自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 453話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 誰も信じられなくなったラティル

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453話 真実を突き止めたタッシールの胸倉を、カルレインは掴みました。

◇善良なヘイレン◇

タッシールは

胸ぐらを掴まれながらも、

なぜ、自分に腹いせをするのか

分からないと言って、

いつもと変わらない軽い態度で

笑いました。

 

カルレインは

タッシールの目を見つめながら、

サーナット卿と自分が

誤解されるのを覚悟してまで

守ろうとした秘密だったと言いました。


タッシールは、

カルレインの視線を避けることなく

それが八つ当たりの理由か、

一発殴るつもりなのかと

笑いながら尋ねましたが、

カルレインは拳を飛ばすことなく、

押し退けるようにして

タッシールを離しました。

 

それだけでも、タッシールは

フラフラしましたが、

カルレインとしては、

かなりの忍耐力を発揮していました。

 

タッシールが

小さなサイドテーブルにぶつかると、

それは床に倒れ、

大きな音を立てました。

 

カルレインは、

震える拳を抑えるために、

手をギュッと握ると、

タッシールは、

皇帝を護る気持ちより、

功を立てようとする気持ちの方が

強い奴だったんだと

彼の方を見ずに非難しました。

 

皇帝が強張った顔で出て行き、

部屋の中で、何かが倒れる音がすると

ヘイレンは、怒られることを覚悟で

扉を開けました。

そして、急いで、

カルレインとタッシールの間に

入りながら、

何も知らないくせに、

なぜ、うちの若頭を怒るのかと

叫びました。

 

カルレインは、

知っていることが多いから

怒っていると言い返し、

手を振って、

ヘイレンに退けと合図した。

しかし、彼は両腕を広げて

カルレインとタッシールの間から

離れませんでした。

 

祭りの時から数週間、タッシールが

どれだけ苦労して来たかを

知っているヘイレンは、

カルレインの態度に

ひどく腹を立てました。


ヘイレンは、

カルレインが暗殺者ではないかと

うちの若頭が、

どれほど心配していたのか

知っているのか。

そして、暗殺者でないことを願いながら

目にひどいクマができるまで

調査をしていたのを知っているのか。

先帝が皇帝を裏切ったのに、

うちの若頭が、

何か悪い事をしたと言うのかと

叫びました。


カルレインは、

自分の指一本よりも弱い者が

目の前でギャーギャー叫んでいると、

押し退けることもできずに

眉間をしかめました。

小さな黄色いアヒルの子が、

殴るなら殴ってみなさいと

泣いているようで気に障りました。

 

後ろからタッシールが、

もういいと言って

ヘイレンを止めましたが、

彼はびくともせずに息巻いていました。

 

死んだ皇子のことを

生きているかのように語ったり、

そこに、

サーナット卿とカルレインなどが

関わっていることなど、

恐ろしい話がいっぱいでしたが、

それら全てを抑えつけるほど

ヘイレンが信じているのは

タッシールでした。

 

ヘイレンは、

どうでも良くない。

この人間は、若頭に感謝もせずに

暴言を吐いている。

彼は人間ではないと叫びました。

タッシールは、

「墓穴を掘るな」という言葉を飲み込み

ヘイレンを引っ張って

後ろに追いやった後、

カルレインを見ながら、

功績を立てようとする気持ちが

もっと強くなってはいけないのかと

尋ねました。

カルレインは、

タッシールは皇帝の側室だと

答えました。

タッシールは、

カルレインも皇帝の側室だと

言い返しました。

カルレインは、分かっていると

返事をしました。

 

タッシールは、

忘れていたかと思った。

皇帝を、保護者のように助けたからと

言いました。

カルレインは、瞬きもせずに

タッシールを見つめながら、

少しも恥ずかしい気持ちが

ないようだと呟きました。

 

タッシールは、

自分は、その恐ろしい事件に

少しも関わっていないからと返事をして

にっこり笑うと、

ヘイレンの肩を抱きながら、

ラティルは、この国の皇帝なので、

カルレインが与える情報だけを

鵜呑みにする子供ではないと

言いました。

そして、ヘイレンを連れて

急いでカルレインの部屋を出ました。

 

ヘイレンは今、

カルレインが誰なのかも知らずに

激しく攻撃していましたが、

彼は500歳の吸血鬼でした。

互いに体面を保って

礼儀正しく過ごしているけれど、

どう急変するか分からないので

警戒を緩めることができませんでした。

 

ヘイレンは素直に

タッシールに付いて来ましたが

ずっと不平を言い続けました。

 

本当にひどい。

若頭は、

何か悪い意図があって

調査したわけではない。

皇帝に命じられて調査したら、

あのような情報が出て来ただけなのに

それをどうしろというのかと

ヘイレンが言うと、タッシールは

同調しました。

 

そして、ヘイレンは、

自分は本当に悔しい。

皇帝には気の毒だけれど、

その八つ当たりを、

若頭にしてはいけない。

カルレインはとても悪い人だと

言いました。

タッシールは笑って

ヘイレンの頬を引っ張り、

うちのヘイレンはいい子だと

言いました。

 

