自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 552話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 母親に会いたがる青年

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552話 ラティルの目の前には、なぜかランスター伯爵がいました。

◇無力感◇

ラティルは、

これがどのような状況なのか

すぐには分かりませんでした。

 

自分のことを

お母さんと呼んでいた

ギルゴールに似ている青年を

見ていた時に、

急に背中が痛いと思ったら、

なぜかランスター伯爵が

目の前にいるので

訳がわかりませんでした。

 

ラティルがぼんやりと

ランスター伯爵を見ていると、

彼はお茶を一口飲んで笑い、

 

よく来ますね。


と言いました。

 

ラティルは力なく、

ランスター伯爵をじっと見つめ、

記憶が消える前に

痛みを感じたところを触りました。

顔を触りながら、

髪の毛を何本か引っ張って

目の前に持って来ると、

赤い色をしていたので、

やはり、自分は

ドミスの身体の中にいることが

分かりました。

 

ラティルは頭を抱えました。

普段なら、

ドミスの夢をまた見たと

思うところでしたが、

最後の記憶があまり良くないので

急に怖くなりました。

 

ランスター伯爵は

そんなラティルを見て、

前は不思議がっていたのに、

今日は、どうも変だと言って

首を傾けました。

 

ラティルは見慣れた狐の仮面と

その向こうに見える

見慣れない髪の色を見ながら、

自分は何日ぶりに現れたのかと

落ち着いて質問しました。

ランスター伯爵は口元を上げると

すぐに彼の口から「15分」と

信じられない言葉が飛び出しました。

 

ラティルは思わずテーブルを叩いて

立ち上がると、

勝った試合に負けた人のように

両腕を振り回し、また座りました。

実際、勝った試合に負けたのは

事実でしたが、

アニャドミスを

対抗者の剣で刺したのは確かなので

本当に負けたのだろうかと考えました。


そして、それよりも、

少なくとも数ヶ月は

ドミスの夢を見ていないのに、

15分しか経っていないのが

不思議でした。

 

一緒に時間が流れるものではないかと

じっくり考えていると、

陶器を引きずる音と共に

ラベンダーの香りが漂って来ました。

ランスター伯爵が

茶碗を前に置いてくれたのでした。

彼はラティルを

自分の子孫の妻と呼ぶと、

飲んで落ち着くようにと勧めました。

ランスター伯爵と目が合うと、

彼は笑いました。

 

ラティルは、以前、彼に

彼の子孫または弟子のゲスターを

側室に入れることになると

言ったのを思い出して

恥ずかしくなりました。

 

ラティルは、ランスター伯爵が

飲んでいたお茶ではないかと

尋ねました。

彼は、それを否定し、

ドミスが飲みたいと言ったので

持って来たと答えました。

 

ラティルは、

この身体はドミスの身体なので

「飲んでも構わないよね?」

と聞いてから、お茶を飲みました。

元気を出すために

お茶を飲んだけれど

熱いお茶が食道を通るのを

生々しく感じると、

さらに悲しくなりました。

 

ラティルはしばらくの間、

ぼんやりと窓の外を眺めました。

最後に見た場面が

生々しく頭に思い浮かび、

とてもそわそわしました。

この状態は長くは続かないので、

すぐに元の身体に戻るだろうと

思うことで、ようやくラティルは

心を落ち着かせることができました。

 

なぜ急に自分が、

ドミスの身体で話して

動けるようになったのかも

気になりましたが、

自分が気絶した後の状況が

気になりすぎて、

こちらのことは

考えられませんでした。

 

ラティルは、

ぼんやりとしていましたが、

腕を組むと、テーブルの上に

突っ伏しました。

勝機を目前にした状況で、

再びアニャドミスを

倒せなかったのだとしたら、

無力感に襲われそうでした。

◇失敗だらけの計画◇

議長はふかふかの布を

幾重にも重ね、

その上にアニャドミスを横たえると

「状態がひどい」と呟きました。

最後の力を振り絞って

皇帝を攻撃したアニャドミスは、

完全に気力を失い、意識もなく

ぐったりしていました。

クロウはすすり泣きながら、

そんなアニャドミスを

じっと見つめました。

 

白髪の青年は、クロウの手に

すり潰した薬草を乗せ、

包帯を巻きながら、

魂に対抗者の力が宿っているおかげで

対抗者の剣で刺されても生きている。

普通のロードとか

普通の対抗者だったら、

もう死んでいる。

その2つが合わさっているので

死ななかったと、

微妙な口調で呟きました。

 

白髪の青年が治療を終えて

籠に包帯を入れると、

クロウは堪えきれなくなり、

あの剣を何とかすれば、

ロードが目覚めるのではないかと

泣きながら尋ねました。


白髪の青年は、

屈んでいた身体を起こすと、

優しそうだけれど冷たい声で、

あの剣を抜くことができるのは

対抗者だけだと答えました。

 

クロウは、

 

え?ということは?

