自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 655話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ ラティルの出産

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655話 過去に戻って、アリタルの人生を辿っていたラティルでしたが・・・

◇出産◇

ラティルはアリタルではなく、

自分の心臓の鼓動を

聞くことができました。

そしてラティルは、なぜアリタルが

自分に子供を産まないようにと

言ったのか

その理由が分かりました。

それは、アリタルの選択とその結果が

生まれ変わっても、

繰り返されるからでした。

 

それならば、

ラティルが産んだ子供たちには

二つの運命が決まっているも

同然でした。

もし彼女の子供がセルの道を歩むなら、

彼は母親の命を奪う運命。

もし、シピサの道を歩めば、

その子は・・・と考えていると、

ラティルは激しい痛みで

目を覚ましました。

 

目を開けると、

見慣れた天井が見えました。

宮医が切羽詰まった表情で

彼女のそばにいました。

 

陛下!気がつかれましたか?

 

宮医はラティルを掴んで、

素早く叫びました。

ラティルは、

 

お腹が・・・

 

と辛うじて声を出しました。

骨が砕けるような苦痛で、

まともに息ができませんでした。

宮医は、

赤ちゃんが生まれそうだと

叫びました。

ラティルは目を見開き、

気を引き締めようとしました。

そして、努めて顔を上げてみると

宮医の助手たちが

忙しく走り回っていました。

宮医が隣で何かを叫びました。

 

ラティルは首の力を抜き、

枕に頭を当てました。

お腹の強い痛みも辛いけれど、

それ以上に、

大きな恐怖感を覚えました。

 

時間が、もうそんなに経ったの?

 

アリタルは、自分の転生者に

子供を持たないよう助言しました。

ラティルは、

アリタルの辛い過去を体験しながら

彼女が伝えようとした言葉を

辛うじて知ることができました。

しかし、

ラティルが元の体に戻ってすぐに

子供が生まれるなんて、

選択の余地はありませんでした。

 

ラティルは歯を食いしばり

布団を握りしめましたが、

彼女の力に勝てず、

布団が一気に引きちぎれました

宮医は、冷や汗をかきながら、

 

陛下、しっかりしてください。

 

と叫びました。

ラティルは、別の布団を掴みました。

彼女は、激痛のあまり

何も考えられませんでした。

赤ん坊の泣き声が聞こえても、

半分、正気ではありませんでした。

全身から汗が流れ出て、

指一本動かせず、息を切らしながら

天井を見つめていると、宮医は、

白い毛布に包まれた赤ん坊を

彼女の前に連れて来て、

 

赤ちゃんをご覧ください。

ラナムン様にそっくりな

お姫様です。

 

と告げました。

そして、宮医は歓喜に満ちた声で、

赤ん坊は

神の祝福を受けた方のようだと

告げました。

 

ラティルは腕に力を入れて

なんとか頭を上げましたが、

しばらく目を閉じて、

ぼうっとしていました。

気絶するようなことは

ありませんでしたが、

嵐のように吹きすさぶ出来事に

振り回され、

気が気ではありませんでした。

それでも、ラティルは頑張って

目を開けました。

まっ黒な髪の赤ん坊が、

傲慢な顔をしかめているのが

見えました。宮医は、

 

本当にきれいでしょう?

 

と尋ねました。

しかし、ラティルは

その赤ん坊の顔を見ることが

できませんでした。

ラティルの目に入ったのは、

赤ん坊の額にある

金色の模様だけでした。

 

このようにしておけば、

転生した時に、

すぐ見分けられると思います。

額に金色の模様があるはずです。

 

アニャドミスが封印された日に

そういった議長は、

 

それでは陛下。

今度は正しい選択をしてください。

 

と妙な言葉を吐いたことを

思い浮かべました。

 

宮医は、赤ん坊の額にある

金色の模様を見て欲しい。

赤ん坊は、

とても素晴らしい人物に違いない。

大神官を呼んで、

これが何なのか聞いてみたい。

縁起の良い兆候だと、

はしゃいだ声で叫びました。

そして、ラティルに

赤ん坊を抱いてみるよう勧めました。

 

すると、顔をしかめていた赤ん坊が、

ゆっくりと目を開けました。

赤ん坊の黒い瞳

ラティルの瞳が出会った瞬間、

彼女は悲鳴を上げ、

 

赤ん坊を連れて行け!

