自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 551話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 我を忘れたゲスター

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551話 ラナムンは対抗者の剣でアニャドミスの胸を貫きました。

◇お母さん◇

今やアニャドミスは、

口から血を噴き出していました。

ラティルたちの勝利でした。

 

ダークリーチャーを

巧みに操っていたクロウが

アニャドミスに気を取られていると

上の方の状況も、

だんだん落ち着いてきたようでした。

 

ギルゴールが突然正気を失い、

どうなるかと思いましたが、

どうにか計画通りに進みました。

ラティルは、

あらゆる感情が凝縮された息を

吐き出しました。

 

しかし、依然として

安堵はできませんでした。

まだ、ギルゴールの精神は

崩壊したままで、

このまま放っておいても、

議長に勝つと思いましたが、

彼に勝ったからといって

ギルゴールが正気に戻るとは

思えませんました。

先ほど、ギルゴールは、

ラティルのことも

見分けられない様子でした。


それからラティルは

フードで顔を覆っている者を見ました。

議長と共に現れたあの者は

一体、何者なのか。

なぜ、あの者は何もしないで

自分たちを見つめるだけなのか。

 

ラティルがその答えを推測する前に

アニャドミスを救うために

クロウが何かをしようとしました。

ラティルは、彼が胸の中に

手を入れるのを発見すると、

彼が何をしようとしているのかも

わからないまま、

最後に一つ残った短刀を

彼に向かって投げました。

クロウの手の甲に当たった短刀が

横に跳ね返り、

彼が握っていた黒い粉が

散乱しました。

 

ラティルがそれに気を取られている間に

ずっと静かにしていた

フードをかぶった者は、

議長がギルゴールに押されそうになると

そちらへ飛び込みました。

 

ラティルはラナムンに

黒魔術師のクロウを

よく見張っているようにと叫ぶと

ギルゴールを助けるために

そちらへ身体を向けました。

そして、地面に転がっている

アニャドミスの剣を見つけると、

何となくモヤモヤするものの、

持ってきた短刀は、

すべて遠い所へ投げてしまったので 

とりあえず、それを掴みました。

対抗者の剣も、アニャドミスの胸骨に

刺さっていたので、

今一番使えそうな武器は

それだけでした。

 

しかし、フードをかぶった人と議長が

ほとんど一体のように動きながら、

ギルゴールを相手にするのとは違って

彼はラティルが助けるために

そばに来たにもかかわらず、

あまりにも速く動いているため

ラティルが彼を助ける隙さえ

ありませんでした。

まるで、ラティルは

2対2の戦いではなく、

1対2の戦闘に割り込もうと

努力している

孤独な人のように見えました。

それでもラティルが

何とか割り込もうとすると、

フードをかぶった人と議長は

そのような状況を巧みに利用して

ギルゴールの身体が

ラティルの剣を隠す構図を

作り出しました。

ラティルたちは

協力できていないのに

議長たちは協力し合っているので、

状況が良くありませんでした。

 

ラティルはチラッと

アニャドミスの方を向きました。

対抗者の剣で刺せば、

そのまま死ぬと思っていたのに、

剣が完全ではないせいなのか、

剣が身体を貫通したにもかかわらず

アニャドミスは生きていました。

 

クロウが何もできないように

ラナムンが防いでいてくれるものの

時間を引き延ばしてはいけないと

思いました。

 

ラティルは

タッシールが計画を立てていた時、

対抗者の剣を点検していた

ギルゴールが、

ただ一つ、対抗者の剣を

まだ、研ぎ澄ましていないという点を

除けば良い計画だと、

妙な表情で言っていたのを

思い出しました。

 

ギルゴールは、

対抗者の剣を対抗者が使い続けて

研ぎ澄ました時に、

ロードの息の根を止めることができると

説明しました。

その言葉に驚いたラティルが、

研ぎ澄ましていない剣で

ロードを刺したら

どうなるのかと尋ねると、

ギルゴールは肩をすくめて、

やったことがない。

あえてそんなことで

冒険することもできないと答えました。

 

