自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 620話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ タッシールの復讐とラティルの睡魔

f:id:myuieri:20210206055100j:plain

 

620話 ラティルは、なぜタッシールがアイニのことを話しに来なかったのか、不思議に思っています。

◇タッシールの恨み◇

タッシールは、

最近、ずっと忙しかったし、

彼が過労で倒れたのを見た後、

ラティルは、

タッシールが受け持っていた

臨時のハーレム管理業務を

再びクラインに戻しました。

そうすれば、タッシールが忙しくても

以前くらいの余裕を

見つけられるだろうと思いました。

しかし、タッシールは

余裕を見つけるどころか、

側室たちでさえ

最近タッシールを見かけるのが大変だと

話すほど、さらに忙しくなりました。

 

もしかして、アイニのことと

関係があるのだろうか。

 

タッシールは

アイニに恨みがありました。

以前、食屍鬼になったダガ前公爵の

主導権を握るために、

カリセンへ行って来た時、

ラティルはタッシールと親交のある

商団の助けを受けました。

しかし、

そのことが問題となり、

商団の頭は命を奪われたので、

タッシールはアイニとアナッチャに

腹を立てたようでした。

 

もしかして、そのせいだろうか。

 

考えれば考えるほど、

時期的に疑わしくなりました。

アニャドミスが活躍していた時、

彼女の危険について

よく知っていたのは

ロードの仲間ぐらいでした。

アニャドミスが大きな事件を

カリセンとタリウム

一度ずつ起こしたけれど、

彼女の存在を認識した人は

ほとんどいませんでした。

そして、アイニは

アニャドミスが姿を消し、

落ち着きを取り戻すや否や、

すぐに攻撃を受けていました。

まるで誰かが

アニャドミスが消えたことを知って

行動しているようでした。

公の敵が消えたことで、

もしかしたら、タッシールは、

裏で暗躍しているかも

しれませんでした。

 

ラティルは悩んだ末、

自分の訪問を知らせることなく、

タッシールの住居を訪ねてみました。

しかしラティルを見るや否や

彼女が気に入らない

タッシールの侍従ロープが

大きな声で挨拶をしたので、

ラティルの不意の訪問が

無駄になりました。

ラティルは微妙に笑いながら

ロープを見つめていましたが、

タッシールの部屋の扉がぱっと開くと

頭を上げました。

扉に腕をかけたまま、

タッシールが立っていました。

クマがもっと濃くなっていて、

今のタッシールは、

担当区域がさらに広くなった

麻薬商のように見えました。

それでも視線が合うと、

タッシールはうつろな目でも

普段のように笑いながら、

どんな用件で来たのかと尋ねました。

 

ラティルは、

一緒にお茶を飲みたいと答えると、

タッシールは、

自分は先程、十杯ほど飲んだと、

暗に断りました。

しかし、ラティルは、

自分がお茶を飲むので

見守ってくれないかと頼みました。

タッシールは、

仕方がないという風に

ため息をつくと、

部屋の奥を腕で差し示しました。

ラティルは中に入るや否や

タッシールの机の前に

走って行きました。

 

タッシールは不思議そうに

「陛下」と声をかけましたが、

彼女はすでに

机の前に到着していました。

 

タッシールは

ラティルを追いかけて来ましたが

彼女を止める代わりに

ゆっくり歩いて来ながら、

何をしているのかと尋ねました。

ラティルは「疑い」と答えると

机の上の資料をざっと見ましたが

すべて商団の関連資料にしか

見えませんでした。

疑わしいものが見当たらないと

ラティルは、

さっとタッシールを振り返りました。

タッシールはラティルの隣に来ると、

椅子の背もたれに手を突いて立ち、

ヘラヘラ笑いながら、

 

陛下のお気に召したようです。

 

と言いました。

 

ラティルは、タッシールに

すぐに聞いてみようか、

それとも、探りを入れてみようか

考えました。

彼が話したい内容であれば、

すぐに言ったはず。

まだ言っていないということは

秘密にしたいのかも

しれませんでした。

 

ラティルは考えを終えると、

タッシールと腕を組み、

最近彼が自分の所へ来ないので、

とても恋しかったと

平然と言いました。

 

このタッシールも

陛下にとても会いたかったです。

陛下は私より、

私の机がもっと恋しかったようですが。

 

それなのに、

どうして来ないのですか?


恋しさが積もるのを待っていました。

その結果、陛下がこのように

お越しになったのではないですか。

 

今まで、何で忙しかったのですか?

 

陛下を恋しがるのに忙しかったです。

 

ラティルは

タッシールと向かい合っているうちに

上がっていた口角が、

ストンと落ちました。

ラティルが質問する度に、

彼が一分の隙も見せずに

答えを言うので、

ラティルは探りを入れたものの

何も言えませんでした。

 

タッシールの言葉に押された

ラティルは、

それで恋しさが積もったのかと

訳もなく、ブツブツ言いながら

尋ねると、タッシールは

「もちろんです」と答え、

意味深長に笑いながら、

ラティルの手を取って、

自分の胸に当てました。

 

心臓の音を

聞いてみろということだろうか?

