自分時間を楽しく過ごす 再婚承認を要求しますの先読みネタバレ付き

子供の頃からマンガが大好き。マンガを読むことで自分時間を楽しく過ごしています。再婚承認を要求します、ハーレムの男たちを初めとして、マンガのネタバレを書いています。

ハーレムの男たち 621話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ 努力したけれど報われなかった

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621話 アイニの手紙には、何と書かれていたのでしょうか?

 

◇黙って保護する◇

後で。後で。

 

ラティルは急いで言うと、

扉の方へ走って行きました。

しかし、扉の外に出たラティルは

数歩も歩かないうちに

元の場所に戻って座りました。

 

陛下?

 

侍従長は戸惑い、

ラティルとサーナット卿を

交互に見つめました。

そして、どうしたのかと

尋ねる侍従長に、ラティルは、

考えが変わったと答えました。

その言葉に戸惑っている侍従長

ラティルは、

少し、一人で考えてみたいので

後で話をしようと言いました。

シャレー侯爵は訝しみながらも

外に出ました。

その時、

立ちはだかっていたサーナット卿に

「なぜ、お前は来ないの?」と

目配せしましたが、サーナット卿は、

それでも立ちつくして、

出て行きませんでした。

シャレー侯爵は、

一言、言おうとしましたが、

ラティルがサーナット卿には

何も言わないので、

結局一人で出て行きました。

 

ラティルと2人きりになると、

サーナット卿は声を潜めて、

アイニ前皇后が、

変なことを書いて送って来たのかと

尋ねました。

ラティルは、

アイニ前皇后の立場からすれば

変な言葉ではないと否定しました。

 

サーナット卿は、

ラティルの言葉を聞いて

さらに疑問を抱き、

使いを閉じ込めるよう指示した理由を

尋ねました。

ラティルは、

敵意を見せるためだと答えました。

訳が分からないサーナット卿に

ラティルはアイニの手紙を差し出し、

読んでみるようにと言いました。

 

ラトラシル皇帝陛下。

あなたが病気になったという知らせを

聞きましたが、

今は快癒されましたか? (中略)

私のことについて、

すでにお聞きになっているかも

しれませんが(中略)

こんなことがありました。

この件が、私の家門のせいなら

きちんと対処しなければ

なりませんでしたが、

単純に不満を持った者たちの

抗議と言うには、

時期も内容も変な点が多かったので

個別に調査し始めました。(中略)

 

苦心して調べた結果、

私と私の家門に、

これほど大きな恨みを抱いたのは

タッシールでした。

 

サーナット卿は

ラティルを見つめました。

彼女は足を組んで座り、

机に腕をついて、

空中をじっと見つめていました。

深く考え込んでいるような

顔をしていたので、

サーナット卿は

声をかける代わりに、

再び手紙に視線を落としました。

 

それだけでなく、

タッシールは

大きな商団の後継者なので

財産が多いですよね。(注略)

裏切った使用人たちの家族は皆、

莫大なお金を持って

外国で過ごしています。

私に恨みがありながら、

それだけの財力を持った人は、

どう考えてもタッシールだけです。

クライン皇子も、私の父に

恨みがあるでしょうけれど(中略)

皇子はその場で、仇を討ちましたし、

私の家門よりは、

むしろ私の父に対する私的な恨みに

近いです。(中略)

タッシールが私の家族を

脅かす以上、私はそれに

対処しなければなりません。(中略)

しかし苦労して和解した陛下と

戦いたくないです。

 

サーナット卿は、

再びラティルを見つめました。

彼女は今度は、床に座って

机にもたれかかっていました。

やはり物思いに耽っている

顔だったので、サーナット卿は

もう一度、手紙を見ました。


私がこのことで、

タッシールと戦うことになっても、

これは私の家族を守るためであり、

陛下と敵対するためではありません。

私は陛下のご協力に

深く感謝しています、

陛下と、しばらくの間交わした友情を

大切にしています。(中略)

タッシールが私を攻撃することが

陛下の意思だとは思いません。(中略)

どうか陛下も、

私がタッシールと戦うことになった時

これを陛下への攻撃だとは

思わないでいただきたいと思います。

陛下と何度もお酒を交わしました。

あの時、交わしたお酒の分だけ、

私たちの友情が

築かれたと信じています。(中略)