 

と叫びました。宮医は驚いて、

 

陛下!

 

と叫びましたが、

ラティルは横になっていたため

彼女の表情を

見ることができませんでした。

赤ん坊は叫ぶように泣き始めました。

 

陛下の赤ちゃんです・・・

 

と、ラティルの背後から

宮医が話しかけましたが、

ラティルは振り向きませんでした。

彼女は両手で耳を塞ぎましたが、

赤ん坊の泣き声を止めることは

できませんでした。

◇大きな問題◇

側室たちは、

皇帝が目覚めたこと、

そして赤ん坊を産んだという

2つの驚くべきニュースを聞いて

急いで駆けつけました。

先皇后、アトラクシー公爵、

ロルド宰相、侍従長、乳母までもが

廊下に留まり、

宮医が出て来るのを待ちました。

 

しばらくすると、

宮医が疲れた表情で

廊下に出て来ました。

扉のそばに寄りかかっていた

ラナムンは、すぐに宮医に近づき、

 

陛下は?

 

と尋ねました。

宮医は、

今は眠っていると答えました。

クラインは目の前にいる

メラディムを押し退けながら

それでも大丈夫なのかと

尋ねました。

 

宮医は、

皇帝の体は普通ではないので、

何とも言えない。

実際、普通の人が

何ヶ月も食べたり飲んだりせずに

健康でいられるはずがない。

そんな中、

子供まで出産したのだからと

答えました。

そして、自分が学んだ医学では

到底説明できない皇帝の健康を

思い浮かべ、眉をしかめながら、

今は疲れて眠っているようだ。

心拍、呼吸、血色共に正常だと

付け加えました。

 

アトラクシー公爵は

子供の様子はどうかと尋ねました。

彼の質問に廊下が静かになりました。

宮医が、

元気で生まれたと答えると

アトラクシー公爵は安堵し、

ため息をつきました。

そして、

皇帝も自分の孫も、

元気で幸いだと言うと、宮医は

本当にきれいなお姫様で、

自分が見たところ、

ラナムン様によく似ていると

話しました。

宮医の言葉に、

アトラクシー公爵の口角が

両耳にかかるくらい上がりました。

彼は、

それならば、世の中で

一番愛らしい赤ちゃんだと

喜びました。

 

宮医は、

皇帝が赤ちゃんを見るや否や

悲鳴を上げたことを

思い出しました。

そのことを考えると、

何となく嫌な感じがしましたが、

彼女は、それについては

口を閉ざすことにしました。

すでに助手たちにも、

徹底的に口止めをしました。

 

皇帝は妊娠初期に気絶し、

出産直前に目が覚めた。

目が覚めるや否や、

ひどい苦痛に苦しみ、

赤ちゃんを産んだので、

戸惑ったのかもしれない。

宮医は、皇帝の顔に

はっきりと浮かび上がった

その恐怖を、

そのように思うことにしました。

 

皇女の悪口を言えないロルド宰相は

鼻で笑うばかりでした。

 

宮医は、

皇女は不思議なことに、

金色の模様まで持って生まれた。

皇帝とラナムン様が対抗者なので

皇女も特別な者として

生まれたようだと、

目に見えて喜んでいる

アトラクシー公爵に

明るく話しました。

宮医は、

皇帝が悲鳴を上げているのを見て

驚きましたが、

公爵が普通に喜んでいるのを

見たせいか、

彼女は気が楽になりました

 

金色の模様?