ヘイレンは、

若頭は善良でもないのに、

なぜ、この件については

愚かなことをするのか分からないと

言いました。

そして、

皇帝は大丈夫だろうか。

これが自分だったら、

ショックで泣いてしまうと思うと言って

心配そうにため息をつきました。

◇涙◇

衝撃が涙腺をギュッと塞いだおかげで

ラティルは泣いていませんでした。

しかし、目元が訳もなく熱くて

頭がクラクラしました。

今立っている場所さえ

分からないほどでした。

 

ラティルは、

ただひたすら歩き続けているうちに、

気づけば、宮殿の外へ出ていました。

そして目の前にあるきれいな邸宅は、

サーナット卿が領地を離れて

首都で生活をする際に

用意しておいた住居でした。

 

ラティルは、

サーナット卿の髪の毛のような

赤みがかったレンガを

ぼんやりと眺めてから、周りを見回し

塀を飛び越えて、中へ入りました。

 

玄関の扉の前まで行って初めて、

ラティルは、

アガシャもここで過ごしているのを

思い出し、扉を叩きました。

 

二度ほど叩いたところで、

後ろから「陛下」と

声をかけられました。

ラティルは後ろを振り向くと、

サーナット卿が目を見開いて

立っていて、ラティルに

なぜ、ここにいるのか尋ねました。

彼女は、それに答える代わりに、

なぜ、サーナット卿は

ここにいるのかと尋ねました。

 

サーナット卿は、

ここは、自分の家だからと答えると

ラティルは、

こんな時間に歩き回っていたので

聞いてみたと言いました。

サーナット卿は、

眠れなくて散歩をしていたと

返事をしました。

 

ラティルは、

サーナット卿の目元を見ました。

吸血鬼だからなのか、

眠れていないにもかかわらず、

彼の肌は滑らかで、

瞳にも疲れている様子が

少しも見えませんでした。

一方、ラティルの顔からは、

そのようなものが窺えたようでした。

 

ラティルをじっと見つめていた

サーナット卿は

彼女の眉間を撫でながら、

何か嫌なことでもあったのかと

尋ねました。

 

ラティルがサーナット卿の手を見ると

彼はすぐに手を下ろしました。

ラティルは、

その手をぎゅっと握りました。

サーナット卿は、

身体をビクッとさせました。

 

ラティルは、

自分も眠れないので、

一緒に散歩をすると言いました。

サーナット卿は、すぐに頷くと、

アガシャが使っている部屋から

庭が見渡せない方へ

ラティルを案内しました。

 

夜なので、

アガシャは寝ているのではないかと

ラティルは言いましたが、

サーナット卿は、

彼女は好奇心旺盛で、

夜でも夜明けでも、よく起きている。

いつ寝ているのか、

分からないくらいだと言うと、

ラティルは、

「可愛い。」と言って笑いました。

しかし、その一瞬の笑いが

ラティルの涙腺を刺激し、

足を踏み出す前に涙が出て来ました。

 

声を出して泣いたわけでもないのに、

サーナット卿は、ラティルより先に

彼女が泣いているのに気づき、

腰を屈めて、

どうしたのかと尋ねました。

 

温かみのある赤い目が、

ラティルの目の高さに合わせて

彼女を見つめました。

彼の瞳が揺れていました。

その瞳の向こうに、ラティルは

自分が泣いているのを見ました。

 

彼女は説明する代わりに

彼を抱きしめました。

サーナット卿のお腹に顔を埋めて、

ずっと抑えていた感情を

一気に吐き出しました。 

◇知っていた方がいい◇

ラティルは、長い間

サーナット卿の腕の中で泣きました。

気がつくと、二人は

庭のベンチに座っていました、

サーナット卿が握ったハンカチは

湿っていました。

ラティルはサーナット卿の袖で

目元を拭い続けていましたが

我に返ると、すぐに上半身を起こし

サーナット卿に謝りました。

 

自分は、服が湿っているのが

好きだから大丈夫だと

サーナット卿が言うと、

ラティルは笑いながら

手の甲で目元を拭きました。

サーナット卿は、

ハンカチでその部分を

もう一度拭いてやりました。

 

ラティルがため息をついていると、

サーナット卿は

彼女の手をぎゅっと握りながら

何があったのかと尋ねました。

 

ラティルは手を引きませんでした。

彼女は、サーナット卿の手から

できるだけ温もりを

感じようとしましたが、

カルレインほどではなくても、

やはり彼も肌が冷たい方なので

温もりは、

全く感じられませんでした。

ラティルの頭の中に、

かすかにタッシールのことが

思い浮かんで消えました。

サーナット卿がラティルを呼ぶと、

彼女は、鼻をすすりながら

「知りました」と告げました。

その言葉だけで、サーナット卿は

ラティルが何を知ったかが分かり

表情が強張りました。


ラティルは再び鼻をすすり、

サーナット卿を見つめながら、

父親が彼を試すために渡した紙には

何が書かれていたのかと尋ねました。

 

