自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 556話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ カルレインを拒絶するラティル

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556話 突然タッシールの目の前に現れたギルゴールは、それは自分が持って行くと主張しました。

◇正気に戻っている◇

タッシールは困ってしまいました。

ギルゴールがどちらを望んだとしても

彼に渡すのは難しいと思いました。

自分たちは、この剣が何であるかを

調べる必要があるし、

ラティルも回復するまで、

安全な場所に置く必要がありました。

ギルゴールがラティルを連れて

どこへ行くかも分からない状況で、

無条件に

渡すことはできませんでした。

しかし、

剣をくれと言われたら渡そう。

どちらか一方を

諦めなければならないとしたら

断然、剣だと思いました。

 

タッシールはギルゴールの瞳を見て

今の彼は話が通じる状態ではないと

思いました。

剣は、すでに一度ゲスターが見て、

中に何かが封印されていることに

気づきましたが、

それ以上は分かっていませんでした。

ゲスターが、

もう少し詳しく調べると言いましたが

ギルゴールがここで暴れて

剣を奪っていくよりは

素直に渡した方が良いと思いました。

ただ、問題は

皇帝を欲しがった場合でした。

 

考えを終えたタッシールは、

何も知らないふりをして微笑みながら

「この剣ですか?」と尋ね、

ギルゴールの方へ

ポンと投げ出しました。

彼の足もとに剣が触れて

止まりました。

ギルゴールの片方の眉が

斜めに上がりました。

 

タッシールは、

わざと剣を床に転がして、

ギルゴールの反応を注意深く見ました。

彼は、気に入らないといった

表情をしていました。

タッシールは、

ギルゴールにとって

大切な剣なのだろうかと思いました。

しかし、普段は言いたい放題の

ギルゴールが、

今は何が気に入らないのか

沈黙を守っていました。

1分が1時間にも感じられました。

 

これではダメだと思ったタッシールは

皇帝はゆっくりと回復しつつある。

今、皇帝を別の場所へ連れて行けば、

彼女の政敵が、

どのように出てくるか分からない。

皇帝がこうして無事であることを

皆に知ってもらう必要があると

先に声をかけました。

 

ギルゴールは、無表情で

じっと立っていましたが、

彼の話を聞いているようでした。

タッシールは、ラティルが

先帝とレアン皇子と先皇后に

裏切られたことを思い出しながら

また裏切られたら皇帝は悲しむと

付け加えました。

その言葉に、ギルゴールは

今までで一番大きく反応しました。 

大きな反応といっても

表情だけが変わる程度でしたが、

その状態で見つめるだけで

背筋がぞっとするような視線で

ギルゴールは

タッシールを見つめました。

 

タッシールは

親切な表情を装いながら、

その視線を避けませんでした。

猛獣と出くわした時は、

視線を避けてはいけないと

言ったりするからでした。

 

しばらく、その状態が続きましたが

意外にも、ギルゴールは剣を拾い、

対抗者の剣があったはずの鞘に入れて

自分の腰にぶら下げました。

そして彼は、去る代わりに

タッシールの向かい側に

胡坐をかいて座り、

腕を組んで目を閉じました。

 

彼が少し正気に戻ったのかと思い、

タッシールは

ギルゴールの顔色を窺っていると、

彼は、無愛想な声で、

正気なので、

そんなにジロジロ見る必要はないと

返事が返って来ました。


ギルゴールが

いつものようにタッシールのことを

坊やと呼んだので、

タッシールは嬉しそうに

「正気ですね!」叫びました。

 

ギルゴールが

チラッと視線を上げると、

タッシールは、自分の語感が

少しおかしかったことに気づき、

にっこり笑いながら、

皇帝は少しずつ回復しているので

心配しないようにと

話をすり替えました。

ギルゴールは、

回復しているのかと聞き返しました。

 

タッシールは、

中途半端に覚醒したようなので

神聖力は効かないけれど、

自ら回復していると答えました。

 