しかし、今すぐ急に

剣を研ぎ澄ますこともできなかったし

ロードを退治するには、

対抗者の剣を使う方法しかないので

一行は仕方なく、

計画を立てながら対策を考えました。

死なせることはできなくても

攻撃は通じるだろう。

怪我を負わせた後に

封印するのはどうだろうか。

確か、百花が

封印する方法を知っていると

言っていたような気がしました。


ラティルは唇を噛み締めながら

議長とフードをかぶった者を

見つめました。

アニャドミスが、

あの剣ですぐに死ななくても

十分に埋め合わせることができたのに

想定外の議長の登場と

ギルゴールの精神の崩壊のせいで

計画は揺らいでいました。

 

何度か戦闘に割り込もうと試みた

ラティルは、

ギルゴールを刺激するようなことを

言うという、

博打を打ってみることにしました。

下手をすると、

ギルゴールが狙う方向が、

自分になるかもしれませんが

このままでは何もできず、

せっかく捕まえたアニャドミスを

逃してしまうことになるからでした。

 

ラティルはカリセンの宮殿で少し見た

過去のギルゴールの笑顔と

彼が両腕に抱いていた

2人の子供を思い浮かべました。

そのうちの1人の名前は

分かりませんでしたが、

1人の名前は確か・・・と

思い起こしたラティルは、

 

ギルゴール!

セルのことを考えて!

 

と叫びました。

 

ところが、その瞬間、

予想外のことが起こりました。

議長の肩を握っていた

ギルゴールだけでなく、

彼を斬ろうとした

フードをかぶった者まで、

そのまま

動かなくなってしまいました。

その上、ラティルが握っていた

アニャドミスの剣まで、

深くて狭い洞窟を風が通過する時に

出るような音を出しながら

振動しました。

 

1つの方向だけを狙って放った言葉に、

3方向から反応が来ると、

ラティルの方が、さらに驚きました。

しかも議長まで、

ギルゴールほど硬まっていないけれど、

やはり妙な表情で

ラティルを見ていました。

 

当惑してはいるものの、

とにかく反応したように見えたので、

ラティルはギルゴールが言った言葉を

最大限、蘇らせながら、

 

私たちの子供のことを考えて。

しっかりしなさい。

 

と付け加えました。

 

その言葉にギルゴールが、

何かを言おうとしましたが、

フードで顔を隠していた者が

フードを脱ぐと、

ラティルを見つめながら、

 

お母さん

 

と信じられない言葉を呟きました。

 

ラティルは、

自分と同じ年頃の青年が

自分をお母さんと呼ぶと、

気まずくなりましたが、

青年の顔を見て目を丸くしました。

白髪に紫色の目をした男は、

ギルゴールに

よく似た顔をしていました。

まるで、あの幻想の中で見た子供が

そのまま成長したようでした。

 

ラティルは青年を、

青年はラティルを見つめました。

時間が止まったようなその瞬間、

ラティルは、大きなハンマーで

背中を叩かれるような痛みを感じ、

前に倒れました。

◇我を忘れたゲスター◇

ゲスターは、

とっさにカルレインと大神官を連れて

狐の穴に入った後、

山の麓へ移動しました。

到着してから2人を放すと、

大神官はよろめきながら

カルレインをつかんで

立ち上がりました。

 

カルレインは、あっという間に

狐の穴に落ちたにもかかわらず、

すぐにバランスを取って

山の方を見ると、ゲスターを見ながら

自分たちは騙されたようだと

呟きました。

ゲスターは眉をひそめながら、

渋々 「そうですね」と答えました。

 

大神官は首を素早く振ると、

移動する前に最後に見た光景を

思い出しました。

部屋のように飾られた洞窟の中には

誰もいませんでした。

そこにいたのは、

大きな盆のような所に

たくさん集まって蠢いている

正体不明の

虫のようなものばかりで、

気持ち悪いだけでなく、

とても邪悪なオーラを

放っていました。

 

大神官は、

 

普通の虫ではなかったですよね?