 

ラティルは不思議に思って

手を上げたまま

じっとしていましたが、

心臓の鼓動に、

あまり差がありませんでした。

それでは、なぜ、

手をここに当てさせているのか?

ラティルが戸惑いながら

手を離した瞬間。

タッシールの上着

ヒラヒラと落ちたので、

ラティルはびっくりして

尻餅をつきました。

 

それは何ですか?どうして服が?


気に入ったようで嬉しいです。

 

嬉しいのではなく驚いたんです!

 

ラティルは叫び声を上げると

すぐに立ち上がり、

オレンジの皮のように剥けた

タッシールの上着

一枚一枚重ねると、

しばらく、放心状態になりました。

 

また、タッシールのペースに

巻き込まれてしまった。

こんなことをするために

来たわけではないのに。

 

ラティルはタッシールを睨みつけ、

ため息をついて、

ソファーに歩いて行くと、

実は聞きたいことがあって来たと

告げました。

 

タッシールが、

それは何かと尋ねると、ラティルは

もしかして、アイニ前皇后に

起こっていることは、

タッシールの仕業なのか。

前公爵が死んだのは

アイニ前皇后の仕業のようだけれどと

答えました。

 

タッシールがラティルに近づかないので

彼女は、もしかして自分が

あまりにも

直接的な質問をしてしまったのかと

心配になり、

慌てて彼を振り返りましたが、

幸いにもタッシールは、

ただ上着を着替えに行っただけでした。

 

上着を着替えたタッシールは、

ニコニコ笑いながら、

ラティルの向かいのソファに座ると、

自分がしたことなら怒るのかと

尋ねました。

ラティルは、それを否定し、

ただ聞きに来ただけ。

ずっと報告が入ってくる状況だからと

答えました。


ふと、ラティルは、

タッシールの口元に固定された微笑が

少し不吉に思われました。

彼の見た目はいつもと同じだし、

溌溂と話していましたが、

その絵に描いたように完璧な微笑が

わざとらしく感じました。

 

結局、ラティルは、

話したくないなら話さなくてもいいと

言うと、タッシールは

口元を少し下げました。そして、

自分は長い間我慢して、

皇帝の役目が終わるのを待っていた。

自分は皇帝とは違う。

敵を抱き込んだりはしないと

平然とした声で言いました。


ラティルは目を丸くして

タッシールを見つめました。

つまり、彼は、

自分がしたことが正しいと

遠回しに認めているのだろうか。

敵とは、アイニ前皇后のことを

言っているのかと考えました。

 

ラティルは、

どのように反応すれば良いのか、

しばらく決められなかったので、

ぼーっとしていると、

タッシールは、

長い脚をゆったりと組んで座り、

余裕の笑みを浮かべながら、

自分に止めて欲しいのかと尋ねました。

 

ラティルは、

ぼんやりとタッシールの表情を

眺めていましたが、

彼が本当に笑っているのかどうかが

再び気になりました。

タッシールに、

パヒュームローズの商団の頭のことを

聞いた当時、

彼は、それほど悲しんでいる様子は

見せませんでした。

そのことでタッシールは

アイニとアナッチャを憎むようになり

その恨みを胸の片隅に置き、

事件が解決するや否や、

恨みを晴らそうとするほど

憎んでいたことを

ラティルは知りませんでした。

しかし、事がこうなってから、

タッシールがあの時のように

笑っているのを見ると、

ラティルは、彼があの時も怒りを

ぐっと抑えていたことに気づき

遅ればせながら、

罪悪感を覚え心が重くなりました。

 

「止めて欲しいか」と聞く

タッシールの口元は

上がってはいるものの、

彼が絶えず手に持っているものを

弄るのが目に入りました・

 

ラティルは「いいえ」と

沈んだ声で返事をし、

彼の手をつかみました。

彼女は、心が落ち着かなくなりました。

 

ラティルは、

自分がいつ来ると思って、タッシールは

あのような上着を着ていたのかという

質問は、後で時間が経ってから

することにしました。

◇睡魔◇

タッシールと別れたラティルは、

ハーレムの外に出ると、

人がほとんど通らない

奥まった散歩道を

しばらく一人で歩きました。

 

タッシールが笑いながら

話をしたり、

ふざけたりしている間に、ラティルは

自分は側室の面倒をよく見ることが

できないのだろうかと、

何度も考えました。

 

一対一の夫婦なら、

当然してあげられることを

側室たちにしてあげられないことに

改めて申し訳ないと思いました。

タッシールと1対1の夫婦なら、

今よりもっと、彼に対して

情をかけられたし、彼のことを、

もっと知っていたはずだと

思いました。

側室一人一人について

知れば知るほど、

彼らのことが気になりました。

ラティルは、困ったと思いました。


結局、それから数日間、ラティルは

再び仕事だけに没頭して過ごしました。

ラナムンの所へ行けば、

彼の傷ついたような目を思い出し、

タッシールの所へ行けば、

彼の深い傷を推し量れなかったことを

思い出し、

百花に会うことが憚られ、

大神官の所へも行けませんでした。

そして、彼らを避けようとした結果、

ハーレム自体に行かなくなりました。

温室は、

ハーレムより前方にありましたが、

ギルゴールは、またどこかへ行ったのか

姿が見当たりませんでした。

 