 

アトラクシー公爵は

目を見開いて聞き返しました。

宮医は、

額に、はっきりと表われていた。

とても美しい模様だったと

にっこり笑いながら答えました。

その言葉にアトラクシー公爵は

高らかに笑いました。

同時に、ロードの仲間たちの表情は

氷のように冷たくなりました。

 

金色の模様は・・・

 

メラディムは呟きながら

タッシールを見つめました。

異様な雰囲気に気づいた

アトラクシー公爵は

戸惑いながら周囲を見回し、

どうしたのか。

何か問題でもあるのかと尋ねました。

大きな問題がありました。

◇不安と拒否感◇

ラティルは天井をずっと見つめました。

繊細に彫られた彫刻を

一つ一つ数えながら、最大限、

頭を空っぽにしようとしました。

そうでなければ、

不安に耐えられませんでした。

しかし、

頭をすっきりさせようとしても、

赤ちゃんとアリタルとセルのことを

考えてしまいました。

 

赤ちゃんの額に、

アニャドミスの転生の印があった。

 

ラティルは、

アニャドミスの生まれ変わりは

500年後くらいに生まれると

思っていました。

1/4の対抗者の力と魂を

縛っておいたからでした。

しかし、ロードであるラティルが

健在なためか、

それとも自分たちが

何かを誤って計算したのか、

それとも議長に騙されたのか、

子供は死んで一年も経たないうちに

ラナムンと自分の子として

生まれました。

 

嫌!

 

そう考えるだけで、

ラティルの全身から

拒否感が湧き起こりました。

棺の中に横たわっている

アニャドミスの青白い顔が

思い浮びました。

彼女と、ある民家の地下室で

戦ったことを思い出しました。

 

アニャドミスの転生でなくても

十分に不吉な子供でした。

アリタルが懸念したことによれば

子供はラティルの命を奪う運命を

持っていました。

最も強いと言われるロードが、

対抗者の手によって死に続け、

対抗者たちが勝利を重ねるのは、

アリタルが意図的に、

セルの手により

命を奪われたからでした。

 

私の子供も私の命を奪う。

 

ラティルは、

ギュッと目を閉じました。

せっかく答えを見つけたのに

選ぶことができないことを

ラティルは嘆きました。

 

ドミスの記憶を見た時は、

これほど時間が

早く流れませんでした。

今回は、どうしてこうなったのか。

アリタルの方が、

ずっと昔の記憶だからなのか。

それとも、

アリタルの何年もの経験を

見守っていたせいなのか。

それとも、

早く後に起こったことを見るために

時間を進めてしまったせいなのか。

 

自分の子供が

自分の命を奪おうとする。

あの子は妊娠した時から

すでに不吉だった。

自分とラナムンに向かって

絶え間なく攻撃を浴びせたと

ラティルは思いました。

 

ラティルは下女が持って来てくれた

新しい布団を

ギュッと抱きしめました。

寒くもないのに

悪寒を感じるように、

ずっと体が震えました。

◇ぞっとする子供◇

眠っていたラティルは、

自分の頭と頬、耳元を

撫でてくれる優しい手を感じ、

ゆっくりと瞼を上げました。

カルレインが、

ベッドの枕元に腰掛けていました。

 

ご主人様、

起こしてしまいましたか?

 

カルレインはラティルと目が合うと

慎重に尋ねました。

ラティルは彼を見て、

目覚めてから

誰にも会っていないことに

気づきました。

 

アリタルの記憶の中で

狂う前のギルゴールの姿を見た

ラティルは、

彼が元に戻れるように

少しずつ努力しようと

考えていました。

そして、側室たちとの会話を重ね、

不必要な誤解を招くようなことは

絶対にしないと決意しました。

しかし、そのすべての考えは、

金色の模様を持つ赤ちゃんを

見るや否や、あっという間に

脇に追いやられてしまいました。

 