 

と聞き返すと、青年は、

彼女が目を覚まして直接抜くか、

他の対抗者が

抜かなければならないということだと

答えました。

 

クロウは目を大きく見開きました。

一体、誰が

あの剣を抜いてくれるのか。

アイニ皇后は、アニャドミスが

自分を狙っていることを

知っているので

抜いてくれるはずがないし、

皇帝とラナムンは力を合わせて

あの剣を打ち込んだ人たちなので、

当然抜くわけがないので、

本人が目を覚まして

抜くしかありませんでした。

 

クロウは、

あの状態でロードが

目覚めることができるのかと、

絶望的な気持ちで尋ねました。

 

クロウは、

いくつかの可能性を考慮して

計画を立てたのに、

敵の計画に負けたことが

信じられませんでした。

しかも、あの議長と白髪の青年は

自分とロードを

救ってくれたにもかかわらず、

全く信頼できませんでした。

 

最後に彼らに会った時、

ロードはあの2人を剣で斬り、

彼らは死んでいるように見えました。

死んでいなくても、少なくとも

重傷を負っていたはずでした。

それなのに、

2人はすっかり元気でした。

しかも、彼らを攻撃した

ロードを救ってくれました。

常識的に考えても、

あの2人には

何か企みがありそうでした。


白髪の青年と議長は

クロウの質問に答える代わりに、

互いに視線を交しました。

しばらくすると、議長は

起きるかどうかは

自分にもわからない。

まともに何かをやってみる前に

やられてしまうなんて、

自分も予想していなかった。

ある程度の競争は

できると思っていたのにと

肩をすくめて返事をしました。

 

クロウは、議長の言うことが

理解できなかったので、

「競争?」と

力なく聞き返しました。

 

議長は近くの丸い椅子に

優雅に座りながら、

思っていたより彼女は、

きちんと身体を使えないようだ。

対抗者の身体で戦った時のように

ロードの身体を使うので、

世界で一番強い身体を持っていても

相手に押されたと呟きました。

 

説明なしに、

むやみにロードの実力を貶める

ニュアンスに、

クロウはカッとなり、

気分を害しましたが、

抗議することもできませんでした。

 

拳をギュッと握るしかない

クロウを見守っていた青年は

しばらく話をしようと

議長に目配せをしました。

彼は頷いて席を立つと、

部屋の外に出ました。

 

クロウは

彼らが出て行くのを見ましたが、

付いて行く代わりに

両手で頭を覆いました。

それでも白髪の青年は

廊下をしばらく歩きながら、

クロウが付いて来ないか確認した後に

ようやく議長に、

訴えるように打ち明けました。

 

議長は、

いくつかの計画を立てたけれど

今までは、すべて失敗した。

ロードが勝利した時も、

自分は安息を2回とも、

見つけることができなかった。

勝利と呼ぶには、

曖昧なところがあったけれど、

とにかく役に立たなかった。

ロードの身体を封印する方法も

結局失敗した。

ロードと対抗者の力の

両方を持った人なら、

自分の息の根を

止めることができると思い、

彼女に斬られたけれど、

それも結局ダメだった。


議長は青年の呟きを

黙って聞いてくれました。

青年は悲しそうな目で

議長を見つめると、

最後に立てた計画は、

あの半分ロードで半分対抗者が

騎士たちの命を奪うことだったのに

3人の騎士たちが皆力を合わせて、

他の人たちまで彼らを助けている。

たった1人の

息の根を止めることもできず、

むしろ、あのようになった。

自分は、この計画が

まともに実現するのかどうか

疑わしく思っていると話すと、

口を閉じて肩を落としました。

 

議長は滑らかな顎を触りながら

青年の次の言葉を待ちました。

彼が単に訴えるために、

話をしようと呼んだのではないことを

知っていたからでした。

 

議長は屈することなく、

じっと待っていると、

ついに青年は、

そっと唇を噛みながら、

議長が、

自分に聞かせてくれた計画は

全部で6つあり、

そのうち3つは失敗し、

もう1つは成功の可能性が

低いようだ。

前に話してくれた

他の2つの方法を覚えているかと

尋ねました。

 

議長は、

もちろん、覚えている。

自分はメラディムではないからと

答えました。

 

青年が唇を尖らせると、

議長は青年の肩を軽く叩き、

一番確実だけれど、

一番不可能な方法だと言った方法を

聞きたいのかと尋ねました。

青年は、ゆっくりと頷くと、

転生するロードは

前世と魂が同じだけれど、

以前の記憶がないので、

その方法は使えないと

議長は言った。

けれども、母は

セルについて話したと訴えました。

 

議長は、

生まれ変わった母親は、

母親とは言えないと反論すると

青年は苦々しく笑いました。 

 

議長は、

魂が同じでも、その人が

アリタルだと言えるだろうか。

魂が同じでも、他の身体、他の血、

他の記憶、違う価値観など、

全てが違うので、

新しい人と変わらない。

ドミスはドミスで、

アリタルはアリタルだ。

何千年もの間、それを、

どれだけ何度、確認して来たことか。

それを受け入れることができなければ

ギルゴールのように狂ってしまう。

もちろん、彼はその前に

すでに狂っていたけれどと

話しました。

 

しかし青年は議長の話を聞いても

屈することなく、

転生した母親に

前世の記憶があるとしたらと

反発するように尋ねました。

 

