自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち ネタバレ 原作 29話 あらすじ マンガ 31、32話

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29話 1日1日と時間が過ぎて行きますが、調査は進展しません。

◇新参者◇

ラティルは、

黒林に関すること、

先帝の墓の毀損に関すること、

自分に残された手紙について

調査しながらも、

皇帝としての職務に忠実だったので、

ハーレムから足が遠のきました。

 

あまりにも疲れていたため、

夜はベッドに倒れ込み、

すぐに眠りにつくのが常でした。

このような状態なので、

ハーレムまで歩いて行くのも

大変でした。

 

しかし忙しいだけの

ラティルとは違い、

宮廷の人々は少しずつ平和を取り戻し、

宮廷内の雰囲気も落ち着いてきました。

 

そんな中、

カリセンから思いがけない客が

到着しました。

弟を心配したヒュアツィンテから

クラインの護衛をするように

命じられた、

ヒュアツィンテの近衛騎士団の

副団長アクシアンでした。

 

ヒュアツィンテのそばに

いなくてはならない副団長が

皇帝の使いではなく、

弟の護衛のために、

しかも、

1か月かそこらで帰るのではなく、

数年、あるいは一生、

ここにいることになる仕事のために

遠い異国から直接訪ねて来たことに

ラティルは失笑しました。

 

ラティルも父親が存命中に、

サーナット卿を連れて

カリセンを

訪問したことがありましたが、

一時的な訪問だったので、

それが可能でした。

どんなにラティルを慈しんでいても

彼女が結婚しようとしていたら、

決してサーナット卿を送らなかったと

ラティルは思いました。

彼女は舌打ちしました。

 

アクシアンの居場所を

尋ねたラティルに、

侍従長はハーレムにいると

答えました。

 

カリセンから、

近衛騎士団副団長が

送られて来たことで、

しばらく忘れていた

クラインが

スパイを命じられて

やって来たのではないかという疑いが

再び浮上してきました。

 

それについて、ラティルから

意見を求められた侍従長

返事ができませんでした。

いくらクラインが嫌いでも

1人の人を

スパイだと決めつけるのは

単純に好き嫌いを問うことでは

ありませんでした。

 

深刻な表情で悩んでいる侍従長

ラティルは、

真面目に聞いたのではないと言って、

手を振りました。

そして、ゆっくりと立ち上がると、

新しいお客さんが来たことを

言い訳にして、

ハーレムの雰囲気を見てくると

告げました。

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◇喧嘩◇

ところが、ハーレムの中に入ると

どこからか、

怒りに満ちた叫び声が

聞こえてきました。

クラインの部屋へ向かっていた

ラティルは、向きを変え、

音のする方へ行ってみると、

意外なことに、

そこにクラインがいました。

他に、ゲスターと彼の侍従も

一緒でした。

 

侍従長は、ラティルが来たことを

彼らに知らせようとしましたが、

彼女は、何が起こっているのか、

静かに見てみたいと思い、

侍従長を止めました。

すると側室たちは、

ラティルがいることを知らずに

戦い続けました。

 

申し訳ありません。

絶対にわざとではなく・・・

 

とゲスター。

 

わざとじゃないって?

貴様は魔法使いに

なったとでも言うのか?

なぜ、水が空から降って来るのか?

 

とクライン。

 

ちょっと手が狂って・・・

 

とゲスター。

 

人をバカだと思っているのか?

言い訳するにしても、

もう少し誠意をもって

やったらどう?

 

とクライン。

 

身を隠したまま、

じっと様子を見ていたラティルは、

大まかな状況がわかりました。

 

クラインの美しい銀髪が

びしょぬれになっていて、

その前でゲスターは

震えながら言い訳中。

ゲスターが何かをして、

クラインがあのような状況に

なったようでした。

 

止めましょうか?

 

横からサーナット卿が、

慎重にラティルに尋ねましたが

彼女が答える前に

クラインがラティルの気配に気づき、

彼女の方を向きました。

つられてゲスターも、

ラティルを見ました。

彼の顔は白くなり、俯きました。

クラインの従者は、

心配そうにクラインを眺めました。

 

これ以上、

隠れていられなくなったラティルは

 

どうしたの?

 

と言いながら近づくと、

クラインは、

ゲスターが自分に水をかけたと

訴えました。

 

ゲスターは両手を振って、

それを否定しながら、

 

私は、侍従と話しながら

手を振って・・・

 

と弁解すると、クラインは

 

どのように間違えたら、

水が俺の頭の所へ飛んでくるのか?

そもそも、私の方を向いて

水をかけない限り、

飛んでこないのでは?

