自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 576話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 以前とは違うギルゴール

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576話 窮地に陥ったラティルを助けてくれたのはギルゴールでした。

◇様子がおかしい◇

ラティルは、

ギルゴールの白髪の後頭部を

ぼんやりと見つめました。

そして、遅ればせながら、

自分がかぶっているコートが、

ギルゴールがよく着ている

白いコートだということに

気づきました。

 

ラティルはギルゴールに、

どこへ行っていて、

なぜ、突然現れたのか。

どうして自分が

ここにいることを知って

やって来たのか。

息子に出て行けと言われたけれど、

精神的に大丈夫なのかと、

聞きたいことがたくさん

浮かんで来ました。

しかし、このような状況で

そのような話をする余裕は

ありませんでした。

その時、ギルゴールが

ラティルの方へ顔を向けることなく

 

お弟子さん。

 

と呼びました。

 

その言葉にラティルは自然に

 

えっ?

 

と返事をすると

同時にアニャドミスも、

 

何ですか?

 

と返事をしたので、

ラティルは驚いて口をつぐみました。

アニャドミスも

一瞬、ギョッとしました。

彼女は眉をひそめ、

 

頭がおかしくなりそうだ。

 

と心の中で呟きました。

まるで彼女は、ギルゴールの言葉に

返事をした自分を

抹殺したいという表情を

していました。

しかし、ギルゴールは

これについて何か言う代わりに、

腰についた剣を鞘ごと取り出して

後ろに投げました。

 

ラティルは、

すぐに剣を受け取りました。

剣の鞘は対抗者の剣を

入れておいたものでしたが、

剣を抜くと、出て来たのは、

以前、アニャドミスが持っていた、

初代対抗者の魂が

封印されている剣でした。


一緒に行くことにしていたでしょ。

 

と、ギルゴールは、

意味不明なことを言ったかと

思うと、あっという間に

アニャドミスへ飛びかかりました。

ラティルも急いで剣を持って

割り込もうとしましたが、

一歩遅れました。

以前のように、

アニャドミスとギルゴールの

戦う速度が速いため、すでに、

手がつけられなくなっていました。 

 

ラティルは心の中で

ギルゴールに対し悪口を吐きました。

彼はアニャドミスの命を奪えず

対抗者の剣を使うこともできず、

彼女の弱点の位置も知らないのに、

あんなふうに前に出られると

困りました。

やむを得ずラティルは、

ギルゴールの邪魔ができないように

クロウを追いかけ、

 

ギルゴール!針!

そこを攻撃して!

 

と叫びました。

 

クリーミーが、

まだ杖を抜くことができなかったら

そこを攻撃しても無駄でしたが、

いずれにせよ、ギルゴールは

その弱点を突く以外に、

アニャドミスを退治することは

できませんでした。

ラティルも、

対抗者の剣が手元にない上、

自分は対抗者ではないので、

アニャドミスの息の根を止めることは

できませんでした。

だから、ラナムンが来るまで

時間を稼ぐしかないし、

あの弱点は、

クリーミーが杖を抜いてしまったら

二度と使えないので、

今からずっと試み続けなければ

なりませんでした。

 

ギルゴールは、  

 

針?

 

と尋ねると、

アニャドミスが振り回す剣を

長い爪でかわしながら、

彼女のこめかみ付近を見て

 

あ~、あれ。

 

と、呟きました。

 

アニャドミスは手のひらを広げ、

ギルゴールに見えない力を放つと

身体を後ろに引いて

針を抜こうとしました。

しかし、針は、

ラティルがそれなりに深く

刺そうとしたものの、

骨を突き抜けて

入ったわけでもないのに、

意外とすぐに抜けませんでした。

 

ラティルは、

弱点を攻撃されても

平気なアニャドミスを見て

心が揺れましたが、

再び、希望が湧いて来ました。

ラティルは、

何かが働いていると思いました。

 

アニャドミスは

針を抜こうとしながらも、

手当たり次第に

ギルゴールとラティルに向かって

無形の力を放ちました。

しかし、室内で使うには

不適切な力なので、

引き続きアニャドミスが

巨大な力を放つと、屋根が揺れ、

天井の一角が、

ゾクゾクするような音を立てて

斜めに沈み込みました。

 

ロード、塔が崩れます!

