自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 656話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 子供の顔をまともに見られないラティル

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656話 ラティルの産んだ子はアニャドミスの生まれ変わりで、ラティルの命を奪う運命を背負っています。

◇手慣れたギルゴール◇

乳母は眠っている赤ちゃんを抱いて

ラナムンに近づくと、

赤ちゃんを少し抱いてみるよう

促しました。

ラナムンはソファーの後ろに

ぽつんと立っていましたが、

半歩ほど、後ろに下がりました。

しかし、乳母は

知らないふりをして笑いながら

 

早く!

 

と言って、ラナムンに

子供を抱かせました。

側室たちが子供を抱くどころか、

見ようともしないので、乳母は

実の父であるラナムンにでも

子供を抱かせようと思ったのでした。

 

乳母は、

本当にきれいな赤ちゃんだ。

ラナムンとよく似ていると言いました。

突然、赤ちゃんを

抱き締めることになったラナムンは

完全に固まってしまいました。

乳母はラナムンが

赤ちゃんを返して来ることを恐れて

わざと扉の方へ歩いて行き、

ゆりかごが用意できたかどうか

見て来るので、

少し待っていて欲しいと頼みました。

念のため、扉の前には

宮医の助手たちが待機していました。

ラナムンが赤ちゃんを抱くことに

耐えきれなくなったら、

助手たちが素早く中に入って来て

赤ちゃんを抱くことに

なっていました。

 

皇帝は長い間意識がなく、

目覚めるや否や赤ちゃんを産んだので、

子供に会いたがらないかもしれない。

しかし、実父のラナムンは

絶対にそうしてはいけないというのが

乳母の考えでした。

 

扉が閉まる音がすると、

側室たちは同時に

ラナムンを見つめました。

彼は赤ん坊を

困惑の目で見下ろしました。

赤ちゃんは生まれて

数時間しか経っていないのに

髪がふさふさしていました。

髪の色は、

彼とラティル同様、黒いので、

どちらに似ているのか

分かりませんでした。

しかし、目鼻立ちは

彼の子供時代と似ていました。

瞼を少し開く度に現れる黒い瞳は、

明らかにラティルに似ていました。

額に金色の模様がなかったら

本当に可愛いと思いました。

 

ラナムンは子供を

ギュッと抱きしめることが

できませんでした。

しかし、子供を他の人に

渡すこともできませんでした。

小さな生命体は、アニャドミスとは

全く違って見えました。

 

その瞬間、子供が目を半分ほど開けて、

子鹿のように泣き始めました。

ラナムンは子供に耐え切れず、

中腰になったまま

側室たちを見回し、

どうしたらいいのかと尋ねました。

大神官は扉の方へ身体を向けながら

乳母を呼ぶことを提案しました。

 

ラナムンは、

そうすべきだと思うと答えましたが

ギルゴールが、彼の所へ

つかつかと近づきました。

扉を開けようとしていた大神官は

動きを止めました。

それから、ギルゴールは

ラナムンの腕の中から

自然に赤ちゃんを抱き上げ、

立ち止まりました。

側室たちは目を見開きました。

そして、赤ちゃんは、

ギルゴールに抱かれるや否や、

一気に泣き止みました。

 

ギルゴールは、

ラナムンが抱き方を間違えたからだと

指摘しました。

ラナムンは、

同じように抱いていたと思うと

反論しましたが、ギルゴールは

このお姫様にとっては違うと

泰然自若として話し、

赤ちゃんを少し抱きしめました。

赤ちゃんは姿勢が変わっても

ギルゴールの懐で

おとなしくしていました。

 

それが気に入らないクラインは

訳もなくイライラしながら、

なぜ、カルレインは

水を飲みに行くと言ったまま

戻って来ないのかと

文句を言いました。

メラディムは、

近くに水を汲む所がないのだろうかと

尋ねると、

タッシールはクスクス笑いました。

そんなはずがないと

クラインが反論するや否や、

扉が開きました。

 

扉のすぐ前に立っていたザイシンは、

数ヵ月ぶりに見る皇帝の顔に

びっくりして

 

陛下!

