自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 300話 原作 ネタバレ 先読み 自分のイメージが誤解されることを心配するラティル

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300話 ラティルはギルゴールを側室にすることにしましたが・・・

 

◇カリセンへ◇

グリフィンは、

カリセンまで飛んで行って

ダガ公爵が食餌鬼になったかどうか

確認するようにという

ゲスターの命令に従い

一生懸命空を飛んでいました。

自分にこんなことをさせるなんてと

文句を言いながらも、

グリフィンは、

言われたことは

全てやることにしました。

ロードの腹心の中に、

自分ほど

優雅で素晴らしい翼を持つものは

いないので、

面倒でも、仕事をしてあげるしか

ありませんでした。

 

ついに、グリフィンの目に、

タリウムの宮殿とは違う

華やかで大きなカリセンの宮殿が

目に入りました。

グリフィンは、

その上をグルグル飛び回り、

姿を消して、窓際に舞い降りました。

窓ガラス越しに中を見ると、

廊下をピカピカに磨いている人がいたり

大きな机を挟んで何人かの人が

疲れた顔で仕事をしていました。

 

そして、何度か移動しているうちに、

かなり身分が高そうに見える人が

目に入りました。

グリフィンは、

窓に顔を当てて

目に力を入れました。

◇好色漢の皇帝◇

大神官を訪ね、

神聖力を錠剤や水薬の形にする

成果が出たかどうか確認した後、

ラティルは深呼吸をして、

侍従長を呼び、

側室をあと1人だけ入れたいと

話しました。

笑顔でラティルを見ていた

侍従長の顔が、一瞬こわばりました。

素早く表情管理をしたものの、

ラティルは、見逃しませんでした。

 

ラティルは悔しくなりました。

今回は、自分が好きで

側室を迎えるわけではないし、

考えてみれば、

メラディムも勝手に来たし、

大神官も保護するために受け入れた。

それなのに、なぜ自分のイメージが

好色になっているのか。

人が自分のことを好色漢だと騒いでも

気にしないけれど、

幼い頃から自分を見て来た

シャレー侯爵に、

あのような目で見られると

訳もなく心臓がドキドキしました。

しかし、いくら悔しくても

絶対に抗議できませんでした。

ギルゴールは数千年生きている

狂った吸血鬼で、対抗者の師匠。

一方、自分はロードなので、

生きるために

彼を受け入れるという言い訳を

誰にするのか。

カルレインには

後で言い訳をしようと思いました。

 

侍従長は、口をモグモグさせながら

慈愛に満ちた笑顔で

気に入った人がいたら、

連れて来るようにと言いました。

ラティルは、その笑顔に

さらに震撼させられました。

 

ラティルは首まで赤くして、

机に向かいましたが、

横で短くため息をつく音がしました。

ラティルがそちらを見つめると、

侍従長はすぐに謝り、

もう1人側室を入れるのが問題ではなく

今いる側室たちを

あまり訪ねていないことを

思い出したと、話しました。

そして、今いる側室たちを

毎日、充実させてあげるなら

側室が、

20人になろうが100人になろうが

関係ないけれど、

今のラティルは、

側室たちと食事をするだけで、

それほど訪ねていないと

不平を漏らしました。

 

ラティルは、

100人どころか20人もならないし、

当然、他の側室たちも

きちんと面倒を見ると言いました。

それでも、ギルゴールは

入れなければなりませんでした。

彼を選んだように

見せかけているけれど、

自分が生きるために、

彼を側室にするのは必須でした。

これしか、

選択肢はありませんでした。

 

ラティルが恥ずかしがっていると、

侍従長は、すぐに明るい声で、

今度、ラティルに選ばれた、

運のいい男は誰なのかと尋ねましたが

すぐに当惑した声で、

まさか月楼の王子かと聞いて来たので

ラティルは、絶対に違う。

月楼の使節団と一緒に来た人だけれど

王子ではないと答えました。

月楼の使節団の1人なのに、

王子ではないと聞いて、

侍従長は混乱しているようでしたが

ラティルが、

ギルゴールといって

髪の毛が白く、目が赤いと

説明したところで、侍従長は、

いつも、白いコートを着ている彼だと

理解しました。

ラティルは、知っているのかと

尋ねると、侍従長は、

目立つからと、笑いながら答えましたが

しばらくして、微妙な口調で、

確かに、目立つ顔だったと呟いたので、

ラティルは、

自分が抜き差しならない

好色漢になってしまったと

心の中で嘆きました。

ラティルは、

素早く書類に視線を落とすと、

ギルゴールは花が好きなので、

温室に住処を設けてあげるつもりだから

そちらに場所を用意するように

指示しました。

侍従長は、温室かと

聞き返しましたが、ラティルは、

温室の休憩室が

側室の寝室より少し小さいサイズなので

その部屋を使えばいいと返事をしました。

 