 

ラティルは驚いて叫ぶクロウを

ポンと蹴り、剣の柄で

彼の頭頂部を叩きつけました。

彼のことは

ずっと気になっていましたが、

アニャドミスの後ろから

攻撃して来たので、

捕まえることができませんでした。

ところが、アニャドミスは

ギルゴールを相手にしなければ

ならないので、

ついにラティルは、

クロウを捕まえられるように

なりました。

 

クロウが頭頂部を押さえて

床を転がると、

ラティルは躊躇うことなく

クロウの頭頂部を

何度か叩きつけました。

クロウが気絶すると、ラティルは

アニャドミスとギルゴールの戦いを

見守りながら唇を噛みしめました。

 

アニャドミスは

屋根が崩れることを恐れて

無形の力を放ちませんでしたが、

ギルゴールは、

よく戦い続けました。

ギルゴールの爪と

アニャドミスの剣が

小さな稲妻のように

あちこちで火花を散らし続けました。

 

ギルゴールは、

槍はどこかに置いてきて、

爪だけで戦うのかと、

しばらくラティルは

考えたりもしましたが、

最大限、集中力を発揮して

二人の指先だけを

見つめようとしました。

すでに頭ではなく

勘で戦う段階に入った

アニャドミスの本音も

今は聞こえて来ませんでした。

そして、ラティルも、

アニャドミスの本音だけに

頼るわけにはいきませんでした。

その一方で、ラティルは

クロウが気絶したふりをしていて、

こっそり

攻撃するのではないかと思い、

頻繁に気絶したクロウを

確認しました。

 

それから、ラティルは

今のギルゴールは確かに正気だと

呟くと、唇を噛みしめました。

前のギルゴールは

正気ではなかったので、

ラティルが割り込む隙を

与えませんでしたが、

今のギルゴールは正気なのに、

ラティルが割り込む隙を

与えませんでした。

とにかく、彼が正気ならば、

アリタルの話を持ち出すことも

できませんでした。

どうやって正気に戻ったのかは

分かりませんでしたが、

正気の彼にアリタルの話をすれば

逆に、再び彼が正気を失う可能性も

ありました。

 

そうするうちにラティルは

アニャドミスの顔が

とても青白くなったことに

気づきました。

怪我をしているのに、無理に

動き続けたせいもあるだろうけれど

片方の身体の動きが

鈍くなっているのを見ると、

頭に刺さった針が少しずつ 

働いているような気がしました。

どうやらクリーミーは、

ラティルがアニャドミスに

針を刺してから、杖を抜いたに

違いありませんでした。

 

ラティルはイライラしながら、

剣をギュッと握りました。

もう一度、あそこを

攻撃すればいいと思いました。

 

そうしているうちにラティルは

何か嫌な感じを受けたので、

何だろう?と思いました。

アニャドミスの顔は

ますます青白くなり、

ギルゴールは正気を保って

アニャドミスを攻撃しており、

クロウはまだ気絶しているので、

何が問題なのか

わかりませんでしたが、

一方向に進む魚の群れの中に

一匹だけ反対方向に泳いでいる魚を

見つけたような感じでした。

 

何だろう?

何が問題なのだろう?

 

しばらく、ラティルは、

ぼんやりと前を見つめていましたが、

意図したかのように、

自分が割り込む隙を与えない

戦いを眺めているうちに、

ついにラティルは変な点に気づき、

目を大きく見開きました。

 

ギルゴール、 どうして?