しばらくギルゴールは

意識のないラティルを見つめ、

何度もため息をつくと

目を閉じました。

吸血鬼の体を持っている彼でしたが、

今は、とても疲れているように

見えました。

 

人間のタッシールは、

それ以上に疲れていましたが、

万が一のために、目さえ閉じられず、

ギルゴールを、

ずっと見つめていました。

◇拒絶◇

一方、500年前に滞在中のラティルは、

着実に、旅に出る準備をしていました。

実を言えば、

ラティルはドミスのお金が

どこにあるのか

よく分からなかったので、

ランスター伯爵に準備を一任し、

彼女はクローゼットを漁って

持ち歩くカバンを用意する程度でした。

もちろん、

カルレインが訪れるのを防ぐために、

部屋の中にいないふりを

しなければなりませんでした。

 

そのようにして

ランスター伯爵が

忙しく過ごしている2日間、

ラティルは、

カルレインを避けるために

最善を尽くしました。

下女たちを相手にする時は

口を固く閉ざして過ごしました。

捜査官のアニャが訪ねてきた時は

悩みがあると言い訳をして

帰しました。

 

ところが、出発の準備を終えて

馬車に乗り込もうとしていた時、

背の低いラティルが

ランスター伯爵と手をつないで

背の高い馬車に乗り込もうとすると、

後ろから「ご主人様!」と

嬉しそうな声が聞こえて来ました。

ラティルは、

思わずランスター伯爵の手を

ぎゅっと握ってしまいました。

カルレインの声に、

心臓がドキッとしました。

その間にも、カルレインの声は

どんどん近づいて来ました。

 

ラティルは、

後ろを振り返りたい気持ちが

強くなりましたが、

カルレインの切ない瞳を見ると、

何とも言い難いすっきりしない気持ちに

なりそうだったので、

そうすることができませんでした。

 

ラティルが

その状態でじっとしていると、

ランスター伯爵は力を入れて

ラティルが馬車に乗れるように

引っ張りました。

ラティルが飛び上がるように

馬車に乗り込むと、

ランスター伯爵は笑いの混じった声で

外にいるカルレインに向かって

どうしたのかと尋ねました。

ラティルは、扉のすぐ隣の

馬車の外から見られない席に

急いで座りました。

すぐに「ご主人様と話したい」と

カルレインの無愛想な声が

聞こえてきました。

 

ランスター伯爵は、

クレレンドさんが

風邪を引くといけないからと

断ると、カルレインは

風邪を引くなどという

ありきたりな言い訳をするのは

誠意がなさ過ぎだと非難しました。

 

ラティルは、

ランスター伯爵がカルレインに

言い訳しているのを聞いて、

両手で顔を覆いました。

カルレインは、

全く信じられないというような声で

ご主人様は風邪を引かないと

主張しました。

 

ランスター伯爵は、

そんなとんでもない言い訳をするほど

今はカルレインに

会いたくないという意味だと

言い返しました。

カルレインは、

とんでもない言い訳をしたのは

ランスター伯爵だと非難しました。

 

ラティルはランスター伯爵を見つめると

彼は前を見ていましたが、

かすかにラティルの反応が見えたのか、

口角を上げました。

 

その間も、カルレインは

「ご主人様と話したい」と

言い続けました。

自然とラティルは、

同情心が沸き起こりましたが、

それと同時に、

やはり今のカルレインとは

絶対に向き合えないと思いました。

あの切ない声に続いて、

深淵に沈んだ瞳まで見たら、

さらに彼のことが

気になると思いました。

けれども、問題なのは、

その声も視線も、今は

ドミスのものだということでした。

 

カルレインは、

ランスター伯爵の言葉だけ聞いても

去らないようなので、

結局、ラティルは冷たい声で

彼を呼びました。

 