お前は間違えると手が上がるのか?

 

と怒鳴りました。

 

ゲスターは、

 

ただ、手の振りが

少し大きくて・・・

 

と言うと、クラインは

 

いいからお前も頭を出せ、早く!

 

と言って拳を握ると、

ゲスターの侍従が前を塞ぎ

目を輝かせました。

すると、

クラインの後ろに立っていた

茶色の髪に赤い目をした

鋭い印象の男が一歩前に出て、

ゲスターの侍従をけん制しました。

ラティルは、その男が

ヒュアツィンテが送って来た

近衛騎士団副団長の

アクシアンだと気付きました。

ゲスターの侍従も勢いはあるけれど、

比較にならないほど、

アクシアンの方が圧倒的に

勢いがありました。

 

武力の争いが起こりそうになったので

侍従長

 

無礼だ!

陛下の前で何をしているんですか?

 

と声を張り上げました。

 

ようやく、ゲスターの侍従と

アクシアンは後ろに下がり、

ラティルに跪きました。

 

ラティルがゲスターとクラインを

見つめると、

ゲスターは、目の縁を赤くして

涙を堪えていて、

クラインはびしょぬれの髪の下で

青い目をギラギラ光らせていました。

2人は表情も雰囲気も

違っていましたが

瞳はかなり似ていると思いました。

彼らは、

ラティルがどちらかの味方をして、

この事態を

収束させることを望んでいました。

 

よりによって、

このタイミングに来てしまった

ラティルは困りました。

 

しかし、事の前後の事情が

分からないのに、

どちらかの肩を持つのは

難しいと思いました。

捜査官を呼んで、

根掘り葉掘り聞けば

どちらが嘘をついているか

分かるけれど、

そこまでしたくありませんでした。

仕方がないので、ラティルは、

どちらの味方にも

ならないことにしました。

 

ラティルは先にゲスターを見ました。

彼は注意深く、

彼女をじっと見ていました。

ゲスターの目を見ていると、

味方になってあげられなくて、

申し訳ないと思いましたが、

視線を逸らすと、

 

ミスでも故意でも、

水をかけたのは、あなたなので

謝りなさい。

 

ときっぱり言いました。

 

ラティルは

ゲスターの顔を見ていませんでしたが

ショックを受けた顔をしていると

思いました。

そして、クラインには、

 

人間誰でも失敗することはある。

故意だと

確信できるわけでもないのだから、

謝罪を受けいれて、水に流しなさい。

 

と言いました。

 

クラインも、

ラティルが肩を持ってくれないことに

悔しそうな顔をしていましたが、

ラティルの普段のイメージのおかげで、

彼に話すのは難しくありませんでした。

 

ラティルは

ゲスターに目配せをしました。

彼は、口ごもりながら

クラインに謝りました。

しかし、クラインの表情は

良くなりませんでした。

クラインは、ラティルが

自分を裏切ったように見つめ、

唇を噛みしめた後、

ぱっと背を向けました。

侍従長は、

呆れて、ものが言えませんでした。

しかし、ラティルは、

自分がクラインの肩を

持たなかったことで

彼が、かなり傷ついたことに

気がつき、

すまない気持ちになりました。

 

たとえゲスターが

本当に誤って水をかけたとしても、

クライン本人が

過ちだからといって

受け入れなければ

故意であろうとミスであろうと、

気分を悪くするのは同じでした。

 

見かねたラティルは、

クラインを別に呼んで

なだめようとしました。

どうせ、ラクシアンについても

調べる必要があったので。

 

ところが、

ラティルが口を開こうとした時、

3人の警備兵が駆けつけて来て、

ラティルを呼びました。

何事かと思い、ラティルは

彼らを見つめると、

真ん中の警備兵が息を切らしながら

先帝の暗殺者が逮捕されたと

報告しました。

 

これまで、

何の手がかりも見つけられなかった

暗殺犯が捕まったことで、

集まっていた人々が同時に固まり、

ラティルも動揺しました。

しかし、兵士たちは

嘘を言っているようには

見えませんでした。

 

ラティルは、

 

歩きながら聞く。

 

と言ってハーレムから出て行きました。

ゲスターとクラインの

喧嘩を仲裁するより

もっと大事なことでした。

 

残されたクラインは

言いたいことが

いっぱいあるといった目で

ラティルの後ろ姿を見つめましたが、

すでに先を進んでいるラティルに

彼は見えませんでした。

 

ラティルが遠ざかってから、

アクシアンが慎重にクラインを呼ぶと

彼はようやくラティルの後ろ姿から

目をそらしました。

 

大丈夫かと尋ねるアクシアンに、

クラインは

 

大丈夫に見えるか?