 

ギルゴールがアニャドミスと

素早く攻撃を交わすのは

以前と同じでしたが、

よく見ると違う点がありました。

2人の爪と剣がぶつかる音は

すべてギルゴールが攻撃して、

アニャドミスが防御する音でした。

しかし、ギルゴール本人は

アニャドミスの剣に

斬られたり刺されそうになっても

防御は全く気にせず、

アニャドミスを攻撃していました。

その事実に気づくや否や、

ラティルは鳥肌が立ちました。

 

以前、正気を失った時の

ギルゴールは、

むやみやたらと攻撃しましたが、

その状況でも、

攻撃と防御が適切に入り混じった

完璧な戦いをしていました。

しかし、

今のギルゴールは正気なのに、

防御を諦めているようでした。

むしろそのせいで、アニャドミスは

防御に躍起となっている状況に

なっていましたが、長期的に見れば

絶対に良くありませんでした。


その事実に気づくや否や、

対抗者の剣が、

ギルゴールを斬りつけました。

 

ギルゴール!

 

ラティルは悲鳴を上げて

間に割り込もうとしましたが、

アニャドミスは剣を振り回し、

巨大な無形の力を

ラティルに向かって放ちました。

 

見えない力の範囲が

どれほど巨大なのか、

ラティルは避けたにもかかわらず、

それに巻き込まれてしまいました。

それだけでなく、

ラティルが立っていた床と

天井まで崩れ、

あっという間に壁までなくなり、

その場は、

ただの空間になってしまいました。

壊れた壁越しに、遠く離れた山々を

見ることができました。

 

ラティルは緊張して

アニャドミスを

じっと見つめました。

前に地下室で戦った時の

アニャドミスは、

力をあちこち放つと

壁が崩れ落ちるのではないかと

心配し、できるだけ剣だけで

戦おうとしました。

しかし、今のアニャドミスは

そんなことは気にしないように

なりました。

だんだん窮地に追い込まれると、

アニャドミスも、

肉を切らせて骨を断つ覚悟をしたに 

違いないと思いました。

 

あの狂った者が、

もっと狂ったのか!

 

ラティルはギルゴールに、

きちんとしろと

叫びたかったものの、

そうすることでアニャドミスが

ギルゴールの今の様子に

気づくのではないかと思って

叫ぶこともできず、

剣の柄だけに力を入れました。

 

昔も今もアニャドミスは

ギルゴールと一対一で

戦っているので、

ギルゴールの状況を

知っている確率が高いと思いましたが

だからといって

危険を冒す必要はありませんでした。

その代わり、ラティルは

すぐに割り込めなくても、

とりあえず周囲を

取り囲むくらいはしようと思い、

剣を持って、

そちらへ行きましたが、

今度もアニャドミスは、

無形の力で、

ラティルを屋根と一緒に

吹き飛ばそうとしました。

 

ラティルはそれに流され、

一瞬、飛ばされそうになりましたが

屋根の破片を蹴って戻って来て、

アニャドミスの足を蹴りました。

◇ついに・・・◇

そのように、

激しい攻防が交わされる頃。

ラティルは、

アニャドミスが壊した壁の向こうの

城壁の間の道を移動している人々を

発見しました。

誰なのか確認するのは難しいけれども

ラティルが呼んだロードの仲間か

アニャドミスとクロウが呼んだ

敵だと思いました。

 

その瞬間、

アニャドミスが放った力で、

ギルゴールとラティルが

立っていた床が消え、

二人の体が傾きました。

ラティルは素早く

普通の柱の上に着地して

立ち上がると、ギルゴールは

落下する瓦礫の上を飛び渡り、

アニャドミスに爪を振っていました。

しかし、アニャドミスが立っていた

床も崩れたのか、

空中で2人の攻撃がぶつかるや否や、

その下の床まで崩れました。

 

崩れる床と壁、石の間で

ラティルは、

最大限バランスを取りながら、

アニャドミスとギルゴールから

目を離そうとしませんでした。

 

そうするうちに、

半分壊れた他の階に止まった時、

ラティルはアニャドミスに

飛びかかり、弱点に向かって

剣を振り回しました。

しかし、アニャドミスは

ラティルの剣を避け、

今度は無形の力を使う代わりに

姿を消しました。

四方が、

落ちて来た瓦礫だらけなので、

気配を隠しやすいと思ったのか、

それとも、

弱点の位置を隠すためなのかと

ラティルは思いました。

 

アニャドミスは、心の中で

 

死ね、ギルゴール!