侍従長は、

ラティルの誕生日まで

あと数週間しかないので、

そろそろ、どうするか

決めなければならないと

ラティルを急かしました。

 

ああ、そうですね。


と、ラティルが生返事をすると、

侍従長は、

前回は、

まともに楽しめなかったけれど、

今回は、皇帝の威光が上がったので、

パーティー

盛大に開いてみたらどうかと

提案しました。

 

ラティルは、

少し考えてみると返事をし、

誕生日についての

侍従長の提案さえ断り、

何日間か休まず

仕事ばかりしていました。

その効果があったのか、

ラティルは徐々に心が落ち着き、

勇気がまた湧いてきましたが、

あまりにも無理をしたせいか、

今度は少しずつ、

睡魔に襲われ始めました。

執務室で、

ラティルが何度か居眠りをし、

後には、コーヒーを飲みながら

居眠りしたので、

見かねた侍従長

宮医を呼ぶほどでした。

 

ラティルは、

こんなことで、

なぜ宮医を呼ぶのかと

侍従長を非難しましたが、

彼は、分からないではないかと

言い返しました。

 

幸いにも、

ラティルを診察した宮医は、

皇帝はとても健康で

病気ではないと言いました。

侍従長は安堵し、ラティルも、

あまりに心配し過ぎたと思い、

ラナムン、タッシール、

百花の三人のうち、

誰と先にぶつかってみるべきか

悩み始めました。

 

とにかく、

縺れた感情は解かなければならないし

ラティルは皇帝でありロードでした。

彼らより有利で楽な立場にいるので、

彼らの面倒を

見なければなりませんでした。

 

そして、ラティルは悩んだ末、

まずラナムンに

会いに行くことにしました。

ラティルとラナムンは

誕生日が同じであり、しかも誕生日は

数週間後に迫っていました。

彼との感情の縺れを解かなければ、

互いの誕生日に、顔をしかめながら、

会うことになると思いました。

しかし、ラナムンに会いに行く前に

意外にもアイニの方から、

先に使いを送って来ました。

◇アイニからの手紙◇

アイニは皇后の座から降りたので、

彼女が送った人は、

個人の使いとして訪ねて来ました。

ラティルは、謁見室で、

使いを迎える代わりに

執務室で使いからの手紙を

受け取りました。

 

アイニが自分に

手紙を送って来る用件が

あるのだろうか。

前にも彼女は、

個人的に手紙を送って来ましたが、

あまり良い内容ではなかったので

ラティルはゆっくりと封筒を開け、

手紙を取り出すと、

きちんとした文字が並んでいました。

 

侍従長は、

ラティルと微妙な間柄である

アイニ公爵が、何のために

個別に手紙を送って来たのかが気になり

ずっと、ラティルを

見つめていましたが、

意外にも、気が進まなそうに

手紙を開いたラティルの顔が

手紙を読み進めるにつれ、

徐々に無表情に

変わって行きました。

 

どんな内容なのかと、

侍従長が訝しがっている間に、

ラティルは手紙を半分に折って

封筒に戻すと、使いに、

この手紙の内容を知っているのかと

尋ねました。

使いは、不思議そうな顔で

ラティルを見ました。

その様子から、

彼は何も知らないようでした。

 

使いの当惑した表情を見たラティルは

侍従長を振り返りながら、

使いを、空き部屋に閉じ込めるよう

指示しました。

シャレー侯爵が目配せすると、

待機していた秘書たちが走って来て、

使いの腕をつかんで引っ張りました。

使いは、なぜラティルがこうするのか

本当に分からないようで、

彼は捕まりながら

 

急にどうしたんですか? 陛下!

 

と叫びました。

 

秘書たちが使いを連れて行くと、

侍従長は慌てて、

突然、どうしたのか。

アイニ公爵は何と言って来たのかと

尋ねました。

ラティルは封筒の先で机を叩いて

立ち上がりました。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain

f:id:myuieri:20210206071517p:plain

やはり、アイニが窮地に陥った陰には

タッシールがいました。

本当は、すぐにでも

アイニとアナッチャに復讐したいと

思っていたでしょうに、

ラティルに迷惑をかけないよう

好機が訪れるまで辛抱し、

待ち続けたタッシールはすごいです。

もしも、ラティルが

復讐を止めて欲しいと言ったら、

タッシールは、側室を辞めてでも

復讐を遂げたかもしれません。

 

ラティルがいつ来るか分からないのに

タッシールは、

手を触れて離しただけで、

バラバラになる上着

着ていたくらいなので、

ラティルと別れることになったら

深く悲しむことになりそうですが

家族同然だった

パヒュームローズ商団の頭の敵を

取る方を優先しそうな気がしました。

f:id:myuieri:20210206060839j:plain