 

とイライラしながら聞き返し、

ゲスターを睨みつけました。

彼は怖気づいた顔で

おずおずしていました。

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◇来た目的◇

その後、クラインは

自分の部屋へ戻り、

大きな椅子に身を投げ込むように

座りました。

クラインの侍従はタオルで

彼の濡れた顔と髪を拭きました。

 

アクシアンはため息をつきながら、

 

元気で過ごしていらっしゃるか、

陛下が大変心配されていましたが、

あまりうまくいっていないようですね。

 

と呟きました。

 

今来たばかりの奴に何がわかるか。

 

とクラインは反論しましたが、

アクシアンは、

 

今来たばかりだからこそ、

はっきりと見えるものがあります。

 

と言いました。

そして、

 

殿下を寵愛していたら、

殿下の味方をしてくださったはず。

 

アクシアンが言うと、

クラインは

 

心の中では、

私を寵愛してくださっている。

 

と言って、

アクシアンの言葉を否定しました。

 

クラインは、従者が

少しずつ水気を拭きとっているのが

苦手なのか、彼からタオルを奪うと

自分で頭をゴシゴシ擦りましたが、

ため息をついて、タオルを落とすと、

 

でも、それをうまく表現していない。

 

と言いました。

 

表現する気がないのでは

ないでしょうか?

 

アクシアンが言うと、

クラインは、

 

今来た奴に何が分かる。

 

と言いました。

 

アクシアンは、再び

 

今来た者の目にも・・・

 

と言おうとしたので、

クラインは言うのを

止めるように命じました。

そして、椅子から立ち上がると、

ベッドまで、とぼとぼ歩きました。

 

クラインの、

気が抜けた無作法な猫のような姿に

アクシアンは心苦しくなりました。

彼はヒュアツィンテに仕えているけれど

クラインも昔から見て来た皇子でした。

自信に満ち溢れ、恐いものなしで

歩き回っていた皇子が、

喧嘩をして、息巻いた後、

自分で怒りを鎮める姿を

気の毒に思いました。

 

アクシアンは、

 

それでも随分大人になられました。

昔なら、まず殴ったでしょうに。

ヒュアツィンテ陛下がご覧になったら、

誇りに思われるでしょう。

 

と言いました。

 

まさか。

 

と彼は反論しました。

 

クラインはベッドの上で

足をバタバタさせながら、

ぼんやりとベッドの支柱に頭を

当てている時、

思い出したように、

アクシアンの方へ顔を向け、

なぜ、彼が来たのか尋ねました。

 

アクシアンは、

皇帝に殿下の護衛を

言いつかって来たと答えると、

クラインは、

 

俺より弱い奴が護衛をするって?

 

と、アクシアンを侮辱しました。

 

自分の能力を高く評価する

クラインの言葉に

アクシアンはプライドが傷つけられ

眉間にシワを寄せましたが、

事実なので、否定はしませんでした。

 

クラインは柱から頭を離し、

足を少し開いて座ると、

膝の上に肘をついて

手を組んだまま、

アクシアンをじっと見て笑いました。

そして、何のために来たのか、

素直に話すように告げました。

 

アクシアンは、

 

信じてもらえないかもしれませんが

本当に護衛です。

 

と答えました。

 

クラインは、

 

監視では?

 

と問い詰めましたが、

アクシアンは護衛だと

言い張りました。

何度問い詰めても

アクシアンはにっこり笑いながら

同じ返事を繰り返すので、

クラインは舌打ちをして

手を振ると、

 

確かに、

どんな命令を受けて来たとしても

お前が口を開くはずがない。

俺は兄上ではないから。

 

と言いました。

 

アクシアンは

 

そうですね。

 

と答えました。

 

クラインは、護衛はいいので、

来たついでに

お使いをするように命じました。

 

まさか水を汲んで来いという

お使いではないだろうと、

アクシアンは考えていると、

クラインはにやりと笑いました。

 

アクシアンが

潜伏術に長けていることを

知っているクラインは、

 

俺に水をかけた奴に、

同じことをやって来て。

バレないように。

 

と命じました。

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水に関わる、

クラインとゲスターの喧嘩。

マンガでは、31話に

まとめて描かれていますが、

原作では、29話に

事の発端となる事件について

書かれていて、

30話で、クラインとトゥーリの

取っ組合いの喧嘩が

描写されています。

 

しかし、皇帝の近衛騎士団副団長が

側室同士の喧嘩に駆り出されるなんて、

皇子の命令だから

従わざるを得ないとはいえ、

アクシアンは気の毒だと思います。

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