 

と叫びました。

いずれにせよ、

アニャドミスの計画は、

今回は確実に通じました。

彼女のいる方向は分かりましたが、

四方が騒がしい所で、音を聞くのは

容易ではありませんでした。

それに今度は彼女の居場所だけでなく

彼女の弱点も突き止めなければ

なりませんでした。

 

人がいる気配で

アニャドミスを感知する

ギルゴールにも不利なようで、

彼は眉をひそめたまま

じっと立って、 

アニャドミスを攻撃しませんでした。

 

それでは私がやる!

 

ラティルは、

ギルゴールが動くのを待つ代わりに、

アニャドミスがいる所へ向かって

先に動き、剣を振り回しました。

 

やはり、あの皇帝は

私のいる位置を

知ることができる!

 

何かが剣の先を

かすめて行くような感じが

しましたが、ラティルは止まらず、

アニャドミスに向かって

剣を振り回しました。

しかし、アニャドミスが

自分の頭を確実に防御しているので、

剣がぶつかるのは彼女の剣か

衣服が擦れる程度でした。

 

そうしているうちにラティルは

上から落ちてくる鋭い何かを感じ、

アニャドミスを打とうとした剣を

上に立てて、頭の付近を叩きました。

瓦礫に身を隠して上を見上げると、

空を真っ黒に染めた

黒いカラスたちが

下に向かって剣を投げて来ました。 

ラティルは目を見開き、

あたりを見回すと、

床が崩れる時に目を覚ましたのか、

クロウが遠くに逃げて

こちらを眺めているのが

見えました。

その上、山の向こうから

来るのが見えた彼らは、

ラティルの仲間ではなく、

クロウが集めた仲間のようでした。

 

ラティルは落ちて来る剣を、

自分の剣で叩きのめすと、

再びアニャドミスに突進しました。

クリーミーが杖を抜いたので

時間の制約が生じてしまいました。

なんとかアニャドミスを

ここで倒さなければ

なりませんでした。

 

その時、ラティルは、

何やらギルゴールが

ぎこちなく立ち止まり、

彼の背後に血が上がる姿を見て

目を大きく見開きました。

ラティルはそれを見ながらも、

自分が何を見たのか

すぐには気づきませんでした。

ギルゴールの背後で、

片側だけ残った翼のように

血が宙に流れていました。

 

ラティルは、

透明な対抗者の剣が

ギルゴールの身体を斜めに貫通し、

その剣に沿って血が流れていて、

そのように見えるということを

一歩遅れて認識しました。

時間が止まったかのように、

ラティルは、

ますます目を見開きました。

 

そうするうちに、

次第に剣の形が姿を見せ始め、

アニャドミスの姿まで

ゆっくりと現れました。

アニャドミスは、

ギルゴールのお腹に

剣を突き刺した状態でした。

しかし、アニャドミスは

笑うことも動くことも瞬きもせず、

彼女だけ時間が止まったかのように

じっとしていました。

 

ラティルは、ギルゴールの手が、

アニャドミスの頭の片側、

ラティルが針を入れた部分を

つかんでいるのが見えました。

その部位に針はありませんでしたが 

ただ、針があった場所に、

ギルゴールの親指が

頭を突き抜けて入っていました。

 

止まっていた時間が戻りました。

ラティルは

 

ギルゴール!

 

と叫びました。

 

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ギルゴールはシピサに

死ねと言われたことで、

大きな衝撃を受け、

彼の言う通り死ぬつもりで

アニャドミスとの戦いに

挑んだのではないかと思いました。

後の話で

ギルゴールが生きていることと、

ギルゴールとシピサが和解することも

分かっていますが、

今回のお話は、

とてもせつなかったです。

ギルゴールは心から

家族を愛していたのだと思います。

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