自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 619話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 部屋の中を探るアランデル

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619話 ラナムンの痕跡を消したいというサーナット卿の頼みに、ラティルは頷いてしまいました。

◇不愉快な侍女◇

サーナット卿は

ラティルの許可を得ると、

彼女の襟を広げました。

彼の揺れる瞳は、

赤い痕跡の残る部分を

熱のこもった目で見つめました。

 

サーナット卿が

その上に唇を当てると、

ラティルは、

しばらく眉をひそめましたが、

また伸ばしました。

サーナット卿は、

本当に他の男が残した跡を

全て消し去るつもりなのか、

ゆっくり、ゆっくり、

前の痕跡を自分の痕跡で

覆い隠すことに集中しました。

 

ラティルは手を上げて

サーナット卿の首を

両腕で包み込むと、

複雑な気分になりました。

ラティルの目が揺れると、

 

陛下は私の運命です。

 

サーナット卿は

ラティルの耳元で囁きました。 

耳元をくすぐる低い声に

ラティルは鳥肌が立ちました。

 

他でもない私の運命です。

 

サーナット卿

 

陛下が、

私だけの陛下でいて欲しいです。

 

サーナット卿が

ラティルの肩を後ろからつかんで

揉むと、その慣れた手に

ラティルはゆっくりと

緊張が解け始めました。

体に力が入らなくなり、

張り詰めた緊張が少し緩むと、

サーナット卿はラティルを抱いて

ベッドに歩いて行きました。

ふわふわの布団が背中に当たると、

ラティルは手を伸ばして、

サーナット卿の首に

両手をかけて引き寄せました。  

いつも鍛えている硬い筋肉に

ラティルの手が触れると、

彼がビクッとするのが

感じられました。

 

ラティルは、

手をゆっくり下に下ろして、

彼の尻に手を触れると、

こっそりとサーナット卿の顔色を

窺いました。

サーナット卿は、何もしていないのに

首筋から耳、頬が

赤く、熱くなっていました。  

 

陛下の手が・・・

 

彼の筋肉は、

どれだけ、よく鍛えられているのか

まるで彫像のようでした。

ラティルは視線を横に向け、

思う存分、邪心を満たしました 。

 

どうしようもないと思ったのか、

サーナット卿は、

ラティルにされるがままになりながら

ゆっくりと、

ラティルの上着の前を開きました。

すぐに彼の口から、

小さなうめき声が漏れました。

 

陛下・・・

 

その声を不思議に思ったラティルが

サーナット卿を見ると、

彼は、まるで驚嘆するような目で

ラティルを見つめていました。

 

何しているの?

 

ラティルはその視線に呆れるやら、

恥ずかしいやらで、

わざと、ぶっきらぼうに尋ねました。

 

しかし、サーナット卿は何も言わずに

ラティルの唇に自分の唇を重ねました。

サーナット卿が

すっかり興奮しているのを

感じたラティルは、

もっと下に手を下ろしました。

 

その瞬間、

サーナット卿が突然

ラティルの上から降りて

浴室の中に入って扉を閉めました。

 

 

抱きしめていた相手が

突然いなくなってしまったので、

ラティルは戸惑い、

空中に向かって手を振りました。

 

何なの?

あの男はどこに行ったの?

 

ラティルは呆れて

上体を起こそうとしたところ、

絶妙なタイミングで、扉の外から、

 

陛下の朝食をお待ちしました。

 

という声が聞こえて来ました。

 

ラティルは、

笑いがこぼれそうになったので

唇をギュッと噛み締め、

体を震わせました。

どうやら、サーナット卿は、

侍女が扉の前に来る音を聞いて

避難したようでした。

 

陛下?