この手紙を持って行った人に

返事をお願いします。

陛下が、あの者を守るために

戦いに参加すると言っても、

私は陛下を恨みません。

 

サーナット卿は机に手紙を置くと

机の上から頭を突き出し、

下の方にしゃがんでいる

ラティルを見下ろすと、

彼女は机に寄りかかって

ぼんやりとしていましたが、

頭上に影が差すと、頭を上げました。

自分とは逆の向きの

サーナット卿の顔を見ると、

ラティルはにっこり笑って

彼の鼻先を軽く押さえました。

 

ラティルが「どうしたの?」と

尋ねると、サーナット卿は、

タッシールに怒っているのかと

尋ねました。

ラティルは「いいえ」と答えると

肩をすくめて立ち上がりました。

サーナット卿は、

それでは、アイニ前皇后に

怒っているのかと尋ねました。

 

ラティルは、

怒っているわけではない。

このような状況で、

アイニ前皇后も、

じっとしているわけには

いかないだろうと答えました。

 

しかし、サーナット卿は、

ラティルが

落ち込んでいるように見えると

指摘すると、彼女は、

アイニとの関係を良くするために

骨折って来たのに、結局、

別々の道を行くことになったからと

答えました。

 

ラティルは、

アイニと初めて会った日から今まで

殴り合うような戦いをし、

一歩、二人の間が近づいたかと思えば、

三歩遠ざかったことを思い出し、

再びため息をつきました。

 

ヒュアツィンテと和解しようとした

努力より、

アイニと戦わないようにした努力の方が

倍も大きいはずなのに、

結局、このような結末になったことを

ラティルは嘆きました。


サーナット卿は腰を伸ばして

机の後ろに行くと、

ラティルの横に一緒に座りました。

ラティルは、

無意識のうちに横を見ましたが、

サーナット卿の足が、

自分の足より上に上がっているので

彼の膝を軽く押しました。

サーナット卿は、

足の角度を調整しながら、

タッシールの肩を持つつもりなのかと

尋ねました。

 

ラティルは、

タッシールは自分の家族なので、

もちろん、そうする。

アイニ前皇后は、

彼女の家族を守るために

タッシールと戦うのに、

自分が自分の家族である

タッシールを守らなければ、

それこそ、

おかしな話だと答えました。

 

サーナット卿は、

ラティルの顔色を窺いながら、

もしもアイニ前皇后が

自分を攻撃したら

自分も守ってくれるのかと

尋ねました。

 

ラティルは、

もちろん、そうするけれど、

自分は

サーナット卿の騎士だったのかと

尋ねました。

彼はラティルの大げさな質問に

笑って首を横に振りました。

そして、

先程はタッシールの所へ

走って行こうとしたのか。

それならば、

なぜ途中で行くのを止めて、

ここで膝を抱えているのかと

尋ねました。

ラティルは、

タッシールが申し訳ないと

思うかもしれないからと答えました。

その言葉にサーナット卿は

驚きました。


ラティルは数日前に見た

タッシールの虚ろな顔と

クマが濃くなった目元を

思い浮かべました。

いつも笑って過ごしているように

見えるタッシールは

自分が傷ついても、

笑って済ませているように見えますが

傷ついていないわけでは

ありませんでした。

この手紙について知らせた後、

ラティルがアイニと戦うことになれば

タッシールは自分のせいだと思い、

自分を責めるかもしれませんでした。

 

ラティルは、

自分が最初にアニャドミスと戦った時

議長が割り込んだために、

終盤になって計画がひっくり返り、

自分は怪我をして

意識を失ってしまった。

その時も、タッシールは

しばらく静かにしていたけれど、

考えてみたら、タッシールは、

当時、自分自身を

たくさん責めていたのだと思う。

だから、今度は自分が

黙ってタッシールを

保護するつもりだと話しました。


サーナット卿は、

一人で頷きながら話し続ける

ラティルの横顔を見ているうちに

複雑な気分になり、

彼女と一緒に正面を見ました。 

他人より

頭が抜きん出ているタッシールが、

今回の件の陰に彼がいることを

アイニ前皇后に気づかれると

思わなかったのだろうかと

ラティルに言うかどうか悩みましたが、

サーナット卿は、

結局、口を閉じることにしました。

◇仲違いしない◇

その後、気力を取り戻したラティルは、

念のため、

アイニの手紙を保管しておきたいけれど

他の人が見てはいけないので、

預かってもらえないかと

サーナット卿に手紙を渡しながら、

頼みました。

サーナット卿は承知しました。

 