ラティルはカルレインに

手を握って欲しいと囁きました。

カルレインはラティルの手を

ギュッと握りました。

あまり閉まっていない窓から

暖かい春の風が入って来ました。

ラティルは、

今、何月なのかと尋ねました。

カルレインは5月だと答えました。

 

ラティルは

カルレインの手の甲に額を当てて

ゆっくり息を吸うと、

 

もう5月・・・

 

と呟き、しばらく目を閉じて

じっとしていました。

 

しばらくして、ラティルは

再び目を開けると、

ギルゴールのことを尋ねました。

カルレインは、

ラティルの隣の部屋に集まっていると

答えました。

ラティルは、

その理由を尋ねました。

カルレインは返事の代わりに

ラティルの手の甲を撫でました。

彼女は、

 

あなたたちも見たのね。

 

と確認しました。

カルレインは、

ため息をつきながら頷くと、

ラティルに、

 

大丈夫ですか?

 

と尋ねました。彼女は、

 

いいえ。

 

と、ぼんやり答えると、

ヒラヒラ揺れている

カーテンを見ました。

 

ラティルは、

再びギルゴールのことを聞きました。

カルレインは、

彼は一言もしゃべっていないと

答えました。

ラティルは、

カルレインの手の甲に

浮き上がっている骨をいじりました。

 

ギルゴールはアリタルと共に

神の呪いについての言葉を見ました。

彼も、今、セルのことを

考えているのだろうか。

それとも、アニャドミスのことを

思い浮かべているのかと

ラティルは考えました。

 

次にラティルは、

ラナムンのことも訪ねました。

カルレインは、

彼も一言も話していないと答えました。

 

ラティルが上体を起こすと、

カルレインは、あっという間に

コップを持って来ました。

ラティルはお礼を言ってから

冷たい水を飲みました。

そのおかげで、

気持ちが少し落ち着きました。

ずっと波風が立っていた頭の中も、

少しずつ落ち着き始めました。

 

ラティルは、

このままでは何も解決しないと呟き

こめかみを押さえました。そして、

魂を引き離した後、

そのままにしておくべきだった。

議長に、そこに何かを

させるべきではなかったと

悔やみました。

しかし、カルレインは、

そうすればアイニの力が

強くなったはずだと反論しました。

けれども、ラティルは、

その方がいいと思うと返事をすると

カルレインにコップを渡し、

ベッドのヘッドボードに

もたれかかって座りました。


ラティルは、

子供の顔をきちんと見られなかった。

額を見た瞬間、

頭が真っ白になって、

何も考えられなくなったと言いました。

 

ラティルはカルレインの手を

両手で掴みながら、

どうしたらいいのか。

今も子供を見ることができない。

アニャドミスは、

自分たちが力を合わせて

退治した人なのに、

その人が自分の子供に

転生したなんて、

それだけでもぞっとするのに、

あの子は・・・

 

自分の命を奪う運命まで背負って

生まれたとは言えませんでした。

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この場に存在するが存在しない人に

機会を与える。

ラティルは、その人が

自分ではないかと思いましたが、

もしも、

アリタルの呪いを解く機会を

与えられたのがラティルなら、

彼女は子供を産まなければ

ならなかったし、

その子供が対抗者である必要が

あったと思います。

ラティルがアリタルと同じ道を

辿ることで、

ラティルはアリタルのように

対抗者である子供に

命を奪われないようにする。

そうすることで、

神の呪いが解けるのではないかと

思います。

今度は正しい選択をしろという

議長の忠告も、

そのことを言っているのだと

思います。

生まれた時から

自分の命を奪う運命を背負い

しかも、アニャドミスの

生まれ変わりであれば、

ラティルが、

その子を嫌うのは当然だけれど

子供を遠ざけて

愛情を注がずにいれば、

アリタルと同じ運命を辿る可能性が

高くなります。

アニャドミスの生まれ変わりでも

子供を愛し大事にすることが

ラティルに与えられた試練なのかも

しれません。

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