 

返事がないので、侍女は扉の向こうで

再びラティルを呼びました。

ラティルは、

素早く服のボタンをかけると、

ベッドから起き上がり、

入るよう指示しました。

 

すぐに扉が開き、侍女は

料理を乗せたワゴンを押す下女を連れて

中に入って来ました。

ラティルはテーブルに着きました。

ずっと気分が落ち込んでいましたが

サーナット卿が、

リスのように逃げるのを見て

笑ったからなのか。

忘れていた空腹を感じました。

 

サーナット卿が出て来たら

からかわなければと考えながら、

ラティルは、下女が

ゆっくりとテーブルに

皿を並べるのを見つめました。

そうするうちにラティルは

下女の動く速度が

とても遅いということに気づきました。

普段、下女たちは、

このような仕事を

慎重かつ敏捷にこなすのに、

今日は仕事のプロらしく

ありませんでした。

 

なぜ、あんなに

グズグズしているのかと、

ラティルは訝しげに見ていると

下女は怯えた目で

隣に立っている侍女の顔色を

窺っていました。

そして、侍女は

目をあちこち動かして、

ラティルの部屋の中を

観察しているところでした。

そして、ラティルと目が合うと、

侍女はすぐににっこりと

微笑みましたが、すでにラティルは

その変な行動を見た後でした。

 

下女の手が震えているのを見た

ラティルは、手で合図をして、

彼女を部屋の外へ送り出すと、

侍女に、何をしたのかと尋ねました。

侍女は優しく笑いながら、

皇帝が何を言っているのか分からない。

どうしたのかと尋ねました。

 

ラティルは、

下女が顔色を窺っていたと答えると

侍女は「えっ?」と

しらばっくれましたが、

ラティルは、

食べ物を置いていた人だと指摘し、

侍女自身も、しきりに目を動かして、

自分の部屋を見回していたと

指摘しました。

 

その言葉に、侍女は

しばらく目を伏せて考え込みました。

何か言いたいことがあるけれど、

それを言っていいかどうか

迷っている様子でした。

それに気づいたラティルは、

 

話して見なさい。

 

と勧めると、侍女は目を伏せながら

 

陛下。サーナット卿は純粋な男です。

 

と、ゆっくりと口を開きました。

 

ラティルは、侍女が

何を言おうとしているのかと思い、

眉をつり上げました。

なぜ、彼女が自分に

サーナット卿の話をするのか、

侍女の意図が理解できませんでしたが

そうするうちにラティルは

彼女が、サーナット卿に

片思いしていた侍女だということに

気づきました。

 

侍女のアランデルは、

以前、サーナット卿のことが

好きだと言って、

自分に助けを求めた侍女でした。

サーナット卿が、

この部屋に入るのを見たけれど、

今、姿が見えないので、

隠れているのではないかと

疑っているのだと思いました。

 

他の侍女や下女なら、

別にそんなことは気にせず、

用事だけ済ませて

出て行ったはずだけれど、

アランデルは

サーナット卿が好きなので、

彼が目に見えない位置にいても、

彼がどこにいるか、

いちいち把握したいようでした。

 

ラティルは少し不愉快になって

彼女を見ました。

サーナット卿と、

このような仲ではなかった時は、

彼が誰かと恋人同士になったら

一番近い人がいなくなってしまうので

寂しくなるだろうとは思いましたが、

それだけでした。

しかし、今はサーナット卿が

自分のものだと思っているので、

アランデルがサーナット卿に

依然として関心があることを

露骨に知らせてくると

気分が悪くなりました。

しかし、ラティルはアランデルと

言い争うこともできないので

 

それで?

 

と、わざと笑いながら尋ねましたが

自分が怒っている時に笑われることほど

気分が悪いことはないので、

アランデルの口元が硬直しました。

相手が皇帝であるだけに

怒ることはできませんでしたが、

非常に気分が悪そうに見えました。

 

しかし、アランデルは

すぐに表情を整えると、

サーナット卿は純粋な人なので、

彼の持っているものをすべて捧げてでも

愛する人のそばにいたいと

思うかもしれない。

けれども、皇帝には

8人も側室がいるので、

サーナット卿が、

どんなに皇帝を切なく見つめても、

彼を側室にしないで欲しい。

彼は社交界で最も愛されている男性だ。

スキャンダルに巻き込まれないように

素敵な女性に会えるようにして欲しいと

訴えました。

 

ラティルは、侍女自身が、

サーナット卿は純粋な人なので、

すべてを捧げてでも

愛する人のそばにいたいと

思っていると話したのに、

それでも自分に、

サーナット卿を突っぱねろと言うのかと

笑いながら尋ねました。

 