次にラティルは黒死神団の

吸血鬼の傭兵を呼ぶと、

 

互いに家族を守るようにしよう 。

次は、運命が自分たちを

あまり引き離さないことを願う。

 

という言葉を、

アイニ公爵を訪ねて伝えるよう

指示しました。

 

傭兵は手帳を取り出して

ラティルの言葉を

書き取ろうとしましたが、

ラティルは手を振り、

書かないで覚えて行くように。

必ずしも、このまま正確に

伝えなくてもいいと指示しました。

あえてラティルが吸血鬼に

口頭で伝えろと言ったのは。

この言葉が他の人の手に渡り

こちらの弱みとして

使われることを恐れたからでした。

 

傭兵が去ると、ラティルは

また眠くなりそうだったので

コーヒーを飲んでいましたが、

ふと、不安がこみ上げて来て、

椅子をクルクル回しました。

 

一生懸命、努力をしたけれど、

結局アイニと仲違いしてしまった。

アイニが自分と家族を守るために

自ら父親に手をかけたなら、

タッシールとアイニは

ずっと敵同士になる。

自分はタッシールの

味方でなければならないので、

アイニと味方にはなれない。

再びアニャドミスのような

共通の敵が現れない限り、

結局、この部分は

運命に負けてしまった。

ではラナムンとは

どうなるのだろうか。

側室の中で、ラナムンほど

ラティルとぶつかった側室はいない。

クラインともよく喧嘩をしたけれど

彼はラティルだけでなく、

元々、皆とよく喧嘩をした。

一方、ラナムンは、

皆をまとめて無視する傾向があり、

ラティルと衝突し続けていた。

 

そう考えると、

ラティルは不安のあまり

心臓の鼓動が速くなり、

コーヒーカップを置きました。

ラティルは、

ラナムンとは絶対に仲違いしないと

決意しました。

◇黒魔術師のいる洞窟へ◇

そのことで、

色々と考え込んでいたラティルは

夕方になって業務が終わると、

ゲスターを呼び、

以前、タナサンで捕まえて

ゲスターに預けておいた

黒魔術師の教育は

どうなっているのか。

訓練が終わったかどうか、

見に行ってもいいかと尋ねました。

 

アイニは

カリセンの皇后ではないので

カリセンの勢力を利用して

タッシールと衝突することは

できないだろう。

そうなると、アイニは

対抗者の地位を利用して

聖騎士を動かそうとする。

これを止める方法を

考えているうちにラティルは、

前にゲスターに任せた

黒魔術師たちを思い出したのでした。

本格的に攻撃するよりは、

水面下で攻撃しそうだけれど、

それでも念のためにと考えました。

 

ゲスターは、しばらく考えてから

まだ役に立たないけれど、

見に行っても大丈夫だと

答えました。

 

ラティルは、

今行っても大丈夫かと尋ねました。

夕方の時間になっていましたが

夏なので、

空は、まだ明るかったからでした。

窓の外を見たゲスターは頷き、

注意深くラティルに近づくと

腕を広げました。

ラティルがゲスターの腕に抱かれると

彼は、すぐに狐の穴を通って

移動しました。

 

何度乗っても、

適応できない速度に巻き込まれて

移動したラティルは、

ゲスターが放してくれるや否や

よろめきました。

ラティルはゲスターが

狐の穴を通っても元気なのが

不思議だと呟くと、彼は

よく乗るからだと、

恥ずかしそうに返事をしました。

 

そのゲスターの顔を見た

ラティルは、

あの表情で絶対に退くことがなかった

かつての夜のゲスターを思い出して

首を傾げました。

 