そして青年は震える声で、

母親がセルを覚えていれば、

自分のことも

覚えているかもしれないと

言いました。

 

議長は、

いつも沈んでいた青年の瞳が

とても久しぶりに

希望を抱いていることに気づきました。

それを見た議長は心を痛め

ため息をつくと、

青年は何をどうしたいのかと

尋ねました。


彼は、どうせあの人は

しばらく目覚めないだろうし、

彼女が目覚めなければ、

6番目の計画は

試みることもできないと答えました。

そして、青年は

急いで議長の腕を掴むと、

 

お母さんに会いたいです。

 

と訴えました。

◇過去が変わる心配◇

しばらく眠りについていたラティルが

目を覚ますと、

まだ向かいに座っている

ランスター伯爵を見て

顎を震わせました。

 

思わずラティルが悪態をつくと

ランスター伯爵は驚いたように

「おっと」と呟き

意外とラティルは口が悪いと

指摘しました。

 

ラティルは手を伸ばすと、

手を握ってもいいかと

ランスター伯爵に尋ねました。

彼は、

 

会って間もないのに、もう?

 

と挑発するように笑いながらも

手を差し出すと、ラティルは、

仮面のせいで

顔を触ることができないので

手を触ってみたい。

夢かどうか確かめたいと反論し、

ランスター伯爵の手に触れました。

生き生きとした肌触りを感じると

ラティルは手を下ろしました。

彼女は、ますます混乱して来ました。

 

どうしたんですか、未来の花嫁?

 

と、ランスター伯爵が

笑いながら尋ねると

ラティルは頭を抱えながら、

自分は、

ずっとこの身体にいるけれど、

どうしてずっとこの状態なのか

わからない。

今頃、元の身体に

戻らなければならないのにと

答えました。

 

ラティルは、この状況になる前に

背中に感じられた

強い痛みを思い出し、

顔が真っ白になりました。

 

もしかして、元の身体が

死んだとかではないですよね?

 

と尋ねると、ランスター伯爵は

死んだなんて、どういう意味かと

足を組みながら、

興味深そうに、尋ねました。

そして、

自分が役に立つかもしれないので

話してみてと促しました。

 

ラティルは、

テーブルの上にあった茶碗が

すべて消えたことに気づきました。

ラティルが寝ている時に

不便を感じないように

片付けてくれたようでした。

 

ラティルはランスター伯爵を

何とも言えない目で見つめました。

彼は前世でも

ドミスの味方だったし、

未来でも自分の味方だから

状況を話しても良さそうでした。

一方、ランスター伯爵は

ラティルを急かすことなく

のんびりと待っていました。

 

ラティルは、しばらく考えました。

もし自分が未来の話をして

過去が変わったり、それで全てが

狂ったりするのではないかと

心配になり、

簡単に話せないと思いました。

ゲスターに確認した時、

受け継いだ記憶の中で

自分の記憶はないと言っていたけれど

どうしたらいいのかと悩みました。

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シピサは、

勝利と呼ぶには曖昧だと

言っていますが、ロードが

2回も勝利していたというのには

驚きました。

けれども、結局ロードは

何らかの形で亡くなったから

500年ごとに

転生しているということですよね。

以前、メラディムが

ロードが覚醒しなければ

そのまま自然に死を迎えるという

話をしていましたが、

覚醒していないロードが

対抗者に勝つという事例が

2回あったのかもしれないと

思いました。

 

安息を求めて

何千年も生きて来たシピサ。

彼のそばには

議長しかいなかったため、

彼の立てた計画が

半分も失敗しても

孤独になるのが嫌で

彼のそばを離れなかったのだと

思いました。

そして、議長は、

シピサに安息を

与えられるのは自分だけだと

言い聞かせていたのかも

しれません。

 

議長の話によれば、

魂が同じでも

他の身体、他の血、

他の記憶、違う価値観など、

全てが違うので、

新しい人と変わらないと

言っていますが・・・

 

議長がセルの魂を呼び出しても

アニャドミスが

気を失わなかったことから、

アニャドミスはセルの転生では

ないと思います。

それに、骸骨を使って

対抗者のアニャの魂を

召喚した時に、ラナムンは

気を失っていなかったので

彼は対抗者のアニャの

転生ではないと思います。

ということは、ロードも対抗者も

必ずしも先代の魂の転生ではなく

ロードと対抗者としての使命が

500年ごとに

受け継がれていくのではないかと

思いました。

けれども、時には、

かつてのロードが

再びロードに転生することも

あったかもしれません。

けれども、今までアリタルは

一度も転生していなかった。

でも、議長は、

アリタルの魂が

繰り返し転生していると信じていた。

そして、その度に

アリタルの記憶を持つ人が

いなかったので、

議長は転生した魂は

転生する前の魂とは別物だと

考えるようになったのかも

しれません。

 

ラティルがセルの名前を

口にした時、

シピサは、ようやく母親に

巡り合えたと思い

とても嬉しかったのではないかと

思います。

議長は、シピサのことを

愛しているからこそ、何千年もの間、

彼と一緒にいたと思うので、

シピサの気持ちを

大事にして欲しいと思います。

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