 

と尋ねました。

カルレインは頷くと、

あの虫たちは、

毒を宿すダークリーチャーで、

時間が経ったり

侵入者が入って来たら

毒を吐き出すように

決められていたと説明しました。

 

ゲスターは目を細めて、

あの中には

カリセン皇帝がいなかったけれど

あそこに皇帝がいるというのは

最初から嘘だったのかと呟きました。

「そうだろう」と答えたカルレインは

呆れて空笑いをしました。


大神官はゲスターとカルレインを

交互に見ながら、

タッシールの言った通りなのかと

尋ねました。

 

タッシールは計画を立てる際に、

アニャドミスが言った場所に

カリセン皇帝がいないかもしれない。

その場合は全員で

ラティルの方へ行くように。

アニャドミスは、

カリセン皇帝の命をこのような形で

無駄にするつもりはないという

ことだからと、

ヒュアツィンテを助けに行くチームに

話しました。

 

カルレインは肩をすくめながら

分からないけれど、

とにかく自分たちも

あちらへ合流しようと言いました。

 

ゲスターは頷くと、

大神官とカルレインをつかんで

エトサ山の近くへ移動しました。

そこへ行くや否や、

ゲスターとカルレインは

スピードを上げながら、

素早く山を登り始めました。

 

パランガジェ山を登る時は、

ヒュアツィンテ皇帝が

山のどこに隠れているのか

分からなかったので、

それ程、スピードを

出せなかったけれども、

ラティルが山頂にいるのは

間違いないからでした。

 

ゲスターは、

大神官はカルレインと違って、

自分に付いて来られないと

思いながらも

速度を落としませんでした。

しかし、歩いている途中、

チラッと振り返ってみると

大神官は大きな差をつけずに、

よく付いて来ていました。

 

ゲスターは大神官を

「奇妙な奴」だと思いました。

ゲスターは、

全ての状況を楽観的に考え、

このような中でも

明るい顔で付いて来る

大神官を振り返って

舌打ちをしました。

 

ゲスターは、

たまに大神官を見る時に、

「なぜ神はこの人を?」

と思うことがありましたが

たまに「あっ、だからこの人を!」

と思うこともありました。

今日は後者でした。

 

しかし、

山頂にほぼ到着したゲスターは、

濃い血の匂いを嗅ぎ、

大神官がいようといまいと構わずに

無暗に速く走って行きました。

すでにカルレインは、

ゲスターよりさらに速いスピードで

進んでいました。

 

山頂に着くや否や

ゲスターが見た光景は、

アニャドミスが対抗者の剣に

突き刺されたまま、

ラティルに向かって

手を伸ばしている姿でした。

ラティルは見えない力に

貫かれたように、

血を噴き出しながら

前に倒れていました。

 

ゲスターには、これら全てが

スローモーションのように

見えました。

他の人たちが何をしているかは

何も見えませんでした。

ラティルだけしか、

目に入りませんでした。

 

ゲスターは、

何をすべきか考えることもなく、

あっという間に

ラティルの所へ駆けつけると、

彼女を片腕で抱いて再び後ろに戻り

もう片方の手で

大神官をひったくるように掴み、

その場を離れました。

そして狐の穴を

タッシールとメラディムのいる

月楼の宮殿に繋げました。

 

突然現れた彼らを見つけ、

驚いて立ち上がる

タッシールを無視し、ゲスターは

すぐにベッドへ歩いて行き、

ラティルを下ろしました。

そして、彼は大神官も放しながら

 

治療してください。 今すぐ!

 

と叫びました。

 

彼が叫ぶ姿を初めて見た大神官は

驚いて目を丸くしましたが、

頷くと、慌てて神聖力を

ラティルの傷に注ぎ込みました。

しかし以前と違って

ラティルの傷は

少しも治りませんでした。

 

大神官は、こんなことを

一度も経験したことがないので、

神聖力をバケツで注ぐように

注ぎ込みましたが、

やはり、ラティルの傷は、

少しもよくなりませんでした。

 

タッシールとメラディムは

慌てて、そばに駆けつけ、

 

どうしたんですか?

 

どうして陛下が

こうなったんですか?