ラティルとゲスターが到着したのは

クロウの指示で集まった、

黒魔術師たちがいた、

まさに、あの時の洞窟でした。

黒魔術師たちは、

洞窟のあちこちに散らばって

楽な姿勢で休憩していましたが、

突然現れたラティルとゲスターを見て

ほぼ同時に立ち上がりました。

ラティルはゲスターを見ると、

彼はいつの間にか

狐の仮面をかぶっていました。

ラティルは黒魔術師の方を見ながら

どの程度、訓練が終わったかと

尋ねました。

 

ゲスターが答えようとすると、

以前、この洞窟で

見た覚えがある男の一人が前に出て、

狐の仮面に、

この人は誰かと尋ねました。

どうやら、ここにいる黒魔術師たちは

以前、ラティルが仮面をかぶって

サビの顔で来たので、

ラティルに気づかないようでした。

 

狐の仮面は、

「何て説明しましょうか?」と

尋ねるようにラティルを見ました。

ラティルは、自分が皇帝であることを

彼らは知らないだろうと思い、

ただの仲間だと

言い張ろうとしましたが、

好奇に満ちた目で、

こちらを見ている幼い黒魔術師を

見つけると、

以前、捕まえたクロウが

やたらと叫んでいた言葉を

思い出したので、

ラティルはしばらく悩んだ末、

 

たぶん、ロード?

 

と正直に話しました。

狐の仮面は、まさかラティルが

堂々と話すと思わなったので、

目を丸くして

ラティルを見つめました。

 

しかし、さらに驚いたのは、

周りにいた他の黒魔術師たちでした。

いつも訪ねて来て、

いじめのような厳しい訓練を

させていた狐の仮面が、

どうして他の人を

連れて来たのかと思っていたら

彼女がロードだと言い出したので、

黒魔術師たちの視線が

一気にラティルに集まりました。

しかし、ラティルを一瞥した

黒魔術師たちの目には、

すぐに失望の色が現われました。

外見はとても美しいけれど、

彼らが考えたロードとしての面貌が

全く見えなかったからでした。

 

それに、彼らは

初めて狐の仮面に出会った時、

彼と一緒にいた女が

ロードではないかと思っていたので、

高級な身なりをした

貴族のようなラティルが

気に入りませんでした。

 

何で?

どうして、あんなに

がっかりして見つめているの?

 

彼らの反応にラティルも

納得できませんでした。

歓待を期待したわけでは

ないけれど、いや、実は

歓待を期待したのは事実だけれど、

あんなに、あからさまに

がっかりする必要があるのかと

考えていた時、

前にタナサンでも見た、

あの人気がないという黒魔術師が

前に出て来て、

あのガリガリの貴族の女が

ロードだという証拠を

見せて欲しいと、

狐の仮面に訴えました。

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クロウが

やたらと叫んでいた言葉って

何でしょう?

「騙された」でしょうか?

もし、そうならば、

アニャドミスを倒すために

ラティルは何度もクロウを騙したけれど

目の前にいる

そんなに擦れていなさそうな

目がキラキラしている

幼い黒魔術師を騙すのは忍びなくて

ラティルは本当のことを

言ったのかもしれません。

 

アイニの手紙は、

ラティルへの宣戦布告のように

感じられました。

 

陛下と交わした友情を

大切にしています。

→大切にしていたら、

このような手紙を送って来たり

しないのでは?

 

あの時、交わしたお酒の分だけ、

私たちの友情が

築かれたと信じています。

→ラティルに恩着せがましく

 振舞っているような気が・・・

 

この手紙を持って行った人に

返事をお願いします。

陛下が、あの者を守るために

戦いに参加すると言っても、

私は陛下を恨みません。

→アイニはラティル自身が

タッシールを処罰することを

願っている?

ラティルがタッシールの味方をしても

恨まないと言っているけれど

実際、そうなれば恨むでしょうね。

 

サーナット卿の考えている通り

賢いタッシールは、

アイニが自分を落としいれた人物を

突き止めることなど

想定済だと思います。

アイニがタッシールに

攻撃を開始した時の

彼の反撃が楽しみです。

 

ちなみに、

アイニの手紙の(中略)は

私が(中略)にしたのではなく

原文がそのようになっていましたので

よろしくお願いいたします。

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