アランデルは真剣な目で

ラティルを見つめながら

「はい」と答え、

サーナット卿の未来を考えるなら、

皇帝は、すでに好色だという評価を

受けているけれど、

そこにサーナット卿まで

巻き込んではいけないと言いました。

 

ラティルは、

明らかに答えは分かるけれど、

それでも一度聞いてみようと思い、

侍女が今、話してくれたことは、

サーナット卿に

片思いしている人としての忠告なのか

それとも侍女としての忠告なのかと

尋ねました。

 

アランデルは、

すぐには答えられませんでした。

侍女としての忠告だと

言いたいけれども、そう言っても、

信じてもらえないということを

知っているようでした。

結局、アランデルは、少し遅れて、

サーナット卿を愛する者としての

お願いだと答えました。

 

そうですか。 よく考えてみます。

 

ラティルの快い返事に

アランデルの顔が明るくなりましたが

すぐにラティルは彼女に、

これからは宮殿に

侍女として来る必要はないと

告げました。

 

アランデルは、

しばらくラティルを見つめましたが

 

そうします。

 

と冷静に答えました。

 

侍女が出て行った後、

ラティルは完全に食欲を失い、

窓を大きく開けました。

風一つ吹いていないので、

緑色の尖った木々が

揺れることもなく立っていました。

その光景をずっと見ていると、

 

よくできました。

 

とサーナット卿が後ろから

声をかけました。

振り向くと、サーナット卿が、

先程の乱れた姿のままで

立っていました。

ラティルは、にっこり笑って

彼の服のボタンを閉めながら

 

一人で逃げてしまって・・・

 

と、わざと恨み言を言いました。

 

サーナット卿は肩をすくめながら、

ラティルをお風呂に入れて、

自分がベッドに残ったら

もっと変ではないかと返事をしました。

 

ラティルは笑いながら

首を横に振りました。

サーナット卿は、

ラティルの腰を両腕で抱き、

首筋に鼻を当てながら、

皇帝は、すでに一度、

偽皇帝事件の時に、

彼らをまとめて許した。

あの侍女が一線を越えたのは

これで二度目なので、

辞めさせるのが正しい。

陛下の一番の友人となる器ではないと

慰めました。

 

ラティルは、

自分の腰を抱き締めている

サーナット卿の腕に自分の腕を乗せ、

まっすぐ立っている

木を見つめ続けました。

◇なぜ、話に来ないの?◇

結局、ラティルは

朝食を食べることなく、

体を洗ってから仕事をしに行き、

頭を空っぽにして

仕事にだけ没頭しました。

複雑な人間関係については

気にしないように努めました。

 

昼になっても

食欲が出なかったので、

ラティルはお昼も抜こうか、

それとも、コーヒーを飲みながら

他の仕事をしようかと悩んでいた時、

ロルド宰相が急いで中に入って来て、

他の秘書たちは席を外せと

目で合図しました。

 

秘書たちがいなくなると、

ラティルは、どうしたのかと

尋ねました。

ロルド宰相は、

ラティルの机の前へ来ると、

カリセンにいる協力者から連絡が来たと

声を低くして報告しました。

 

ラティルは、一瞬驚きましたが、

先日、ゲスターから聞いた

前ダガ公爵が死んだ話ではないかと

思いました。

 

ラティルは、

何て言って来たのかと尋ねました。

ロルド宰相は、

ヒュアツィンテ皇帝が

ダガ公爵家へ聖騎士団を送ったけれど、

その時、すでに前公爵が死亡していて、

葬儀の途中だった。

聖騎士たちは、呪われた死体は

死んだ後に問題を起こすことがあるし、

また、実際に死んだかどうか

分からないので

遺体を確認すると言ったそうだ。

当然、公爵家は反発したと話しました。

 

ラティルは、

それで確認できなかったのかと

尋ねました。

ロルド宰相は、

結局、聖騎士たちは

無理矢理、確認をした。

その過程で騒ぎが起きて

墓地の職員たちと、

そこを訪れた人たちまで

皆、集まった。

ところが確認してみたら

本当に死んでいて、

闇に染まった死体でもなかったと

説明しました。

 