ランスター伯爵は驚いて

ラティルを見つめ、

「花嫁ですか?」と、小さな声で

ラティルがラティルなのか、

それともドミスなのかを

確かめようとしました。

 

ラティルは頷いて、

まだラティルであることを示した後、

自分はしばらく1人で行動したいと

外へ向かって、

冷たく言い放ちました。

 

カルレインは、

ランスター伯爵が

付いて行くのではないかと尋ねると

ラティルは、

彼とは途中まで一緒に行くつもりだと

答えました。

 

カルレインは、

危険だと訴えました。

ラティルは、

自分を危険にさらすような人は

誰もいないと反論しました。

 

カルレインは、

エイモンズ王国が聖騎士団を呼び寄せ

彼らはあちこち探し回っていると

心配しましたが、

ラティルは不安ではあるけれど

大丈夫だと大口をたたきました。

 

しかし、心の中では

カルレインの言葉に恐怖を感じ、

もし自分がドミスの身体にいる時に

彼らに捕まったら、

自分とドミスの両方とも

同時に死ぬのではないかと

不安になりました。


しかし、自分は未来で

クリーミーに会って、

地下牢にも行ったことがあるので

大丈夫。

ドミスも取引をして死ぬので、

エイモンズ王国のせいで

死ぬことはないと思いました。

 

カルレインは、

ドミスが冷たく彼を突き放し続けると

どうしても説得できないと思ったのか

結局、静かになりました。

ラティルは、わざと扉を

素早く閉めました。

 

扉を閉めるや否や、

カルレインへの申し訳ない気持ちが

押し寄せてきて、

ラティルはしょんぼりと

馬車の椅子に上半身だけ伏せました。

馬車が少しずつ揺れ始めましたが、

ラティルはその状態で

じっとしていました。

◇白い花の平原◇

ラティルは、その状態で

うっかり眠ってしまいました。

目が覚めると、

頭の高さが少し高くなっており、

それに、布団のようなものも

かぶっていました。

 

これは何かと思って

さっと上体を起こすと、

高価そうなコートが

馬車の床に落ちました。

 

驚いたラティルは、

コートを拾おうと思って

手を伸ばしましたが、

一足先に、別の手が

コートを拾いました。

向かい側を見ると

ランスター伯爵が座っていました。

 

ランスター伯爵の膝の上にある

開いたままの本を見たラティルは、

その時になって、ようやく

自分が心を痛めて

馬車の椅子にうつ伏せになった後、

3分もしないうちに

眠ってしまったことに気づき、

恥ずかしくなりました。

 

ランスター伯爵は、

花嫁が泣いていると思ったけれど

実は寝ていたと、

にっこり笑いながら言いました。

彼がラティルを

からかおうとしているのか

そうでないかは曖昧でした。

 

ラティルは大きく咳払いをして、

知らんぷりをすると、

窓にかかっている

小さなカーテンを開けました。

外を見ると、広い野原が見えました。

 

ラティルは、

ここはどこなのかと尋ねました。

ラティルは窓の外に顔を出しましたが

ランスター伯爵の城は

見えませんでした。

随分、長い間眠っていたようでした。

 

ランスター伯爵は

読んでいた本に視線を戻しながら 

「白い花の平原」と答えました。

 

ラティルは、

馬車が通る道の周りに広がる野原を

もう一度見ましたが、全部緑色で、

稀に花はあるけれど、白い花は、

あるかどうかも分からないほど

少なかったので、ラティルは

白い花がどこにあるのかと、

モヤモヤしながら尋ねました。

 

ランスター伯爵は、

本を1枚めくりながら、

白い花があるから、

白い花の平原と呼ぶのではないと

答えました。

 

それでは、

なぜ白い花の平原と呼ぶのかと

ラティルが尋ねると、

ランスター伯爵は

この平原の中間辺りを通ると、

幻影が見える。

その背景が白い花なので

白い花の平原と呼ばれていると

答えました。

 

