85話 いよいよ博覧会当日になりました。 国王の行列は、 大勢の群衆の間を通り、 博覧会の展示場へ向かいました。 大通りと広場を埋め尽くした 人々の歓呼の声が 天と地を揺るがすようでした。 エルナはその勢いに圧倒され、 屋根のない馬車の手すりの 向こ…
689話 ラティルが戻った先は、サーナット卿の家でした。 ◇こいつ、どうしたんだ?◇ 陛下・・・ サーナット卿は 気が抜けたような声で呟きました。 ラティルは、 食事中に来て申し訳なかったと 素早く謝ると ゲスターを突き飛ばしました。 ランスター伯爵は、…
84話 いよいよ王家の人々がやって来ました。 男性たちが集まっている書斎から 追い出された クリスティアン王子が むっとした顔で戻って来ました。 やはりそうだと思ったかのように 笑った王妃は、 テーブルの一番端の席を 目で差しました。 そこは、できる…
688話 ラティルがダガ公爵の墓を掘り起こしていると・・・ ◇ダガ公爵の幽霊◇ 何となく、ラティルは 誰かの心の中を感じました。 声は聞こえませんでしたが 誰かの心の中に、 墓を掘り起こしている自分の姿が 見えました。 誰かがこちらを見つめていました。 …
687話 ラティルはアイニの弟に会いに行きました。 ◇アイニの弟◇ 誰だろう? 子供の本音が聞こえて来ました。 彼は、とても怖がっているようなので ラティルは、 少し後ろに下がりました。 ラティルは、 アイニの弟が幼いことを 知っていたけれど、 実際に向…
686話 ラティルは手紙の上に誰の印影を見つけたのでしょうか? ◇手紙を書いた人◇ ラティルは、眉を顰め、 首を傾げました。この印影を どこかで見たことが あるような気がしました。 ラティルはサーナット卿にも 印影を見せました。 黒魔術師は、 椅子の周り…
262話 グリフィンはサーナット卿に、降りないのかと尋ねました。 ◇ロードは死んだはず◇ サーナット卿は ぼんやりしていましたが、 グリフィンの言葉に ぎょっとしました。 グリフィンは、 癪に障ると言いたげな目で 彼を見ていました。 サーナット卿は グリ…