 

と叫びました。

カルレインが入ってくると予想し、

じっとしていた側室たちは

ソファーから立ち上がりました。

カルレインは皇帝の後に続いて

入って来ました。

 

皆、久しぶりね。


ラティルは扉のそばに立ち、

側室たちを、

ぐるっと見回しながら

呟きました。

 

陛下、お体はいかがですか?

 

タッシールは、

すぐにラティルに近寄って

尋ねました。

 

陛下、もう歩いても大丈夫ですか?

 

クラインもラティルの前に来ました

 

お部屋で呼ばれるかと思いました。

 

ゲスターは、場所がないため、

ラティルに近寄れないまま

呟きました。

サーナット卿は部屋の片隅で

ラティルを見つめました。

 

久しぶりに会ったからなのか、

ラティルは彼らの姿を見るのが、

以前よりも嬉しく感じました。

彼らを一人一人抱きしめ、

元気だったかと聞きたいと

思いました。

ラティルが何ヶ月も

意識を失っていたせいか、

側室たちは以前より

やつれているように

見えたからでした。

 

ラティルは、

宮医に横になって欲しいと

言われたけれど、

脈拍を測ってもらったところ

体調に問題がなかったので、

無理をしなければ

歩き回ってもいいと

許可をもらったと話しました。

 

それからラティルは

ギルゴールを見つめました。

彼が赤ちゃんを

抱いているのを見ると、

アリタルの初期の記憶の中で、

赤ちゃんを抱いていた

ギルゴールのことが

思い浮かびました。

ギルゴールは

片手で赤ちゃんを抱きながら、

あれこれ用を足したりしていました。

 

メラディムはソファーに座ったまま、

一体、これは

どういうことだったのか。

突然、ロードが倒れ、

目を覚まさないまま、

子供が生まれそうになるなんて、

皆がどれほど驚いたか分からないと

尋ねました。

ラティルは、

メラディムの向かい側へ歩いて行き、

崩れるようにソファーに座りました。

隣にいたサーナット卿とカルレインが

同時にラティルに手を差し出しました。

 

ラティルは、大丈夫だと言って

手を振りました。

しきりに目がギルゴールの方へ

向きましたが、

まずは、側室たちに

話したいことがありました。

 

ラティルは、

意識を失っている間に

初代ロードが、

自分に言おうとしていたことが

分かったと話しました。

赤ちゃんを抱いていた

ギルゴールの動きが止まりました。

ラティルはわざと

タッシールに視線を固定しました。

彼は、

初代ロードは、何と言っていたのかと

尋ねました。

ラティルは、

子供を産まないようにと

言っていたと答えました。

 

その話は、

前にも言ったような気がすると

クラインが口を挟むと、

タッシールは彼の脇腹を突きました。

一方、ラティルは

ギルゴールを見つめてしまいました。

ギルゴールも

赤ちゃんの背中を撫でながら、

ラティルを一緒に見つめました。

彼女がどこからどこまで、

何をどう知っているのか

考えている様子でした。

 

ギルゴールは、ラティルが

前世の体に

しばらく入ることができることを

知っていました。

もしかしたら、そのことを

考えているのかもしれないと

ラティルは思いました。

しかし、ラティルは、

アリタルが伝えてくれたことを

側室たちに話しながら、

ギルゴールの家庭のことを

いちいち話すことはできませんでした。

 

ギルゴールとシピサは、

どちらも過去のことを

話したがりませんでした。

転生者のラティルが尋ねた時も、

2人共、その話をしたくないのか

席を外しました。

彼らが触れられたくない私的な話を

いちいち、側室たちに

話すことはできませんでした。

その代わりにラティルは、

ギルゴールを別の場所へ呼び、

2人で話をしようと誘いました。

◇アリタルの想い◇

部屋を出て、

隣の部屋へ歩いて行ったラティルは

あえてベランダに出ました。

ギルゴールは

何も言わずに付いて来ました。

赤ちゃんは廊下に出た時に、

宮医の助手に預けました。

 

よく眠れた?

