、ビョルンは

「あなたです」と

淡々と言葉を投げかけました。

その言葉に

エルナの目が大きくなりました。

「私ですか?」と

エルナは信じられないといった顔で

自分を指差しました。

 

ビョルンは、

エルナの首にリボン一つ巻けば

十分だと思う。

もちろん、他の面倒なものは

全部除いてと、

残りのワインを飲み干すと

意地悪そうに

くすくす笑いました。

エルナは面食らった顔で

彼を見つめました。

 

愛と言ってくれるのかと

期待していましたが、

愛ではなく、がっかりしました。

それでも、自分を欲しがってくれて

ほっとしました。

そのすべての感情が入り混じった

この変な気分に、どんな名前を

付けてあげればいいのかと

エルナは悩みました。

 

ビョルンという人は

本当に難しいと呟くと、

エルナは、深いため息をつきながら

座りました。

お酒のせいで

判断力が鈍ったのではないかと

悩んでみましたが、

まともな精神でも、

この男を理解するのは、

いつも容易ではありませんでした。

 

エルナは

ビョルンは優しい人なのか。

それとも冷たい人なのか

本当に、分からない。

とても難しい人だと言って、

両手で包み込んだ夫の顔を

じっと見つめました。

その視線に、喜んで向き合ってくれる

ビョルンの瞳は、

ただただ深く静かなだけでした。

 

本当に分からないと言うと

エルナは、

諦めのため息をつきながら

手を離しました。

そして、

それでも優しくして欲しい。

そうしてくれないかと尋ねました。

 

ビョルンは、エルナが、

そうしてくれるのを見たらと

意地悪な返事をすると、

穏やかなため息をつき、

ワインのボトルを握りました。

喉の渇きのせいか、

思ったより多くの酒を

注いでしまいました。

彼が、少し急いで

グラスを空にしている間に、

エルナはドレスを脱ぎ始めました。

 

ビョルンは

今、何しているのかと尋ねると、

エルナは、

しかめっ面をした彼の顔に向き合っても

平気で笑いながら、

きれいになっているところだと

答えました。

そして、

自分が脱げば脱ぐほどきれいだと

言ってくれたではないかと言って

脱いだドレスをきちんと畳んで

籠のそばに置くと、続いてエルナは、

下着まで脱ぎ始めました。

 

それから、エルナは、

きれいになるためには、

頑張って着飾らないといけないのに、

ビョルンが、

こうした方がきれいだと言うのは

少し変だと言いました。

ビョルンは、ぼんやりと

その非現実的な光景を

眺めているだけでした。

この程度の酒で酔うはずがないのに、

これまで以上に

ひどい酔いに襲われた気分でした。

 

ビョルンは、

思わず周りを見回しました。

けだるい午後の日差しと茂った草木、

咲き乱れる春の花が

平常心を失った灰色の瞳の上を

順に通り過ぎて行きました。

 

その間に、下着まで全て脱いだエルナは

それらをきちんと畳んで

ドレスの上に積み上げていました。

熱く乾いた息を吐いたビョルンは、

急いで懐中時計を開けました。

使用人たちが

来ることになっている時間は

まだ先なので、

誰かに見られることはないけれど

それは問題ではありませんでした。

 

ビョルンは、

ごちゃごちゃに絡まった考えを

整理できなくなり、残りのワインを

一気に飲み干しました。

最後に残った

ストッキングまで脱いだエルナは

完璧な裸身になって

彼の前に座っていました。

「あっ、リボン」と

独り言を呟いたエルナは、

三つ編みの毛先に結んでいた

リボンを解いて、

自分の首にきちんと結びました。

前世紀の淑女のように、

生真面目な女が消えた席には、

裸の体に空色のリボン一本を結んだ

不埒なプレゼントだけが

残っていました。

 

「きれいになったから、さあ、どうぞ」

と、エルナが明るく笑って伝えた言葉に

ビョルンは、危うく手に持ったグラスを

落とすところでした。

 

戸惑うビョルンにエルナは、

今、プレゼントをあげる。

これは利子がなくても、

あげられるプレゼントだからと言って

乱れた髪を指で梳かすと、

恥ずかしそうに笑いました。

そして、プレゼントをあげるので、

もっと優しくしてと、エルナは

小さく温かい手で

再び彼の顔を包み込みました。

 

その瞬間、ビョルンは、

妻がよくベッドで呟いていた

言葉の意味を理解しました。

何てことだ。

頭がおかしくなったみたいだと

ビョルンは思いました。

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お酒に酔った勢いで

ビョルンの願いを

叶えてしまったエルナ。

バフォードにいる今は、

ビョルンが

優しくしてくれているけれど

シュベリンに戻り、

再び、一挙一動を監視され

非難の目にさらされることを

考えると、

不安でいっぱいなのだと思います。

せめて、ビョルンだけでも

優しくしてくれれば、

耐えられると思い、エルナは

ビョルンに自分の体を

差し出したのだと思いました。

自分の愛を欲していなくても

自分を欲してくれることを

喜ぶエルナは、いじらくして哀れで

せつなくなりました。

 

気難しくて偏屈なビョルンが、

エルナと一緒にいると

気楽で楽しくていいと思うのは

一つの愛の形だと思うので、

この言葉をエルナに伝えてあげれば

彼女は喜ぶと思うのですけれど・・・

ベッドの上で、

エルナが口にしていることを

ようやく理解できたことが救いです。

 

たくさんのコメントを

本当にありがとうございます。

 

ワッフル様

確かに、エルナはフィツ夫人に

スズランはダメだと

言われていたシーンがありました。

それを思い出させていただき

ありがとうございます。

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