ラティルは

ダガ前公爵を浄化した話を

すでに聞いていましたが、

初めて聞いたように、

最大限、深刻な表情で頷きました。 

 

続けてロルド宰相は、

前ダガ公爵の遺体に

自決した跡があったそうで、

アイニ前皇后は、

父親が家族に迷惑を与えたくなくて

自決したと泣き叫んだと説明しました。

 

その言葉に、

ラティルは「おお!」と

思わず、感嘆の声を上げたので、

ロルド宰相は「え?」と

訝しみました。

ラティルは、

それは気の毒だと、

急いで悲痛な声を上げました。

ロルド宰相は首を傾げながらも

話を続けました。

 

目撃者が多かったので、

いずれにせよ公爵家は同情票を得た。

ダガ前公爵夫人は利用されたけれど、

すでにアイニ前皇后が

皇后の座から退き、彼女が公爵夫人を

説得してくれたおかげで

ヒュアツィンテ皇帝も

無事に帰って来た。

それだけに止まらず、

前公爵が追い詰められたせいで

死亡したと考える人々が出て来ていると

説明しました。


ロルド宰相は報告を終えると、

ラティルを見つめました。

ラティルは顎を突きながら、

しばらく悩んだ末、

自分たちは、まだ、

知らないふりをするようにと

指示しました。

 

ロルド宰相が退くと、

後ろからサーナット卿が

アイニ前皇后が前ダガ公爵を

手にかけたのだろうか。

タイミングが少し巧妙だと

指摘しました。

 

ラティルは肩をすくめると、

確かに偶然が重なって、

アイニ前皇后に

良い事ばかり起きたのは疑わしいので

その可能性もあると返事をしました。

サーナット卿は、アイニ前皇后が、

前ダガ公爵が追い詰められて

死んだと言っているけれど、

元々、彼は死んでいたと言いました。

 

ラティルは、ラナムンが

急に能力が強くなったと

話していたことを思い出しました。

もしかして、このことと

関連があるのかと考えましたが、

ラナムンのことを思い出すや否や、

ラティルの顔色が悪くなりました。

彼が傷ついた目で、

自分を見上げていたのを

思い出したからでした。

 

息詰まる思いがしたラティルは

首を横に振ると、

再び書類を前に引きながら、

いずれにしても、

この件はカリセン内の事なので、

ヒュアツィンテ皇帝の方から

連絡が来るまでは、

知らん振りをしていなければならないと

呟きました。

 

その時、ラティルは、

ふと、何か変な感覚を覚えました。

どこの国の誰よりも、この手の情報を

詳しく知っているはずのタッシールなら

ロルド宰相よりも、ずっと前に

このことを知っていたはず。

いつもなら、気になることがあると、

自分の所へ来て話してくれるのに、

なぜ、何も言って来ないのかと

訝しみました。

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偽皇帝事件の後、ラティルは、

自分を虐げた侍女や騎士たちを

クビにするかどうか悩みましたが、

結局、解雇しなかったのは、

彼女たちの酷い仕打ちは、

レアンと先皇后に

騙されていたせいだからと

自分自身を納得させたからなのだと

思います。

けれども、今回のアランデルは

個人的な感情から、

ラティルに側室が8人もいるとか、

彼女が好色だとか、

面と向かって皇帝を

非難するようなことを言ったり、

自分が知りたいことを調べるために

下女に指示したりと、

これは、侍女として、

常軌を逸した行動だと思います。

 

アイニと彼女の元侍女くらい、

ラティルとアランデルが

仲が良ければ、

目を瞑ることもできたかもしれませんが

ラティルにとってアランデルは、

ただの使用人の一人にすぎません。

けれども、アランデルは、

ラティルのことを親しい友達のように

思っていたのかもしれません、

 

ラティルがアランデルを解雇したことは

間違っていないと思いますが、

ラティルは、

サーナット卿との関係について

少し後ろめたさを感じているし、

今まで使えてくれた侍女を

クビにすることに、気が咎めて、

スッキリしない気分なのかも

しれません。

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