 

ラティルがカーテンを開けるや否や、

ギルゴールは、

からかうように尋ねました。

ラティルは、

カーテンを背にして立ち、

幻想の中で度々見た、

ギルゴールの顔を丹念に眺めました。

記憶の中でも、

ずっと考えていましたが、

瞳の形や色が同じなのに、

過去のギルゴールと今のギルゴールは

とても違って見えました。

 

ギルゴールは、

お嬢さんが長い間、眠っていたので

自分が起こさなければ

ならないのではないかと

ずっと考えていたと、

からかっているように呟きましたが

 

アリタルはあなたのことを

とても愛していました。

 

とラティルが静かに囁くや否や、

ギルゴールのいたずらっぽい様子は

消えました。

 

ラティルは、

今、言うべきではなかったと

少し、後悔しましたが、

時間が経ってから言えば、

言葉に信憑性が

なくなってしまうと思いました。

 

続けて、ラティルは、

アリタルがギルゴールの元から

去ったのは、

自分の運命が

繰り返されると思ったから。

アリタルは、自分が去ることが、

ギルゴールを守る方法だと

思ったからだと話しましたが、

話を終える前に、

ギルゴールが近づいて来て、

ラティルの顎を少し持ち上げました。

彼女が頭を上げると、

ギルゴールは優しく唇を重ねました。

唇から、

湿った音が聞こえて来ました。

 

ギルゴールの唇が少し離れた時、

ラティルは彼の額に

自分の額を当てて、

これはどういう意味なのかと

尋ねました。

ギルゴールは、

お嬢さんの唇がきれいだからと

答えました。

 

ラティルは、もっと混乱しました。

唇がきれいだから

口を合わせるの?

アリタルの話を

しないで欲しいという意味?

アリタルの話をしてくれて

ありがとうという意味?

 

ギルゴールの表情だけでは

何も分かりませんでした。

ギルゴールの目は依然として

精神が崩壊するギリギリの

赤い色をしていました。

 

ラティルは、

どういう意味なのかと尋ねると、

ギルゴールが、

再び口付けをして来ました。

アリタルが生きている間、

彼を渇望する気持ちを

一緒に感じていたせいか、

彼の唇は、今日に限って

特に甘く感じられました。

ラティルは、ギルゴールの腰を

自分の方へ引き寄せました。

◇見られていた◇

赤ちゃんの抱き方を

宮医の助手に習い、

やっとのことで赤ちゃんを

抱きしめたラナムンは、

ラティルを探しに

部屋の外へ出ました。

 

彼にとっても、赤ちゃんが

アニャドミスの転生であることは

とても衝撃的でした。

子供の額を見る度に、

アニャドミスのことが思い出され、

忌まわしさを感じました。

 

山での対決の時、

彼女に対抗者の剣を投げたのは

ラナムン自身でした。

何の前触れもなく、頭上に落ちて来た

シャンデリアのことも

思い浮かびました。

だからといって、ずっと子供のことを

知らないふりをするわけには

いきませんでした。

ラティルと子供について

相談してみなければ

なりませんでした。

 

ラナムンは

テラスのカーテンの向こうに、

ラティルとギルゴールを

見つけました。

2人は、長い間、

別れていた恋人のように、

抱き合って、互いに相手を

求めていました。

 

子供がヒヨコのような声を出しながら

足を動かしました。

ラナムンは子供が泣く前に、

すぐにその場を抜け出しました。

ギルゴールと口を合わせたラティルは、

彼の心理を分析するために

熱心に頭を働かせました。

彼はアリタルの話を

聞きたくなかったので

口づけしたのだろうか。

伝えてあげたから口づけしたのか。

それとも、ただ嬉しくて

口づけしたのか、

まったく答えが出ませんでした。

一方、ギルゴールは、

 

お嬢さん、

寝言を言ったと思いますか?