ギルゴールが何が好きなのかも

知っていると、

侍従長に指摘されたラティルは、

ぎこちなく笑って、

目をぎゅっと閉じました。

自分が生きるために

彼を連れて来るのだけれど、

本当に大丈夫なのかと

心配になりました。

◇メラディムの怒り◇

仕事が終わって日が暮れる頃、

ラティルは、メラディムに会うため

ハーレムへ行きました。

何度も問題が起きた湖畔は、

たまに、イルカのように

水から飛び出す血人魚が

異質ではあるけれど、

血人魚が住み着いてから、

とてもきれいで平和な上、

はるかにきれいに見えました。


ラティルは、

水を手でパシャパシャ叩いて、

メラディムを呼ぶと、

彼は、ゆっくりと顔を現しました。

青い髪が湖の色に似ていて、

湖に垂れている、

彼のびしょ濡れの髪が

夕陽に赤く照らされると、

とりわけ風情のある雰囲気に

なりました。

同じように水から現れても、

ギルゴールは色情的で危険だけれど

メラディムは非常に神秘的でした。

しかし、血人魚も

人々と友好的な種族ではないので、

あの神秘的な顔に油断してはいけない。

相対的にギルゴールに比べて

穏やかに見えるけれど、

決して油断してはならないと

心の中で言い聞かせ、

メラディムに、少し話があると

言いました。

水の外に出たメラディムは、

どこから持ってきたのか、

手に握っていた長い布を

自分の腰に巻きました。

ラティルがそれを見ていると、

メラディムは、

水の中では人間の足の形が

楽ではない。

腰に布を巻かないと

人々が驚くと説明しました。


ラティルは、

通り過ぎる宮廷人が全くおらず、

周りにも人が来ない所へ

メラディムを連れて行きました。

彼は、

髪の毛についた水気を絞ると、

何の用件で来たのか。

とても久しぶりに会う気がすると

言いました。

ラティルは、メラディムに

元気だったかと尋ねると、

彼は、湖の水質が悪くて、

掃除が大変だったと答えました。

ラティルは、お礼を言うと、

何となく、水が輝いて

きれいになったのは、

血人魚がいるから変わったのではなく

掃除してくれたから、

きれいになったことが分かりました。

ただ、

あそこに住んでいるというだけで

水をきれいにするはずはないのではと

疑問を呈すると、メラディムは、

自分たちが住んでいる所なので

きれいにすると言いました。

 

当然のごとく、湖を

自分たちの家のように話している

笑顔のメラディムを見て、

ラティルは訳もなく皮肉を言いましたが

今は、メラディムをなだめに来たので、

わざと思いやりのあるふりをして

笑って頷きました、

そして、こっそり機会を窺いながら、

いつもと変わらない声で穏やかに、

メラディムが、前に宮殿の中で、

キルゴールと会ったことがあるよねと

確認しました。

とても穏やかな口調で話したのに、

あっという間に、

メラディムの口元から笑みが消え、

無表情になりました。

彼は、会ったことがある。

他に、まだ話はあるかと尋ねました。

 

ラティルはメラディムに、

側室の話を持ち出したら、

どんな反応を示すか、

見当がつくような気もするし、

しないような気がしました。

ラティルはメラディムの冷たい表情に

心臓がドキッとしました。

しかし、急にギルゴールと

また出会うよりは、

あらかじめ言っておいた方が

良いと思い、ラティルは、

湖の近くに住むわけではないけれど

ギルゴールが数週間後くらいに

側室に来ると説明しました。


話を終えるや否や、

メラディムの湿った髪が

あっという間に乾いてしまい、

湖のようだった彼の瞳が、

あっという間に、深い深海のように

変わってしまいました。

 

メラディムは

信じられないといった目で

ラティルを見つめ、声を低くして

ギルゴールはロードの敵だと

言いました。

ラティルは、知っていると

返事をすると、メラディムは、

それならば、なぜ、側室にするのかと

狂った人を見るように

ラティルを見ました。


ラティルは頭の中で

何度も何度も言い訳を考えながら

前にメラディムが、

先代のロードに願いがあったと

話してくれた。

自分の考えでは、

ロードと対抗者が戦い続けていたら、

その願いをかなえることは

できないと思うと話しました。

 