サーナット卿は、しばらく黙ったまま

ラティルの手を握っていましたが、

ようやく重いため息をつくと、

皇太女は、伝説に伝わる

ロードの転生だという情報だったと

答えました。


ラティルは、

サーナット卿をじっと見つめ、

先帝が彼の命まで奪おうとした時、

裏切られたと思わなかったのか。

サーナット卿を

最年少近衛騎士団長に

抜擢したのは先帝で、

サーナット卿のことを

とても信頼していたし、

サーナット卿も先帝に

よく従っていたと言いました。


サーナット卿は

ラティルの手のひらに

指で星を描きながら、

残念ではなかったと返事をしました。

 

ラティルは、

それは本当なのか。

少しも残念ではなかったのかと

尋ねました。

 

サーナット卿は、

当時は他のことが

もっと気になっていた。

実は、先帝が自分に預けた紙は

下半分が破れていたと答えました。

ラティルは、手が痒くなったので

もぞもぞすると、サーナット卿は、

ラティルの手のひらに

絵を描くのを止めました。

そして、

今から思えば、その下の方に、

自分を疑う内容が

書かれていたような気がする。

しかし、当時は状況が急変したので

そこまで頭が回らなかった。

その下の方に、皇帝に関する内容が

書かれていたかもしれなかったからと

答えました。

 

ラティルは、

そうかもしれないと返事をすると

ため息をつき、

両手で顔をこすりました。

そして、

明日は目がパンパンに腫れそうだ。

今も、目がズキズキすると呟きました。

 

サーナット卿は、

タッシールが明らかにしたのかと

尋ねました。

ラティルは、

タッシールは賢いと、力なく呟くと

サーナット卿の表情を確認し、

彼の膝を自分の膝で突つき、

自分が命令したので、

怒らないで欲しいと頼みました。

 

サーナット卿は、

ラティルに知られたくなかったと

呟きました。

 

ラティルは、再び両手で顔を包み、

ため息をつくと、

確かに知らなければ、

心はもっと楽だった。

けれども、知っていた方がいい。

今、心が張り裂けそうになっていても

それでも、知っていた方がいい。

そうすれば、もう馬鹿みたいに

誰かを信じたりしなくて済むと言って

拳を握りしめると、

足元を見つめました。

サーナット卿の瞳が揺れましたが、

ラティルがあまりにも強く

拳を握っているので、

彼女の手を

握ることができませんでした。

 

ラティルは、

靴の先をじっと見つめ続けながら、

自分は知らない人100人より

大切な人1人を守りたいのに、

自分の家族は、そうではなかった。

家族は、大切な人1人よりも、

知らない人100人を

守りたかったのだろうと、

沈んだ声で呟きました。

 

サーナット卿は

ラティルの手の甲を自分の手で覆い、

皇帝なので、

そのような命令を下したのだと思う。

仕方がなかったと思うと慰めました。

 

しかし、ラティルは冷たく笑って

手を抜くと、

そのような命令を

下すことができない自分は、

皇帝の資質がないのだと

皮肉を言いました。

 

サーナット卿は、

強く握りしめられた

ラティルの両手を見て、

彼女が、もう誰も信じないと

外部から自らを遮断しているように

見えました。

 

サーナット卿は、

ラティルの言葉を否定し、

彼女は、知らない人100人も、

大切な人1人も、

すべてを守ることができる

皇帝になると言いました。

 

ラティルはサーナット卿を見ました。

彼は、ラティルの方を向くと

少しの揺らぎもない目で、

彼女と目を見合わせたまま、

ラティルは、そうすることができると

断固たる声で言いました。

 

それを聞いてラティルは

少し気分が良くなりましたが、

依然として心の片隅は苦しく、

自分が、

そのような皇帝になったところで

自分の家族は全員自分を捨てた。

自分が、どんなに偉大な皇帝になっても

最後まで、味方の家族は

1人もいなかったという事実は

変わらないと言いました。

 

すると、サーナット卿は、

自分がラティルの家族になると

言いました。

 

ラティルは、サーナット卿に、

どうやって自分の家族になるのかと

力なく聞こうとしましたが、

目を丸くして彼を見つめました。

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皇帝としてのプライドがある

ラティルは、宮殿の中では

絶対に泣いてはいけないと思い

無意識のうちに宮殿の外へ

泣く場所を求めたのかもしれません。

自然と彼女の足が

サーナット卿の家へ向かったのは、

彼が幼馴染で、子供の頃から一緒で

兄みたいな存在だったし、

いつも、ラティルを

護っていたからなのかも

しれません。

 

けれども、サーナット卿から

温もりを感じなかったことで

タッシールのことが

頭をよぎったのは、

もしかしたら、ラティルが

一番、慰めてもらいたいのは

タッシールなのかもしれないと

思いました。

 

血の繋がった家族全員に

裏切られることは

ラティルにとって、

とても辛いことでしょうけれど

側室たちが、

血の繋がった家族以上に

ラティルを愛してくれるのだと

思います。

 

ところで、

身を挺してタッシールを

カルレインから守ろうとした

ヘイレンに対する

タッシールの信頼度は

ますますアップしたと思います。

この2人の主従関係が

とても好きです。

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