ラティルはランスター伯爵を見つめ

目を丸くしながら、

幻影を見るなんて危険ではないかと

尋ねると、彼は、

普通の人なら少し危ないと

答えました。

 

ラティルは、

自分たちはどうなのかと尋ねると、

ランスター伯爵は本から目を離し、

ラティルを見ながら笑い出し、

未来のロードは、

自分が誰なのか自覚がないのかと

尋ねました。

ラティルは、

「ああ!」と返事をすると、

ランスター伯爵は、

嫌でもここは

通らなければならない。

このような巨大な幻影は

ガーゴイルの群れが過ごした痕跡なので

こういった場所の周辺を探せば

ガーゴイルを見つけることができると

説明しました。

ラティルは馬車の窓を塞ぎ、

念のためカーテンまで

しっかりと閉めました。

 

完全に覚醒していない自分は

人間と変わらないので仕方がないと

思ったラティルは、

訳もなく唸り声を出すと

御者は大丈夫なのかと尋ねました。

ランスター伯爵は、

生きている人ではないので大丈夫だと

答えました。

そういえばこの人も

黒魔術師だったとラティルは

納得しました。

 

引き続きランスター伯爵が

本を読んでいると

彼女はそのまま横になりました。

ここで心配しているよりは、

むしろ、もう一眠りしてから

起きた方が効率的だと思いました。

 

しかし、目を閉じても眠れないし、

耳にはランスター伯爵が

本をめくる音だけが聞こえて来ました。

眠れないなら、

そのまま起きていようか。

ランスター伯爵に、

仮面を脱いではいけないのかと

聞いてみようか。

一緒にゲームでもしないかと

誘ってみようかなど、

ラティルは考え続けましたが、

強い血の匂いがして来たので

上半身を起こしました。

 

ラティルは、

何の匂いだろうと思いながら

カーテンを開けようとしましたが、

ランスター伯爵が

反対側のカーテンをつかんで

開けるのを防ぎました。

先程は止めなかったのに、

なぜ、今度は止めるのかと

ラティルが疑問に思っていると、

ランスター伯爵は

通りかかった誰かが

幻影に惑わされ事故が起きたようだと

言いました。

 

ラティルは、

それは、分かっている。

そういうことなら外へ出て

助けなければならないと

主張しましたが、

ランスター伯爵は、

未来は分からないけど、

今、ドミスは指名手配中だと

言いました。


ラティルは、

それなら顔を見せなければ

いいだけのこと。

助けることができる時は

助けなければならないと言うと、

マントのフードを深くかぶって

さっさと外へ出ていきました。

 

なぜ、ランスター伯爵は

こんな簡単な問題を

あんなに重く捉えるのかと思いながら

血の匂いがする所へ行ってみると、

そこにいたのは、

予想もしなかった人物でした。

ラティルは慌てて

フードをさらに深くかぶりましたが

驚いた表情を隠すのは

容易ではありませんでした。

 

なぜ、彼女がここにいるのか。

剣に斬られて倒れていたのは

義妹のアニャでした。

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何千年も生きている

吸血鬼を前にしても

落ち着いて話ができるタッシールは

素晴らしいです。

 

ギルゴールは、

ラティルと剣の両方を

持って行きたかったような気がしますが

タッシールの話に耳を傾けて

ラティルを諦めたのも

素晴らしいです。

ギルゴールは狂った吸血鬼だと

言われているけれど、

正気を失っている時と

そうでない時を

自覚しているということは、

自分が何をやっているのか

分かっているけれど、

感情をうまく

コントロールできずに

暴走してしまうのかもしれません。

 

あれ?

ラティルは背が低かったっけ?

と思いましたが、

今のラティルが、

ドミスの身体の中に入っていたことを

忘れていました。

 

そういえば、ラティルが

捜査官のアニャに

大きくなったと言われた

シーンがありましたっけ。

ドミスの背が低かったという伏線が

すでに張られていました。

 

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