メラディムは、

どうしてそう思うのかと尋ねました。

ラティルは、

戦いを繰り広げる人たちを

好きになる人はいるかと答えましたが

もっと素敵に表現しようと思ったのに、

戦いと言ってしまったことを

後悔しました。

ラティルが、急に顔をしかめたので

メラディムは不思議に思いましたが、

ラティルは、

ギルゴールをハーレムに入れておけば、

数千年間続いてきたロード、

すなわち、自分と対抗者陣営との

戦いの大きさを

小さくすることもできる。

一度でも500年間続いてきた

戦いがなくなれば、

500年周期で悪が復活したら

どうしようという伝説が

なくなるかも知れない。

そう思わないかと尋ねました。


ラティルは、

あまりにも私的な目標なので、

自分が生きたいからだという話は

わざとしませんでした。

カルレインやサーナット卿なら

こんな話をしてもいいけれど、

血人魚は、無条件に

ロードに味方する種族では

ありませんでした。

 

ラティルの説得に

メラディムは目を細めました。

彼の髪は、一本一本、

生命を持っているかのように

揺れ動き、

真っ青な瞳には、

怒りが満ちていましたが、

すぐには怒りませんでした。

一応、ラティルが言ったことを

聞いているということでした。


ラティルは焦る心を隠し、

すべてが

自分の手のひらの下にあるかのように

笑っていました。

自分がギルゴールに

完全に流されていることを

悟られてはなりませんでした。

どのくらい、そうしていたのか。

どこからか

自分を呼ぶ声が聞こえてきました。

誰かがラティルを探していました。

その声を聞いて、

ゆらゆら揺れていた

メラディムの髪が下がりました。

ラティルは彼の目をじっと見つめ、

考えの整理ができただろうかと

考えていると、メラディムは、

自分も側室になると言い出しました。

ラティルが驚いて、彼を眺めると、

メラディムの瞳が

真っ青に燃え上がりました。

 

メラディムは、

人間は、

側室同士が凄絶に暗闘をするので、

自分はギルゴールに付いて行き、

彼を亡き者すると言いました。

ラティルは、

それは暗闘ではないと思うと

反論すると、メラディムは、

ギルゴールを抑えて皇配の座に就く。

彼を公式的に自分の足元に置き、

1日に3回、

その頭を踏んでヒレで頬を叩くと

言いました。

ラティルは、

皇配は側室を踏んで

いじめる場ではないと、

何度も反論しましたが、

メラディムが、

あまりにも独りで威張っているので

割り込むことができませんでした。

とにかく今、彼は

最大限怒りを抑えていることが

分かったので、

ラティルは、考えてみると、

ぼんやり呟きました。

 

ラティルは、

ギルゴールを側室に入れると言った時の

侍従長の表情が浮かび上がり、

胃が痛くなりました。

彼の話を切り出した後に、

メラディムの話まで持ち出せば、

侍従長は、ラティルのことを

好色の水準どころか、

放蕩皇帝と見るかもしれないと

思いました。


もう一度、誰かが自分を呼びました。

ラティルは、

メラディムの肩をたたいた後、

すぐに、そちらへ行きました。

意外にも、

ラティルを探していたのは、

ゲスターの侍従のトゥーリでした。

ラティルが近づくと、

彼はすぐに走ってきて

ぺこりと挨拶すると、

ラティルに話があるので、

ゲスターが彼女を探していることを

伝えました。

トゥーリに付いて行くと、

ゲスターが部屋の近くにいて、

うろうろしているのが見えました。

ラティルを見ると、

ゲスターは顔を赤くし、

誰にも聞こえない言葉を一人で呟き、

すぐに自分の部屋の中に入りました。

やがてドアを閉め、

ゲスターはドアから遠く離れた所に

用心深くラティルを連れて行くと、

小さな声で、

ダガ公爵が食屍鬼であることは

間違いないと話しました。

 

ギルゴールとメラディムのことで

暗くなっていたラティルの顔色が

再び明るくなりました。

ゲスターは、

一度だけダガ孔雀に会えれば、

自分が何とかできると言いました。

 

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どうせ、ラティルは

イケメンの男が好きだと

知れ渡っているのだから、

何人、ハンサムな側室を

連れて来ようが、気にしないで、

開き直っていればいいと思います。

問題なのは、側室を増やすだけで、

跡継ぎを産もうとしないこと。

しかし、

それも時間が解決することなので、

後は、ラティルが、

しっかり皇帝の任務を果たせば

良いと思います。

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