など、意地悪な質問をしました。

 

ギルゴールと別れて

自分の部屋に戻ったラティルは、

宮医が準備しておいた薬を飲み、

簡単に体を洗った後、

再びベッドに横になりました。

半分覚醒したおかげなのか、

体は驚くほど早く回復しました。

しかし、宮医は、

万が一の時に備えて、

ラティルがずっと休むことを

望みました。

しかし、ラティルは、

あまりにも長い間、

意識を失っていたため、

その間のことが、

とても気になりました。

 

ラティルは何とか宮医を帰した後、

すぐに侍従長を呼び出し、

自分が気絶していた間の仕事は

どうしていたのかと尋ねました。

 

侍従長は、

レアン皇子を支持する人々は、

まだ皇配もいないし、

レアン皇子は皇太子教育を

皇帝以上に多く受けたという理由を

挙げて、

皇子を呼んでこようと主張したと

答えました。

 

ラティルは額を押さえて目を細めると

随分、減ったと思ったけれど

レアンの支持者は

しつこく命脈を保っている。

一体どのようにして、レアンが

彼の支持者を管理しているのか

気になるほどだと皮肉を言いました。

 

しかし、侍従長は、

実際、数が大幅に減ったのは事実。

彼らでさえ、

皇帝が何ヶ月も食事もせずに

健康を維持しているのを見て、

強く主張することはできなかったと

言いました。

 

ラティルはレアンの支持者を

装った者たちの中に、

自分のせいで

父親が死んだと思い込んでいる

秘密の腹心は何人いるか

考えてみました。

 

ラティルは他にも

色々聞こうとしましたが

侍女が、先皇后の来訪を伝えに来ると

侍従長はラティルに、

自分は気が利かなかった。

ゆっくり休んでと言って

出て行ってしまいました。

ラティルは、

侍従長は本当に気が利かないと

思いました。

ラティルは仕方なく

母親を迎えました。

 

母親は、赤ちゃんを抱っこした乳母と

一緒に来ました。

母親はラティルに

体の具合について尋ねました。

ラティルは、大丈夫だと言う代わりに

まだまだ大変だと、

わざと仮病を使いました。

乳母が子供を抱いてきた姿が

尋常ではなかったので、

ラティルが、まだ子供を

まともに見たことがないという

話を知って、

連れて来たのは明らかでした。

 

ラティルは、

腕に力が入らないと言いました。

母親は、

長い間意識がなかったからだと

返事をすると、

ラティルの枕元に座り、

手をギュッと握り、

小さな声で祈り始めました。

母親の声を聞くと、

ドキドキしていた心が

次第に収まって来ました。

しかし、少し心が落ち着くや否や、

 

陛下、お子さんを

ご覧になりましたか?

 

と、乳母が、ラティルの赤ちゃんを

見られるようにしてくれました。

 

乳母は、

皇帝以外、

こんなに可愛らしい赤ちゃんは

初めて見た。本当に可愛いので

少し見て欲しい。

目が皇帝と同じだと言って

ラティルに

赤ちゃんを抱けと言うように

押し付けました。

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ギルゴールは、

アリタルが

自分のことを、とても愛していたこと。

自分のために彼女が去ったと聞いて

とても嬉しかったけれども、

何千年もの間、

彼が信じていたこととは

違うことを聞いて、

戸惑いを覚えたかもしれません。

それでも、嬉しいことは嬉しい。

けれども、彼は

性格がひねくれているので

素直に嬉しいと言えなくて、

ラティルに口づけをすることで

自分の気持ちを表現したのではないかと

思いました。

その現場を見てしまったラナムンには

気の毒でしたが、

今のラティルは、

かなりアリタルの感情の影響を

受けているので

しばらくは、ギルゴールが

一番、気になる存在かもしれません。

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