 

と尋ねました。

◇全てが狂った◇

クロウという黒魔術師が、

突然、自分の手を噛むのを見た瞬間、

ラナムンは、彼が何か最後の手段を

使おうとしていることに気づき、

すぐに彼の手を引っ張りました。

 

ラナムンの予想が正しかったのか

肉が剥がれた彼の手から

邪悪なオーラが溢れ出し、

地面に落ちました。

そして、黒魔術師の血が、

大型犬サイズのサソリのように変わり

ラナムンに絡みつこうとしましたが

そばに来られず退きました。


ラナムンは短刀で

そのサソリを斬りつけている途中、

アニャドミスがラティルの方へ

手を伸ばしているのを発見しました。

彼女は、

何も手に持っていませんでしたが、

彼女の伸ばした手は

正確にラティルを指していました。

 

ラナムンは反射的に

そちらの方向へ顔を向けました。

すぐに彼の目が大きくなりました。

何事もなかったのに、

皇帝の背中に

大きな穴が開いていました。

 

それを見たラナムンが

黒魔術師を放り出して

立ち上がった瞬間、

突然、皇帝のそばに現れたゲスターが

彼女を抱いて消えてしまうという

再び、予想できなかったことが

起こりました。

 

ラナムンが我に返ると、

すでに皇帝とゲスターは

消えてしまっていて、

先程までいなかったカルレインが

呆然とした表情で立っていました。

 

ラナムンが、

押し寄せて来るサソリを

短刀で打ち負かしている間、

カルレインは、アニャドミスの方に

さっと顔を向けたかと思ったら、

すぐに剣を持って駆け寄りました。

最後の力を振り絞って

皇帝を攻撃したかのように、

アニャドミスは、

カルレインが到達する前に、

前方に倒れました。

それを見た議長は、

あっという間に目の前に現れ、

彼女を抱いて消えました。


目的を失ったカルレインの剣は、

初めて見る白髪の青年の槍と

ぶつかりました。

妙にギルゴールに似た青年でした。

しかし、2、3回ほど

カルレインと剣を交えた青年は、

戦いを長引かせる気がないのか、

大きく槍を振り回して

カルレインとの距離を広げるや否や

クロウを引っ張って

絶壁の下に飛び降りました。

 

勝利を目前にした状況で、

あっという間に、

敵は皆逃げてしまい、

すべてが狂ってしまいました。

 

最後のサソリを処理したラナムンは

ギルゴールを見つめました。

皇帝が呼ぶ変な名前を聞いて、

一瞬、我に返ったと思った

ギルゴールは、再び、

ぼんやりと虚空を眺めていました。

首はこちらを向いているけれど

彼が見ているのは

ラナムンやカルレインでは

ありませんでした。

そして、数秒後に

ギルゴールも消えました。

たった数分の間に、

ここに残されたのは

ラナムンとカルレインだけでした。

 

大きな鳥の羽ばたきの音とともに

グリフィンが地面に舞い降りました。

これは一体どういうことなのかと

尋ねるグリフィンの上に、

カルレインは何も言わずに乗り、

ラナムンも乗るようにと

目で合図をしました。

 

グリフィンは、

 

誰が乗せてやると言った?

降りろ!

 

と激しく抵抗しましたが、

カルレインは、

ゲスターは皇帝を

タッシールの所へ連れて行ったはず

大神官を一緒に連れて行ったので

間違いない。

そこへ行こうと言いました。

その時刻。

ラティルは狐の仮面、

正確には先代の狐の仮面である

ランスター伯爵と

向かい合って座っていました。

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ゲスターは卑怯者で、嘘つきで

悪辣なことを考え、

ライバルを貶めることばかり

考えている嫌な奴だけれど、

ラティルを想う気持ちだけは

本物なのだと思いました。

ラティルを助けるために、

猫かぶりをするのを忘れるほど

取り乱し、慌てるゲスターに

初めて好感を持ちました。

 

それにしても、全てを台無しにした

議長には腹が立ちます。

シピサがギルゴールを

憎むように仕向けたのも

議長だと思いますが、

子供たちを可愛がっていた

ギルゴールにシピサが

剣を向けるなんて残酷だと思います。

この時、

ギルゴールが正気を失っていて

本当に良かったと思います。

 

ところでグリフィンは

クラインとサーナット卿を

乗せたまま、

カルレインとラナムンを

乗せたのでしょうか?

そうだとしたら、

グリフィンが少し可哀そうだと

思いました。

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